2026.01.21.23:08:23記
(弟) きょう,学校で数学のテストがありました.命題がいくつかあって,正しいものに○印を,正しくないものには×印をつける問題でした.全部できたつもりです.
(姉) それは,よかったですね.その中の一つをいってごらん.
(弟)こんなのがありました.
「二直線 ,
の交点は,
がどんな実数値をとっても,円
の上にある」
というのです.もちろん,○印をつけました.
(姉) なぜ,これが正しいことがわかりましたか.
(弟) (1),(2)から を消去したら,(3)がでるからです.それでいいでしょう.
(姉) 結構ですね.しかし,この問題が本当によくわかっているかどうか,二,三質問をしてみましょう.まず,この命題に二直線とあるのは,もちろん 平面上の二直線のことですね.では,
はどういうものですか.
(弟) は実数値をとる変数です.
,それに応じて,方程式(1),(2)の係数がきまって,それぞれのあらわす直線がきまります.
,それに対応する二直線が動きます.
(姉) ところで,二直線の交点とありますが, の値によっては,この二直線が
になることはないかしら.
(弟) いや,それどころか,いつでも します.
(姉) どうして.
(弟) のときには,二直線の方向係数は,それぞれ
,
ですが,
ですから,
の条件をみたします.
のときには,(1)は
軸と
し,(2)は
軸と
ですから,やはり,(1),(2)は
します.
(姉) うまく証明しましたね.では,本題にはいって,(1),(2)から を消去して,(3)がでたことから,(1),(2)の交点が(3)の上にあると結論したのは,どういう理由ですか.
(弟) 僕は,こういう問題は消去するものと覚えこんでいただけで,理由なんて考えてみたこともありません.教えてください.
(姉) では, を消去したときに,(3)の左辺をどのようにして,(1),(2)の左辺からだしたか,まず,それを式でかいてごらん.
(弟) です.
(姉) ここにあなたがかいた等式(4)は,等式(1),(2),(3)と性格がちがいますね.
(弟) (1),(2),(3)は 式ですが,(4)は
式です.
(姉) そのことを心にとめておいて,(1),(2)の交点が,(3)の上にあることを証明しましょう.
が(1),(2)の交点であるとすれば
,
は
をみたす.次に,いま注意したことから,
,
は,もちろん
をみたす.この二つのことから,
,
は
をみたし,
が
の上にあることがわかる.
というわけです.
(弟) なるほど,これで,消去の意味がよくわかりました.ところで,姉さん. がすべての実数値をとるとき,この交点は,(3)式の円をえがくのですか.
(姉) この交点のえがく曲線は,幾何では,交点の といいますね.これを
とし,(3)式の円を
とすると,いままで話しあったことから,
は
と
するか,または
は
の
であることがわかりますね.実際は,
は
から
を除いたものです.証明は,ゆっくりあとで考えてごらん.
[2] ,
は定数とし,
は任意の正の値をとるものとする.
に関する2次方程式
の根の一つが,
の値に関係なく一定であるように,
,
を定めよ.
また,この場合,他の根は のどんな値に対して最小となるか.
[3] ,
は,
と
との間にある定角とする.
がどんな角であっても,つねに
が成立した.このとき,,
の値をもとめよ.
[4] 平面上で,角 内に定点
がある.いま,二点
,
が同時に点
を出発して,同じ一定の速さで,それぞれ半直線
,
上を進むものとする.出発後,しばらくして,この二点がそれぞれ
,
にあるとき,
であった.さらに,もっと進んで,二点がそれぞれ
,
にあるときも,
であった.この場合,点
は角
の二等分線上にあることを証明せよ.
[5] 三角形 において,角
の二等分線と角
の外角の二等分線との交点を
とし,また,角
の二等分線と角
の外角の二等分線との交点を
とする.二点
,
から,辺
の延長におろした垂線の足を,それぞれ
,
とする.このとき,
となることを証明せよ.
[6] ,
,
にどんな実数値を与えても,つねに不等式
が成立するような実数 の範囲を求めよ.
1965年(昭和40年)京都大学-数学(文系)[1] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
1965年(昭和40年)京都大学-数学(文系)[2] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
1965年(昭和40年)京都大学-数学(文系)[3] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
1965年(昭和40年)京都大学-数学(文系)[4] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
1965年(昭和40年)京都大学-数学(文系)[5] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
1965年(昭和40年)京都大学-数学(文系)[6] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR