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備忘録:等差数列×等比数列の和

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入試で割と良く聞かれる a_n=(pn+q)r^nr\neq 1n=1,2,…
に対して S_n=\displaystyle\sum_{k=1}^n a_n を計算するといった一般に a_n=x_ny_n と積で定義される数列の和の公式をアーベルの総和公式を繰り返し適用する形で表現したもので,ここ20年ぐらいで人口に膾炙した部分積分を繰り返す手法をアーベルの総和公式に適用した面白い記事.

「瞬間部分積分」の現在の使い方を和分に適用した命名となっている.指数関数や多項式の和分の性質を覚えていればこの手法は非常に便利なのだけど差分について前進と後退を間違い易いので慣れるまで難しい.

多くの場合は次の方法で十分である.

r\neq 0,1 のとき,a_n=(nの1次式)r^{n-1}n=1,2,…)の和 S_n=\displaystyle\sum_{k=1}^n a_kS_n=(nの1次式)r^{n-1}+C の形をしている

a_n に満たす漸化式の特性方程式(\lambda-r)^2=0 であることから S_n の満たす漸化式の特性方程式
(\lambda-1)(\lambda-r)^2=0 となるというだけの話である.なお,S_{n+1}-rS_n の満たす漸化式の特性方程式(\lambda-1)(\lambda-r)=0 となるので S_{n+1}-rS_n=\alpha r^{n-1}+\beta の形になるはずで,よって S_{n+1}-rS_n を考えると \alpha r^{n-1} の部分を作るための等比数列の和となる部分が登場するはず,というのが良くある S_{n+1}-rS_n を考える理由である.なお,さらに S_{n+2}-2rS_{n+1}+r^2S_n の満たす漸化式の特性方程式\lambda-1=0 となることから S_{n+2}-2rS_{n+1}+r^2S_n は定数数列 (1-r)^2C となることがわかるので,定数部分は \dfrac{S_3-2rS_2+r^2S_1}{(1-r)^2} であることがわかる.

同様に

r\neq 0,1 のとき,a_n=(nの2次式)r^{n-1}n=1,2,…)の和 S_n=\displaystyle\sum_{k=1}^n a_kS_n=(nの2次式)r^{n-1}+C の形をしている

ということも言え,C=\dfrac{S_{4}-3rS_{3}+3r^2S_2-r^3S_1}{(1-r)^3} となることもわかる.

\displaystyle\sum_{k=1}^n k\cdot 2^{k-1} を求めよ.

[解答]
a_n=n\cdot 2^{n-1} とおくと,S_n=\displaystyle\sum_{k=1}^n a_k を求めれば良い.

a_1=1a_2=4a_3=12 から S_1=1S_2=5S_3=17 となり
S_n=\{A(n-1)+B\}2^{n-1}+C
とおくと,C=\dfrac{S_{3}-4S_{2}+4S_1}{(1-2)^2}=1 が成立し,B+C=12A+2B+C=5 から A=2B=0 が得られ,よって S_n=(2n-2)2^{n-1}+1=(n-1)2^n+1 となる.

\displaystyle\sum_{k=1}^n \dfrac{k^2}{2^k} を求めよ.

[解答]
a_n=\dfrac{n^2}{2^{n}} とおくと,S_n=\displaystyle\sum_{k=1}^n a_k を求めれば良い.

a_1=\dfrac{1}{2}a_2=1a_3=\dfrac{9}{8}a_4=1 から S_1=\dfrac{1}{2}S_2=\dfrac{3}{2}S_3=\dfrac{21}{8}S_4=\dfrac{29}{8} となり
S_n=\dfrac{A(n-1)(n-2)+B(n-1)+C}{2^{n}}+D とおくと,
D=\dfrac{S_4-\dfrac{3}{2}S_3+\dfrac{3}{4}S_2-\dfrac{1}{8}S_1}{\left(1-\dfrac{1}{2}\right)^3}=8S_4-12S_3+6S_2-S_1=29-\dfrac{63}{2}+9-\dfrac{1}{2}=6
となるので,
S_n=\dfrac{A(n-1)(n-2)+B(n-1)+C}{2^{n}}+6=\dfrac{A(n-1)(n-2)+B(n-1)+C+12\cdot 2^{n-1}}{2^{n}}
となる.よって
C+12=1B+C+24=62A+2B+C+48=21
となり,C=-11B=-72A=-2 となり,
S_n=\dfrac{-(n-1)(n-2)-7(n-1)-11+12\cdot 2^{n-1}}{2^{n}}=\dfrac{-n^2-4n-6+3\cdot 2^{n+1}}{2^{n}}
となる.

