私は私の人生つまり私という人間や私が人生で経験したことを作品に認(したた)めている。そういったことを包み隠さずありのまま、もしそれぞれの人間ができたら、それはそれぞれかなり興味深いものになるだろう。ただ普通人は物事を見る時にかなり歪んだバイアスがかかっていたり、自分をよく見せようなどの見栄が作用して、誠実に自分を語ることはできない。その結果その物語は陳腐で嘘くさいものになってしまう。
本当は人間は内側にそれぞれ独自の豊かな物語があるはずなのに、それに目を向けず雑音や煌びやかなものにこころを奪われ、無為に過ごしている。静かにじっくり耳を澄ませれば、そこには汲めども尽きぬ源泉があるはずなのに。