
みなさんは、普段どんな場所で仕事や学習に取り組んでいるでしょうか。
集中しやすい環境は人によってさまざまです。
「作業場所の候補が多すぎて、どれが自分に合っているかわからない」という人も多いはず。
そこで今回は、確保できる時間や重視したいポイント別に、おすすめの集中場所を5つご紹介します。
それぞれのメリット・デメリットを比較しながら、自分に合った環境を見つけるヒントにしてみてください。
- 【おすすめの集中場所1】カフェ
- 【おすすめの集中場所2】図書館やコワーキングスペース
- 【おすすめの集中場所3】自宅・在宅ワーク環境
- 【おすすめの集中場所4】同僚や仲間のそば
- 【おすすめの集中場所5】電車・バス
- 【まとめ】自分に合った集中場所の選び方
- よくある質問(FAQ)
【おすすめの集中場所1】カフェ
一度に長い作業時間を確保でき、適度なざわつきがあるほうが集中できるという方には、カフェがおすすめです。
多くの人が友人との会話やリラックスのために訪れるカフェですが、パソコンで作業したり資料を読み込んだりしている人もよく見受けられます。
カフェで作業するメリットは以下の2点です。
【メリット1】「適度な環境音」で集中できる
カフェは多くの人が利用しているため、完璧な静寂は期待できません。
人の話し声やエスプレッソ・マシーンなどの音は、どうしても耳に入ってくるものです。
しかし、適度に騒音のある環境は創造的なタスクのパフォーマンスを高めてくれると研究で実証されています。
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の経営学教授であるRavi Mehta氏らの研究によると、70dB(テレビやラジオ視聴時の音、リビングでの生活音に相当)程度の環境音があると、適度な負荷が抽象的な思考を促し、創造性が向上すると報告されています。
カフェで聴こえる音に耳を立てていては集中できませんが、勉強に取りかかってしまえば、かえって集中しやすい環境になりえるでしょう。
【メリット2】「観客効果」でモチベーションを維持できる
カフェで作業するもうひとつのメリットとして、学習モチベーションを維持しやすいというものがあります。
周囲に多くの人がいることで「他者に見られている」という意識が働き、作業への集中力が高まることを、心理学用語では「観客効果」と呼びます。
これによりモチベーションを持続し、つい手を止めてしまうことを防げるのです。
さらに、カフェで勉強するには少なくとも1杯のドリンクを頼まなければいけません。
このお金を集中時間への投資と考えると、より生産性も高く取り組めるのではないでしょうか。
【注意点】長時間利用はマナーを守って
ただし、混雑時の長時間利用は周囲の迷惑になることも。
店舗によっては勉強や作業を禁止している場合もあるため、お店のルールを確認しましょう。
1杯のドリンクで何時間も居座るのではなく、適度に追加注文するなどの配慮も大切です。

【おすすめの集中場所2】図書館やコワーキングスペース
まとまった時間は確保できるものの、静かな環境や設備が整った場所で作業したいという方は、図書館やコワーキングスペースがおすすめです。
公共図書館は基本的に無料で利用できますし、コワーキングスペースも比較的安価に使える場所が増えています。
作業場所として活用するメリットはふたつ。
ひとつは集中しやすい環境が整っていること、もうひとつは作業効率を高めるリソースが豊富なことです。
【メリット1】集中しやすい環境が整っている
ほとんどの図書館では、閲覧席での私語や飲食は基本的に禁止されているため、静かな環境で作業したい人には最適です。
一方、コワーキングスペースは図書館ほど静かではありませんが、Wi-Fiや電源が完備されており、Web会議用の個室ブースを備えている施設も多くあります。
オンラインミーティングが入る可能性がある日や、通話しながら作業を進めたい場合には、コワーキングスペースのほうが使い勝手がいいでしょう。
どちらも多くの人が利用しているので、先述した観客効果も期待できます。
【メリット2】作業効率を高めるリソースが豊富
近年、国立国会図書館などの働きで、すでに絶版の書籍や古い論文なども電子データとしてインターネット上で閲覧できるようになっています。
大学や公共の図書館の利便性はとても高いと言えるでしょう。
一方、コワーキングスペースの強みは、ビジネスに特化した設備とコミュニティです。
複合機やモニター、ホワイトボードなどが自由に使える施設も多く、急な印刷や資料作成にも対応できます。
また、フリーランスや起業家など多様な職種の人が集まるため、休憩時間の雑談から思わぬビジネスのヒントや人脈が生まれることも。
「ひとりで黙々と」より「刺激を受けながら」作業したい方には、コワーキングスペースが向いているでしょう。
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【おすすめの集中場所3】自宅・在宅ワーク環境
移動時間をかけずに作業を始めたい方や、人目を気にせずリラックスしながら取り組みたい方には、自宅がおすすめです。
自宅・在宅ワークのメリットは、疲れたときに人目を気にせず気分転換できるところ。
長時間の勉強は疲れてしまいますから、これは大きなメリットです。
ストレスを軽減するために自宅でできるおすすめの手立てが、気分転換に「料理」をすることです。
料理は、既存の素材を組み合わせて新たなものを生み出す創造的な作業であり、ストレス解消に効果的だと言われています。
また、料理のように手先や五感を動かす作業は、気分を安定させるセロトニンなどの神経伝達物質に良い影響を与える可能性があることでも知られています。
