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1950年(昭和25年)京都大学(新制)-数学(解析I)[5]

2025.11.19記

[5] 方程式 x^3+ax^2+bx+c=0 の根はみな実数とする.これら三実根が等比数列をなすために係数が満足すべき條件を求めよ,但し c\neq 0 とする.

2025.11.26記
「方程式 x^3+ax^2+bx+c=0 の根はみな実数とする」とあるので,方程式が3つの実数解を持つための a,b,c に関する条件を考える必要はないと考えました.なお c\neq 0 ですから公比が 0 となる場合をどうするかについて悩む必要はありません.

[解答]
等比数列の公比 r0 とすると方程式の解に 0 が含まれることとなり,解と係数の関係から c=0 となり矛盾するので r\neq 0 である.よって等比数列をなす3つの解を pr^{-1},p,pr とおくことができ,解と係数の関係から
a=-p(r^{-1}+1+r)…①, b=p^2(r^{-1}+1+r)=-ap…②,c=-p^3\neq 0…③
が成立する.r が実数であることから |r+r^{-1}|\geqq 2 であり,③より p\neq0 であるから,このとき①②③から a^3c=b^3a,b\neq 0) となることが必要である.

逆に a^3c=b^3abc\neq 0)を満たす a,b,c に対して p=-\dfrac{b}{a}=-\sqrt[3]{c}) が定まり,このとき r
r^{-1}+1+r=\dfrac{a^2}{b}\left(=\dfrac{a}{\sqrt[3]{c}}=\dfrac{b}{\sqrt[3]{c^2}}\right)
つまり
r^{2}+\left(1-\dfrac{a^2}{b}\right)r+1=0
を満たす.もしこの方程式の解が虚数となった場合には pr,pr^{-1}虚数となり p,r が①②③を満たすので解と係数の関係からもとの方程式が虚数解を持つこととなり矛盾する.よってこの方程式の解は実数として得られ, ①②③から pr^{-1},p,pr は方程式の3つの実数解となり,これらは確かに等比数列となっている.

問題文が

方程式 x^3+ax^2+bx+c=0 の根がみな実数となり,これら三実根が等比数列をなすために係数が満足すべき條件を求めよ,但し c\neq 0 とする.

であれば r についての2次方程式の判別式から \left(1-\dfrac{a^2}{b}\right)^2\geqq 4,つまり
(a^2-3b)(a^2+b)\geqq 0 を付け加えれば良いでしょう.

さて,等比数列はスケーリングしても等比数列です.

[別解]
等比数列の公比 r0 とすると方程式の解に 0 が含まれることとなり,解と係数の関係から c=0 となり矛盾するので r\neq 0 である.よって等比数列をなす3つの解を pr^{-1},p,pr とおくことができ,解と係数の関係から c=-p^3\neq 0 が成立する.ここで X=\dfrac{x}{p}A=\dfrac{a}{p}B=\dfrac{b}{p^2} とおくと,方程式 X^3+AX^2+BX-1=0等比数列をなす3つの解 r^{-1},1,rr\geqq 1)を持つことになる.よって A+B=0,すなわち pa+b=0 から a^3c=b^3 となることが必要である.

注)s,t が実数のとき,三乗根の一意性により s^3=t^3s=t は同値.

このとき,(X-1)\{X^2+(A+1)X+1\}=0 が実数解 r,r^{-1} を持つための必要十分条件は,解と係数の関係から解の積が 1 となることが保証されているので,判別式が非負となることが必要十分であり,A\leqq -3,1\leqq A,つまり
\dfrac{a}{\sqrt[3]{c}} \leqq -1,3\leqq \dfrac{a}{\sqrt[3]{c}}
となる.

以上から求める条件は
a^3c=b^3(かつ \dfrac{a}{\sqrt[3]{c}} \leqq -1,3\leqq \dfrac{a}{\sqrt[3]{c}}
となる.

もちろん,1,1,1-1,1,-1等比数列です.

次の解法も鉄板です.

[別解]
c\neq 0 より3次方程式の解を \alpha,\beta,\gamma とおくと,\alpha\beta\gamma=-c\neq 0 により,これらはいずれも 0 ではない.このとき
(\alpha^2-\beta\gamma)(\beta^2-\gamma\alpha)(\gamma^2-\alpha\beta)=0…(★)
が成立すれば3つの解は等比数列となる.\alpha\beta\gamma=-c\neq 0 より(★)は
-c(\alpha^2-\beta\gamma)(\beta^2-\gamma\alpha)(\gamma^2-\alpha\beta)=0
つまり
(\alpha^3+c)(\beta^3+c)(\gamma^3+c)=0
と同値である.今 \alpha^3+a\alpha^2+b\alpha+c=0,つまり \alpha^3+c=-(a\alpha+b)\alpha などにより,(★)は
(a\alpha+b)(a\beta+b)(c\gamma+b)=0(∵ \alpha\beta\gamma=-c\neq0
と同値となる.今 a=-(\alpha+\beta+\gamma)\neq 0 であるから,これは方程式が -\dfrac{b}{a} を解に持つことと同値となり,(★)が成立するための必要十分条件
\left(-\dfrac{b}{a}\right)^3+a\left(-\dfrac{b}{a}\right)^2+b\left(-\dfrac{b}{a}\right)+c=\left(-\dfrac{b}{a}\right)^3+c=0
つまり a^3c=b^3 となる.

この条件は与えられた3次方程式の解が,公比が虚数となる等比数列となる場合も含まれているが,本問は与えられた3次方程式の解が全て実数であることが前提の上で付け加えるべき条件を問う問題であり,その付け加えるべき条件は a^3c=b^3 である.




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