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2008年(平成20年)首都大学東京-都市教養(数理科学)[3]

2024.09.15記

[3] N 個の数列 \{a_n^{(1)}\},…,\{a_n^{(N)}\} はいずれも各項が 1-1 のいずれかであり,次を満たすとする.
a_{n+1}^{(k)}
=\left\{\begin{array}{ll} a_n^{(k+1)} & (a_n^{(k)}=1\mbox{のとき}) \\ a_n^{(k-1)} & (a_n^{(k)}=-1\mbox{のとき}) \end{array}\right.
(k=1,2,…,N)(n=1,2,…)
ただし,a_n^{(0)}=a_n^{(N)}a_n^{(N+1)}=a_n^{(1)} と定める.mN 未満の自然数とするとき,以下の問いに答えなさい.

(1) a_1^{(1)}=a_1^{(2)}=…=a_1^{(m)}=1 ならば,a_m^{(1)}=1 であることを示しなさい.

(2) a_1^{(1)}=a_1^{(2)}=…=a_1^{(m)}=1 かつ a_1^{(m+1)}=-1 ならば,a_{m+1}^{(1)}=-1 であることを示しなさい.

(3) 自然数 n に対して,a_n^{(1)}a_n^{(1)},…,a_n^{(N)} のうちで 1 であるものの個数を b_n とするとき,b_{n+1}=b_n であることを示しなさい.

本問のテーマ
周期境界条件のルール184(エレメンタリー・)セル・オートマトン(自然渋滞モデル)

2024.09.15記
n は時刻,k は位置を表している.周期境界条件 a_n^{(0)}=a_n^{(N)}a_n^{(N+1)}=a_n^{(1)}N 個の升目が環状になっていると考えれば良い.

一般のセル・オートマトンは,-1,1 ではなく 0,1 で表現する.このとき遷移ルールは

時刻nの状態(a_n^{(k-1)}a_n^{(k)}a_n^{(k+1)} 111 110 101 100 011 010 001 000
時刻n+1の状態(a_{n+1}^{(k)} 1 0 1 1 1 0 0 0

となり,このルールを,時刻n+1の状態 10111000 を2進数とみたときの自然数 184 を用いて「ルール184」と呼ぶ.

このルールにおいて「0は車がいない状態」,「1は車がいる状態」を表す.そして

ルール1:ある升目に車がいて,次の升目に車がいる場合,その車は動かないので車はいる

ルール2:ある升目に車がいて,次の升目に車がない場合,その車は動いてその升目に車はいなくなる

ルール3:ある升目に車がいなくて,前の升目に車がいる場合,前の升目の車は動いて、その升目に移動してくるので車はいる

ルール4:ある升目に車がいなくて,前の升目に車がない場合,その升目に来る車はないので車はいないままである

というルールであるから,車の自然渋滞モデルとして用いられる.

ルール184 - Wikipedia

[大人の解答]
本問は,周期境界条件のルール184セル・オートマトン(自然渋滞モデル)であり,「-1 は車がいない状態」,「1は車がいる状態」を表す.

この渋滞のモデルでは時間が1進む毎に渋滞の先頭が解消し,2番目以降は動かないという仕組みになっている.

(1) 第1マスの車は渋滞の先頭から m 番目以降であるから,この車が動くには少なくとも時間が m 以上進まなければならないので,時間が m-1 進んだ時点では動いていないので時刻 m において第1マスには車がいることになり,a_m^{(1)}=1 である.

(2) この渋滞のモデルにおいて車が連なっている場合,車がいない場所は1マスずつ後方に移動するので、m 台以上の車が連なっている渋滞において時間が m 進むと、車がいない場所は丁度 m マス後方に移動するので時刻 1 における第 m+1 マスの車がいない場所は時刻 1+m=m+1 における第 (m+1)-m=1 マスに移動しており,よって a_{m+1}^{(1)}=-1 である.

(3) 全体の車の台数 b_n は時刻によらないので b_{n+1}=b_n である.

[解答]
(1) a_1^{(1)}=a_1^{(2)}=…=a_1^{(m)}=1 より
a_2^{(1)}=…=a_2^{(m-1)}=1
a_3^{(1)}=…=a_3^{(m-2)}=1
…,
a_{m-1}^{(1)}=a_{m-1}^{(2}=1
と逐次的に成立し,よって
a_m^{(1)}=1
となる.

(2) a_1^{(1)}=a_1^{(2)}=…=a_1^{(m)}=1 かつ a_1^{(m+1)}=-1 より
a_2^{(1)}=…=a_2^{(m-1)}=1 かつ a_2^{(m)}=-1
a_3^{(1)}=…=a_3^{(m-2)}=1 かつ a_3^{(m-1)}=-1
…,
a_{m-1}^{(1)}=a_{m-1}^{(2}=1 かつ a_{m-1}^{(3)}=-1
a_m^{(1)}=1 かつ a_{m}^{(2)}=-1
と逐次的に成立し,よって
a_{m+1}^{(1)}=-1
となる.

(3) a_n^{(k)}1 から -1 に変化するのは a_n^{(k+1)}=-1 のときであり,このとき a_n^{(k+1)}-1 から 1 に変化するので,1 の個数は変化しない.

また,a_n^{(k)}-1 から 1 に変化するのは a_n^{(k-1)}=1 のときであり,このとき a_n^{(k-1)}1 から -1 に変化するので,1 の個数は変化しない.

よって a_n^{(1)}a_n^{(1)},…,a_n^{(N)} のうちで 1 であるものの個数は n によらず一定となり,b_{n+1}=b_n が成立する.

要するに,a^{(1)}a^{(2)}a^{(3)}\cdots a^{(N)}[a^{(1)}] に登場する 1001-10 とした)に書き換えると次の時刻の状態になるのだから,1の数は変わらないということ.




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