注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】

沖縄アリーナは、2021年竣工、沖縄県沖縄市にある琉球ゴールデンキングスのホームアリーナ。
このアリーナの計画が発表されたのは2016年9月15日のこと。
Bリーグが華々しく開幕したのが2016年9月22日だから、それよりも前に計画が進んでいたことになる。
今のBリーグの隆盛を考えると、恐ろしいまでの先見の明であろう。
もっとも、当時からbjリーグでも断トツの人気チームだったという下地はあったわけだが…。
bjリーグからBリーグへの変遷の歴史はこちら。
またBリーグ優勝記念に琉球ゴールデンキングスの軌跡をたどった記事はこちら。
沖縄県内初の「全天候型大規模アリーナ」を掲げた沖縄アリーナの計画は着々と進み、ここにあった闘牛場は2017年に閉場となった。
ちなみに同じコザ運動公園内には沖縄アリーナ前にキングスのホームであった沖縄市体育館や、広島東洋カープが春季キャンプを行う沖縄市野球場などがある。
その後台風などの災害もあって工期がずれ込むトラブルもあったが、なんとか2021年に沖縄アリーナは完成。
コロナもあってしばらくそのポテンシャルを十分に発揮できずモヤモヤする時期も続いたが、2023年にはバスケットボールワールドカップを開催。
日本戦には満員の観客が駆けつけ、48年ぶりとなる自力でのオリンピック出場を決めた日本代表の躍進を後押しした。
沖縄アリーナでは開業後早速あいみょんやB′zなどの音楽ライブも活発に行われているが、アリーナの運営は琉球ゴールデンキングスの関連会社が行っている。
まさしく沖縄の力で生まれた、日本におけるBリーグ専用アリーナの先駆けと言って差し支えない。
その後日本各地にBリーグに最適化された夢のアリーナが続々誕生しているだけに、その道筋を作った沖縄アリーナの功績はあまりに大きいと言っていいだろう。
【アクセス】
最寄まで★★☆☆☆

最寄は高速バス111番・117番の沖縄南IC停留所。
当たり前だが沖縄では移動手段が車しかないので、遠征もレンタカーかバス・タクシーに限られる。
那覇空港から歩くとか、鹿児島から泳ぐというなら止めはしないが…。
移動手段の乏しい沖縄とはいえ、那覇空港から高速バス一本で来られるだけまだマシな立地ではある。
ただし111番や117番と同じような経路をたどるやんばる急行バスは沖縄南ICに停車しないので、そこは十分注意のこと。
沖縄でバスを活用するためには、事前にある程度知識を頭に叩き込んでおいたほうが良い。

ちなみに沖縄南IC停留所に行くには階段を上り下りしなくてはならない。
スーツケースを持っての移動、そして足腰の悪い方にとってはかなり過酷な道のりである。

しかも入り口は非常にわかりにくい。夜はおそらく真っ暗になるだろうし、時間的に考えてそもそもバスがない。
バスで移動する場合試合後は那覇に戻ろうなどとせず、おとなしくコザに宿泊することを第一に考えよう。

一方、無料シャトルバスは2種類。
一つは沖縄市の繁華街、コザミュージックタウンとアリーナを行き来するルート。コザに宿をとった場合はこちら。

もう一つは沖縄県最大のショッピングモール、イオンモール沖縄ライカムとアリーナを行き来するルート。
自家用車、あるいはレンタカーで遠征してくる人はこちら。こちらの場合は那覇に戻ることも可能(めちゃくちゃ夜遅くなるが…)。
イオンモール隣にある比嘉西原バス停は本数も多いため、頑張ればバスでも試合後那覇に戻ることが可能かもしれない(オススメはしない)。
イオンモールは巨大なためバスの乗り場が分かりにくいが、正面入り口のこのあたりで待っていれば大丈夫…なはず。

なお高速道路上からも沖縄アリーナを見ることができる。この時点でテンションMAX。
最寄から★★★★☆

沖縄南ICからは大通りに沿って徒歩10分少々。道のりは分かりやすいものの、大通りを横切る必要があり少々面倒。
そして交通量が多く、特に見通しの悪くなる夜はやはりあまり歩かない方が無難。

シャトルバスはおおよそイオンモールルートが路線バスタイプ、コザミュージックタウンルートが高速バスタイプを割り当てられる。
基本的にはイオンモールまで車で乗り付け、シャトルバスで沖縄アリーナに向かう人が圧倒的に多いようだ。
ただいずれにせよ、シャトルバスはほとんどひっきりなしに来るのでストレスは少ない。
日本一観客の多いキングスの試合を日本一レベルにアクセスが悪い沖縄アリーナで捌くのだから、そりゃあもう沖縄の総力を挙げてバスを走らせているはずだ。
【観戦環境】★★★★★

