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2024年(令和6年)山梨大学医学部後期-数学[2]

2025.04.02記

[2] 中の見えない壺に,6個の赤玉と4個の白玉が入っている.ここから玉を1回に1個取り出し,元に戻さないとする.n 個の玉を取り出した時点で,取り出した赤玉の総数を r_n ,白玉の総数を w_n とする.このとき, r_1\geqq w_1r_2\geqq w_2,…,r_{10}\geqq w_{10} がすべて成り立つ確率を求めよ.

本問のテーマ
カタラン数

2025.04.02記

[うまい解答]
赤玉を取り出したら右に進み,白玉を取り出したら上に進むことを考えると,常に赤玉の数が白玉の数以上となるのは,次図の経路を通る総数となり,経路の数を実際に書き込むと次のようになる:

よって条件を満たす場合の数は 90 通りだから,求める確率は \dfrac{90}{{}_{10}\mbox{C}_4}=\dfrac{3}{7} となる.

この経路は (-1+x)(1+x)^{10}x^4 の係数となる.これは 1,-1 から始まるパスカルの三角形の一般化と対応付けられるという話は有名である.例えば
mathlog.info
を参照のこと.

このことから,本問の結果は {}_{10}\mbox{C}_4-{}_{10}\mbox{C}_3=210-120=90 で得られることがわかる.

 一般に,n\geqq m なる自然数 n,m について,n 個の赤玉と m 個の白玉が入っている場合を考えると,経路の総数は (-1+x)(1+x)^{m+n}x^m の係数となり,それは
{}_{m+n}\mbox{C}_m-{}_{m+n}\mbox{C}_{m-1}
となるので求める確率は
1-\dfrac{{}_{m+n}\mbox{C}_{m-1}}{{}_{m+n}\mbox{C}_m}=1-\dfrac{m}{n+1}=\dfrac{n+1-m}{n+1}
となる.

つまり,うまくいかない場合の数は {}_{m+n}\mbox{C}_{m-1} であり,うまくいかない確率は \dfrac{m}{n+1} となる.

ということを考えると,うまくいかない場合に着目するのが楽そうである.というのもうまくいかなくなる直前は赤と白の個数は同じとなるのでカタラン数 C_n=\dfrac{{}_{2n}\mbox{C}_n}{n+1}C_0=1C_1=1C_2=2C_3=5,…)が直接登場するからである.

[解答]
余事象を考える.また,白玉が初めて多くなった状況を失敗すると表現することにすると偶数回目では失敗しない.

(i) 1回目で失敗するのは最初に白が出るときで,その確率は \dfrac{4}{10} である.

(ii) 3回目で失敗する確率は最初に赤白白の順番で出るときで,その確率は \dfrac{4}{10}\cdot \dfrac{6\cdot 3}{9\cdot 8}=\dfrac{1}{10} である.

(iii) 5回目で失敗する確率は最初の4回で赤赤白白または赤白赤白の順番で出て5回目に白が出るときで,その確率は 2\cdot\dfrac{1}{10}\cdot \dfrac{5\cdot 2}{7\cdot 6}=2\cdot\dfrac{1}{42}=\dfrac{1}{21} である.

(iv) 7回目で失敗する確率は最初の6回で赤赤赤白白白,赤赤白赤白白,赤赤白白赤白,赤白赤赤白白,赤白赤白赤白の順番で出て7回目に白が出るときで,その確率は 5\cdot \dfrac{1}{42}\cdot \dfrac{4\cdot 1}{5\cdot 4}=\dfrac{1}{42} である.

以上から失敗する確率は
\dfrac{4}{10}+\dfrac{1}{10}+\dfrac{1}{21}+\dfrac{1}{42}=\dfrac{24}{42}=\dfrac{4}{7}
となり,よって求める確率は 1-\dfrac{4}{7}=\dfrac{3}{7} となる.

失敗する確率は,カタラン数 C_n=\dfrac{{}_{2n}\mbox{C}_n}{n+1}C_0=1C_1=1C_2=2C_3=5,…)を用いて
C_0\dfrac{{}_4\mbox{P}_1}{{}_{10}\mbox{P}_1}+C_1\dfrac{{}_4\mbox{P}_2\cdot{}_6\mbox{P}_1}{{}_{10}\mbox{P}_3}+C_2\dfrac{{}_4\mbox{P}_3\cdot{}_6\mbox{P}_2}{{}_{10}\mbox{P}_5}+C_3\dfrac{{}_4\mbox{P}_4\cdot{}_6\mbox{P}_3}{{}_{10}\mbox{P}_7}
=C_0\dfrac{{}_4\mbox{C}_1\cdot{}_6\mbox{C}_0}{{}_{10}\mbox{C}_1\cdot{}_{1}\mbox{C}_0}+C_1\dfrac{{}_4\mbox{C}_2\cdot{}_6\mbox{C}_1}{{}_{10}\mbox{C}_3\cdot{}_{3}\mbox{C}_1}+C_2\dfrac{{}_4\mbox{C}_3\cdot{}_6\mbox{C}_2}{{}_{10}\mbox{C}_5\cdot{}_{5}\mbox{C}_2}+C_3\dfrac{{}_4\mbox{C}_4\cdot{}_6\mbox{C}_3}{{}_{10}\mbox{C}_7\cdot{}_{7}\mbox{C}_3}
によって得られるが,これを整理すると \dfrac{4}{7} になることになる.

うまくいかない場合の数が {}_{m+n}\mbox{C}_{m-1} となることをうまく数えて示す方法は今後の課題.




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