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2012年(平成24年)京都大学-数学(理系)[2]

2025.05.10記

[2] 正四面体 \mbox{OABC} において,点 \mbox{P}\mbox{Q}\mbox{R} をそれぞれ辺 \mbox{OA}\mbox{OB}\mbox{OC} 上にとる.ただし \mbox{P}\mbox{Q}\mbox{R} は四面体 \mbox{OABC} の頂点とは異なるとする. \triangle\mbox{PRQ} が正三角形ならば,3\mbox{PQ}\mbox{QR}\mbox{RP} はそれぞれ 3\mbox{AB}\mbox{BC}\mbox{CA} に平行であることを証明せよ.

本問のテーマ
2辺と1角が等しい三角形が合同となるとき

2025.05.13記

[解答]
\mbox{OP}=p\mbox{OQ}=q\mbox{OR}=r とおくと余弦定理から
\mbox{PQ}^2=p^2+q^2-pq
\mbox{QR}^2=q^2+r^2-qr
\mbox{RP}^2=r^2+p^2-rp
が成立するので,\triangle\mbox{PRQ} が正三角形ならば
(p-r)(p+r-q)=0(q-p)(q+p-r)=0
が成立する.前式で p+r=q と仮定すると,後者から 2pr=0 となり p,r\gt 0 に反するので前者から p=r となり,よって後者と q\gt 0 から p=q となる.

よって p=q=r となり,3\mbox{PQ}\mbox{QR}\mbox{RP} はそれぞれ 3\mbox{AB}\mbox{BC}\mbox{CA} に平行である.

実質的に同じだが,次のような[解答]も可能である

[別解]
\mbox{PQ}=\mbox{QR}=a とおき,\mbox{OQ}=q とおくと \mbox{OP}=p\mbox{OR}=r余弦定理から2次方程式
x^2-qx+q^2-a^2=0…①
の解となる(2解になるとは限らない).

ここで p\neq r とすると,p,r2次方程式①の2解となるので,解と係数の関係から
p+r=qpr=q^2-a^2
が成立する.このとき余弦定理により
a^2=\mbox{RP}^2=r^2+p^2-rp=q^2-3(q^2-a^2)=3a^2-2q^2
となり,a,q\gt 0 から a=q となるが,このとき pr=0 となり p,r\gt 0 に反するので矛盾する.

よって p=r であり,このとき \triangle\mbox{OPR} は正三角形となるので,p=r=a となり,①より a^2-qa+a^2-a^2=a(a-q)=0 が成立する.ここで a\gt 0 より q=a,つまり p=q=r となり,3\mbox{PQ}\mbox{QR}\mbox{RP} はそれぞれ 3\mbox{AB}\mbox{BC}\mbox{CA} に平行である.

この「 p,r2次方程式①の解となる」と「 p,r2次方程式①の2解となる」の違いは間違い易い.最近はどうか知らないが,昔は某ゼミナールの模試の採点バイトは大学生もやっていて,大学に入って間もない頃に某ゼミナールの採点バイトの試験を受けたときの第一問が

多項式 f(x)f(\alpha)=f(\beta)=0 を満たすとき,f(x)(x-\alpha)(x-\beta) で割り切れる」は正しいか

だった.もちろん \alpha\neq\beta なら正しいが \alpha=\beta のときは正しくない.この採点バイトはそれほど割が良いバイトではなかったが糊口をしのぐことができた.なお,普通の模試はそれほど割が良くなかったが東大系模試は白紙が多かったので非常に割りが良かった.

さて[別解]を一歩進めると次のようになる.