今回は2階席(建物の4階)の最前列から観戦。まるで試合中継を見ているかのような臨場感!
ティップオフ時にビジョンに映る真上からのカメラアングルも素敵だ。

ビジョンには全選手の名前、得点数、ファウル数などがまとめられていて、気になった時にいつでもチェックできる。
またビジョンの内側にもビジョンがあり、下からでも見えるようになっているとのことだ。

リングの裏側からの映像など、試合中もちょくちょく面白いアングルからの映像が流れる。
バスケの見せ方、そして魅せ方を徹底的に研究しているんだろうなあ、と感じる。

ビジョンはくっきりとした発色で、キングス自慢のチームエンブレムも細部まで見える。リボンビジョンも鮮やかだ。
そして試合前には謎の飛行船がアリーナ内を飛んでいる。昔東京ドームでこういうのあったけども…。


やはり1万人規模ともなるとアリーナも迫力が違う。ただしバスケの試合時には設営の関係で最大8000人程度となる。
本場アメリカのNBAでは2万人くらいのアリーナが当たり前なので、それに比べるとこれでもコンパクトなのだそう。

今回最前列であったのだが、落下防止の柵?が非常に大きく、普通に座っているとコートが見えないことが判明。
そのため試合中は座席の前の方に座り、背筋を伸ばしてつま先立ちで見ることになった(多分座席も少し高めに作られている)。
世の中なかなかうまくいかないものだなあ…。
こういった特殊事情のため、最前列の席は子供にはオススメできない。
おじいちゃんおばあちゃんも厳しいかも。

ベンチに対して右側。座席はもちろん全席ドリンクホルダー付き。
角の座席はコートに対して斜めに設置されており、どこからでも見やすい工夫がなされている。

こちらにはキングスの栄光の歴史が飾られている。これだけ並ぶと圧巻だ。
最上階の5階はガラス張りで座席はベンチのような感じになっており、パーティーなどでも使用できるとのこと。
その下の4階は筆者の座った座席があるほか、写真の部分はちょっとしたイベントスペースになっている。
さらにその下の3階はグルメショップとVIPスペースが並んでおり、2階は座席を含んだメインのコンコースである。
つまりどういうことかというと、とにかくいろんなことができるアリーナなのだ。
沖縄アリーナの使用用途は何もバスケットボールだけではない。

ベンチに対して左側は純粋に座席がずらっと設置されている。

選手はどちらのチームも左側のリングの後ろから入場してくる。
割とワーッと入ってきて意外とシンプル。


アリーナを角から見てみる。沖縄という場所柄を考慮すると、本当に大きなアリーナだと改めて感じる。

もちろん、テーブル席など多種多様な席種も用意されている。


リングの横、ゲートの上、リボンビジョン、縦型のビジョンなど、とにかくたくさんビジョンが設置されている。
これらによって非日常感が増していることは間違いない。

アリーナの1階はグッズショップになっており、外から誰でも入ることができる。
キングスのグッズはとにかくアパレル類が非常に充実しており、応援に使えるユニフォームから普段使いできるオシャレTシャツ、パーカー、キャップなどそろっている。
この充実っぷりはBリーグでもナンバーワンだろう。

中には巨大なゴーディーが埋まっている。

アリーナの入り口は基本的にこちらの2階部分。外にまでリボンビジョンが設置されている。

入り口を入ったところのコンコース。
バスケコートをイメージしたペイントなんかもある。

アリーナの裏側には芝生があり、中からも様子を見ることができる。
試合前の時間ものんびり過ごせそうだ。


コンコースには多くのモニター、グッズやグルメの販売に使えるスペース、そして選手パネルが至る所に設置されている。
今回コンコースをぐるぐる歩いた感想としては、「思ったより小さい」ということ。
もちろんアリーナ内の迫力はスゴイのだが、アリーナ自体は割とコンパクトなのだ。
つまりそれだけ座席が密集していて、臨場感や一体感が得られやすい設計になっているということだろう。
このコンパクト感はなんとなく日本武道館を思い出した(沖縄アリーナで武道館を思い浮かべる人もなかなかいないだろうが…)。


アリーナ内には小さいながらも子供が楽しめるスペースがいろいろある。
授乳室などもあり子供連れでも安心だ。

階段はコンコースと連続的に設置されていて、簡単に上に移動できる。
当たり前のようだが、意外とこういう施設は少ない。国立競技場とか、SAGAアリーナとか上への行き方が分かりにくかったな…。

