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成果はあるのに自信がない「インポスター症候群」——自分を認められない人がやるべき4つのこと

仕事ができるのに自信がもてないビジネスパーソン

たとえば上司にほめられたり、チームリーダーに抜擢されたり、業績が認められ社内表彰されたりといった外的な証拠があるにもかかわらず――

 

「いや、これは自分の実力ではない」

「たまたま運がよかっただけ」

「いつか自分の無能さが周囲に知られるかも。どうしよう……」

こんな思いを抱えてしまう現象を「インポスター症候群」と呼びます。

高い成果を上げているにもかかわらず、自分の知性・スキル・実績を疑い、成功を自分のものとして認識することができない……。他者が自分の能力を過大評価していると考える。いつか偽物であることが露見するかもしれない――と不安を抱えてしまう現象です。*1, *2

今回の記事では、こうした現象を改善するための「意思に頼らない工夫の仕方」をご紹介します。少しでも思い当たる方は、ぜひご確認ください。

インポスター症候群に陥りやすい人

医学教育用の継続教育教材「StatPearls」では、インポスター症候群に陥りやすい人の特徴を次のように伝えています。*1

  • 完璧主義
    「最高でなければならない」という思考で、現実的に達成不可能な基準を自分に課す。小さなミスを「能力不足の証拠」ととらえ自己批判的になる。

  • スーパーヒーロイズム
    能力以上に見せるため過剰に準備する傾向。この追加の負担がメンタルヘルスに悪影響を及ぼす。

  • 失敗恐怖症
    課題に直面すると、失敗や恥をかくことへの不安を感じる。

  • 成功恐怖症
    成功すると期待値が上がったり負担が増えたりする可能性があるため、成功を自分のものとして認識することが難しい。

つまり、どれだけ成果を出しても「自分の力を素直に信じられなくなる心理状態」なのです。こうした内容をふまえ、次項ではその改善策をご紹介します。

改善策1.「完璧の基準」を外部化

株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役であり、メンタルコーチの大平信孝氏は完璧主義の人に「8割の出来」を目指すようアドバイスしています。10割の出来、つまり完璧を目指そうとするとひとつひとつに時間がかかり、効率が悪くなってしまうからです。*3

ただ、完璧主義の人が10を8にしようと言われ、コロッと方針を変えられるとは思えません。ならば「完璧の基準」を外部化してみてはいかがでしょう。

たとえば「上司がOKと言ったら完成」をルール化してしまうのです。上司に協力してもらい、「これでOK」を定型化してもらえるならそれがベスト。

完璧主義者は「期待に応えたい」人が多いので、「相手の期待値=完璧の定義」にすり替えることで動きやすくなるでしょう。

感じのいいボスに「これでOK」と言われ喜ぶビジネスパーソン

改善策2.「失敗データベース」をつくる

失敗を怖がる人に「失敗を前向きにとらえよう」と言っても、意志の力だけでは難しいもの。ならば、感情的にならない仕組みを考えてみてはいかがでしょう。

このようなステップを踏むのです。

  • ステップ1:自分の失敗を「データ化」する
    →AIにザッと伝えデータ化してもらうのがおすすめ
  • ステップ2:「データ」のその後を経過観察
    →AIにその後を伝えまとめてもらうのがおすすめ

データとして扱うことで感情を省き、経過観察で「失敗した→でも大丈夫だった」というパターンを可視化します。そうすれば、「失敗の恐怖は実際より誇張されていた」と認めざるをえません

改善策3. 撤退ルールを先に決めておく

失敗恐怖症の人は「ずっと失敗が続くのではないか」という不安が強い傾向にあります。そのため、事前に出口を明確にしておくことで、挑戦へのハードルが下がるのではないでしょうか。

具体的には、以下のようなルールを設定します。

  • 時間的なルール:「このプロジェクトに1か月間集中して取り組む」
  • 回数的なルール:「最低3回は異なる方法を試してみる」
  • 金銭的なルール:「この予算を超えたら手を引く」

リミットが見えていることで、「失敗の範囲」が限定され、心理的な安全性が高まるはずです。

何か思いついたようなビジネスパーソン

改善策4.「成功の記録」は他者に委託

エグゼクティブコーチのキャロル・キンジー・ゴーマン博士は、「インポスター症候群」の克服方法のひとつに「成功の記録」をつけることをすすめています。その記録を読み直すことで「自己評価が上がる」と同氏は言います。*4

しかし――、

そもそも「これは成功だ」と認識できないのがインポスター症候群の特徴。これはかなりハードルが高いアドバイスです。ならば、自分の判断を介さない仕組みをつくればいいのではないでしょうか。

たとえば以下のように、自分の判断を必要としない方法で「成功の記録」を行なうのです。

  • 「誰かのためになったフォルダ」
    他者からの「ありがとう」「助かりました」という言葉が書かれたメールやチャット内容を保管。内容より蓄積の度合いで「誰かのためになった」事実を自分に認知させる。

  • 自分の報告をAIにまとめてもらう
    毎日仕事を、気軽な気持ちでAIに伝え、AIの判断で「成功箇所を抽出」してもらう。「成功日記」ではなく、「成長日記」「頑張り日記」などにしておけば拒否感を軽減できるはず。

***
MIT スローン経営大学院の労働・組織研究科の助教授 Basima A. Tewfik 氏が4つの研究を検証したところ、インポスター症候群に陥っている人は「より他者中心の姿勢をとる」ため、対人関係において評価されることがわかりました。*2

そんなあなたがバランス感覚を取り戻し、健全な自己認識を保ちながら他者に配慮できればもう怖いものなし。

あなたの本当の価値に、いますぐ気づいてください。

【ライタープロフィール】
青野透子

大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。




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