注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】

群馬県立敷島公園県営陸上競技場(正田醤油スタジアム群馬)は、1951年開場、群馬県前橋市にあるザスパクサツ群馬のホームスタジアム。
以前訪れた時の記事はこちら。
ここ最近の大きなトピックと言えば、2024年からエンブレム、ロゴの刷新をはじめとした大幅なリブランディングを行ったこと。
その中で注目すべきは、一つ目がリーグにおけるクラブ呼称を「ザスパ群馬」に変更した点。
二つ目は、ホームタウンが「前橋市および草津町を中心とする群馬県全域」から「前橋市を中心とする群馬県全域」に変更した点だ。
つまりクラブ発祥の地である草津との決別の時が来た、ということである。
正確に言えば正式名称は「ザスパクサツ群馬」のままなのだが、実質的には名称を変更したと言ってよい。
客観的に見れば「ザスパクサツ群馬」なんて名前どう見たって違和感があるし、もう草津では全く試合も練習もしていないんだから、いずれこうなるだろうというのは誰もが感じていたところだ。
とはいえ草津時代から応援していた人にとってはやはり寂しさもあろう。
当初は選手が草津の温泉宿で働いていたりいろいろ苦労もあったようだし、そういったクラブの歴史も忘れたくはない。
しかしこのまま中途半端なままでいるのが、クラブにとっては最も損失が大きくなるのも事実。
草津との歴史にピリオドを打ち、新天地群馬で戦う時が来たのだ。
今回はそんな「ザスパ群馬」のリブランディング後の状況を見に、一路前橋へと向かうことにした。
【アクセス】
最寄まで★★★☆☆

最寄はJR前橋駅。
群馬県の県庁所在地…なのだが、新幹線は高崎を通っているため鉄道でのアクセスがかなり悪い。
駅舎の立派さ、駅前の栄え度も雲泥の差だ。
最寄から★★☆☆☆

前橋駅からはシャトルバスで20分程度。
車社会の群馬ゆえ渋滞も激しく、場合によっては30分以上かかることも。あまりギリギリの予定は立てない方が良い。
なおスタジアムは駅から北方面だが、バス乗り場は南口の東横イン前であることに注意。
北口のバスターミナルをいくら探してもスタジアムに行くバスはない。
しかも現金で片道ずつ(350円)しか払えないので、地味に時間と手間がかかる。
せめて往復分をいっぺんに払えたら楽なのに…(人数も管理しやすいだろうし)。
【観戦環境】★★☆☆☆

特に取り立てて書くことのない、いわゆる普通の陸上競技場。

臨場感もあんまりない。
もちろん専用スタジアムが望まれるところではあるが、しかし今の状況を諸々考えるとそれより先にやるべきことがいっぱいありそうだ…。

陸上競技場の広さを生かして、子供用のスペースがスタジアム内にあるのは非常に面白い。
試合をある程度楽しみながら、子供は飽きることなく遊んでいられる。
ある意味でここが一番ピッチに近いような気がする…のはちょっとした皮肉だ。

アウェイ側のスタンドはこちら。
ビジョンがありつつ、少しのっぺりしたスタンドである。
後ろには日本の県庁で最も高い群馬県庁が見える。
ちなみに建物としても群馬で最も高い。

ホームザスパ群馬側のスタンドはこちら。
アウェイ側に比べて大きく、迫力が感じられる。
後ろに見えるのは日本百名山の一つ、赤城山…のはず。
雄大な景色と新鮮な空気で心も体もリフレッシュ。

バックスタンドのど真ん中には聖火台が鎮座する。
一番試合が見やすいところが潰される…のは国体スタジアムあるある。

こちらのメインスタンドは屋根が小さすぎる上、席もほとんどが硬くて狭いベンチシート。
たとえメインスタンドと言えど快適な環境を得ることはできない。

ゲートからスタンドに入ったところ。
選手ののぼりが立っている。

一応メインスタンド内には少し休めるところがある。
雨が降った時はきっと大混雑だろう。

スタジアムのゲートはザスパの名にちなみ、温泉の名前が付けられている。
こちらのメインスタンドはまさしく草津温泉ゲート。「クサツ」の名を失ったザスパ群馬の数少ない草津要素の一つ。