4階のコンコースはシンプルなつくり。

トイレ自体がキレイなのはもちろんのこと、素晴らしいのはコンコース内に設置されたモニターでその混雑具合が一目でわかるところ。
混みやすい女性トイレも空いているところを狙って行くことができる。
そして切羽詰まったときも、どこに行けばいいのかをすぐに把握することができる。間に合うかどうかは別の話…。

4階のコンコースには高速道路に面した開放的なスペースがあり、必要に応じて映像を流せるようになっている。
高速道路からも見える…のかもしれない。ただ運転中のよそ見は禁物だ。

こんな感じで…(これは必要な映像なのか?)。

先述の4階のイベントスペースではレトロイベントをやっていた。メンコや紙芝居の実演もあったり。

これを見てなつかしいと思える人はもうかなり限られた世代だろう…。
逆に今となっては目新しさすらある。

コンコース内にはコンセントなんかもある。どうしても充電したい場合はこちらへ。
【雰囲気】★★★★★







演出自体は基本的には光と音のみを使った、今のBリーグの中では割とシンプルな部類。
しかし全体的な質の高さ(カッコいい!)、人数の多さによる圧迫感がとにかくすごい。
さすが観客動員数Bリーグのトップを走る琉球ゴールデンキングス、このアリーナの雰囲気はやはり圧倒的。
またお客さんは自由奔放な沖縄人の気質ゆえか?服装にはあまり統一感はないし、応援もアリーナ一体となって行う、という感じもあまりない。
というか試合直前になってやっとアリーナに到着する人も多かった。うちなータイムというやつだ。
ただそこかしこから指笛が鳴り響くし、勝手に「GO GO KINGS!」コールが始まっていつの間にかすごいことになる。
例えていうならアリーナ全体が「大家族」みたいな感じで、まとまりはないけど迫力はえぐい、そんな感じ。
アメリカらしいカッコいい演出に琉球のエッセンスが加わり、まさしく沖縄という土地柄の特徴をぎゅっと詰め込んだアリーナである。
ちなみに応援の音楽はいろいろ種類があるものの、基本的には「GO GO KINGS!」と「DEFENCE!」のコールしかない。
始まって3秒で応援のすべてを熟知できるシンプルさ。

ハーフタイムには琉球忍者の演武があった。
忍者と龍と獅子舞と武士が出てきてまったくもってストーリーは分からなかったが、琉球らしさを感じることができた。
沖縄って和と洋と中が混じった独特の文化でとっても面白い。



演出はシンプルで、とにかく「バスケを魅せる」ということに注力している。
このストイックさはJリーグの浦和レッズにも通ずるものを感じたのだが、もちろんBリーグらしくいろいろなエンタメイベントもありそれだけでも十分楽しめる。
もちろんアリーナ全体の熱量の高さは、レッズに勝るとも劣らない。

この珍妙な生き物は何だろう?
と思わないでもないが、ゴーディーはゴーディーであり、もはや概念的なものであろう。

そんなこんなで、Bリーグ最速で通算来場者数100万人を突破。
これからもこの沖縄アリーナから、Bリーグに琉球旋風を巻き起こしていく。

声援に押されて試合も見事勝利。やはりBリーグ王者の名は伊達じゃない。

沖縄に来て本当によかった…そんなアリーナ。
【グルメ】★★★★★

グルメはアリーナ外にキッチンカーが並ぶほか、アリーナ内も充実。
県外からキッチンカーが来ることはないだろうから、どれを食べても沖縄名物だ。

注意点は、アリーナ内には基本的に飲食物すべてが持ち込み禁止であること。
そのためアリーナ内には随所にドリンクショップがある。オリオンビールやシークヮーサージュースなど沖縄風ドリンクも販売中。

2階コンコースにはスイーツ専門店やカレーや焼きそばなどの軽食を売っているお店がある。
ベーグルとかも買ってみたかったが、女性しか並んでなくて恥ずかしかったので、やめた。

メインは3階コンコースにあるこちらの売店。
ホットドッグやポテト、サンドイッチといったスポーツ観戦の定番グルメからサラダやおでんにカオマンガイといったちょっと珍しいグルメ。
そしてタコスやブルーシールなどの沖縄名物もそろっている。うちなんちゅもそうでない人も満足できる品ぞろえだ。
一つ問題を挙げるとしたら、ここに行くまでの導線がかなり分かりにくく結構迷ってしまったこと。
ここに通じる階段が分からず、一度コートのあるアリーナ内に入り座席横の階段を上ってここを目指すことになった。
是非とも導線の改善をお願いしたい。せっかくいいグルメがそろっているんだから…。

