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2026年(令和8年)山梨大学医学部後期-数学[2]

2026.03.13.12:41:58記

[2] 中身が見えない壺の中に赤玉が 6 個,青玉が 2 個,白玉が 2 個入っている.壺から玉を 1 個取り出して玉の色を記録し,壺に戻すことを 1000 回繰り返す.このとき赤玉と青玉の出た回数をそれぞれ X,Y とする。

(1) X=600 であるとき,192\leqq  Y\leqq 197 となる確率を,正規分布で近似する方法で求めよ.なお標準正規分布に従う確率変数 Z について p(z)= P(0\leqq  Z\leqq z) は次の表のようになる.

z 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0
p(z) 0.0398 0.0793 0.1119 0.1554 0.1915 0.2257 0.2580 0.2881 0.3159 0.3413

(2) 0 以上の整数 s,t,u に対し n=s+t+u とおく.(a+b+c)^n の展開式における a^sb^tc^u の項の係数を二項定理を用いて求め,階乗の記号を使って表せ.

(3) 期待値 E(XY) を求めよ.

本問のテーマ
多項分布の共分散

2026.03.13.12:41:58記

[大人の解答](知識)
(3) 本問の多項分布において E(X)=1000\cdot 0.6=600E(Y)=1000\cdot 0.2=200\mbox{Cov}(X,Y)=-1000\cdot0.6\cdot0.2=-120 であるから,E(XY)=\mbox{Cov}(X,Y)+E(X)E(Y)=-120+600\cdot 200=119880 となる.

(1)でより正確に近似するならば半整数補正 191.5\leqq Y\leqq 197.5 を行います(数表は線形補間)が,大学入試では断りのない限り半整数補正を行う必要はないでしょう.赤玉が出なかったという条件付きの 400 回において青玉の出る確率は 0.2 ではなく,0.5 となることが引っかけですが,確率を求めるための数値が数表にないことから間違いであることに気づき易いでしょう.

(2) 多項定理の証明はどのような場合の数を組み合わせを用いて求めるのかを言葉で説明することになります.

(3) XY は独立ではありませんので E(XY)\neq E(X)E(Y) です.(2)がどう活かされるかは,二項分布で E(X)V(X) を二項定理を用いて真面目に計算したことがある人ならばすぐにわかると思います.\displaystyle\sum \dfrac{n!}{s!t!u!} a^sb^tc^u=(a+b+c)^n を使ってシグマ計算を行うというヒントです.

[解答]
(1) 赤玉が出なかった 400 回において青玉と白玉が出る確率は 0.5 で等しいので,赤玉が出なかった 400 回において Y は二項分布 B(400,0.5) に従う.B(400,0.5) の平均は 400\cdot 0.5=200,分散は 400\cdot 0.5\cdot 0.5=100 であるから,B(400,0.5) は正規分布 N(200,10^2) に従う.よって \dfrac{Y-200}{10} は標準正規分布に近似される.

192\leqq Y\leqq 197-0.8\leqq \dfrac{Y-100}{10} \leqq -0.3 であり,正規分布の対称性から,求める確率は p(0.8)-p(0.3)=0.2881-0.1119=0.1762 で近似される.

(2) 「a,b,c の中でどれか 1 つを選ぶ」という操作を n 回行ったときに as 回, bt 回, cu 回選ぶ場合の数が a^sb^tc^u の係数となるので,
{}_n\mbox{C}_s\cdot{}_{n-s}\mbox{C}_t=\dfrac{n!}{s!(n-s)!}\cdot\dfrac{(n-s)!}{t!(n-s-t)!}=\dfrac{n!}{s!t!(n-s-t)!}
となるが,n-s-t=u であるから,求める係数は \dfrac{n!}{s!t!u!} となる.

(3) P(X=x\,\mbox{かつ}\, Y=y)=\dfrac{1000!}{x!y!(1000-x-y)!}\cdot \left(\dfrac{3}{5}\right)^x\cdot \left(\dfrac{1}{5}\right)^y\cdot \left(\dfrac{1}{5}\right)^z である.

E(XY)=\displaystyle\sum_{\substack{x+y+z=1000\\ x,y,z\geqq 0}} xyP(X=x\,\mbox{かつ}\, Y=y)
において x=0 または y=0 のときは xyP(X=x\,\mbox{かつ}\, Y=y)=0 であるから,
E(XY)=\displaystyle\sum_{\substack{x+y+z=1000\\ x,y\geqq 1\\ z\geqq 0}} xyP(X=x\,\mbox{かつ}\, Y=y)
として良く,x'=x-1y'=y-1 とおくと
E(XY)=\displaystyle\sum_{\substack{x'+y'+z=998\\ x',y',z\geqq 0}} \dfrac{1000!}{x'!y'!(998-x'-y')!}\cdot \left(\dfrac{3}{5}\right)^{x'+1}\cdot \left(\dfrac{1}{5}\right)^{y'+1}\cdot \left(\dfrac{1}{5}\right)^z
=1000\cdot 999\cdot\dfrac{3}{5}\cdot\dfrac{1}{5}\displaystyle\sum_{\substack{x'+y'+z=998\\ x',y',z\geqq 0}} \dfrac{998!}{x'!y'!(998-x'-y')!}\cdot \left(\dfrac{3}{5}\right)^{x'}\cdot \left(\dfrac{1}{5}\right)^{y'}\cdot \left(\dfrac{1}{5}\right)^z
=1000\cdot 999\cdot\dfrac{3}{5}\cdot\dfrac{1}{5}\cdot \left(\dfrac{3}{5}+\dfrac{1}{5}+\dfrac{1}{5}\right)^{998}
=1000\cdot 999\cdot\dfrac{3}{5}\cdot\dfrac{1}{5}=40\times 2997=119880
となる.




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