以下の内容はhttps://spherical-harmonics.hateblo.jp/entry/Kyodai/2018/Rikei_6より取得しました。


2018年(平成30年)京都大学-数学(理系)[6]

2025.05.02記

[6] 四面体 \mbox{ABCD}\mbox{AC}=\mbox{BD}\mbox{AD}=\mbox{BC} を満たすとし,辺 \mbox{AB} の中点を \mbox{P} ,辺 \mbox{CD} の中点を \mbox{Q} とする.

(1) 辺 \mbox{AB} と線分 \mbox{PQ} は垂直であることを示せ.

(2) 線分 \mbox{PQ} を含む平面 \alpha で四面体 \mbox{ABCD} を切って 2 つの部分に分ける.このとき,2 つの部分の体積は等しいことを示せ.

本問のテーマ
線形変換の保存量(2025.05.05)

2025.05.04記
(2) の性質には \mbox{AC}=\mbox{BD}\mbox{AD}=\mbox{BC} という条件は不要である.ただ \mbox{AC}=\mbox{BD}\mbox{AD}=\mbox{BC} という条件を設けることによってねじれの位置にある2直線 \mbox{AB},直線 \mbox{CD} の共通垂線が直線 \mbox{PQ} となり,2直線の距離が \mbox{PQ} となるので座標の設定が楽になるというだけの話である.

[解答]
(1) \triangle\mbox{ACD}\triangle\mbox{BDC} において \mbox{AC}=\mbox{BD}\mbox{AD}=\mbox{BC}\mbox{CD}=\mbox{DC} であるから \triangle\mbox{ACD}\equiv \triangle\mbox{BDC} となる.よってそれぞれの三角形の中線の長さが等しいことにより \mbox{AQ}=\mbox{BQ} となり,\triangle\mbox{QAB}二等辺三角形となる.よって \mbox{AB}\perp\mbox{PQ} となる.

(2) 同様に \triangle\mbox{CAB}\equiv\triangle\mbox{DBA} から \triangle\mbox{PCD}二等辺三角形となり \mbox{CD}\perp\mbox{PQ} となる.よって 直線 \mbox{PQ}z 軸で \alphayz 平面となるように座標設定したとき,\mbox{P}(0,0,p)\mbox{Q}(0,0,-p)\mbox{A}(a,b,p)\mbox{B}(-a,-b,p)\mbox{C}(c,d,-p)\mbox{D}(-c,-d,-p) と表すことができる.直線 \mbox{PQ} を軸として四面体 [tex:\mbox{ABCD}\pi 回転させると \rm A\mapsto B,B\mapsto A,C\mapsto D,D\mapsto C となり四面体 \mbox{ABCD} にぴったり重なるので,四面体の x\geqq 0 の部分の体積と x\leqq 0 の部分の体積は等しくなり,題意は示された.

(1) はベクトルを使っても良い.

[解答]
(1) \mbox{PQ} の中点を原点 \mbox{O} とし,\overrightarrow{\mbox{OP}}=\vec{p}\overrightarrow{\mbox{PA}}=\vec{a}\overrightarrow{\mbox{QC}}=\vec{c} とおくと \mbox{P}(\vec{p})\mbox{Q}(-\vec{p})\mbox{A}(\vec{p}+\vec{a})\mbox{B}(\vec{p}-\vec{a})\mbox{C}(-\vec{p}+\vec{c})\mbox{D}(-\vec{p}-\vec{c}) となる.
\overrightarrow{\mbox{AC}}=-\vec{a}-2\vec{p}+\vec{c}\overrightarrow{\mbox{BD}}=\vec{a}-2\vec{p}-\vec{c}\overrightarrow{\mbox{AD}}=-\vec{a}-2\vec{p}-\vec{c}\overrightarrow{\mbox{BC}}=\vec{a}-2\vec{p}+\vec{c} であるから,|\overrightarrow{\mbox{AC}}|^2=|\overrightarrow{\mbox{BD}}|^2 から \vec{p}\bullet(\vec{a}-\vec{c})=0|\overrightarrow{\mbox{AD}}|^2=|\overrightarrow{\mbox{BC}}|^2 から \vec{p}\bullet(\vec{a}+\vec{c})=0 が成立し,よって \vec{p}\bullet\vec{a}=\vec{p}\bullet\vec{c}=0 となるので辺 \mbox{AB} と線分 \mbox{PQ} は垂直であり,辺 \mbox{CD} と線分 \mbox{PQ} は垂直である.

2025.05.05記
(2) の性質には \mbox{AC}=\mbox{BD}\mbox{AD}=\mbox{BC} という条件は不要である,と書いたのでその理由を書いておく.

任意の四面体に対して,それを正四面体に移す線形変換が存在する.

実際,本問の場合,\vec{p}\vec{a}\vec{c} は線形独立であるから \vec{p}\mapsto (0,0,1)\vec{a}\mapsto (1,1,0)\vec{c}\mapsto (1,-1,1) を満たす線形変換が存在し,この線形変換によって
\mbox{A}\mapsto (1,1,1)\mbox{B}\mapsto (-1,-1,1)\mbox{C}\mapsto (1,-1,-1)\mbox{D}\mapsto (-1,1,-1)
に移されるので,四面体 \mbox{ABCD} は正四面体に移る.正四面体は問題文の条件を満たすので(2)の結果も満たす.

この線形変換の逆変換を考え,線形変換によって体積比が保存されることから \mbox{AC}=\mbox{BD}\mbox{AD}=\mbox{BC} という条件は不要であり,

四面体 \mbox{ABCD} において,辺 \mbox{AB} の中点を \mbox{P} ,辺 \mbox{CD} の中点を \mbox{Q} とする.線分 \mbox{PQ} を含む平面 \alpha で四面体 \mbox{ABCD} を切って 2 つの部分に分けたとき,2 つの部分の体積は等しい.

ということが一般的に言える.




以上の内容はhttps://spherical-harmonics.hateblo.jp/entry/Kyodai/2018/Rikei_6より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14