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2011年(平成23年)東京工業大学-数学[4]

2024.10.05記

[4] 平面上に一辺の長さが 1 の正方形 D および D と交わる直線があるとする.この直線を軸に D を回転して得られる回転体について以下の問に答えよ.

(1) D と同じ平面上の直線 lD のどの辺にも平行でないものとする.軸とする直線は l と平行なものの中で考えるとき,回転体の体積を最大にする直線は D と唯 1 点で交わることを示せ.

(2) D と交わる直線を軸としてできるすべての回転体の体積の中で最大となる値を求めよ.

本問のテーマ
パップス・ギュルダン(Pappus–Guldinus)の(第二)定理

2024.10.05記
パップス・ギュルダンの定理V=2\pi g S から,直線から重心までの距離が大きいほど,回転させる図形の面積が大きいほど回転体の体積は大きくなる.ここで回転させる図形の面積は,直線で折り畳まれるため正方形の面積以下であるから V\leqq 2\pi g となり,g が最大となるのは共有点が正方形の境界のみとなる(辺と平行ではないので頂点を通る)場合である((1)).直線と正方形の中心との距離 g が最大となるのは直線が対角線の1つと平行となるときで,そのとき g=\dfrac{1}{\sqrt{2}} だから,V の最大値は 2\pi\cdot\dfrac{1}{\sqrt{2}}\cdot 1=\sqrt{2}\pi となる.

[解答]
(1) 0\leqq x\leqq Cf(x)\geqq g(x) とするとき,図形 Dg(x)\leqq y\leqq f(x)0\leqq x\leqq C)を y 軸に回りに回転させてできる立体の体積は,f(x)-g(x)=F(x) とおき,
S=\displaystyle\int_0^C F(x)dxg=\dfrac{1}{S}\displaystyle\int_0^C xF(x)dx
とおくと,バームクーヘン積分から
V=\displaystyle\int_0^C 2\pi xF(x)dx=2\pi g S
となる.ここで g の値を重心の x 座標と呼ぶことにする.

l と平行な直線で D と唯1点で交わる直線を y 軸とし,正方形は x\geqq 0 の範囲にあるものとする.そして正方形の中心の x 座標を G とする.

D を回転させる軸を x=k とすると,正方形は点対称であるから 0\leqq G として良い.このとき Dx\leqq k の部分 D_1 の面積,重心の x座標をそれぞれ S_1,g_1Dx\geqq k の部分 D_2 の面積,重心の x座標をそれぞれ S_2,g_2 とすると,S_1\leqq S_2(等号は k=G)である.

ここで
g_1S_1=\displaystyle\int_0^k xF(x)dx\leqq k \displaystyle\int_0^k F(x)dx=kS_1 より g_1\leqq k
g_2S_2=\displaystyle\int_k^C xF(x)dx\geqq k \displaystyle\int_k^C F(x)dx=kS_2 より k\leqq g_2
gS=\displaystyle\int_0^C xF(x)dx=\displaystyle\int_0^k xF(x)dx+\displaystyle\int_k^C xF(x)dx=g_1S_1+g_2S_2
であり,Dy 軸について回転させてできる回転体の体積 V は, D_1y 軸について回転させてできる回転体と D_2y 軸について回転させてできる回転体に重なりがあることを考慮すると
\dfrac{V}{2\pi}\leqq (k-g_1) S_1 +(g_2-k) S_2=gS-2g_1S_1+k(S_1-S_2)
が成立する.ここで S_1\leqq S_2g_1S_1\geqq 0k\geqq 0 より
\dfrac{V}{2\pi}\leqq gS
が成立する.等号成立は

2つの回転体が重ならない,
かつ「g_1=0 または S_1=0」,
かつ「k=0 または S_1=S_2

である.
2つの回転体が重ならないのは k=0 のとき,
g_1=0 となるのは k=0 のとき,
S_1=0 となるのは k=0 のとき,
S_1=S_2 となるのは k=G のとき
だから
V\leqq 2\pi gS(等号成立は k=0
となり,(1) は示された.

(2) S=1 で一定だから g が最大となれば良い.

注)ここで定義した重心の x 座標が正方形の対角線の交点の重心となることは高校では習わないことなので自明とせずに示しておく(特に平行移動や回転で重心も同じ変換を受けることは自明とするのは難しい).

図形が (G,\ast) に関して点対称のとき
gS=\displaystyle\int_0^{2G} xF(x)dx=\displaystyle\int_0^G xF(x)dx+\displaystyle\int_G^{2G} xF(x)dx
=\displaystyle\int_0^G xF(x)dx+\displaystyle\int_0^{G} (2G-u)F(2G-u)duu=2G-x と置換)
=\displaystyle\int_0^G xF(x)dx+\displaystyle\int_0^{G} (2G-u)F(u)du(点対称より f(2G-u)=f(u) と置換)
=2G\displaystyle\int_0^G F(x)dx=2G\cdot \dfrac{S}{2}=GS
だから g=G となる,つまり正方形の重心の x 座標は対称の中心である対角線の交点の x 座標である.

よって正方形の対角線の交点の x 座標が最大となるとき,正方形の対角線が軸と平行になるときで,このとき g=\dfrac{1}{\sqrt{2}} だから,V の最大値は 2\pi\cdot\dfrac{1}{\sqrt{2}}\cdot 1=\sqrt{2}\pi となる.




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