外のキッチンカーで一番並んでいたチキンオーバーライスを購入。
ニューヨークで人気のチキンオーバーライスは、まさにアメリカを感じながらバスケを観戦するのにもってこいだ。
そして行列の理由もすぐに理解できた。
とにかくボリュームたっぷり、味も良い。おまけにトッピングは自由でチーズやバーベキューソース、ガーリックチップにハラペーニョなどなど自分好みにカスタマイズできる。
これは名物グルメになるわけだ。

そしてドリンクとともにアリーナ内のどこでも売っている沖縄アリーナ名物の「キンから」とシークヮーサージュースも購入。
こういう名物モノってハズレも多く正直あんまり期待していなかったのだが、外はサクサク中はジューシーでめちゃくちゃ美味しかった。
ごめんキンから。
今回はオーバーライスでお腹パンパン、さらにアリーナ内の探訪で時間をとられてあまりグルメに時間をさけなかったのだが、この分なら何を食べてもかなり期待できそうだ。
今度来るときは端から端まで食べてやる。覚えとけよ!
アリーナグルメだけでなく沖縄のグルメを思う存分楽しんだ旅の記録はこちら。
【街との一体感】★★★★★

沖縄アリーナの玄関口、イオンモール沖縄ライカムの入り口には早速キングスの試合スケジュールが置いてある。

吹き抜けには選手の幕が並んでいる。

エスカレーターの隙間にもしれっと並んでいる。なかなか気づきにくいところ…。

イオンモール全体でキングスキャンペーンも実施中。

ブルーシールに設置されているのはこんな感じ。紅芋ソフト美味しかった。




今回宿泊したホテルコザのロビーはキングスだらけになっていた。
コザの中心地に近いホテルなので、遠征する方にはオススメ。







沖縄市役所の中では、ホームタウンを同じくするFC琉球、コザで春季キャンプを張る広島東洋カープとともにプッシュされている。
沖縄市においてスポーツがどれほど大きな存在なのかもうかがい知ることができる。

コザのアーケードはキングスストリートと名付けられ、カープとともに応援されている。




もちろん街中のいろんなお店にポスターが貼ってある。


また街中にはいくつかバスケ専門店もあり、沖縄でバスケがいかに身近なスポーツであるかを感じられる。
米軍によって持ち込まれたアメリカ文化は、現代の沖縄において非常に大きい影響力を持っている。

コザの中心、コザミュージックタウンの観光センターにももちろんポスターがある。


沖縄県内のファミリーマートはポスターが貼ってあったり、お店によってはキングスのイラストも描かれているなど非常に深い関係にある。
沖縄県においてはコンビニ三大チェーンではファミマが最も歴史が長く、最も店舗が多い。



ファミマではキングスの選手とのコラボ商品まで販売されている。
プロ野球やJリーグのチームとコラボした商品は見たことがあるが、その選手とまでコラボしている例はなかなか見たことがない。
それだけキングスが沖縄全体になじんでいるということだろう。

そして沖縄アリーナに最も近いファミリーマートは、キングスと一体化してしまっている。

店内はキングスだらけ。トイレまでキングスだ。

またキングスの旧ホーム、沖縄市体育館もやはりカープ、FC琉球と並んでエンブレムが並ぶ。

その近くにはキングス自販機も設置されている。

一方、こちらは遠く離れた沖縄の玄関口那覇市。
こちらにもキングス自販機がある。

キングスとのコラボキャンペーンを打っている企業もあるようだ。
それだけキングスの宣伝効果は絶大ということ。

沖縄の二大新聞の一つ、沖縄タイムスの販売店にもポスターが貼られている。

沖縄観光の中心地、国際通りのど真ん中には「GO!KINGS!」の大きなメッセージ。
ここを歩く観光客は全員これを目に入れることになる。

そして沖縄の玄関、那覇空港の2階連絡通路にも大きなボードがある。
沖縄の中心地にはどこにでもキングスがそばにいる。
【満足度】★★★★★
沖縄の土地事情ゆえとても気軽に行けるような場所ではないが、それを乗り越えてでもなお行く価値のあるアリーナであった。
最初はなぜ那覇市ではなく沖縄市なのか?とも考えたが、那覇ではなく沖縄本島の真ん中(よりちょっと南だが)の沖縄市に夢のアリーナを作ることが大事だったのではないかと感じた。
特に「うちなんちゅ」にとっては、外の人が想像する以上に重要な意味を持つのかもしれない。
そんな沖縄アリーナは全てのBリーグファン、そして全てのバスケットボールファンにとって、伊勢神宮のように一生に一度は行くべき聖地と言っても良いだろう。
バスケの魅力、琉球の魅力が詰まったこのアリーナで、Bリーグが目指したであろう光景を五感で楽しんでほしい。
GO!KINGS!
索引を作りました!
他のスタジアム・アリーナは↓からどうぞ