再入場口は四万温泉ゲート。
四万温泉は群馬県の北の方にあり、草津の仕上げ湯などと言われている。
行ってみたいが、とても試合前後に気軽に行けるような距離ではない。

バックスタンドは伊香保温泉ゲート。
草津や四万よりは近く、まだ試合前後に行ける可能性はある。石段街はとても印象的。

バックスタンドのすぐ後ろは道路になっている。
昔のスタジアムだと割とこういう構造になっているところも多い。車には十分注意。

ホーム側スタンドはみなかみ18湯ゲート。
水上には電車が通っているので、車に乗らない場合はこの中で一番アクセスが良い。
とはいえ、やっぱりとても気軽に行ける距離ではないが…。

ホーム側スタンドの上部にはフラッグがたくさんはためいている。

アウェイ側には大きなビジョンと像が置いてある。
ちなみにここは磯部温泉ゲート。温泉マーク発祥の地らしい♨

メインスタンドの前は林、というか森になっている。
めちゃくちゃ気持ちよくこのスタジアムで一番落ち着く場所。

イベントブースやグッズショップなどが設置されている。

バルーンなんかも置いてある。
【雰囲気】★★★☆☆

試合前にはサポーターで決起集会をやっていた。
チーム状況が大変な中でも応援してくれるありがたい存在だろう。

選手入場時にはファンも一緒に出迎える。
スタンドには草津温泉伝統の湯もみをしている人もいたりして、少し温泉気分。

スタメン入場。スタジアムのボルテージが一番上がる瞬間…のはず。

ザスパ群馬のお客さんは3000人台。
J2の中でも決して多い方ではないし、なんならBリーグの群馬クレインサンダーズの方が多い。
しかもバスケの方はアリーナの5000席がほぼ毎試合満席になっていることを考えると、こっちの客の少なさはなんとも寂しい限り…。
スタジアムは決してガラガラではないが、キャパシティ的にはもう3倍くらいお客さんを入れられるはずだ。

チャンス時にはタオルを回したり、ビジョンに映像が流れたり。
それでもスタジアムの熱気が生まれているかというと…うーん…。
ザスパクサツ群馬からザスパ群馬へとリブランディングをはかったものの、その効果はまだまだ見られないようだ。
何か目に見える変化が出てくるといいんだけど…。

バスの時間があるので足早にスタジアムを立ち去った。
あんなにいろいろあったスタジアム前はすっからかんになっていた。
【グルメ】★★★★★

このスタジアム一番の楽しみと言えば、食。
スタジアム前にずらっとキッチンカーが並び、とても食べきれない。

トロトロ豚の入ったカレー。福神漬けすら入ってないストイックさ。
これはなかなかうまい!ご飯が多いかと思ったが、お肉がおいしいのでむしろ足りないくらいだった。

続いては厚焼き玉子。マヨネーズがのってるのが新しい。
たこ焼きみたいな感覚で食べればよいのだろうか。結構甘めの味付け。

赤城のホルモン。ホルモンは隠れた北関東名物なのだ。
普通においしいが、もうちょっといろんな部位が入ってる方が嬉しいかも。

見るからにドデカなドデカからあげ。
パック一杯に二つしかからあげが入ってないが、これだけでお腹いっぱいになる大きさ。
結構ニンニクきつめ。

でもやっぱり食べたいのは登利平の鳥めし。
前橋に本社を置く登利平の鳥めしは群馬県民のソウルフード。前橋駅でも売っているし、スタジアムまでの道中にもお店がある。
スタジアムの端っこにテントを構えているが、文字通り飛ぶように次々と売れていった。
もちろんスタジアムで食べる人も多数。
(栗最中と前橋の天然水は前橋駅で買った無関係品。)

個人的には2種類のお肉が楽しめる松の方が好きだが、少し安い竹も根強い人気があるらしい。
もちろん肉もうまいし、タレが染みたご飯も最高。
このお弁当を売っているというだけでスタジアムグルメとしては100点満点。
【街との一体感】★★★☆☆

