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三世代のダメージ分布は均等である(不均等ではない)件について

ダメージが算出される過程において「乱数補正」というような概念がある。
「ダメージに85~100の乱数をかけ、その後100で割る」の部分。
この、「85~100の乱数」の確率分布について、1/39,2/39,3/39...のように不均一である、というのが、自分を含む三世代対戦界隈での共通認識だった*1が、これは誤解で、85~100の乱数分布は均一である、ということがわかった。これは新事実ではなく、解析界隈の中では三世代当時の頃から知られていたことだが、上記の情報(不均等説と呼ぶことにする)が三世代対戦界隈の中で長いこと定着してしまっており、その後正確な知識が最近GBA対戦界隈に伝わった。
本記事の目的はこのことの周知と、過去の経緯を参考記録として掲載することである。後者を掲載するのはあくまで今後の教訓とするためであり、登場人物や既存ツール作成者などに、糾弾や批判をする意図は一切ないということに留意してほしい。

教えてくださった夜綱さん、えいさん、ありがとうございます。
また、過去の議論を残してくれていたり、ツール作成の経緯を教えてくれた、poeさん、ピーナツさん、しゃわさん、サナギさんにも感謝します。

より正確な表現

誤:三世代対戦におけるダメージの乱数分布は、100/100は1/39, 99/100は2/39、98/100は3/39、97/100は2/39・・・、85/100は3/39、のように不均等に分布する。
正:三世代対戦におけるダメージの乱数分布は、100/100は1/16、99/100は1/16、・・・85/100は1/16と、均等に分布する。

対応方針

とりあえず、自分の記事については過去に遡っての修正等は行わない。39ぶんのいくつ、だったり、詳しい確率を数字で記載しているものに関しては、参考にする場合は注意してほしい。
また、同人誌『ポケモンエメラルドシングルバトル考察本』についても、多くのダメージ計算に関する記述が不均等説に則っている。本文の内容修正については修正すべき箇所が膨大なののでいったん保留する(おそらく修正はしない)。正誤表にそのうち適当な文章を記載しておくことにする。

注意喚起

なお、本記事を掲載した2025/05/06 時点において、
poeさんのGBA計算ツール
ピーナツさんの3GenDamageCalculator
サナギさんの瀕死率計算機β

はいずれも「不均等説」に則った設計がされている。
追々修正されていく可能性もあるが、これらツール使用者は詳しい確率を計算する際にはこの点を念頭に置くと良い。また三世代対戦考察記事はそのほとんどが「不均等説」に則ったダメージ計算結果が示されているので、読者はその点も留意するとよい。
なお上記の計算ツールは様々な面でかゆいところに手が届く非常に有用なもので、三世代対戦界隈の発展に極めて大きな貢献をしてきたし、しゃわさんをはじめとする数多の対戦考察記事もまた、実戦機会が非常に少ない中で三世代対戦考察を維持し、進める重要な役割を担ってきた。今回の情報によりこれらの価値が毀損されたり、作成者や筆者に負担をかけたり、といった事態になるのは本意ではないので、読者はこの点を留意してほしい。

経緯その1:解析界隈(?)の見解

えいさんのツイートの引用でほぼ終わってしまうのだが、解析界隈(?)の中では「四世代のダメージ乱数分布が均等ではないらしい」という話は2009年頃に日本の個人ブログで広まり、その後、「実際は均等だった」ことが2011年頃に確認されたらしい。
また、GBA世代については、ずっと均等と認識されており、解析サイトもその通り表記されていた、とのことである。

