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備忘録:クラメル・ラオの不等式

非負定値対称行列には平方根(対角化して固有値を、その平方根に置き換えたもの)が存在するので、それを用いた証明ということだが、学術図書出版社の竹村先生の解答は、ラクランジュの未定乗数法を用いて、一般化固有値問題に帰着させよ、とあり、その後の部分は省略されているで不親切であるが,実は省略されている部分はそんなに難しくない.

ポイントは分母の (a^{\top} J b)^2=b^{\top} J^{\top} aa^{\top} J b に登場する行列 J^{\top} aa^{\top} Jaa^{\top} のランクが1であることに気付けるかどうかである.これに気付ければ行列 J^{\top} aa^{\top} J のランクも(高々)1であるから阿呆ほど易しい.もちろん気付かなければ難しい.

さて、\max_b \dfrac{(a^{\top} J b)^2}{b^{\top} I b}=\max_b \dfrac{b^{\top} J^{\top} aa^{\top} J b}{b^{\top} I b} は、b^{\top} I b=1 の条件付きでラグランジュの未定乗数法を用いて
L=b^{\top} J^{\top} aa^{\top} J b-\lambda(1-b^{\top} I b)
極値を考えると
(J^{\top} aa^{\top} J) b=\lambda Ib
という一般化固有値問題に帰着できる.ここで c=Ib とおくと通常の固有値問題
(J^{\top} aa^{\top} J) I^{-1} c=\lambda c
となるので,行列
(J^{\top} aa^{\top} J) I^{-1}(これは問題から零行列ではないとする)
の最大固有値を求めれば良いのだが,行列 (J^{\top} aa^{\top} J) I^{-1} のランクは1である.

実際 ABBA の非零固有値が一致することを考えれば(これを知らないと本問は難しいだろう),行列 J^{\top} aa^{\top} J I^{-1} の非零固有値は1次正方行列 a^{\top} J I^{-1} J^{\top} a の非零固有値と一致することになるが、これは I^{-1} が正定値行列であることを考えると正の実数と考えることができるので

J^{\top} aa^{\top} J I^{-1} の最大固有値a^{\top} J I^{-1} J^{\top} a となることはほぼ自明

である.

なお、件のXの投稿では d=I^{1/2} b とおいて固有値問題
I^{-1/2} (J^{\top} aa^{\top} J) I^{-1/2} d=\lambda d
に帰着させていることに相等する.




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