前橋駅南口に出ると細長いザスパ群馬の看板がある。
いまだザスパクサツ群馬となっているが、ザスパ群馬に直される日は来るだろうか…。

シャトルバス乗り場の矢印は観光案内所に格納されている。

ここに選手のポスター…
と思ったら、ラグビーの埼玉パナソニックワイルドナイツだった。群馬県太田市にルーツを持つラグビーチームである。

駅前のイトーヨーカドー跡地にできたアクエル前橋には、ザスパ群馬のグッズを取り扱っているお店がある。
が、土曜日にもかかわらずどう見てもやってない。
この建物には前橋の歴史をエンタメを交えて学べるミュージアムなどかなり斬新な施設がいくつも入っているが、その中で一番混みあっていたのは高校生用の自習室だった。
ガワだけ作っても街は盛り上がらないんだよね…。

北口の新聞屋さんにはザスパ群馬の自販機が置いてあった。


一応街中にはポスターがあるものの、その周囲がだいぶにぎやかなようで…。
正直なところ群馬に笑顔をもたらしているようには見えない。

スポーツショップには一応フラッグが掲げられているが、かなりボロボロで年季が入っている。
お世辞にも街の賑わいを創出している、とは言い難い…。
以下、前橋駅周辺散歩編。

ゴリゴリの車社会ゆえ、線路よりも道の方が立派である。
歩道橋がないと人間はなかなか歩けない。

赤城はヒルクライムの名所でもあるようだ。

昔は栄えていただろう通りも、今やボロボロに…。

歴史のある街ゆえ史跡が結構あるので、道歩き自体はなかなか楽しい。

このレンガ倉庫は富岡製糸場で作った糸を保管したりしていたようだ。

この辺は多少立派には見えるが、人もいないし車もいない。

ここのアーケード街は…

いかにも活気がない…。

このあたりは建物もボロボロだ。


広瀬川は前橋でも屈指の癒しスポット。市民の憩いの場となっているようだ。
街中にある割には結構流れが激しく、水の轟音も楽しむことができる。

前橋は萩原朔太郎をはじめとする文学者が多く、それを記念した文学館もある。

しかしアーケードは相変わらず寂しい…。

一応スズラン百貨店というデパートもあるが…

テナントはほとんど入っていないようだ。
なくなるのも時間の問題か…。

この辺は少しキレイだが、結局見栄えがいいのは無印良品くらいか。
ザスパ群馬どうこう言っている場合ではなく、そもそも前橋駅周辺の存亡がかなり危うい…。
(ただ人口で言えば高崎市と前橋市はそんなに変わらない、車社会ゆえ郊外の方がにぎわっているようだ)

そんな前橋駅周辺で断トツおすすめなのがこちらの温泉。
ザスパ群馬の試合を見に来て、温泉に入らず帰れるわけがない。

ここは100%天然温泉のかけ流しで、伊香保温泉と同じ泉質らしい。
こんな駅前の立地で湯の花まで楽しむことができ、温泉処群馬を手軽に、かつ存分に楽しめる施設である。
近所にあったら毎日通うね。
しかし試合後混みあうかと思ったら特にそういうこともなかった。
みんな車で見に来てるから、あえて駅前の温泉には入らないのかも…。
【満足度】★★★☆☆
草津への別れを告げクラブのリブランディングは行ったものの、今のところ目に見えた変化は見えてきていない。
もちろん浸透するには時間がかかるはずだが…。
そもそもサッカーどうこうの前に、前橋自体の賑わいの無さがとても心配だ。
街が廃れてしまっては、いくらサッカーを声高に叫んだところで楽しむ余裕が出てこない。
もちろん楽しむ人もいないわけで。
前橋が元気になったうえで、リブランディングしてオシャレになったザスパ群馬が街を彩るというのが理想的な展開。
鉄道網も貧弱で高崎に元気を吸われていく中、果たして前橋は盛り上がることができるだろうか…。
(あとザスパというくらいだからスタジアムでもっと温泉を感じられるといいな)
索引を作りました!
他のスタジアム・アリーナは↓からどうぞ