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2022年(令和4年)立命館大学2月2日-理系数学[2]

2025.04.15記

[2] xy 座標平面上の原\mbox{O}(0,0) を中心とする半径 1 の円を C として,これと放物線 y=f(x) との共有点を考える.

(1) k を実数として,f(x)=x^2+k とする.このとき,y=f(x)C が共有点をもつための必要十分条件は,\fbox{ ア }\leqq k\leqq\fbox{ イ } である.k=\fbox{ ア } のとき,共有点の個数は \fbox{ ウ } であり,k=\fbox{ イ } のとさ,共有点の個数は \fbox{ エ } である.

(2) y=f(x)C の共有点の個数は最大 \fbox{ オ } 個である.

(3) y=f(x)C3(1,0)(\cos\theta.\sin\theta)(\cos2\theta.\sin2\theta) を共有点にもつとする.ただし,\theta0\lt\theta\lt\dfrac{\pi}{3} を満たす定数である.このとき,f(x)(x-1) を因数にもつことから,f(x)=(x-1)g(x) と表すことができる.ただし,g(x)x1 次式である.条件より,g(\cos\theta)=\dfrac{\fbox{ カ }}{\sin\theta}g(\cos2\theta)=\dfrac{\fbox{ キ }}{\sin\theta} である.また,\cos\theta\neq\cos2\theta であるので,\dfrac{\cos3\theta-\cos\theta}{\cos2\theta-\cos\theta}=\dfrac{\fbox{ ク }}{2\cos\theta+1} となる.ただし,\fbox{ カ }\fbox{ キ }\fbox{ ク } はいずれも \cos\theta に関する整式である.ここで,y=g(x) は,点 (\cos\theta,g(\cos\theta)) を通る直線であることから,この傾きを a とおくと,g(x)=a(x-\cos\theta)+g(\cos\theta) と表すことができる.これより,f(\cos3\theta)a を含まない \sin\theta に関する整式 \fbox{ ケ } と表すことができる.

特に \theta=\dfrac{2\pi}{7} のとき,y=f(x) のグラフの概形は \fbox{ コ } のようになる.

(注:解答欄 \fbox{ コ } に記載されている図1に,グラフの概形をとの共有点が分かるようにかけ.)

本問のテーマ
円と放物線が4点で交わるとき

2025.04.19記

の p.286 にある第76問の原題.同年関西医科大でも,とあった問題は関西医科大後期第4問である.この似た問題(正七角形と正八角形)がほぼ同時期に出題されたのは,おそらく2021年2月中旬に X(旧Twitter) で流行ったからである.

このポストの翌年の入試ということなので,当時の作題委員の人が参考にしたのだろう.このことに関連して色々なポストがあったときにひっそりと書いた記事が
単位円周上の異なる4点を含む2次関数が存在する条件 - 球面倶楽部 零八式 mark II
である.

これら問題のポイントは

円と軸が y 軸に平行な放物線が4点で交わるとき,2点を結ぶ直線の傾きと,残りの2点を結ぶ直線の傾きの和が0になる
ということで,この性質を円の式と放物線の式から y を消去して得られる4次方程式の解と係数の関係を利用して証明する問題が(ひっそりと書いた記事には載せなかったが)大昔の雑誌「大学への数学」に載っていた(見つかったら何年何月号か書く).続入試数学伝説の良問100の著者の安田亨さんが編集部でバイトしていた頃の記事だったと思うので,実は安田亨さんは知っていた(けど忘れてしまったのかも)話.

また,この問題を円が単位円で複素数平面で考えたら,単位円周上の4点が軸が y 軸に平行な同一放物線上にある必要十分条件(退化した放物線(x 軸に平行な一致しない2直線)も放物線と考える)が z_1z_2z_3z_4=1 であることも多くの人が導いていて,単位円周上の異なる4点を含む2次関数が存在する条件 - 球面倶楽部 零八式 mark IIにも書いておいた.

出題者の意図が「複素平面で考える」というのはこの頃の一連の X(旧Twitter) のポストで z_1z_2z_3z_4=1 となることが周知されたからと思われるが,結局は「大学への数学」の記事にある「傾きの和が0」となる方が本質だと思う.もちろん z_1z_2z_3z_4=1 のところにも書いたけど単位円周上の点であれば直線の法線ベクトルが偏角の平均となり,傾きの和と偏角の平均の和が傾きの積が -1 から対応がつくので結局偏角の和に対する条件となり,それが 2\pi の整数倍となることから z_1z_2z_3z_4=1 が導かれるという寸法である(安田さんの書籍では意味ではなく解と係数の関係で示しているので本質が見えにくい).

この放物線は対称軸が x,y 軸である2次曲線にも拡張できるという話は
円と楕円または双曲線の標準形が4点で交わるとき - 球面倶楽部 零八式 mark II
に書いてあり,束の考え方を用いて楕円と円の問題を放物線と円の問題に帰着させる話も書いた.

ついでに
円と放物線が4点で交わるとき,4点のうち2点を結ぶ直線の傾きと、残りの2点を結ぶ直線の傾きの和が 0 となること - 球面倶楽部 零八式 mark II
放べきの定理(と円と放物線が4点で交わるとき) - 球面倶楽部 零八式 mark II
も参照のこと.

