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2026年(令和8年)京都大学-数学(理系)[4]

2026.03.05.00:13:26記

[4] 平面において,次の条件 (\ast) を満たす正三角形の 1 辺の長さの最小値を求めよ.

(\ast) 1 辺の長さが 1 の正方形であって,4 つの頂点がすべてその正三角形の内部または辺上にあるようなものが存在する.

2026.03.12.01:52記
意外と出題される,三角形に外接する正三角形に関する問題を解いたことがあれば,それほど難しい問題ではありません.解いたことがなければ難しいでしょう.

正方形と直線が接触するとき,直線は正方形の少なくとも 1 つの頂点を共有します(多くても隣り合う 2 頂点).本問の状況では正方形と正三角形の頂点が一致することはありませんので,正方形を含む正三角形の各辺を平行に保ちながら正方形に近づける操作を行うと,正三角形の一辺の長さを短かくしつつ,正三角形の各辺に少なくとも 1 つの頂点があるようにすることができます.このとき正方形の残りの頂点が正三角形の辺上にあるかどうかで場合分けします(しなくても構いません).

[解答]
正方形と直線が接触するとき,直線は正方形の 1 頂点,または隣り合う 2 頂点(正方形の一辺)を共有する.よって正方形を含む正三角形の各辺を平行に保ちながら正方形に近づける操作を行うと,正三角形の一辺の長さを短かくしつつ,正三角形の各辺に少なくとも 1 つの頂点があるようにすることができる.

(i) 正方形の辺と正三角形の辺で平行なものが存在するとき:
上図右により,正方形の両隣りに 30^{\circ},60^{\circ},90^{\circ} の直角三角形を配し,上に正三角形を配置したときに,正方形を含む正三角形の一辺の長さが最小となり,このとき 1+\dfrac{2}{\sqrt{3}} となる.

(ii) 正方形の辺と正三角形の辺で平行なものが存在しないとき:
正三角形の各辺それぞれを平行移動させ正方形に近づけると正三角形の一辺の長さは短くなり,やがて正方形の頂点にぶつかるので,正方形の 3 つの頂点が正三角形の 3 つの辺それぞれにあるように配置することができる.このとき正三角形の辺上にない頂点を含まない対角線を考えると正方形の頂角よりも正三角形の頂角の方が小さいので,正三角形の辺上にない頂点は必ず正三角形の内部にある.

この対角線と正三角形の頂点のなす鋭角三角形を考える.その鋭角三角形の内角を
60^{\circ}60^{\circ}+\theta60^{\circ}-\theta
とおくと -15^{\circ}\lt\theta\lt15^{\circ} である.このとき,次図のような角度となる.

 

このとき正三角形の一辺の長さは正弦定理から
\dfrac{\sin(75^{\circ}+\theta)}{\sin60^{\circ}}+\dfrac{\sin(75^{\circ}-\theta)}{\sin60^{\circ}}=\dfrac{4}{\sqrt{3}}\sin 75^{\circ}\cos\theta
となり,-15^{\circ}\lt\theta\lt15^{\circ} においては |\theta| が大きくなるほど小さくなり,その極限は(i)の場合となる.

よって求める最小値は 1+\dfrac{2}{\sqrt{3}} である.

この最小値は \dfrac{4}{\sqrt{3}}\sin 75^{\circ}\cos15^{\circ} と書け,整理すると \dfrac{4}{\sqrt{3}}\cdot\left(\dfrac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}\right)^2=\dfrac{4}{\sqrt{3}}\cdot\dfrac{8+4\sqrt{3}}{16}=\dfrac{2+\sqrt{3}}{\sqrt{3}} となります.




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