以下の内容はhttps://spherical-harmonics.hateblo.jp/entry/Kyodai/2024/Rikei_3より取得しました。


2024年(令和6年)京都大学-数学(理系)[3]

2024.04.13記(2024/04/13/143507)

[3] 座標空間の4点 \mbox{O}\mbox{A}\mbox{B}\mbox{C} は同一平面上にないとする.線分 \mbox{OA} の中点を \mbox{P},線分 \mbox{AB} の中点を \mbox{Q} とする. 実数 x,y に対して,直線 \mbox{OC} 上の点 \mbox{X} と,直線 \mbox{BC} 上の点 \mbox{Y} を次のように定める.

\overrightarrow{\mbox{OX}}=x\overrightarrow{\mbox{OC}}\overrightarrow{\mbox{BY}}=y\overrightarrow{\mbox{BC}}

このとき,直線 \mbox{QY} と直線 \mbox{PX} がねじれの位置にあるための x,y に関する必要十分条件を求めよ.

本問のテーマ
ねじれの位置と四面体の体積
空間版のメネラウスの定理
3次元重心座標

2024.04.16記
直線 \mbox{QY} と直線 \mbox{PX} がねじれの位置にあるための必要十分条件は,4点 \mbox{P}\mbox{Q}\mbox{X}\mbox{Y} を同時に含む平面が存在しないことである.

これは \overrightarrow{\mbox{PQ}}\overrightarrow{\mbox{PX}}\overrightarrow{\mbox{PY}} が1次独立であることと同値で,多くの解答は
\overrightarrow{\mbox{PQ}}=s\overrightarrow{\mbox{PX}}+t\overrightarrow{\mbox{PQ}}
をみたす s,t が存在しない条件を求める方針になっているが,行列式を知っていれば
\mbox{det}(\overrightarrow{\mbox{PQ}},\overrightarrow{\mbox{PX}},\overrightarrow{\mbox{PY}})\neq 0
必要十分条件であることがわかり,行列式の性質から機械的に求めることができる.

[大人の解答]
\mbox{QY} と直線 \mbox{PX} がねじれの位置にあるための必要十分条件は「四面体 \mbox{PQXY} の体積が0でないこと」である.

\overrightarrow{\mbox{OP}}=\vec{p}\overrightarrow{\mbox{OB}}=\vec{b}\overrightarrow{\mbox{OC}}=\vec{c}とおき,四面体 \mbox{PQXY} の体積を V とすると
6V=\left|\mbox{det}(\overrightarrow{\mbox{PQ}},\overrightarrow{\mbox{PX}},\overrightarrow{\mbox{PY}})\right|
=\left|\dfrac{1}{2}\mbox{det}(\vec{b},\overrightarrow{\mbox{OX}}-\vec{p},\overrightarrow{\mbox{BY}}-\overrightarrow{\mbox{BP}})\right|
=\left|\dfrac{1}{2}\mbox{det}(\vec{b},x\vec{c}-\vec{p},y(\vec{c}-\vec{b})-\vec{p}+\vec{b})\right|
=\left|\dfrac{1}{2}\mbox{det}(\vec{b}, x\vec{c}-\vec{p} ,-\vec{p}+(1-y)\vec{b}+y\vec{c})\right|
=\left|-\dfrac{x}{2}\mbox{det}(\vec{b},\vec{c},\vec{p})-\dfrac{y}{2}\mbox{det}(\vec{b},\vec{p},\vec{c})\right|
=\left|\dfrac{x-y}{2}\mbox{det}(\vec{b},\vec{p},\vec{c})\right|
であり,\mbox{det}(\vec{b},\vec{p},\vec{c})\neq 0 であるから,
\mbox{QY} と直線 \mbox{PX} がねじれの位置にあるための必要十分条件x\neq y である.

\overrightarrow{\mbox{PQ}}\overrightarrow{\mbox{PX}}\overrightarrow{\mbox{PY}} が1次独立であるための必要十分条件を求める方針は次のようになる.
\overrightarrow{\mbox{PQ}}=s\overrightarrow{\mbox{PX}}+t\overrightarrow{\mbox{PQ}}
をみたす s,t が存在しない条件を求めても良いが,
\alpha\overrightarrow{\mbox{PQ}}+\beta\overrightarrow{\mbox{PX}}+\gamma\overrightarrow{\mbox{PQ}}=\vec{0}
\alpha=\beta=\gamma=0 が同値となる必要十分条件を求めることにする.

[解答]
直線 \mbox{QY} と直線 \mbox{PX} がねじれの位置にあるための必要十分条件は,4点 \mbox{P}\mbox{Q}\mbox{X}\mbox{Y} を同時に含む平面が存在しないことであり,これは
\overrightarrow{\mbox{PQ}}\overrightarrow{\mbox{PX}}\overrightarrow{\mbox{PY}} が1次独立であることと同値である.

\overrightarrow{\mbox{OA}}=\vec{a}\overrightarrow{\mbox{OB}}=\vec{b}\overrightarrow{\mbox{OC}}=\vec{c}とおくと
\overrightarrow{\mbox{PQ}}=\dfrac{1}{2}\vec{b}
\overrightarrow{\mbox{PX}}=-\dfrac{1}{2}\vec{a}+x\vec{c}
\overrightarrow{\mbox{PY}}=-\dfrac{1}{2}\vec{a}+(1-y)\vec{b}+y\vec{c}
であるから
\alpha\overrightarrow{\mbox{PQ}}+\beta\overrightarrow{\mbox{PX}}+\gamma\overrightarrow{\mbox{PY}}=\vec{0}

-\dfrac{\beta+\gamma}{2}\vec{a}+\dfrac{\alpha+2\gamma(1-y)}{2}\vec{b}+(\beta x+\gamma y)\vec{c}=\vec{0}
と同値である.今,\vec{a},\vec{b},\vec{c} は1次独立であるから,
\beta+\gamma=\alpha+2\gamma(1-y)=\beta x+\gamma y=0
が成立する.よってこの条件が \alpha=\beta=\gamma=0 となる必要十分条件を求めれば良い.

