以下の内容はhttps://spherical-harmonics.hateblo.jp/entry/Kyodai/2018/Rikei_5より取得しました。


2018年(平成30年)京都大学-数学(理系)[5]

2025.03.01記

[5] 曲線 y=\log x 上の点 \mbox{A}(t,\log t) における法線上に,点 \rm B \mbox{AB}=1 となるようにとる.ただし \rm B x 座標は t より大きいとする.

(1) 点 \rm B の座標 (u(t),v(t)) を求めよ.また \left(\dfrac{du}{dt},\dfrac{dv}{dt}\right) を求めよ.

(2) 実数 r0\lt r\lt 1 を満たすとし, tr から 1 まで動くときに点 \rm A と点 \rm B が描く曲線の長さをそれぞれL_1(r)L_2(r) とする.このとき,極限 \displaystyle\lim_{r\to+0} (L_1(r)-L_2(r)) を求めよ.

本問のテーマ
(弧長の)センターラインの公式

2025.03.01記18:50:39
センターラインの公式は一般に面積の文脈で語られるが長さの場合のセンターラインの公式もある.これはパップスギュルダンの定理が面積の第二定理を指すことが多いが表面積に関する第一定理もあることと似ている.

[大人の解答]
(厳密には不十分であるが(後述))
(2) r\to 0\overrightarrow{\rm AB}\to (-1,0)r=1\overrightarrow{\rm AB}=\dfrac{1}{\sqrt{2}}(1,1) となり,この間で \overrightarrow{\rm AB} は単調に反時計回りに \dfrac{\pi}{4} だけ回転する.

よって求める値(外側の曲線と内側の曲線の長さの差)は \dfrac{\pi}{4}\cdot |\overrightarrow{\rm AB}|=\dfrac{\pi}{4} となる.

厳密には \overrightarrow{\rm AB} が同じ点を二度通らないことを述べる必要がある.

2025.03.01記

[解答]
(1) f(x)=\log x とおくと \mbox{A}(t,\log t)\overrightarrow{\rm AB}=\left(\dfrac{f'(t)}{\sqrt{1+\{f'(t)\}^2}},-\dfrac{1}{\sqrt{1+\{f'(t)\}^2}}\right)=\left(\dfrac{1}{\sqrt{1+t^2}},-\dfrac{t}{\sqrt{1+t^2}}\right) であるから,
(u(t),v(t))=\left(t-\dfrac{1}{\sqrt{1+t^2}},\log t-\dfrac{t}{\sqrt{1+t^2}}\right)
となり,
u'(t)=1-\dfrac{t}{(1+t^2)^{3/2}}v'(t)=\dfrac{1}{t}-\dfrac{1}{(1+t^2)^{3/2}}
となるので
\left(\dfrac{du}{dt},\dfrac{dv}{dt}\right)=\left(1-\dfrac{t}{(1+t^2)^{3/2}},\dfrac{1}{t}-\dfrac{1}{(1+t^2)^{3/2}}\right)
となる.ここで u'(t)=\dfrac{1}{t} v'(t) に注意しておく.

(2)  L_{1}(r) = \displaystyle\int_{r}^{1} \sqrt{1+\dfrac{1}{t^2}}\, dt であり,(1)より \dfrac{du}{dt}\gt 0 であるから
 L_{2}(r) = \displaystyle\int_{r}^{1} \sqrt{\{u'(t)\}^2+\{v'(t)\}^2}\, dt= \displaystyle\int_{r}^{1} u'(t)\sqrt{1+\dfrac{1}{t^2}}\, dt
となるので
L_1(r)-L_2(r)=\displaystyle\int_{r}^{1} \{1-u'(t)\}\sqrt{1+\dfrac{1}{t^2}}\, dt=\displaystyle\int_{r}^{1} \dfrac{t}{(1+t^2)^{3/2}}\cdot \sqrt{1+\dfrac{1}{t^2}}\, dt=\displaystyle\int_{r}^{1} \dfrac{1}{1+t^2}\, dt
が成立し,よって
\displaystyle\lim_{r\to+0} (L_1(r)-L_2(r))=\displaystyle\int_{0}^{1} \dfrac{1}{1+t^2}\, dt=\dfrac{\pi}{4}
となる.

翌年,日本医科大学でより一般的な話が出題された.
2019年(平成31年)日本医科大学前期-数学[4]
2019年(平成31年)日本医科大学前期-数学[4] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
(URLはそのうち変更される).

この記事を書くときに知人にこの話をすると,

  • 東京出版

のpp.32-34に同じ話が載っていると言われた.現時点では京大はまだ戦前の問題を解いている段階なので参照してなかった(この話は栗田稔先生の現代数学の連載で知っていたのだけど).




以上の内容はhttps://spherical-harmonics.hateblo.jp/entry/Kyodai/2018/Rikei_5より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14