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JISにおける信頼率の定義 1999 , 2015

日本工業規格のJIS Z 8101-1で確率統計に関する JIS における用語の定義がなされている。

1999年だと

1.1
確率 かくりつ
probability

ある試行を同じ条件の下で長く続けたとき,一定の結果が生起する相対頻度の極限値。より一般的にはランダムな事象に割り当てられている [0, 1] の範囲の実数値と定義される。一般に事象 A の確率を Pr (A)で表す。

2.40
信頼率,信頼係数,信頼水準
しんらいりつ,りんらいけいすう,しんらいすいじゅん
confidence coefficient, confidence level
両側または片側信頼区間,若しくは統計的許容区間に付随する確率の値 1-\alpha

だったが,2015年だと

1.28
(両側)信頼区間 (りょうがわ)しんらいくかん(confidence interval)

(中略)

注記1 区間の信頼率は,同一条件による多数回の繰り返しで得られたランダムサンプル(1.6)からの信頼区間が,母数の真値を含む場合の比率である。信頼区間は,観測された信頼区間が母数の真値を含む確率(2.5)を意味するものではない(真値は,観測された信頼区間に含まれるか,含まれないかのいずれかである。)。

2.5
(事象Aの)確率 (じしょうAの)かくりつ[probability (of an event A)]
P(A)

事象(2.2)に割り当てられる閉区間 [0,1] の中の実数。

(中略)

注記2 この定義では,確率とは特定の事象に対する確率を意味する。確率は,事象の長期にわたる生起の相対頻度,又は起こりやすさに関する確信の度合いに関連付けられることもある。(後略)

のように、正しかったものを間違いにして、より頭が悪くなっている。確率を間違って理解している人の横槍メンゴ。注記1の「信頼区間は,観測された信頼区間が母数の真値を含む確率を意味するものではない」は

「信頼率は,観測された信頼区間が母数の真値を含む確率を意味するものではない」

の誤植であるが,ともかくこんな頭の悪いことを書いてて大丈夫なんだろうか?JIS 1999 の「確率とはある試行を同じ条件の下で長く続けたとき,一定の結果が生起する相対頻度の極限値。」と矛盾しているのだが。つまり JIS 2015 は JIS 1999 は嘘でした間違いでした、と言っている訳である。

実際にコインをわざと歪めたときに表が出る確率はどうやって求めれば良いかを考えてみれば良い.「確率とはある試行を同じ条件の下で長く続けたとき,一定の結果が生起する相対頻度の極限値。」として求めるのが通常だろう。

Колмого́ров によって定義された確率論において「その存在が仮定された確率の実在を確認するための手段」を考えてみると良い.ある種幾何学的対称性が仮定されて数学的に計算される場合もあるが、多くの場合は数学的に簡素に計算できるものではない。また幾何学的対称性から計算された確率は、例えば「公平に作られたコインが存在するならば、その表と裏は人間が便宜的に区別するための言葉であり数学的に区別される理由がないため、それぞれが出る確率が異なるはずがなく、だから等しく 1/2 である」となる訳だが、実在するコインが公平であるかないかを確認するには、「確率とはある試行を同じ条件の下で長く続けたとき,一定の結果が生起する相対頻度の極限値。」として求める以外にはなく、「確率の実在は相対頻度をもって確かめられる」ことになる。

「信頼区間は,観測された信頼区間が定数である母数の真値を含むような``標本が選ばれる''確率という意味しかない」

だからこそ、同じことを続けた場合の相対頻度の極限である確率が信頼度と一致することになるのである。自己矛盾に気付いて欲しい。

(×)「信頼率は,(未知変数である)母数が,(定区間である)信頼区間に含まれる確率」

(○)「信頼率は,(定数である)母数が,(確率変区間である)信頼区間に含まれる確率」

ということ。きちんと言葉を定義していなくて、正しいも間違ったもないだろう。

JIS 2015 の統計まわりの委員は

日本工業標準調査会標準第一部会 基盤技術専門委員会 構成表
氏名 所属
(委員会長) 奈良広一 国立研究開発法人産業技術総合研究所
(委員) 伊藤納奈 国立研究開発法人産業技術総合研究所
江前敏晴 筑波大学
大久保友恵 レンゴー株式会社
大谷聖子 公益社団法人日本消費生活アドバイザーコンサルタント・相談員協会
大谷吉生 金沢大学
大平由紀子 日本製紙株式会社
柿本章子 主婦連合会
金田徹 関東学院大学
重松康夫 一般財団法人日本規格協会
鈴木知道 東京理科大学
鈴木由紀子 王子ホールディングス株式会社
高津章子 国立研究開発法人産業技術総合研究所
中本文男 一般財団法人日本品質保証機構
渕田隆義 女子美術大学
古谷涼秋 東京電機大学

統計を使っている人はいるけれども確率論や統計学の専門家がいない。非専門家が専門的なことを決定する日本の縮図。JIS 酷すぎ。




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