このぐらいだと,瞬間部分和分を使うまでもなく簡単に求まる.とは言え,An^2+Bn+C ではなく A(n-1)(n-2)+B(n-1)+C と置いている時点で和分に片足をつっこんでいる訳なのだが.

a_n=(pn+q)r^nr\neq 1n=1,2,…) の和についてもう少し考えよう.

一般に p_n=pn+q とおくと
S_n=\{A(n-1)+B\}r^{n-1}+CS_1=p_1S_2=p_1+rp_2S_3=p_1+rp_2+r^2p_3
から
C=\dfrac{(1-r)^2p_1+r(1-2r)p_2+r^2p_3}{(1-r)^2}=\dfrac{p+(1-r)q}{(1-r)^2}
となり,
B+C=p_1rA+rB+C=p_1+rp_2
から A=\dfrac{rp}{r-1}B=\dfrac{r(r-2)p+r(r-1)q}{(r-1)^2} が得られ
S_n=\dfrac{r(r-1)pn+r^2q-r(p+q)}{(r-1)^2}\cdot r^{n-1}+\dfrac{p+(1-r)q}{(r-1)^2}
となる.これを変形すると S_n=\dfrac{p_nr^{n+1}-p_{n+1}r^{n}-p_0r^1+p_1r^0}{(r-1)^2} となり,
A_{n}=\dfrac{p_{n}r^{n+1}-p_{n+1}r^{n}}{(r-1)^2}
とおくと S_n=A_n-A_0 が成立している.つまり a_n=A_n-A_{n-1} の形になっているはずで,実際,
A_{n}-A_{n-1}=\dfrac{p_{n}r^{2}-p_{n+1}r-p_{n-1}r+p_{n}}{(r-1)^2}\cdot r^{n-1}=\dfrac{p_{n}r^{2}-2p_{n}r+p_{n}}{(r-1)^2}\cdot r^{n-1}=p_nr^{n-1}=a_n
が確かになりたっている.この逆を辿ってみると結局 p_n が1次式なので
p_{n+1}-2p_n+p_{n-1}=0 が成立していることがポイントとなっていることがわかる.

p_n=pn+q として
S_n=\displaystyle\sum_{k=1}^n (pk+q)r^{k-1}=\dfrac{\{p_{n}r^{n+1}-p_{n+1}r^{n}\}-\{p_0r^1-p_1r^0\}}{(r-1)^2}
となる.

すると,例えば \displaystyle\sum_{k=1}^n (2k-1)\cdot 2^{k-1} を求めるときには,
\displaystyle\sum_{k=1}^n(2k-1)\cdot 2^{k-1}
=\displaystyle\sum_{k=1}^n\dfrac{4(2k-1)-2(2k+1)-2(2k-3)+(2k-1)}{4-4+1}\cdot 2^{k-1}
=\displaystyle\sum_{k=1}^n\Big( \{(2k-1)\cdot 2^{k+1}-(2k+1)\cdot 2^k\}-\{(2k-3)\cdot 2^k-(2k-1)\cdot  2^{k-1}\}\Bigr)
=\{(2n-1)\cdot 2^{n+1}-(2n+1)\cdot 2^n\}-\{(-1)\cdot 2-1\}
=(2n-3)\cdot 2^{n}+3
という式変形ができることになる.

冗談で求めてみた.

((等差数列)×(等比数列) の和のくそみそテクニック

S_n=\displaystyle\sum_{k=1}^n (pk+q)r^{k-1} を求めるには,S_1,S_2,S_3 を求めて

S_n=\dfrac{p(n-1)r^n}{r-1}+\dfrac{1-r^{n-1}}{(1-r)^2}(S_3-2rS_2+r^2S_1)+r^{n-1}S_1
を得る.




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