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2025年(令和7年)京都大学理学部特色入試・数理科学入試-数学[3]

2024.11.24記

[3] 座標平面における領域
A = \{(x,y) \, |\, y \geqq  e^x \}
で定める図形 A を考える.A に対して,原点を中心とする回転や平行移動を,何回か行って得られる図形を n 個用意し, それぞれ A_1,A_2,\cdots,A_n とする.
このとき, A_1,A_2,\cdots,A_n により座標平面全体を覆うことのできる n の最小値を求めよ.

2024.11.24記

[解答]
\mbox{P}(p,q) を通る半直線
l(\mbox{P},\theta):\, (p+t\cos\theta,q+t\sin\theta)t\geqq 0
が,t がある値より大きければ常に図形 A に含まれるとき,\theta は点 \rm P に対して良い角度であると呼ぶことにする.そして点 \rm P に対して良い角度である \theta0\leqq \theta\lt 2\pi)の集合が表す区間I(\mbox{P}) とし,その区間の長さを L(\mbox{P}) とする.

(i) \sin\theta\lt 0 のとき:
十分大きな(t\gt  -\dfrac{q}{\sin\theta} をみたす) t に対して y 座標が負となるので半直線は A から飛び出すので \theta は点 \rm P に対して良い角度ではない.

(ii) \sin\theta\geqq 0,\cos\theta\gt 0 のとき:
y-e^x=q+t\sin\theta-e^{p}\cdot e^{t\cos\theta}
である.下に凸な y=e^xx=0 における接線を考えて e^x\geqq 1+x\gt x が成立するので,
x\dfrac{x}{2} の置き換えると e^{x/2}\gt \dfrac{x}{2} となり x\gt 0e^x\gt \dfrac{x^2}{4} が成立することに注意すると
y-e^x=q+t\sin\theta-e^{p}\cdot e^{t\cos\theta}\lt q+t\sin\theta-e^p \cdot \dfrac{\cos^2 \theta}{4}t^2t^2 の係数が負の2次関数)
となるので,十分大きな t に対して y-e^x\lt 0 となり半直線は A から飛び出すので \theta は点 \rm P に対して良い角度ではない.

(i)(ii) から 0\leqq\theta\lt\dfrac{\pi}{2},及び \pi\lt\theta\lt 2\pi なる \theta は点 \rm P に対して良い角度ではないので,平面上の任意の点 \mbox{P} に対して I(\mbox{P})\dfrac{\pi}{2} \leqq \theta \leqq\pi に含まれる.つまり L(\mbox{P})\leqq\dfrac{\pi}{2} となる.

つまり,図形 A に対して,原点を中心とする回転や平行移動を,何回か行って得られる任意の図形 B に対して,\theta が原点に対して良い角度であるような \theta区間の長さは \dfrac{\pi}{2} 以下となり,全方向である 2\pi 方向をカバーするには少なくとも図形が4個必要である.

例えば
A_1 = \{(x,y) \, |\, y \geqq  e^x-1 \}
は第2象限全体を覆うので,これを原点中心に \dfrac{\pi}{2},\pi,\dfrac{3\pi}{2} 回転したものを A_2,A_3,A_4 とすれば,これらは第3象限全体,第4象限全体,第1象限全体を覆うので,これら4個で座標平面全体を覆うことができ,十分である.

よって n の最小値は 4 である.




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