\beta+\gamma=\alpha+2\gamma(1-y)=\beta x+\gamma y=0

\gamma=-\beta\alpha=2\beta(1-y)=0\beta (x-y)=0
と同値だから,第3式より x=y と仮定すると任意の \beta\neq 0 に対して,第1式と第2式から \alpha,\gamma を求めることができてしまうので, \overrightarrow{\mbox{PQ}}\overrightarrow{\mbox{PX}}\overrightarrow{\mbox{PY}} は1次独立にならない.

よって x\neq y が必要で,このとき
\gamma=-\beta\alpha=2\beta(1-y)=0\beta=0
であるから,\alpha=\beta=\gamma=0 となり十分である.

よって求める必要十分条件x\neq y である.

2024.08.03記
空間版メネラウスを忘れてた.
2015年(平成27年)埼玉大学-数学(文系)[2] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
この証明をそのまま流用する.

[解答]
直線 \mbox{OC} と直線 \mbox{PQ} はねじれの位置にあるので,\rm P,Q,X は同一直線上になないので \mbox{P}\mbox{Q}\mbox{X} を含む平面は唯一であり,それが xy 平面となるように座標を設定したときの各点の z 座標を,例えば \rm Oz 座標は OO=0とは限らない) というように斜体で表すことにすると
P=Q=X=0…①,
O=-A=B…②,
X=xC+(1-x)O…③,
Y=yC+(1-y)B…④
が成立する.①②③より
xC+(1-x)B=0…⑤,
②④より
Y=yC+(1-y)B…⑥
であるから⑤⑥から
Y=(y-x)(C-B)
が成立する.

ここで B=C と仮定すると,⑤より B=C=0 となり,②とあわせて O=A=B=C=0 となり, \mbox{O}\mbox{A}\mbox{B}\mbox{C} は同一平面上にないことに反するので,B\neq C である.このとき,

直線 \mbox{QY} と直線 \mbox{PX} がねじれの位置にある ⇔ Y が平面 \rm PQX 上にない ⇔ Y\neq 0y\neq x

が成り立つ.よって求める必要十分条件y\neq x

空間版メネラウスの定理を用いるときは \dfrac{0}{0} の扱いに注意する必要がある場合があり,本問は
\rm X,Y が線分の端点に来る場合もあり得るので注意が必要である.また,線分の外にある場合にも注意する.

[大人の解答]
空間版メネラウスの定理により(線分は有向線分と考えて符号付きとする.符号は平面 \rm PQYX から見た高さに関して \rm OP の向きが正(\rm O の高さが負)となるように選ぶものとする)直線 \mbox{QY} と直線 \mbox{PX} がねじれの位置にない必要十分条件
\dfrac{\mbox{OP}}{\mbox{PA}}\cdot\dfrac{\mbox{AQ}}{\mbox{QB}}\cdot\dfrac{\mbox{BY}}{\mbox{YC}}\cdot\dfrac{\mbox{CX}}{\mbox{XO}}=\dfrac{1}{1}\cdot\dfrac{-1}{-1}\cdot\dfrac{y}{1-y}\cdot\dfrac{x-1}{-x}=1
となる.

ここで x=0 のときは \dfrac{0}{0}=1 と考え,x\neq 1 より y=0y=1 のときは \dfrac{0}{0}=1 と考え,y\neq 0 より x=1,であるとする.

整理して x\neq 0 かつ y\neq 1 のとき y(x-1)=-x(1-y) から x=y となるが,x=0 または y=1 のときも x=y となっている.

よって求める必要十分条件y\neq x

[大人の解答]では平面 \rm PQYX から見た高さに関して \rm OP の向きが正(\rm O の高さが負)となるように選んだが,逆に\rm OP の向きが負(\rm O の高さが正)となるように選んでも良い.

2024.09.06記
重心座標

[大人の解答]
\mbox{O}(0,0,0,1)\mbox{A}(1,0,0,0)\mbox{B}(0,1,0,0)\mbox{C}(0,0,1,0) なる重心座標において
\mbox{P}\left(\dfrac{1}{2},0,0,\dfrac{1}{2}\right)\mbox{Q}\left(\dfrac{1}{2},\dfrac{1}{2},0,0\right)\mbox{X}(0,0,x,1-x)\mbox{Y}(0,1-y,y,0)
である.平面 \rm PQX上の点は
\left(\dfrac{p+q}{2},\dfrac{q}{2},rx,r-rx+\dfrac{p}{2}\right)p+q+r=1
とかけるので,\mbox{QY} と直線 \mbox{PX} がねじれの位置にあるための必要十分条件
\left(\dfrac{p+q}{2},\dfrac{q}{2},rx,r-rx+\dfrac{p}{2}\right)=(0,1-y,y,0)
をみたす実数p,q,rp+q+r=1)が存在しないことである.

まず,存在するための必要十分条件を考える.

第1,2成分の比較により
p=2y-2,q=2-2y,r=1
が必要で,このとき
(0,1-y,x,y-x)=(0,1-y,y,0)
が成立すれば必要十分となる.よって第3,4成分から x=y となるので,これが存在するための必要十分条件である.よってねじれの位置となる必要十分条件x\neq y である.




以上の内容はhttps://spherical-harmonics.hateblo.jp/entry/Kyodai/2024/Rikei_3より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14