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2026年(令和8年)九州大学前期-数学III[4]

2026.03.18.12:25:14記

[4] 以下の問いに答えよ.ただし,\sqrt{2}\sqrt{3}\sqrt{6} が無理数であることは用いてよい.

(1) \sqrt{2}+\sqrt{3}=\sqrt{5+2\sqrt{6}} を示せ.また,\sqrt{2}+\sqrt{3} は無理数であることを示せ.

(2) \sqrt{2}+\sqrt{3} を解にもち,係数がすべて有理数の 4 次方程式を 1 つ求めよ.また,その 4 次方程式の解をすべて求めよ.

(3) \sqrt{2}+\sqrt{3} を解にもち,係数がすべて有理数の 2 次方程式は存在しないことを示せ.

2026.03.18.15:37:01記
直感的には 2 乗するとルートが外れるので,二つのルートを外すには 4 乗する必要があるということです.ガロア理論と言えば格好良いでしょうか.

[解答]
(1) \sqrt{5+2\sqrt{6}}=\sqrt{(\sqrt{2}^2+2\sqrt{2}\sqrt{3}+(\sqrt{3})^2}=|\sqrt{2}+\sqrt{3}|=\sqrt{2}+\sqrt{3} である.
ここで \sqrt{2}+\sqrt{3} が有理数であると仮定すると 5+2\sqrt{6} も有理数となるが,これは \sqrt{6} が無理数であることに矛盾する.よって \sqrt{2}+\sqrt{3} は無理数である.

(2) x=\sqrt{2}+\sqrt{3} とおくと x^2=5+2\sqrt{6} であるから (x^2-5)^2=24 となり,x^4-10x^2+1=0 が求める方程式の一つである.この方程式から x^2=5\pm2\sqrt{6} となるので,この方程式の解は x=\pm\sqrt{2}\pm\sqrt{3}(複号任意)となる.

(3) x=\sqrt{2}+\sqrt{3} を解にもつ係数が有理数の 2 次方程式 ax^2+bx+c=0a\neq 0)が存在したと仮定する.このとき x
有理数を係数とする x^2+px+q=0p=\dfrac{b}{a}q=\dfrac{c}{a})の解となり,よって
x^4=p^2x^2+2pqx+q^2 が成立する.一方(2)より x^4-10x^2+1=0 であるから,
(p^2-10)x^2+2pqx+(q^2+1)=0
が成立し,これと x^2+px+q=0 から
(2q-p^2+10)px+(q^2+10q+1-p^2q)=0
が成立する.

一般に A,B が有理数で x が無理数のとき,Ax+B=0 ならば A=B=0 である.実際 A\neq 0 とすると x=-\dfrac{B}{A} となり有理数と無理数が等しくなって矛盾するので A=0 でこのとき B=0 となるからである.

よって (2q-p^2+10)p=q^2+10q+1-p^2q=0 が成立する.

(i) p=0 のとき:
q^2+10q+1=0 から q=-5\pm2\sqrt{6} となり q が有理数であることに反する.

(i) p\neq0 のとき:
2q-p^2+10=q^2+10q+1-p^2q=0 から q^2 を消去して q^2=1,つまり q=\pm 1 となり,p^2=2q+10=8,12 から p=\pm2\sqrt{2},\pm2\sqrt{2} となり p が有理数であることに反する.

以上,全ての場合に矛盾が生じたので x=\sqrt{2}+\sqrt{3} を解にもつ係数が有理数の 2 次方程式は存在しない.

なお,

A,B,C,D が有理数のとき,A\sqrt{6}+B\sqrt{3}+C\sqrt{2}+D=0 ならば A=B=C=D=0 が成立する

が成立します.ここで[解答]で示した「A,B が有理数で x が無理数のとき,Ax+B=0 ならば A=B=0 である」を用います.

[証明]
(A\sqrt{6}+B\sqrt{3})^2=(C\sqrt{2}+D)^2,つまり 6A^2+6AB\sqrt{2}+3B^2=2C^2+2CD\sqrt{2}+D^2
\sqrt{2} が無理数であることから
3AB=CD…①,3(2A^2+B^2)=2C^2+D^2…②
が成立する.

(i) AB=0 のとき:
CD=0 だから
B=D=0A\sqrt{6}+C\sqrt{2}=0A\sqrt{3}+C=0)」,
B=C=0A\sqrt{6}+D=0」,
A=D=0B\sqrt{3}+C\sqrt{2}=0B\sqrt{6}+2C=0)」,
A=C=0B\sqrt{3}+D=0」,
のいずれかとなるが,いずれも A=B=C=D=0 となる.

(ii) AB\neq 0 のとき:
CD\neq 0 だから A,B,C,D は全て 0 ではない.通分して分母を払うことによって,A,B,C,D が整数であるとして良く,さらに \mbox{gcd}(|A|,|B|,|C|,|D|)=1(絶対値はなくても良いが)となるように約分してあるものとする.このとき①より C または D3 の倍数であり,②より 2C^2+D^23 の倍数であることから C,D は両方とも 3 の倍数となる.よって C=3C',D=3D' とおくと AB=3C'D'2A^2+B^2=3(2(C')^2+(D')^2 となり,A,B は両方とも 3 の倍数となる.よって A,B,C,D はすべて 3 の倍数となり,\mbox{gcd}(|A|,|B|,|C|,|D|)=1 に矛盾する.

[別解]
(3) x=\sqrt{2}+\sqrt{3} を解にもつ係数が有理数の 2 次方程式 ax^2+bx+c=0a\neq 0)が存在したと仮定する.このとき x
有理数を係数とする x^2+px+q=0p=\dfrac{b}{a}q=\dfrac{c}{a})の解となり,
2\sqrt{6}+p\sqrt{2}+p\sqrt{3}+q+5=0
が成立するが 2\neq 0 であるから矛盾する.よって x=\sqrt{2}+\sqrt{3} を解にもつ係数が有理数の 2 次方程式は存在しない.




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