
「パフォーマンスが上がらない……」
「常に疲労感がある……」
「仕事への集中力が続かない……」
このように、ビジネスにおいてエネルギー不足を感じていませんか?
その原因は、毎日脳ばかり稼働させて、体をほとんど使っていないことにあるかもしれません。
パソコンで業務をこなし、スマートフォンで情報収集する――
脳は常に多忙なのに、体はいつも静止状態ではないでしょうか。
こうした「脳だけが疲れる」状態が続くと、脳疲労やブレインフォグ(頭にモヤがかかったような状態)を引き起こし、集中力低下や判断ミスにつながることもあります。
脳は、体をケアしなければうまく働きません。
スマートフォンの充電のように、脳もまた、活発に働くためには定期的なチャージ(充電)が必要なのです。
本記事では、デスクワーク中心のビジネスパーソンが脳疲労から回復し、生産性を高めるための具体的な方法を3つご紹介します。
- 「たった10分の軽い運動」で仕事の生産性が向上する【研究で実証】
- 「自然に触れる」と脳機能もメンタルも回復する【認知テストで20%向上】
- 「瞑想」で脳の厚みが増す【2週間で効果を実感】
- よくある質問(FAQ)
「たった10分の軽い運動」で仕事の生産性が向上する【研究で実証】
デスクワークによる脳疲労を解消するには、軽い運動が効果的です。
毎日、運動をしていますか?
多くのビジネスパーソンが、「さすがに毎日やる時間なんてない」と回答するかもしれません。
運動と聞くと、学生時代のきつい部活動や、ジムでの激しいワークアウトなどを思い浮かべるかもしれません。
でもじつは、負荷がそれほど高くなくても、1日たった10分の軽い運動で脳にいい影響がもたらされることがわかっています。
これを証明するのが、2018年にカリフォルニア大学アーバイン校と日本の筑波大学の学者チームが発表した研究です*1。
📊 研究の概要
目的:短時間の低強度運動が脳の記憶機能に影響を与えるかを検証
対象:若い成人36名
方法:固定自転車のペダルを10分間ゆっくり漕ぐ軽い運動後、記憶テストを実施
結果:運動後は記憶力が向上。テストの難易度が高いほど、運動した場合としなかった場合の差が顕著に
たった10分間の軽い運動でも脳に効果があるのであれば、少しの工夫で日常生活に取り入れられる気がしませんか?
仕事の休憩時間に10分間ジョギングしたり、通勤にウォーキングを取り入れるためにひと駅歩いたりするのもよいかもしれません。
筆者も実際に、昼休みに10分間のウォーキングを1週間続けてみました。
それまでは午後になると頭がぼんやりして集中力が途切れがちでしたが、歩く習慣をつけてからは午後の会議でも頭がクリアな状態を保てるようになったのです。
まずは明日の昼休みに、オフィスの周りを10分だけ歩いてみてください。

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「自然に触れる」と脳機能もメンタルも回復する【認知テストで20%向上】
集中力低下やストレスを感じているなら、自然のなかで過ごす時間が脳のリセットに役立ちます。
ミシガン大学の研究チームは、「都市環境と自然環境では、脳の認知機能にどのような違いが生じるか」を調べました。
その結果、市街地を歩いた人と公園を歩いた人に認知テストを受けてもらったところ、後者のほうが成績が20%高かったそうです。
自然に触れることで心が落ち着き、頭が冴えるのです。
『大事なことに集中する』の著者であるカル・ニューポート氏は、自然環境が集中力の回復を助ける理由を次のように説明しています。
自然を歩くときは、注意をどこかに集中させる必要がない。行く手を阻む障壁(混雑した交差点など)がほとんどないし、興味深い刺激で頭が適度にいっぱいになるから、積極的にどこかに注意を向けようとしなくなる。この状態が、集中力の回復を助けるのだ。
*2
つまり、自然環境では脳が「注意を向け続ける」負荷から解放され、疲弊した集中力が自然と回復するというわけです。
また、自然と触れ合うことは、脳機能だけでなくメンタルヘルスにもよい影響を与えます。
森林総合研究所の香川隆英博士(農学博士)によると、森林浴には次のような効果があります*3。
- 前頭葉の沈静化・副交感神経の活性化:心身がリラックスする
- ストレスホルモン「コルチゾール」の低下:ストレス耐性が高まる
- ナチュラルキラー細胞の活性化:免疫力が向上する
なお、効果を得るには芝生広場だけの狭い公園より、小一時間程度で散策できる広さの森や公園が理想的です。
筆者も週末に近所の大きな公園を30分ほど歩くようにしました。
以前は日曜の夜から「また月曜か……」と憂鬱になっていたのですが、緑のなかを歩く習慣をつけてからは、月曜日の朝のだるさが軽減され、週の始まりをすっきりした気持ちで迎えられるようになっています。
今度の週末、近くの公園や緑地を30分歩いてみてください。

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「瞑想」で脳の厚みが増す【2週間で効果を実感】
ブレインフォグや集中力の低下に悩んでいるなら、瞑想(マインドフルネス)が効果的です。
瞑想には、短期記憶と関連があるワーキングメモリの容量を増やし、集中力の持続を高める効果があります。
