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2026年(令和8年)京都大学-数学(理系)[3]

2026.03.05.00:13:26記

[3] n は正の整数とする.整数係数の多項式
(x +1)^{2^{n+1}}- (x^2 +1)^{2^{n}}
のすべての係数が 2^m で割り切れるような正の整数 m のうち,最大のものは n+1 であることを示せ.
ただし,(x+1)^{2^{n+1}}x+12^{n+1} 乗を表す.(x^2+1)^{2^{n}}x^2+12^{n} 乗を表す.2^{m}2m 乗を表す.

2026.03.12.00:22:01記
n=1 のとき (x +1)^{4}- (x^2 +1)^{2}=4(x^3+x^2+x)
n=2 のとき (x +1)^{8}- (x^2 +1)^{4}=8(x^7+3x^6+7x^5+8x^4+7x^3+3x^2+x)
が成立します.ここでまず,x の係数が 2^{n+1} ではないかと疑います.実際,(x +1)^{2^{n+1}}- (x^2 +1)^{2^{n}}x の係数は {}_{2^{n+1}}\mbox{C}_1=2^{n+1} で正しいことがわかります.

[解答]
p_n(x)=(x +1)^{2^{n+1}}- (x^2 +1)^{2^{n}}f(x)=x^2+1 とおくと p_n(x)=\{f(x)+2x\}^{2^{n}}- \{f(x)\}^{2^{n}} である.ここで

p_n(x) の定数項は 1-1=0x の係数は {}_{2^{n+1}}\mbox{C}_1=2^{n+1}…(★)」

である.

(i) n=1 のとき,p_1(x)=\{f(x)+2x\}^2- \{f(x)\}^{2}=4xf(x)+4x^2=4x^3+4x^2+4x であるから,そのすべての係数を割り切る 2 の冪乗は 2=1+1 となり題意は成立する.

(i) n=k のときの成立を仮定すると,p_k(x)=2^{k+1}x\times(\mbox{定数項が$1$の整数係数多項式)} であり
p_{k+1}(x)=[\{f(x)+2x\}^{2^{k}}]^2-[(\{f(x)\}^{2^{k}}]^2=p_k(x)[\{f(x)+2x\}^{2^{k}}+\{f(x)\}^{2^{k}}]=2^{k+1}x\times(\mbox{定数項が$1$の整数係数多項式)}\times[\{f(x)+2x\}^{2^{k}}+\{f(x)\}^{2^{k}}]
であるから,[\{f(x)+2x\}^{2^{k}}+\{f(x)\}^{2^{k}}] が偶数係数の多項式であり,定数項が 2 であることを示せば n=k+1 のときも題意は成立する.

ここで [\{f(x)+2x\}^{2^{k}}+\{f(x)\}^{2^{k}}]=2f(x)+2x\times(\mbox{整数係数の多項式}) と書けるので,偶数係数の多項式であることが言え,その定数項は f(x)=x^2+1 の定数項の 2 倍であるから 2 となり,よって n=k+1 のときも題意は成立する.

よって数学的帰納法により任意の正の整数 n に対して (x +1)^{2^{n+1}}- (x^2 +1)^{2^{n}} のすべての係数が 2^m で割り切れるような正の整数 m のうち,最大のものは n+1 であることが示された.

p_n(x) は最高次である x^{2^{n+1}}-1 次の係数が 1 の多項式であるから,p_n(x) は整数係数の x^{2^{n+1}}-1 次モニック多項式である,と書くと大人っぽい.

少し対称性を意識してみましょう.g(x)=x^2+x+1 とおくと p_n(x)=(g(x)+x)^{2^{n}}-(g(x)-x)^{2^{n}} となります.

[解答]
p_n(x)=(x +1)^{2^{n+1}}- (x^2 +1)^{2^{n}}g(x)=x^2+x+1 とおくと
p_n(x)=\{g(x)+x\}^{2^{n}}-\{g(x)-x\}^{2^{n}}=2\displaystyle\sum_{i=1}^{2^{n-1}} {}_{2^n}\mbox{C}_{2i-1} \{g(x)\}^{2i-1} x^{2^n-2i+1}
=2^{n+1} \displaystyle\sum_{i=1}^{2^{n-1}} \dfrac{{}_{2^n-1}\mbox{C}_{2i-2}}{2i-1} \{g(x)\}^{2i} x^{2^n-2i}
となる.ここで
{}_{2^n}\mbox{C}_{2i-1}=\dfrac{2^{n}\cdot {}_{2^n-1}\mbox{C}_{2i-2}}{2i-1} は整数で 2i-1 は奇数であるから,2^{n} と奇数が互いに素であることにより, \dfrac{{}_{2^n-1}\mbox{C}_{2i-2}}{2i-1} も整数である.よって \displaystyle\sum_{i=1}^{2^{n-1}} \dfrac{{}_{2^n-1}\mbox{C}_{2i-2}}{2i-1} \{g(x)\}^{2i} x^{2^n-2i} は整数係数の多項式であり,よって p_n(x) の係数はすべて 2^{n+1} の倍数である.ここで p_n(x)x の係数は {}_{2^{n+1}}\mbox{C}_1=2^{n+1} であるから,(x +1)^{2^{n+1}}- (x^2 +1)^{2^{n}} のすべての係数が 2^m で割り切れるような正の整数 m のうち,最大のものは n+1 であることが示された.

2026.03.13記
和と差の積は平方の差を利用しましたが,次のようにしても良いでしょう.

[解答]
p_n(x)=(x +1)^{2^{n+1}}- (x^2 +1)^{2^{n}} とおくと,「 p_n(x) の定数項は 1-1=0x の係数は {}_{2^{n+1}}\mbox{C}_1=2^{n+1}」である.よって

p_n(x)=2^{n+1}x\times(\mbox{定数項が$1$の整数係数多項式)} と表すことができる …(☆)」

を数学的帰納法で証明すれば良い.

(i) n=1 のとき,p_1(x)=(x+1)^4-(x^2+1)^2=2^2(x^3+x^2+x) であるから(☆)が成立する.

(i) n=k のときに(☆)の成立を仮定すると,p_k(x)=2^{k+1}x\times(\mbox{定数項が$1$の整数係数多項式)} である.このとき
(x+1)^{2^{k+1}}=(x^2+1)^{2^{k}}+p_k(x)
の両辺を 2 乗して
(x+1)^{2^{k+2}}=(x^2+1)^{2^{k+1}}+2(x^2+1)^{2^{k}}p_k(x)+\{p_k(x)\}^2
であるから
p_{k+1}(x)=2(x^2+1)^{2^{k}}p_k(x)+\{p_k(x)\}^2=2(x^2+1)^{2^{k}}\cdot 2^{k+1}x\times(\mbox{定数項が$1$の整数係数多項式)}+2^{k+2}x^2\times(\mbox{定数項が$1$の整数係数多項式)}^2
=2^{k+2}(x^2+1)^{2^{k+1}}x\times(\mbox{定数項が$1$の整数係数多項式)} +2^{k+2}x^2\times(\mbox{定数項が$1$の整数係数多項式)}
=2^{k+2}x\times(\mbox{定数項が$1$の整数係数多項式)}+2^{k+2}x\times(\mbox{定数項が$0$の整数係数多項式)}
=2^{k+2}x\times(\mbox{定数項が$1$の整数係数多項式)}
であるから n=k+1 のときも(☆)が成立する.

よって数学的帰納法により任意の正の整数 n に対して (x +1)^{2^{n+1}}- (x^2 +1)^{2^{n}}
2^{n+1}x\times(\mbox{定数項が$1$の整数係数多項式)} と表すことができ,よって任意の正の整数 n に対して (x +1)^{2^{n+1}}- (x^2 +1)^{2^{n}} のすべての係数が 2^m で割り切れるような正の整数 m のうち,最大のものは n+1 であることが示された.




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