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ディリクレのディオファントス近似定理

Diophantus は昔はディオファンタスと呼んでいた気もするが,最近はディオファントスと呼ぶのが一般的のようである.

ペル方程式 x^2-Dy^2=1D は平方数でない自然数)が必ず解を持つことの証明の良く知られたものとして
1985年(昭和60年)東京工業大学-数学[1] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
でも登場した「1より大きい最小の元」に着目する方法がある.その元について考えるために用いるのがディリクレのディオファントス近似定理である.証明には鳩の巣原理(ディリクレの部屋割り論法)を用いる.定理のステートメントWikipedia に従う.

任意の実数 \alpha1 より大きい任意の自然数 N に対し,分母が N 以下の自然数 q であるような \alpha の近似分数 \dfrac{p}{q} で,\left|\alpha-\dfrac{p}{q}\right|\lt\dfrac{1}{qN} を満たすものが存在する.

この右辺の分母の qN が少し気になるが,これはもともと示されるべき不等式が

|q\alpha-p|\lt\dfrac{1}{N}

であることに由来する.\alpha有理数ならば,|q\alpha-p|=0 となる整数 q自然数 q が存在するので任意の自然数 N に対して |q\alpha-p|\lt\dfrac{1}{N} が成立するので,以下,\alpha は正の無理数であるとする.\alpha が負の無理数の場合は |(-q)(-\alpha)-p|\lt\dfrac{1}{N} とすれば \alpha が正の無理数の場合に帰着できるからである.

\alpha無理数のとき,自然数 q に対する q\alpha の小数部分は全て異なる.なぜなら,もし q_1,q_2 において一致すると仮定すると (q_2-q_1)\alpha が整数となり,\alpha無理数であることに矛盾するからである.

このとき,区間 [0,1)N 等分し,\alpha,2\alpha,…,(N+1)\alpha の小数部分を考えると,ディリクレの部屋割り論法により同じ区間の属する組が存在する.その組を n_1\alphan_2\alphan_2\gt n_1) とすると,区間幅が \dfrac{1}{N} であり,その両端は有理数であることから
\Bigl| \left(n_2\alpha-\lfloor n_2\alpha\rfloor\right)-\left(n_1\alpha-\lfloor n_1\alpha\rfloor\right)\Bigr|\lt\dfrac{1}{N}
が成立する.よって q=n_2-n_1\leqq (N+1)-1=N),p=\lfloor n_2\alpha\rfloor-\lfloor n_1\alpha\rfloor とおくと |q\alpha-p|\lt\dfrac{1}{N} が成立する.(証明終)

この近似定理から,任意の無理数は任意の精度で有理数近似できることがわかる.




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