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1967年(昭和42年)京都大学-数学(理系)[4]

2026.02.14.13:00:50記

[4] 次の \fbox{$\phantom{     }$} の中に適当な数または式を入れよ.また(イ)〜(ホ)の「」で囲まれた文章の理由を,最後の(イ)〜(ホ)の解答のところで述べよ.

方程式 x^2-3y^2=1 をみたす整数の組 (x,y) を求めることを考える.(以下この方程式の整数解を単に解と略称する.)準備のために次のことを確かめておく.

(イ) 「 abcd が整数であって,a+b\sqrt{3}=c+d\sqrt{3} ならば,a=cb=d である」

次に (x,y) が解であれば,(x,-y)(-x,y)(-x,-y) も解であることは,方程式(1)により明らかであるから,(x,y) が共に負でない解を求めることが基本的である.それでそのような解を求める手段として (2+\sqrt{3})^n=x_n+y_n\sqrt{3},(x_ny_n は負でない整数,n=012\cdots\cdots)とおく.そうすると(イ)によって,

x_0=1y_0=0x_1=2y_1=1

x_2=\fbox{$\phantom{     }$}y_2=\fbox{$\phantom{     }$}x_3=\fbox{$\phantom{     }$}y_3=\fbox{$\phantom{     }$} である.

一方,(2+\sqrt{3})^2(2-\sqrt{3})^2(2+\sqrt{3})^3(2-\sqrt{3})^3 などを比較することによって,一般に (2-\sqrt{3})^n=x_n-y_n\sqrt{3}n=012\cdots\cdots であることがわかる.

(2)と(4)と,(2+\sqrt{3})(2-\sqrt{3})=1 とを使って,1=(2+\sqrt{3})^n(2-\sqrt{3})^n=x_n^2-3y_n^2 となるから,(2)で定まる (x_ny_n) は方程式(1)の解であることがわかる.とくに,xy の一方が 0 となるような負でない解は,明かに x=1y=0 で,それは(3)の (x_0y_0) に外ならない.

次に (x_{n-1}y_{n-1})(x_ny_n) との関係を求めてみる(n \geqq 1).

x_n+y_n\sqrt{3}=(2+\sqrt{3})^n=(x_{n-1}+y_{n-1}\sqrt{3})(2+\sqrt{3})=\fbox{$\phantom{     }$}
ゆえに,x_n=\fbox{$\phantom{     }$}y_n=\fbox{$\phantom{     }$}

したがって (x_0,y_0) から出発して,負でない解 (x_1,y_1)(x_2,y_2)\cdots\cdots(x_n,y_n)\cdots\cdots を順次求めて行くことができる.しかも y_1\lt y_2\lt y_3\lt \cdots\cdots である.

以上のことで負でない解を多数みつけたのであるが,これらで負でない解が尽くされているかどうかを次に吟味する.

いま任意の正の解 (x,y),(x\gt 0y\gt 0)をとると,
(x+\sqrt{3}y)(2-\sqrt{3})=(2x-3y)+(2y-x)\sqrt{3}

(ロ) 「 x'=2x-3yy'=2y-x とおくとき,(x',y') も解である」

(ハ) 「そして x\gt x'\gt 0y\gt y'\geqq0 である」

(ニ) 「それで,任意の正の解 (x,y) から出発して,(ロ)における (x',y') を求める操作を順次行なうことによって,(3)に示す負でない解 (x_0,y_0) に達する」

(ホ) 「したがって,任意の負でない解 (x,y) は式(2)によって定まる (x_n,y_n) (n=012\cdots\cdots) のどれか 1 つである.」

本問のテーマ
ペル(Pell)方程式

2026.02.14.18:10:45記
1988年理系(A日程)[3]と本質的に同じ.

双曲線 x^2-3y^2=1x,y\geqq 0)上の格子点を考えるのですが,\dfrac{y}{x}x について単調増加となり x\to+\infty で漸近線の傾き \dfrac{1}{\sqrt{3}} に近づきます.(1,0) を除いた x,y\gt 0 なる格子点は x\geqq 2 を満たすことから x,y\gt 0 なる格子点は \dfrac{1}{2}\leqq \dfrac{y}{x}\lt\dfrac{1}{\sqrt{3}} を満たすことがわかります.これが(ハ)のヒントになります.

[解答]
x_2=\fbox{$7$}y_2=\fbox{$4$}x_3=\fbox{$26$}y_3=\fbox{$15$}x_n+y_n\sqrt{3}=(2+\sqrt{3})^n=(x_{n-1}+y_{n-1}\sqrt{3})(2+\sqrt{3})=\fbox{$(2x_{n-1}+3y_{n-1})+(x_{n-1}+2y_{n-1})\sqrt{3}$}x_n=\fbox{$2x_{n-1}+3y_{n-1}$}y_n=\fbox{$x_{n-1}+2y_{n-1}$}

(イ) (a-c)=(d-b)\sqrt{3} であり,b\neq d とすると左辺は有理数,右辺は無理数となって矛盾するので b=d である.このとき右辺は 0 であるから a=c である.

(ロ) (x')^2-3(y'^2)=(2x-3y)^2-3(3y-x)^2=x^2-3y^2 であるから,x^2-3y^2=1 ならば (x')^2-3(y'^2)=1 である.つまり (x,y) が解ならば (x',y') も解となる.

(ハ) x,y\gt 0x^2=1+3y^2 であるから x\gt \sqrt{3}y である.また y は整数で正であるから y\geqq 1 となるので x^2\leqq 4y^2 となり x\leqq 2y である.つまり \sqrt{3}y\lt x\leqq 2y(⇔ \dfrac{x}{2}\leqq y\lt\dfrac{x}{\sqrt{3}})が成立する.

このとき 0\lt 2\cdot \sqrt{3}y-3y\lt x'=2x-3y\leqq 2x-3\cdot\dfrac{x}{2}\lt x
0=2\cdot\dfrac{x}{2}-x\leqq y'=2y-x\lt 2y- \sqrt{3}y\lt y となる.

(ニ) (ハ)により同様の操作を続けると y は単調に減少するが y より小さい非負整は有限であるからやがて y=0 に到達するので(3)に示す負でない解 (x_0,y_0)=(1,0) に達する.

(ホ) (ロ)から x=2x'+3y'y=x'+2y' が成立し,これは問題文にある漸化式と同じ操作となっている.つまり(ロ)の操作の逆を行うことが漸化式に対応している.任意の解から(ロ)の操作を有限回行うと必ず (x_0,y_0)=(1,0) に達するのだから,その逆の操作を有限回行うことにより任意の解に到達することができることが言える.よって(ホ)が成り立つ.




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