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雇止めを争う事件-期間満了から3か月以内の労働契約の申込みが遅滞のない申込みとされた例

1.契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをすること

 労働契約法19条柱書は、

「有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。」

と規定しています。

 各号としては、二つの号が用意されており、

一号が期間の定めのない契約と社会通念上同視できる場合で、

二号が契約更新に合理的期待のある場合

とされています。

 いずれの号の適用を主張するにしても、雇止めの効力を争う場合、柱書との関係で、労働者は、

契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをしたこと

又は

契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをしたこと

を主張、立証する必要があります。

 契約満了前に更新の申込みをしていれば何の問題もないのですが、悩ましいのは契約期間満了前に契約更新を求めていないケースです。このようなケースでは、契約期間の満了後、遅滞なく契約締結の申込みをしなければなりません。この「遅滞なく」という要件がある関係で、雇止めが問題となる事案は、ぐずぐずしていると手遅れになりかねない怖さがあります。

 それでは、「遅滞なく」というのは、具体的にどの程度の期間を言うのでしょうか?

 昨日ご紹介した東京地判令6.9.18労働判例ジャーナル157-34 ソラスト事件は、この問題を考えるうえでも参考になる判断を示しています。

2.ソラスト事件

 本件で被告になったのは、医療分野・介護分野等を中心として労働者派遣事業等を行う株式会社です。

 原告になったのは、被告との間で期間1年の労働契約(本件労働契約)を締結し、C病院(本件病院)で働いていた方です。

 本件労働契約は、平成29年2月20日に開始され、

平成30年2月20日、

平成31年2月20日、

令和2年2月20日、

令和3年2月20日、

の4回に渡って更新されました。

 その後、令和4年2月19日付で雇止めをされたことを受け、その効力を争い、地位確認等を求める訴えを提起しました。

 本件では、原告の方が雇止めの撤回及び復職等を明示的に求めたのが、

令和4年5月16日付け通知書

であったことから「遅滞なく」労働契約の申込みがされているのかが問題になりました。

 これについて、裁判所は、次のとおり述べて、「遅滞なく」されていることを認めました。

(裁判所の判断)

「令和3年10月15日の面談の内容は、前記・・・のとおりであり、原告が本件病院での勤務の継続の意向を伝えることによって、本件労働契約の更新の申込みをしたとはいえない。」

原告は、被告に対し、令和4年5月16日付け通知書を送付し、本件雇止めの撤回及び原告の復職等を求めている・・・。これは、被告に対する有期労働契約の締結の申込みに当たるところ、本件労働契約の期間満了から3か月以内にされており、契約期間の満了後遅滞なくされたものと認めるのが相当である。

3.3か月以内は問題ないとされた

 「遅滞なく」との表現は抽象的で今一分かりにくいのですが、裁判所は3か月以内になされているとして、本件の申込みは「遅滞なく」なされたと判断しました。

 具体的な事実関係にも左右される概念であることは考慮する必要はありますが、一つの参考となる数値として、実務上参考になります。

 




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