[別解2]
\mbox{PQ}=\mbox{QR}=a とおき,\mbox{OQ}=q とおくと \mbox{OP}=p\mbox{OR}=r余弦定理から2次方程式
x^2-qx+q^2-a^2=0…①
の解となる(2解になるとは限らない).同様に p,r2次方程式
x^2-px+p^2-a^2=0…②
の解となる(2解になるとは限らない).

p\neq r とすると,p,r2次方程式①の2解となるので,解と係数の関係から p+r=q が成立し,p,q,r\gt 0 から p\lt q…③ かつ r\lt q…④ が成立する.そして④から q,r2次方程式②の2解となるので,解と係数の関係から q+r=p が成立し,p,q,r\gt 0 から q\lt p…⑤が成立することになるが,③と⑤は矛盾する.よって p=r である.

このとき \triangle\mbox{OPR} は正三角形となるので,p=r=a となり,①より a^2-qa+a^2-a^2=a(a-q)=0 が成立する.ここで a\gt 0 より q=a,つまり p=q=r となり,3\mbox{PQ}\mbox{QR}\mbox{RP} はそれぞれ 3\mbox{AB}\mbox{BC}\mbox{CA} に平行である.

本問は文理共通問題であるが,文系に対しては同じセットの中の 2012年(平成24年)京都大学-数学(文系)[4](q) - [別館]球面倶楽部零八式markIISR が実はヒントになっている.

二辺夾角相等は合同条件であるが,二辺と夾角でない一角相等は合同条件ではなく一般には①の2解として得られる「2つつなげると二等辺三角形となる鋭角三角形と鈍角三角形」のいずれかとなる.しかし

(i) ①が重解をもつ(夾角でも相等する角でもない残りの1つの角が直角となる場合)

(ii) ①が正の解を1つしか持たない場合(相等する角度が 60^{\circ} 以上となる場合)

は合同条件となる.このことを利用すると,次のようになる.

[大人の解答]
一般に二辺と夾角でない一角が等しい三角形は「合同である」または「つなげると二等辺三角形となる鋭角三角形と鈍角三角形の組」となる(要するに二辺と夾角でない一角が与えられたときには,それを満たす三角形は高々2つとなる).

また,「二等辺三角形で内角の1つが \dfrac{\pi}{3} となる三角形は正三角形に限る…(★)」ことに注意しておく.

(a) \triangle\mbox{OPQ}\equiv\triangle\mbox{OQR} のとき,\mbox{OP}=\mbox{OR}\angle\mbox{POR}=\dfrac{\pi}{3} であるから \triangle\mbox{ORP} は正三角形となる.正三角形に対して,二辺と夾角でない一角相等である三角形は(★)により正三角形に限るので,\triangle\mbox{OPQ}\triangle\mbox{OQR} は正三角形となり \mbox{OP}=\mbox{OQ}=\mbox{OR} が成立し,\mbox{PQ}\mbox{QR}\mbox{RP} はそれぞれ 3\mbox{AB}\mbox{BC}\mbox{CA} に平行である.

(b) \triangle\mbox{OPQ}\not\equiv\triangle\mbox{OQR} のとき,

(イ) \triangle\mbox{OQR}\equiv\triangle\mbox{ORP} のとき(a)と同様に考えると \triangle\mbox{OPQ}\equiv\triangle\mbox{OQR}(ともに正三角形)となって矛盾する.

(ロ) \triangle\mbox{OQR}\not\equiv\triangle\mbox{ORP} のとき,
\triangle\mbox{OQR} と二辺と夾角でない一角相等であり合同でない三角形は1種類しかないので
\triangle\mbox{OPQ}\equiv\triangle\mbox{ORP} が成立し,(a)と同様に考えると \triangle\mbox{OPQ}\equiv\triangle\mbox{OQR}(ともに正三角形) となって矛盾する.

よって(b)の場合はありえず,(a)より題意は成立する.

(★)は正三角形が「(ii) ①が正の解を1つしか持たない場合」(正の解と 0)に対応していることを示しており,「正三角形と2辺と1角が等しければ,その1角は夾角でなくても正三角形になる」ということであり,本問の本質はここにあると言えよう.そして2種類のものを円環状に3つ並べると必ず同じものが2つ続き,すると残りの1つは正三角形でなければならず,よって全てが正三角形になるという理屈で証明が完了する.




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