経緯その2:三世代対戦界隈での流れ

2010年7月 しゃわさんのブログ記事

ダメージ計算補足いろいろ - トキワのミドリ - しゃわのポケモン記 -
上記「日本の個人ブログ」で初出と思われるアーマーさんの記事を引用して、以下の記述をしている。
>攻撃面で妥協に妥協を重ねてきた努力値振りだけど、グロスの攻撃実数値(176)はともかく、
>恩返しカビの攻撃実数値(140)は流石に見直さないとやばいかもしれない。
おそらくこれが「三世代における乱数分布不均等説」の最初の文言。知らない人向けに補足しておくと、176グロス、140カビというのはいずれも当時しゃわさんが一人でGBA対戦環境を考察していた(!)ときに開発した配分である。2011年頃からPokemon Onlineでの三世代対戦が行われ始めた。当初人口は4人程度で、ごく一部の物好きがやっていた。当然(?)、解析界隈とのつながりもなかった。

2013年11月 poeさんがGBA計算ツールを公開


※2014/3/29付の記事としてブログにも掲載されている
GBA計算ツールについて - poe式パンセ

2013年12月頃 twitterでのやり取り

リンクから返信まで読んでもらえばわかるが、この時点で、会話に参加している全員(poe、しゃわ、サナギ、stoic)が、
「「不均等説」の情報元は第四世代にまつわるものであり、第三世代については確証があるわけではない」
ことを認識していたようだ。*2

*3

2014年10月 サナギさんが瀕死率計算機β ver2.0を公開

不均等説に準拠している。

2017年8月 ピーナツさんが3GenDamageCalculator_ver2.0を公開

こちらも不均等説に準拠している。
3GenDamageCalculator_ver2.0 : ピーナツの日記

考察

三世代対戦界隈はもともと、二世代対戦界隈とのつながりが強かった。
二世代までのダメージの乱数分布が255/255~217/255 で39通りであったことはよく知られていた。
それに、「四世代は39通りを16通りに圧縮した不均等分布であった」という情報が2010年頃加わった。

そこから三世代の分布を類推するなら、確かに、

二世代まで:255/255~217/255の39通り
三世代:過渡期として、39通りを16通りに圧縮した不均等分布
四世代:過渡期として、39通りを16通りに圧縮した不均等分布
五世代以降:100/100~85/100 の16通りの均等分布

という一連の流れとして、理解(誤解)されていても不思議ではない。
少なくとも自分はそのような誤解をしてしまっていた。
なお、今から一年半ほど前の2024年1月に、えいさんが「不均等説」の広まりや修正の経緯をポストしている。


このポストは三世代対戦界隈にも伝わっていたが、軽い反応程度で、界隈に広まっていた誤解を修正する動きには至らなかった。
この頃は新型コロナ禍の尾を引きずっていて三世代対戦(2015年頃以降、三世代対戦界隈の主流は実機によるオフライン対戦がとなった)がやや下火だった、というのも関係しているかもしれない。
三世代&四世代対戦界隈の反応の例▼

おまけ:実機を用いた簡単な実験

エメラルド同士の通信対戦(GBASP)で以下のような実験をしてみた。
攻撃側:キノガッサ(Lv50 C72) タネマシンガン連打
防御側:メタグロス(Lv50 D131またはD111) リフレクター連打
ダメージ計算結果:メタグロスのDがいずれの場合でも、最大乱数(乱数補正100/100)の場合のみ3、他で2。
この条件で、タネマシンガン60回分、被弾回数にして175回分、各被弾時のダメージを記録した。
その結果、
3ダメージ    →13回
2ダメージ    →151回
急所(5ダメージ)→11回
となった。すなわち、最大乱数は175回中13回発生した。
不均等説によれば、最大乱数の発生確率は1/39(約2.56%)である。
一方、均等説によれば、最大乱数の発生確率は1/16(6.25%)である。
175回中13回(7.42%)発生した事象の真の確率は、95%の確率で3.537~11.303%の範囲に収まる。したがって、少ない試行回数であるものの、この結果は均等説を比較的支持する。
参考:高精度計算サイト

*1:これに則り各種計算ツールも設計されていた

*2:自分も当事者なわけだがさすがに10年以上前のことなので当時の心境をしっかり覚えてはいない

*3:しゃわさんのアカウントは現在非公開のためスクショを掲載(本人了承済)




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