[解答]
(1) y=x^2+kC が共有点をもつことと y=x^2+k かつ x^2+y^2=1 を満たす実数 x,y が存在することと \sin\theta=\cos^2\theta+k を満たす \theta が存在することは同値である.

いま k=\left(\sin\theta+\dfrac{1}{2}\right)^2-\dfrac{5}{4} と変形でき,-\dfrac{1}{2}\leqq \sin\theta+\dfrac{1}{2}\leqq \dfrac{3}{2} であるから求める k必要十分条件-\dfrac{5}{4}\leqq k\leqq 1 となる.k=-\dfrac{5}{4} のとき \sin\theta=-\dfrac{1}{2} を満たす単位円周上の点は2個であり,k=1 のとき \sin\theta=1 を満たす単位円周上の点は1個であるから \fbox{ ア }=-\dfrac{5}{4}\fbox{ イ }=1\fbox{ ウ }=2\fbox{ エ }=1 となる.

(2) f(x)=ax^2+bx+c とおくと y=f(x)C の共有点の座標は y=ax^2+bx+cx^2+y^2=1 を満たす実数 x,y であり,それは y=ax^2+bx+cx^2+(ax^2+bx+c)^2=1 を満たす実数 x,y である.前者は x が決まれが y がただ1つ決まるので,x の4次方程式 x^2+(ax^2+bx+c)^2=1 の実数解の個数が共有点の個数となる.よって y=f(x)C の共有点の数は必ず4個以下となる.例えば f(x)=8x^2-2 の場合 \left(\pm\dfrac{1}{2},0\right)(0,-2) を通ることからy=f(x)C の共有点の数は4個となるので \fbox{ オ }=4 となる.

(3) f(\cos\theta)=\sin\thetaf(\cos2\theta)=\sin2\theta であるから g(\cos\theta)=\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta-1}=\dfrac{-1-\cos\theta}{\sin\theta}g(\cos2\theta)=\dfrac{\sin2\theta}{\cos2\theta-1}=\dfrac{2\sin\theta\cos\theta}{-2\sin^2\theta}=\dfrac{-\cos\theta}{\sin\theta} となり,\fbox{ カ }=-1-\cos\theta\fbox{ キ }=-\cos\theta となる.

また,\dfrac{\cos3\theta-\cos\theta}{\cos2\theta-\cos\theta}=\dfrac{4\cos^3\theta-4\cos\theta}{2\cos^2\theta-\cos\theta-1}=\dfrac{4\cos\theta(\cos\theta+1)(\cos\theta-1)}{(2\cos\theta+1)(\cos\theta-1)}=\dfrac{4\cos\theta(\cos\theta+1)}{2\cos\theta+1} から \fbox{ ク }=4\cos\theta(\cos\theta+1) となる.

a=\dfrac{g(\cos2\theta)-g(\cos\theta)}{\cos2\theta-\cos\theta}=\dfrac{1}{(\cos2\theta-\cos\theta)\sin\theta}
であるから
f(\cos3\theta)=(\cos3\theta -1)g(\cos3\theta)
=(2\cos\theta+1)^2(\cos\theta-1)\left\{\dfrac{1}{(\cos2\theta-\cos\theta)\sin\theta}(\cos3\theta-\cos\theta)-
\dfrac{1+\cos\theta}{\sin\theta}\right\}
=\dfrac{(2\cos\theta+1)^2}{\sin\theta}(\cos\theta-1)\left\{\dfrac{4\cos\theta(\cos\theta+1)}{2\cos\theta+1}-
(1+\cos\theta)\right\}
=\dfrac{(2\cos\theta+1)^2}{\sin\theta}(\cos^2\theta-1)\left\{\dfrac{4\cos\theta}{2\cos\theta+1}-1\right\}
=\dfrac{(2\cos\theta+1)^2}{\sin\theta}(\cos^2\theta-1)\cdot\dfrac{2\cos\theta-1}{2\cos\theta+1}
=\dfrac{(4\cos^2\theta-1)(\cos^2\theta-1)}{\sin\theta}=\dfrac{(3-4\sin^2\theta)\cdot (-\sin^2\theta)}{\sin\theta}

=4\sin^3\theta-3\sin\theta
となり,\fbox{ ケ }=4\sin^3\theta-3\sin\theta となる.

ここで =4\sin^3\theta-3\sin\theta=-\sin3\theta に注意すると C(1,0)(\cos\theta,\sin\theta)(\cos2\theta,\sin2\theta)(\cos3\theta,-\sin3\theta) の4点を通ることがわかる.よって \fbox{ コ } は図のようになる.

単位円周上の2点 \rm A,Bを結ぶ直線の法線ベクトルは角 \angle\rm AOB の2等分線方向である(これを複素平面で記述してみるのは各自の課題).

