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2026年(令和8年)東京大学-数学(理科)[3]

2026.03.02.02:41:03記

[3] 座標空間内の原点を中心とする半径 5 の球面を S とする.S 上の相異なる 3\rm P,Q,R が次の条件を満たすように動く.

条件:\mbox{P},\mbox{Q}xy 平面上にあり,三角形 \mbox{PQR} の重心は \mbox{G}(2,0,1) である.

以下の問いに答えよ.

(1) 線分 \mbox{PQ} の中点 \mbox{M} の軌跡を xy 平面上に図示せよ.

(2) 線分 \mbox{PQ} が通過する範囲を xy 平面上に図示せよ.

本問のテーマ
円周上の動点と円外の定点との垂直二等分線の通過領域は定点と円の中心を焦点とする双曲線
(円周上の動点と円内の定点との垂直二等分線の通過領域は定点と円の中心を焦点とする楕円)

2026.03.02.02:41:03記
三角形 \mbox{PQR} の重心が xy 平面上にないので,3 点が異なることは \rm P\neq Q を考えれば良いとになります.また(2)はうまく考えると円周上の動点と定点の垂直二等分線の通過領域を求める問題と解釈することができ,円周上の動点と定点の垂直二等分線の包絡線は定点が円の外側にあるときは双曲線,円の内側にあるときは楕円で特に円の中心のときは円となることが知られています(円の周上にあるときは円の中心を通る直線群となり包絡線は円の中心に縮退します).本問の場合は定点が円周の外側にあるので双曲線となります.この包絡線を実感するには紙の上に円と定点を描き,定点が円周上の色々な点に重なるように紙を折り曲げることを繰り返すと折り目の包絡線として二次曲線が浮び上がってきます.この事実を始めて知ったのは大学への数学1988年5月号学力コンテストB1番でした(この学コンの問題は本問よりも意地悪でした).

[解答]
\mbox{P},\mbox{Q}z 座標は 0 であるから \mbox{R}z 座標は 3 となり,\mbox{R}(p,q,3)p^2+q^2=16)と置くことができ,このことから \mbox{R}\neq\mbox{P}\mbox{R}\neq\mbox{Q} である.ここで \mbox{G}'(2,0,0)\mbox{R}'(p,q,0) とおくと xy 平面上の問題に帰着され,条件は「異なる 2\mbox{P},\mbox{Q}x^2+y^2=25 上にあり,点 \mbox{R}C:x^2+y^2=16 上にあり,三角形 \mbox{PQR}' の重心は \mbox{G}'(2,0) である」となる.

(1) 点 M は原点中心半径 4 の円周上の点 R\mbox{G}' 中心に -\dfrac{1}{2} 倍拡大した点であるから,点 (3,0) 中心半径 2 の円周 C':(x-3)^2+y^2=4 上にある.C' 上の点を \mbox{M} としたとき,\mbox{M}C の弦の中点としてとれるような円周上の点 \mbox{P},\mbox{Q}\mbox{M} を通り \mbox{OM} に垂直な直線と C2 交点となるので,\mbox{P},\mbox{Q} が存在する必要十分条件は \mbox{M} が円 C の内部にあることである.ここで C'C に含まれ点 (5,0) で接することに注意すると,\mbox{M} の軌跡は C' から点 (5,0) を除いたものとなる.

(2) 直線 \mbox{PQ} の通過領域のうち x^2+y^2\leqq 25 を満たす領域を求めれば良い.\mbox{M}(3+2\cos\theta,2\sin\theta)(0\lt\theta\lt2\pi)と置くことができ,このとき直線 \mbox{PQ}\mbox{M} を通り \mbox{OM} に垂直な直線であるから,
(3+2\cos\theta)x+(2\sin\theta)y=(3+2\cos\theta)^2+(2\sin\theta)^2=13+12\cos\theta
となる.この直線が (x,y) を通過するための必要十分条件は (2x-12)\cos\theta+2y\sin\theta=13-3x を満たす 0\lt\theta\lt2\pi が存在することであり,それは
(2x-12)^2+(2y)^2\leqq (13-3x)^2 かつ (2x-12)\cdot 1+2y\cdot 0\neq 13-3x
である.整理して
\dfrac{(x-3)^2}{4}-\dfrac{y^2}{5}\leqq 1 かつ x\neq 5
となる.

よって求める領域は
x^2+y^2\leqq 25 かつ \dfrac{(x-3)^2}{4}-\dfrac{y^2}{5}\leqq 1 かつ x\neq 5
である.ここで x^2+y^2=25\dfrac{(x-3)^2}{4}-\dfrac{y^2}{5}=1 の交点が \left(-\dfrac{5}{3},\pm\dfrac{10\sqrt{2}}{3}\right) に注意して図示すると次図のようになる.

[大人の解答]
(2) 直線 \mbox{PQ}C' を原点中心に 2 倍に拡大した円 C'':(x-6)^2+y^2=16 から点 (10,0) を除く図形上の動点と,その円の外側にある原点 \mbox{O} の垂直二等分線である.C'' の中心を \mbox{C},動点を \mbox{N} とし,\mbox{ON} の垂直二等分線を l とし,\mbox{CN}l の交点を \mbox{K} とすると,\mbox{K} が線分 \mbox{CN}\mbox{N} 側の延長上にあるときは
\mbox{KC}=\mbox{KN}+\mbox{NC}=\mbox{KO}+\mbox{NC}
\mbox{CN}\mbox{C} 側の延長上にあるときは
\mbox{KC}=\mbox{KN}-\mbox{NC}=\mbox{KO}-\mbox{NC}
が成立するので,
\mbox{KC}-\mbox{KO}=\pm\mbox{NC}=\pm 4
が成立する.よって \mbox{K}\mbox{C},\mbox{O} を焦点とする双曲線上の点であり,l\angle\mbox{OKN} の二等分線となることから l\mbox{C},\mbox{O} を焦点とする双曲線上の点 \mbox{K} における接線となる.

\mbox{C}(6,0)\mbox{O}(0,0) を焦点とする双曲線の方程式は \dfrac{(x-3)^2}{4}-\dfrac{y^2}{5}=1 であるから,直線 \mbox{PQ} の通過領域は「\dfrac{(x-3)^2}{4}-\dfrac{y^2}{5}\leqq 1 から (5,0) を除いたものである.よって求める領域はこの通過領域のうち x^2+y^2\leqq 25 を満たす部分となる.

円周上の動点と円外の定点との垂直二等分線の通過領域は定点を焦点とする双曲線であることから直線 \mbox{PQ} の包絡線が双曲線であり,それが x 軸について対称であることは明らかで,その双曲線の接線が y 軸に平行になる場合を考えると,その垂直二等分線が C'(3\pm 2,0) における接線である x=1,5 となることがわかるので,その双曲線の頂点は (1,0)(5,0) を通ることがわかります.また円 C' の中心を \mbox{D}(3,0) とおくとき \angle\mbox{OMD}=\dfrac{\pi}{2} のときに \mbox{CN}\parallel l となるので,このときの接線は漸近線となります.この接線の傾きは \cos\alpha=\dfrac{2}{3} のときの \tan\alpha=\dfrac{\sqrt{5}}{2} であるから双曲線の方程式が \dfrac{(x-3)^2}{4}-\dfrac{y^2}{5}=1 となることがわかります.

2026.03.02記
[解答]では線分の両端は含むとして解答したが,代ゼミは線分の両端は含まないとして解答をしているので境界の包含の部分が少し異なっています.




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