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2026年(令和8年)早稲田大学理工学部-数学[2]

2026.02.19.22:56:27記

[2] k を自然数とする.方程式
\sqrt{m-\sqrt{n}}+\sqrt{m+\sqrt{n}}-\dfrac{1}{k}\sqrt{mn}=0
を満たす自然数の組 (m,n) を自然数解と呼ぶ.以下の問に答えよ.

(1) 自然数解 (m,n) が存在するならば,2k^2\leqq n \lt 4k^2 であることを示せ.

(2) それぞれの k に対して,自然数解が少なくとも 1 つ存在し,その個数は \sqrt{2}k より小さいことを示せ.

(3) k=3 のとき,自然数解をすべて求めよ.

2026.02.20.00:29:53記
後述するように,m2k^2\sqrt{2}k よりも大きな約数とし,n=4k^2-\dfrac{2k^2}{m} とすると方程式を満たし,自然数解の個数は 2k^2 の正の約数の個数の半分となります.
2k^2 の正の約数の個数の半分と, 2k^2\sqrt{2}k 未満の正の約数の個数は一致し,\sqrt{2}k 未満の自然数が全て 2k^2 の約数となる訳ではありませんので,自然数解の個数は \sqrt{2}k 未満となります.

[解答]
根号の中が非負であることから m^2\geqq n であり,このとき
\sqrt{m-\sqrt{n}}+\sqrt{m+\sqrt{n}}=\dfrac{1}{k}\sqrt{mn}
を平方して k^2 を乗じて整理すると
2k^2\sqrt{m^2-n}=m(n-2k^2)
となり,左辺は非負であるから 2k^2\leqq n が成立する.このとき両辺を平方して n\gt 0 で割って整理すると
4k^4=m^2(4k^2-n)
となり,左辺は正であるから n\lt 4k^2 が成立する.

(2) m=2k^2n=4k^2-1 とおくと
m^2\geqq n2k^2\leqq n \lt 4k^2m^2(4k^2-n)=(2k^2)^2\cdot 1=4k^4
の全てを満たすので,これは自然数解となり,自然数解は少なくとも一つ存在する.

(2k^2)^2=m^2(4k^2-n) から 4k^2-n は平方数であり,1\leqq 4k^2-n\leqq 2k^2 であるから,このような 4k^2-n はガウス記号を用いて [\sqrt{2}k] 個であることがわかる.よって自然数解の個数は無理数である \sqrt{2}k より小さい(これから定まる m が自然数となるとは限らないため,実際はもっと少ない可能性がある).

(3) 1\leqq 36-n\leqq 18 なる平方数は 36-n=1,4,9,16 であり,それに対して m=18,9,6,\dfrac{9}{2} となるので求める自然数解は
(m,n)=(18,35)(9,32)(6,27)3 個である.

1\leqq 4k^2-n\leqq 2k^2 から 2k^2\leqq m^2\leqq 4k^4 となるので \sqrt{2}k\leqq m\leqq 2k^2 が成立します.よって 2k^2m で割り切れて \sqrt{2}k\leqq m\leqq 2k^2 を満たすような m を考えれば良いことがわかり,2k^2 の正の約数の個数の半分だけ自然数解があることがわかります.

k=3 の場合,2k^2=2\cdot 3^2 の正の約数の個数は 6 個ですから,自然数解の個数は 3 個となり,k=6 の場合,2k^2=2^3\cdot 3^2 の正の約数の個数は 12 個ですから,自然数解の個数は 6 個となります.k=6 のときの自然数解は
(m,n)=(72,143),(36,140),(24,135),(18,128),(12,108),(9,80)
となります.

2026.02.21記

(ア) a,bが平方数(ある整数の2乗)でa/bが整数ならば、a/bが平方数
(イ) 自然数kに対し、√2kは整数でない(つまり、√2は無理数)
を用いる場面があるのだが、これらは証明なしに用いて良いのだろうか。意見が分かれそう。

のように考える人もいらっしゃるようですが,(ア)については最初書いていましたが,「平方数であることと素因数分解したときの各素数の指数が偶数であることは同値」であることを考えると「偶数から偶数を引くと偶数になる」ということに過ぎないので特に断りなく「(2k^2)^2=m^2(4k^2-n) から 4k^2-n は平方数」と書き直しました.(イ)について,本問の場合,\sqrt{2} が無理数かどうかが重要となるのは「個数が \sqrt{2}k より小さい」と「個数が \sqrt{2}k 以下」との違いにあります.本問においてこの差がそれほど重要なことかと考えると,等号が成立しないことはわかっていますよとフラグを立てる意味で「証明はしないけど言及するにとどめておく」という立場をとっています.

もっとも,このブログ自体「解説であって解答としては不十分」としており,解答のための要点をとどめているに過ぎないのであまり文句を言われても困る訳ですが(別のところでも書いていますが,何が明らかで何が明らかでないかは各個人がこれまで築きあげてきた数学の歴史そのものですから統一的な基準を作ることはできないので議論をすること自体が不毛な気がします).

√(N)の以下の自然数がすべてNの約数になることがあるか - 球面倶楽部 零八式 mark II




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