2026.01.21.23:08:23記
[6]
,
,
にどんな実数値を与えても,つねに不等式
が成立するような実数
の範囲を求めよ.
が成立するような実数
本問のテーマ
シルベスターの判定法
2026.01.27.00:19:04記
対称行列が非負定値となる必要十分条件は全ての次数の主小行列式が非負となることで,この判定法をシルベスターの判定法と呼びます.この判定法は対称行列でないと使えないことに注意しておきます.
行列 の固有値が全て非負であれば良いので,固有方程式の解が全て非負であれば良いのです.一般には
次方程式の解の配置問題は,因数分解ができない場合には非常に難解となり解けない方程式や不等式が登場します.本問の場合,計算間違いがなければ固有方程式の判別式は
となってしまいゲンナリしてしまいます.この判別式から3つの解が全て実数かどうかを判定するのは手計算ではほぼ不可能です.しかし実対称行列の固有値は全て実数となるので,解と係数の関係だけで解決します.
[大人の解答]
実対称行列
の固有方程式

の
解が全て非負の実数となる条件を求めれば良い.実対称行列の固有値は全て実数であることから求める必要十分は,解と係数の関係から
,
,
の全てが成立すること,つまり
かつ「
または
」 かつ「
または
」となり,
となる.
実対称行列
の
の全てが成立すること,つまり
が実数であるとき,
ならば
,
,
が成立します.逆に
のとき,
の解
について例えば
から
となるので,
では左辺が負,右辺が非負となって矛盾します.よって
が実数ならば
でなければなりません.
についても同様ですので,
が実数という条件のもとでは,
と
,
,
は同値となるのです.
普通は,判別式を用いて次のように解きます.ここで の係数は定数なので,まずは
についての2次方程式とみます.
[解答]
全ての実数
について

となるので,
,つまり
…①
が全ての実数
について成立しなければならない.
全ての実数
となるので,
が全ての実数
ここで①が で成立するためには
が必要で,
のときの①は
となるが,
では成立しないので,
…②となる.
②のとき①が全ての実数 について成立するためには
,つまり
または
となることが必要である.これと②から求める の範囲は
となる.
これを例えばまず についての2次方程式とみると次のようになります.
[解答]
全ての実数
について

となるので,
のときを考えて
が必要だが,
のとき
では成立しないので
…①であり,①のとき
,つまり
…②
が全ての実数
について成立しなければならないが,
で成立することから
が必要だが,
のとき②は
となり,これは
では成立しない.よって
…③が必要である.①かつ③は
…④と同値であり,④のとき②が全ての実数
で成立するためには
つまり
または 
となることが必要である.これと④から求める
の範囲は
となる.
全ての実数
となるので,
が全ての実数
となることが必要である.これと④から求める