日本の国技、大相撲。
神事でもあり、スポーツでもある大相撲は、日本を体現する文化の一つとして世界的にも広く知られています。
しかし、日本人は意外と相撲のことをよく知らないのです。
そこで今回から、大相撲についてご紹介していきたいと思います。
まず最初は、相撲の長い長い歴史を紐解いていきましょう。
1.日本神話と相撲

日本における最初の相撲の記録は、なんと「古事記」です。
古事記では神様たちが相撲をした描写があるのですが、手が氷柱や剣になったりして掴めなかったため勝負がつきませんでした。
日本人はこの頃から中二病的なお話が好きなんですねえ…。
一方人間同士の最古の相撲は、紀元前23年に行われました。キリストより相撲の方が長生きですね。
気になる対戦カードは、野見宿禰vs當麻蹶速でした。よ、読めない…?
試合展開は主にけり技の応酬となり、最後は宿禰が蹴速の脇骨を蹴って折り、更に倒れた蹴速を踏み付けて腰骨を踏み折り、絶命させた、とのことです。
ううむ、今の相撲とはあまりに違いますね…。
さらに「古事記」においては、初めて「力士」という言葉が用いられています。
また「相撲」という言葉が初めて使われたのは「日本書紀」でのこと。
いずれにせよ日本神話ができたころから、相撲は存在していたということになります。
更に奈良時代から平安時代にかけて、相撲節会(すまひのせちえ)という天覧行事が行われるようになりました。
一方、神社においては「神事相撲」と呼ばれる五穀豊穣を願い神々の加護に感謝する儀礼として相撲が行われました。
また武士の間では鍛錬としての「武家相撲」、そして民衆の間では国内巡業をして相撲を取る相撲人が現れ、「土地相撲」が行われるようになりました。
このように身分や時代にかかわらず、日本中の至る所で相撲は行われてきたのです。
こうやって改めて見ると、どこからどう見ても日本の国技は相撲である、と納得せざるを得ないのです。
江戸時代に入ると武士の必要性が低下し武家相撲は下火になりました。
その代わりに土地相撲が発展し、次第に神事相撲と合体して勧進相撲へとなっていきました。
勧進相撲はやがて興行として人気を博し、将軍も観覧したことで庶民の娯楽として定着していきました。
これが現在の「大相撲」につながっています。
2.相撲と大相撲は違う

ところで「相撲」と「大相撲」はよく似た言葉ですが、意味が全然違うことをご存じでしょうか?
「相撲」というのは文字通り相撲という競技のこと。
「大相撲」とは、日本相撲協会が主催する相撲興行のこと。
たとえていうなら、「野球」と「プロ野球」の違いに似ています。
すなわち「相撲」が「野球」で、「大相撲」が「プロ野球」です。
明治期に文明開化が行われた影響で古臭い相撲は存続の危機に陥りますが、天覧相撲が繰り返されたこと、そして天皇賜杯が下賜されたことで面目を保ちました。
そして1925年に東京相撲と大阪相撲が合併し日本相撲協会が誕生、勧進相撲は大相撲へと受け継がれました。
しかし、大相撲はただのスポーツ興行ではありません。
前述の長い長い経緯もあって、未だ神事としての側面も強く持っています。
例えば両国国技館の土俵の上にあるつり屋根。
これは天照大神を祀る、伊勢神宮のご神木が使われているのです。
また力士たちの所作にもそれぞれ意味が込められています。
・「四股」は地面に潜む邪悪なものを封じ込める
・「力水」は身体を水で清める
・「塩まき」は土俵の邪気を祓い清め、ケガが無いよう神に祈る
などなど。
これらは相撲の長い歴史の中で徐々に培われてきたものですが、実際に生で見るとものすごい迫力であることが分かります。
単なる儀式というだけでなく、見栄えもするからこそ現代まで生き残ってきたと考えられるでしょう。
3.世界の相撲

そんな相撲は、強さを競うという至極単純な競技ゆえ世界中に存在しています。
世界に相撲がある国は、wikipediaによれば
・韓国
・中国
・台湾
・チベット
・モンゴル
・インドネシア
・カンボジア
・タイ
・ビルマ
・フィリピン
・ベトナム
・ミャンマー
・インド
・パキスタン
・バングラデシュ
・ブータン
・ネパール
・ウズベク
・カザフスタン
・キルギス
・タジク
・トルクメニスタン
…とさすがにきりがないので止めますが、とにかく世界中に相撲はあるのです。
その中でも日本の相撲は存在感が大きいもので、日系人が海外に伝える、外国人力士の活躍などによって日本式相撲も広まっています。
更に日本の大相撲の3分の1は外国人力士と言われており、日本の大相撲は相撲界のメジャーリーグなのです。
4.まとめ
以上、相撲の歴史について解説してきました。
なにせ平安時代からの歴史があるゆえすべてを網羅的に勉強することは極めて難しいですが、せっかく日本の国技ですから教養として身に付けておくと役に立つと思います。
真のグローバリゼーションの第一歩は、まず自国を知ることからですね。
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次回へ続く。
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