カリフォルニア大学の研究チームは、「短期間の瞑想訓練が認知能力に与える影響」を検証しました*4。
その結果、1日たった10分の瞑想を2週間続けた学生たちのGRE(大学院進学のための共通テスト)の言語スコアが、460点から520点に上がったそうです。
さらに、瞑想を続けると脳の構造そのものが変化することも判明しています。
2005年にハーバード大学、イエール大学、マサチューセッツ工科大学の共同研究チームが発表した論文では、「瞑想の習慣が脳の構造にどのような影響を与えるか」をMRIで調べました。
その結果、瞑想に熟練している人のほうが、大脳皮質の注意と知覚をつかさどる部位の厚みが増していたそうです。
瞑想は、たった2週間でも効果が出るうえに、長期的に見ても脳に大きなメリットを与えるようですね。
瞑想は、静かな部屋で決まった時間やらなければならないというイメージがあるかもしれません。
しかし、オーストラリア有数の瞑想・マインドフルネス講師であるティム・ブラウン氏いわく、瞑想に必須な時間や場所はないそうです*5。
重要なのは完璧に行なうことではなく、日常に組み込んで継続すること。
時間や場所が確保できないからと先延ばしにしては意味がありません。
たとえば、仕事の休憩時間に目を閉じ、自分の呼吸に意識を向けてみるのもひとつの方法。
具体的には、以下の3ステップで始められます。
1. 姿勢を整える:椅子に座り、背筋を軽く伸ばす
2. 呼吸に集中:鼻からゆっくり吸い、口からゆっくり吐く
3. 雑念を手放す:考えが浮かんでも、また呼吸に意識を戻す
筆者もデスクワークの合間に3分間だけこの方法を試してみました。
それまでは午後になるとブレインフォグに悩まされていたのですが、瞑想後は頭がすっきりクリアになり、次のタスクにスムーズに取りかかれるようになったのです。
今日の仕事終わりに、3分間だけ目を閉じて呼吸に集中してみましょう。
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***
体をおざなりにして、脳ばかりを酷使していませんか。
デスクワーク中心の働き方では、意識的に体を動かさなければ、脳疲労は蓄積する一方です。
業務の合間にほんの10分の運動・瞑想を組み込み、週末には自然と触れ合うことで、脳をしっかり充電しましょう。
それが、翌週のパフォーマンスを最大化する最も確実な投資になるはずです。
よくある質問(FAQ)
Q. 脳疲労やブレインフォグとは何ですか?
A. 脳疲労とは、長時間のデスクワークや情報処理によって脳が疲弊した状態のことです。ブレインフォグは「頭にモヤがかかったような状態」を指し、集中力の低下、判断力の鈍化、思考がまとまらないといった症状が現れます。デスクワーク中心の生活で体を動かさないことが主な原因のひとつです。
Q. なぜ10分の軽い運動で脳が回復するのですか?
A. 2018年のカリフォルニア大学アーバイン校と筑波大学の共同研究によると、10分間の軽い運動(ゆっくりペダルを漕ぐ程度)で脳の海馬が活性化し、記憶力が向上することが確認されています。激しい運動でなくても、ウォーキングやヨガなどの低強度運動で十分な効果が得られます。
Q. 自然に触れると脳にどのような効果がありますか?
A. ミシガン大学の研究では、公園を歩いた人は市街地を歩いた人より認知テストの成績が20%高かったと報告されています。自然環境では脳が「注意を向け続ける」負荷から解放され、集中力が回復します。また、森林浴にはストレスホルモンの低下や免疫力向上の効果もあります。
Q. 瞑想は1日何分から効果がありますか?
A. カリフォルニア大学の研究では、1日10分の瞑想を2週間続けることで認知テストのスコアが向上したと報告されています。まずは3分程度から始め、呼吸に意識を集中するだけでも効果を実感できます。重要なのは完璧に行なうことではなく、日常に組み込んで継続することです。
Q. 忙しくて時間がない場合、どれから始めるべきですか?
A. まずは昼休みの10分間ウォーキングがおすすめです。特別な準備も場所も不要で、オフィスの周りを歩くだけで効果があります。さらに余裕があれば、デスクで3分間の呼吸瞑想を取り入れ、週末に公園を30分散歩する習慣をつけると、脳の回復効果が高まります。
*1 朝日新聞GLOBE+|ほんの10分の軽い運動でも、脳は活性化する
*2 カル・ニューポート(2016),『大事なことに集中する―気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法』, ダイヤモンド社.
*3 Melos|森林浴の効果と方法を、森林総合研究所・農学博士に聞きました
*4 ジェイク・ナップ(2019), 『時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」』, ダイヤモンド社.
*5 Women's Health|5 Things Anyone Starting Meditation Needs To Know
STUDY HACKER 編集部
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