PC 作業の生産性向上に欠かせないとされるデュアルディスプレイ(※1)ですが、使い方によっては逆に生産性を削いでしまうことがあります。
※1 用語は色々あります(デュアルモニタ、マルチモニタ、メインモニタ、サブモニタ etc)が、ここでは「デュアル」「シングル」「サブ」「メイン」のディスプレイ、で統一します

- 結論
- デュアルディスプレイで生産性が上がるケース
- デュアルディスプレイで生産性が下がるケース
- 生産性とはなにか
- デュアルディスプレイにおける生産性とは
- なぜデュアルディスプレイで生産性が上がるのか
- なぜデュアルディスプレイで生産性が下がるのか
- デュアルディスプレイで生産性が下げないためにはどうすれば良いか
- おわりに
結論
- デュアルディスプレイで生産性が上がるケースでは、遠慮なくデュアルディスプレイを使いましょう
- デュアルディスプレイで生産性が下がるケースでは、サブディスプレイの電源をオフ にしましょう
太字が一番言いたいことです。
以下、デュアルディスプレイの生産性に関する話が長々と続きます。
デュアルディスプレイで生産性が上がるケース
ある一つの仕事 を行うのに必要(※1)なウィンドウが複数あり、かつ ディスプレイ一枚で表示しきれない 場合。
※1 作業中に何度も切り替えや視線移動が生じること
例をいくつか挙げます。
- 複数ウィンドウ間で何度も視線を行き来させる仕事
- 例1: ブラウザに表示したページを見ながらエディタで執筆
- 例2: PDF 文書を見ながら Excel ファイルに記入
- 例3: WinMerge によるファイル比較
- 大きな編集領域と多数のツールウィンドウを要する仕事
- 例1: 製図やイラスト作成
- 例2: IDE を用いたプログラミング
デュアルディスプレイで生産性が下がるケース
ディスプレイ一枚に表示しきれるウィンドウ の範囲内で、特に集中を要する仕事 を行う場合。
例をいくつか挙げます。
- サブディスプレイに Twitter のタイムラインを表示したまま、メインディスプレイで論文 PDF を読む
- サブディスプレイに調べ物用ブラウザを表示したまま、メインディスプレイで執筆する
生産性とはなにか
厳密に定義を追うことは避けますが、私は以下のように理解しています。
「ある仕事に最高の状態(調子と集中力)をもって集中的に取り組み、その仕事を終わらせたときの効率」にどれだけ近づいているか
たとえば、この記事を最高の状態で仕上げたときに 20 分かかるとします。仮に 20~30 分で書き終えたら、(最高に近いので)生産性は高いでしょう。逆に一時間以上かかったのなら、(最高から遠いので)生産性は高くありません。
つまり生産性とは どれだけ本調子で、どれだけ集中できているか という 主観的指標 です。
デュアルディスプレイにおける生産性とは
生産性には「調子」と「集中」の二つの因子がありますが、このうちデュアルディスプレイが絡むのは後者の「集中」だけです。
なので「デュアルディスプレイにおける生産性」について議論する際は、「デュアルディスプレイにおける集中の度合い」について議論すれば良いと言えます。
もっと言えば、デュアルディスプレイによって集中しやすくなれば生産性が上がると言えますし、デュアルディスプレイによって集中しにくくなれば生産性は下がると言えます。
なぜデュアルディスプレイで生産性が上がるのか
デュアルディスプレイを使うと、使わない場合と比べて スイッチングコスト(※1)が小さくなる からです。
※1 スイッチングコストとは、ここではウィンドウの切り替えやウィンドウ間の視線移動など「操作対象のウィンドウ」へのフォーカスに要するコストを指します。
最も小さいスイッチングコストは「ただ視線をずらすだけ」です。これはほとんど集中を阻害しません。
逆にスイッチングする度にマウス操作やキーボード操作を多々要する場合は、操作に気を取られてしまうため、集中が阻害されてしまいます。シングルディスプレイだと、しばしばこの現象が起きます。
例:
- Alt + Tab で切り替える必要がある
- タスクバーをクリックして切り替える必要がある
- ウィンドウの位置をずらしたり、最小化したりして邪魔な(今操作しない)ウィンドウをどける必要がある
なぜデュアルディスプレイで生産性が下がるのか
サブディスプレイ側に表示しているウィンドウに気を取られてしまい、集中が削がれる からです。
ここに意志は関係がありません。人は目に入った言葉やイラストを瞬時に理解してしまいます。見慣れたウィンドウ(たいていはブラウザやコミュニケーションツールのクライアントアプリだと思いますだと思います)ならなおさらです。
デュアルディスプレイで生産性が下げないためにはどうすれば良いか
集中したい時は、サブディスプレイの電源を切ってしまう ことです。
もちろん、サブディスプレイ(側に立ち上げたウィンドウ)を使わなくても済むよう、事前に調整しておく必要はあります。
例:
- メールやチャットなどで緊急の用件が飛んでこないタイミングで作業する
- 調べ物は一通り行っておく(執筆に専念できるようにしておく)
Q: 単にウィンドウを最小化すれば良いのでは?
おすすめしません。
なぜなら 何も表示されていないサブディスプレイ側の余白が気になってしまい 集中が削がれるからです。
一瞬削がれたところで、反射的に最小化を解除してしまい……なんてことはよくある話です。
Q: ウィンドウ(を表示してるアプリ)を終了すれば良いのでは?
おすすめしません。
余白が気になることは変わりませんし、あとで起動するのも面倒くさいからです。
ここで「終了してないと Alt + Tab やタスクバー上に表示されて気になるのでは?」という疑問があるかもしれませんが、意外と気になりません。もっともタスクバーは人次第かもしれませんが、そもそも集中しているときは Alt + Tab もほとんど使わないはずです。
おわりに
デュアルディスプレイでも生産性を削ぐケースがあることについてまとめてみました。一言で言えば 集中したいときはサブディスプレイの電源を切れ です。
また、関連する話題として、生産性の定義から Q&A まで雑多に取り上げました。
参考になれば幸いです。