仕事で疲れてしまったら、料理で気持ちをリセットしてみてはいかがでしょうか。
【注意点】オン・オフの切り替えを意識する
自宅はリラックスする場所でもあるため、つい気が緩みがちです。
ベッドやソファの近くで作業すると横になりたくなることも。
「この机に座ったら勉強モード」と決めるなど、場所で気持ちを切り替える工夫が効果的です。
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【おすすめの集中場所4】同僚や仲間のそば
長い作業時間は確保できないなかで、アウトプットをより重視したいなら、同僚や仲間と一緒に取り組むのが効果的です。
一緒に作業できるような環境では、「ピア効果」と呼ばれる相乗効果がもたらされます。
ピア効果とは、意識や能力の高い仲間と同じ環境に身を置くことで、お互いに刺激し合い、パフォーマンスが向上するというもの。
また、ひとりで作業するときはインプットが中心になってしまい、アウトプットしようと思うと、ひたすら手を動かすといった方法に限られがちです。
しかし、複数人で互いの知識を共有すれば、相手の理解度は自分の説明力にかかっているというプレッシャーにより、効率的なアウトプットができるようになるのです。

【おすすめの集中場所5】電車・バス
普段からまとまった時間はとれず、アウトプットよりはインプット重視で取り組みたいという方は、電車やバスなど通勤時のスキマ時間を活用しましょう。
こういった公共交通機関で学習を行なうメリットとして、短い時間で一気に集中できるという点があります。
東京大学薬学部教授である池谷裕二氏とベネッセの共同研究によると、中学1年生を対象に「60分の学習を一気に行なうグループ」と「15分の学習を休憩を挟んで3回(計45分)行なったグループ」を比較したところ、学習時間が短いにもかかわらず、後者のグループのほうが1週間後のテストの点数が高かったのだそう。
通勤中や帰宅時、いままで音楽を聴いたりSNSを見たりして時間を潰していた方は、ビジネス書を開いてみる、業界ニュースをチェックする、前日の業務を振り返るなど、短い時間でもできることをぜひ試してみてはいかがでしょうか。
スキルアップだからといって、まとまった時間を用意する必要はないのです。
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【まとめ】自分に合った集中場所の選び方
以上、5つの集中できる場所を紹介してきました。
最後に、タイプ別の選び方をまとめます。
長時間×適度な雑音OK → カフェ
長時間×静かな環境希望 → 図書館
長時間×設備重視・人脈づくりも → コワーキングスペース
自由に休憩したい・移動が面倒 → 自宅
アウトプット重視・仲間と切磋琢磨 → 同僚や仲間のそば
スキマ時間を活用・インプット重視 → 電車・バス
いままでどこで集中したらいいのかわからなかった方が、自分にあった環境を見つけられることを願っています。
よくある質問(FAQ)
Q. カフェで長時間勉強しても大丈夫ですか?
A. 店舗のルールを確認することが大切です。
混雑時は長時間利用を控え、適度に追加注文するなど、マナーを守りましょう。
勉強や作業を禁止している店舗もあるため、事前に確認することをおすすめします。
Q. 自宅で集中できないときはどうすればいいですか?
A. 「この机に座ったら勉強モード」と場所を決めてオン・オフを切り替えたり、スマートフォンを別の部屋に置いたりする工夫が効果的です。
それでも難しい場合は、カフェや図書館など外の環境を試してみましょう。
Q. 通勤時間が短くてもスキマ時間学習は効果がありますか?
A. はい、効果があります。
研究によると、長時間の学習より休憩を挟んだ短時間の分散学習のほうが、記憶の定着に効果的だったという結果も出ています。
5分でも10分でも、積み重ねることで大きな成果につながります。
Q. 静かな場所と騒がしい場所、どちらが集中できますか?
A. 人や作業内容によって異なります。
研究では70dB程度の適度な環境音が創造的なタスクのパフォーマンスを高めるという結果が出ています。
暗記など集中力が必要な作業は静かな場所、アイデア出しなどは適度な雑音がある場所が向いている傾向があります。
*1 Ravi Mehta, Rui Juliet Zhu, Amar Cheema (2012), "Is Noise Always Bad? Exploring the Effects of Ambient Noise on Creative Cognition", Journal of Consumer Research, Vol. 39, No. 4, pp.784-799.
*2 Antonia F. de C. Hamilton, Frida Lind (2016), "Audience effects: what can they tell us about social neuroscience, theory of mind and autism?", Culture and Brain, Vol. 4, No. 2, pp.159-177.
*3 ベネッセコーポレーション(2017)|学習時間を細かく分けた「45分」で「60分」と同等以上の学習効果を発揮
*4 Psychology Today|Kitchen Therapy: Cooking Up Mental Well-Being
STUDY HACKER 編集部
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