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1928年(昭和3年)東京帝國大學農學部第二次-數學[3]

2022.08.31記

[3] 曲線 x^3-3axy+y^3=0 ニ二重點アリヤ.

[3] 曲線 x^3-3axy+y^3=0 に二重点はあるか.

本問のテーマ
デカルトの正葉線
二重点

2025.01.08記
曲線 x^3-3axy+y^3=0デカルトの正葉線と呼ばれる.

デカルトの正葉線 - Wikipedia

には「デカルトの正葉線は、原点と漸近線に二重点をもつ」とあり,漸近線に二重点があるという意味がわからなかったのだが,英語版の

Folium of Descartes - Wikipedia

には「It forms a loop in the first quadrant with a double point at the origin and asymptote x+y+a=0.」(それは原点において二重点を持ち、漸近線 x+y+a=0 を持つと同時に第1象限においてループを形成する)とある.英語版の wikipedia の 「and」の部分の訳の問題のようである.個人的には「It forms a loop in the first quadrant with a double point at the origin and "a" asymptote x+y+a=0.」のように「a」が入るべきのような気がするが,英語は苦手なので間違っているかも知れない.

いずれにせよ,Wikipedia の日本語版は間違っているように思う.

二重点とは結局,代数曲線上の点において2つの接線を持つ点のことを指す.簡単に言えば,曲線上のある点 (p,q) においてその代数曲線が
a(x-p)^2+2b(x-p)(y-q)+c(y-q)^2=0
と近似される点のことであり,要はその点において2つの接線を持つ場合である.この2次形式を2つの1次式に因数分解したときには

(a) 実係数の範囲で異なる2つの1次式に因数分解できる
(b) 実係数の範囲で完全平方式として因数分解できる
(c) 実係数の範囲では因数分解できず虚数を用いて因数分解できる

の3つの場合が考えられ,

(a) 結節点(node):曲線はその点で自己交叉する(異なる2つの「実」接線をもつ)
(b) 尖点(cusp):曲線はその点で向きを変え尖った点を作る(一致する2つの「実」接線をもつ)
(c) 孤立点(isolated point):その点の近傍に曲線上の点がない(異なる2つの「虚」接線をもつ)

となる.(c) の場合,曲線上を動くと,2つの接線のうちいずれかに沿って動くのであるから,直ちに虚数を成分とする座標となるので実空間では見えなくなるという訳である.

結局は f(x,y)=0 で表されるとき,\dfrac{\partial f}{\partial x}=\dfrac{\partial f}{\partial y}=0 を満たす曲線上の点に対して\left(\dfrac{\partial^2 f}{\partial x\partial y}\right)^2-\dfrac{\partial^2 f}{\partial x^2}\cdot \dfrac{\partial^2 f}{\partial y^2} が(a) 正ならば結節点,(b) 0ならば尖点,(c) 負なら孤立点となる.

[解答]
(曲線は実数の範囲で考えているので,a は実数とする)

(1) a=0 のとき:曲線は直線 x+y=0 となるので二重点はない.

(2) a\neq 0 のとき:
f(x,y)=x^3-3axy+y^3 とおくと,\dfrac{\partial f}{dx}=\dfrac{\partial f}{dy}=0 が必要で,このとき 3x^2-3ay=-3ax+3y^2=0 から y を消去して x^4-a^3x=x(x-a)(x^2+ax+a^2)=0,つまり x=0,a となる.

(a) x=0 のとき x^2-ay=0 から y=0 であり,(0,0) は曲線上の点である.
(b) x=a のとき x^2-ay=0 から y=a であり,(a,a) は曲線上の点ではない.

よって曲線上の点で \dfrac{\partial f}{dx}=\dfrac{\partial f}{dy}=0 を満たす点は (0,0) に限る.

このとき,
\left.\left(\dfrac{\partial^2 f}{\partial x\partial y}\right)^2-\dfrac{\partial^2 f}{\partial x^2}\cdot \dfrac{\partial^2 f}{\partial y^2}\right|_{(0,0)}=\left.(3a)^2-(6x)(6y)\right|_{(0,0)}=(3a)^2\gt 0 により (0,0) は結節点となる二重点である.

まとめると,a=0 のとき二重点はなく,a\neq 0 のとき原点が二重点となる.

同じ解答だが,少し雰囲気を変えてみると次のようになる.

[解答]
(曲線は実数の範囲で考えているので,a は実数とする)

(1) a=0 のとき:曲線は直線 x+y=0 となるので二重点はない.

(2) a\neq 0 のとき:
曲線上の点を (p,q) とおくと p^3-3apq+q^3=0 を満たす.

さて,
x^3-3axy+y^3=(x-p+p)^3-3a(x-p+p)(y-q+q)+(y-q+q)^3
=3(p^2-aq)(x-p)+3(q^2-ap)(y-q)+3p(x-p)^2-3a(x-p)(y-q)+3q(y-q)^2+(x-p)^3+(y-q)^3=0
となるので,点 (p,q) が二重点であるためには,曲線が点 (p,q) の近辺で一次近似の項が消えることが必要で,
p^2-aq=q^2-ap=0
が必要である.

a\neq 0 より q=\dfrac{p^2}{a} だから p^4-a^3p=p(p-a)(p^2+ap+a^2)=0 となり p=0,a となる.

(a) x=0 のとき x^2-ay=0 から y=0 であり,(0,0) は曲線上の点である.
(b) x=a のとき x^2-ay=0 から y=a であり,(a,a) は曲線上の点ではない.

よって二重点の候補は点 (0,0) に限る.

このとき,曲線は (0,0) の付近で 0x^2-3axy+0y^2=-3axy=0,つまり xy=0(異なる2直線) と近似できるので二重点(結節点)である.

まとめると,a=0 のとき二重点はなく,a\neq 0 のとき原点が二重点となる.

デカルトの正葉線において t=\dfrac{y}{x} とおくと x^2\{(t^3+1)x-3at\}=0 となるので x=0 または x=\dfrac{3at}{t^3+1}t\neq -1) となるが,x=0x=\dfrac{3at}{t^3+1}t=0 としたものだから,結局 x=\dfrac{3at}{t^3+1}t\neq -1)とすれば良く,このとき
(x,y)=\left(\dfrac{3at}{t^3+1},\dfrac{3at^2}{t^3+1}\right)t\neq -1
となる.これがデカルトの正葉線のパラメータ表示となる.ここで t=\tan\theta と置けば
(x,y)=\left(\dfrac{3a\cos^2\theta\sin\theta}{\cos^3\theta+\sin^3\theta},\dfrac{3a\cos\theta\sin^2\theta}{\cos^3\theta+\sin^3\theta}\right)
となる.よって極表示は
r=\dfrac{3a\cos\theta\sin\theta}{\cos^3\theta+\sin^3\theta}
となる.

デカルトの正葉線の囲む面積は
2\cdot\dfrac{1}{2}\displaystyle\int_0^{\pi/4} r^2\, d\theta=9a^2\displaystyle\int_0^{\pi/4}\left(\dfrac{\cos\theta\sin\theta}{\cos^3\theta+\sin^3\theta}\right)^2\,d\theta=9a^2\displaystyle\int_0^{1}\dfrac{t^2}{(t^3+1)^2}\,d\thetat=\tan\theta
=9a^2\Bigl[-\dfrac{1}{3(t^3+1)}\Bigr]_0^{1}=9a^2\cdot\dfrac{1}{6}=\dfrac{3}{2}a^2
となる.




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