[うまい解答]
(3) y=f(x) と単位円の交点 (x,y)=(\cos\alpha,\sin\alpha) に対して傾き関数
G(\cos\alpha)=\dfrac{\sin\alpha-0}{\cos\alpha-1} は単位円周上の (1,0)(\cos\alpha,\sin\alpha) を結ぶ直線の傾きを表し,この2点を通る直線のヘッセの標準形は法線ベクトルとして (1+\cos\alpha,\sin\alpha) がとれるので x(1+\cos\alpha)+y\sin\alpha=1+\cos\alpha であることから,G(\cos\alpha)=-\dfrac{1+\cos\alpha}{\sin\alpha}…① となる.また,この直線の法線方向が \dfrac{\alpha}{2} であることから,直線の傾きは G(\cos\alpha)=-\dfrac{1}{\tan\dfrac{\alpha}{2}}=-\dfrac{\cos\dfrac{\alpha}{2}}{\sin\dfrac{\alpha}{2}}…② となる.よって g(\cos\theta)=G(\cos\theta)=-\dfrac{1+\cos\theta}{\sin\theta}(∵②),g(\cos2\theta)=G(\cos2\theta)=-\dfrac{\cos\theta}{\sin\theta}(∵①)となる.

同様に y=f(x) と単位円の交点 (x,y)=(\cos\alpha,\sin\alpha) に対して傾き関数 H(\cos\alpha)=\dfrac{\sin\alpha-\sin\theta}{\cos\alpha-\cos\theta} は単位円周上の (\cos\theta,\sin\theta)(\cos\alpha,\sin\alpha) を結ぶ直線の傾きを表し,H(\cos\alpha)=-\dfrac{\cos\theta+\cos\alpha}{\sin\theta+\sin\alpha}=-\dfrac{\cos\dfrac{\theta+\alpha}{2}}{\sin\dfrac{\theta+\alpha}{2}}…③ となる.

よって
\dfrac{\cos3\theta-\cos\theta}{\cos2\theta-\cos\theta}=\dfrac{H(\cos2\theta)}{H(\cos3\theta)}\cdot\dfrac{\sin3\theta-\sin\theta}{\sin2\theta-\sin\theta}=\dfrac{\cos2\theta+\cos\theta}{\sin2\theta+\sin\theta}\cdot\dfrac{\sin2\theta}{\cos2\theta}\cdot\dfrac{\sin3\theta-\sin\theta}{\sin2\theta-\sin\theta}
=\dfrac{(2\cos\theta-1)(\cos \theta+1)}{\sin\theta(2\cos\theta+1)}\cdot\dfrac{2\sin\theta\cos\theta}{2\cos^2\theta-1}\cdot\dfrac{2\sin\theta(2\cos^2\theta-1)}{\sin\theta(2\cos\theta-1)}=\dfrac{4\cos\theta(\cos\theta+1)}{2\cos\theta+1}
となる(統一感を出すために H(\cos\alpha) を導入したが,素直に計算する方が早い).

以降 [解答] と同じ

[大人の解答]
(3) 放物線 y=ax^2+bx+ca\neq 0) と x^2+y^2=1 が相異なる4つの交点を持つ場合について考える.その x 座標を x_1,x_2,x_3,x_4 とすると,これらは x^2+(ax^2+bx+c)^2-1=a^2x^4+2abx^3+(b^2+2ac+1)x^2+2bcx+c^2-1=0 の解であるから解と係数の関係から x_1+x_2+x_3+x_4=-\dfrac{2b}{a} が成立する.ここで放物線上の2点 (x_1,ax_1^2+bx_1+c)(x_2,ax_2^2+bx_2+c) を結ぶ直線の傾きは a(x_1+x_2)+b であるから,この2点を結ぶ直線の傾きと残りの2点を結ぶ直線の傾きの和は
a(x_1+x_2)+b+a(x_3+x_4)+b=a(x_1+x_2+x_3+x_4) +2b=0
となる(これが前記の雑誌「大学への数学」に載っていたお話).

この交点の座標を (\cos\alpha_k,\sin\alpha_k)k=1,2,3,4)とおくと直線の傾きの和が0となる条件は
-\dfrac{\cos\dfrac{\theta_1+\theta_2}{2}}{\sin\dfrac{\theta_1+\theta_2}{2}}-\dfrac{\cos\dfrac{\theta_3+\theta_4}{2}}{\sin\dfrac{\theta_3+\theta_4}{2}}=0
から \sin(\theta_1+\theta_2)+\sin(\theta_3+\theta_4)=0 となり,\theta_1+\theta_2+\theta_3+\theta_42\pi の整数倍となる.

いま,C と単位円の交点について \theta_1=0\theta_2=\theta\theta_3=2\theta であるから \theta_4=-3\theta となり,よって C(\cos(-3\theta),\sin(-3\theta))=(\cos 3\theta,-\sin3\theta) を通る.

よって f(\cos3\theta)=-\sin3\theta=4\sin^3\theta-3\sin\theta となる.

複素平面で同じことをやったらどうなるかについては,折角紹介したので安田さんの本を買って確認してください.
単位円周上の異なる4点を含む2次関数が存在する条件 - 球面倶楽部 零八式 mark II
と同じであるが放物線を求める部分は安田さんの方が親しみ易い.




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