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1936年(昭和11年)京都帝國大學理學部第二次-數學[2]

2025.01.24記

[2] 直線上ノ海岸ニ地點 \rm A アリ.今海面上ノ地點 \rm P ニアル人ガ等速 V ヲ以テ船ヲ直線上ニ漕ギテ此海岸ノ或地點ニ上陸シ直チニ陸路等速 W ヲ以テ此海岸ニ沿フテ地点 \rm A ニ行クトキ如何ナル地點ニ上陸スレバ \rm P ヲ出テ \rm A ニ至ル時間ガ極小トナルカ.但シ V\lt W トス.

本問のテーマ
スネルの法則
走時曲線

2025.01.29記
地点 \rm P に一番近い海岸上の点から点 \rm A が十分に遠い場合はスネルの法則の全反射の場合を考えて入射角が \sin\theta=\dfrac{\sin\theta}{\sin\dfrac{\pi}{2}}=\dfrac{V}{W} となるように陸に近づけば良い.そして \rm A が近い場合は直接 \rm A に向かえば良い.

以下の解答では,極小値(最小値)を答える必要はないが答えてある.

[解答]
直線上の海岸を x 軸とし,\mbox{P}(0,p)\mbox{A}(0,a)0\lt p,0\leqq a)とする.また上陸地点を \mbox{X}(x,0)0\leqq x\leqq a)とする.

このとき要する時間 f(x)f(x)=\dfrac{\sqrt{x^2+p^2}}{V}+\dfrac{a-x}{W} となる.
f'(x)=\dfrac{x}{V\sqrt{x^2+p^2}}-\dfrac{1}{W}=\dfrac{Wx-V\sqrt{x^2+p^2}}{VW\sqrt{x^2+p^2}}
であるから f'(x)=0 となる xWx-V\sqrt{x^2+p^2}=0,つまり x=\dfrac{pV}{\sqrt{W^2-V^2}} を満たし,その前後で符号を負から正に変える.

(i) 0\leqq \dfrac{pV}{\sqrt{W^2-V^2}}\leqq a のとき:
f(x) は単調減少であるから,x=a のとき,つまり直接 \rm A に向かうときに最小となり,最小値 \dfrac{\sqrt{a^2+p^2}}{V} をとる.

(ii) a\leqq\dfrac{pV}{\sqrt{W^2-V^2}} のとき:
\left(\dfrac{pV}{\sqrt{W^2-V^2}},0\right) を目指して上陸した後に海岸に沿って \rm A に向かうときに最小となり,最小値 \dfrac{Va+p\sqrt{W^2-V^2}}{VW} をとる.

[スネルの法則が見え易い解答]
直線上の海岸を x 軸とし,\mbox{P}(0,p)\mbox{A}(0,a) とする.また上陸地点を \mbox{X}(p\tan\theta,0)0\leqq \tan\theta\leqq \dfrac{a}{p})とする.

このとき要する時間 f(\theta)f(\theta)=\dfrac{p}{V\cos\theta}+\dfrac{a-p\tan\theta}{W} となる.
f'(\theta)=\dfrac{p\sin\theta}{V\cos^2\theta}-\dfrac{p}{W\cos^2\theta}=\dfrac{p(W\sin\theta-V)}{VW\cos^2\theta}
であるから f'(\theta)=0 となる \theta\sin\theta=\dfrac{V}{W} を満たし,その前後で符号を負から正に変える.このとき \tan\theta=\dfrac{V}{\sqrt{W^2-V^2}} であるから

(i) 0\leqq \dfrac{pV}{\sqrt{W^2-V^2}}\leqq a のとき:
f(\theta) は単調減少であるから,\tan\theta=\dfrac{a}{p} のとき,つまり直接 \rm A に向かうときに最小となり,最小値 \dfrac{\sqrt{a^2+p^2}}{V} をとる.

(ii) a\leqq\dfrac{pV}{\sqrt{W^2-V^2}} のとき:
\sin\theta=\dfrac{V}{W} となる方向,つまり海岸線の法線とのなす角度が \sin\theta=\dfrac{V}{W} を満たす方向に向かって海岸に上陸した後に海岸に沿って \rm A に向かうときに最小となり,最小値 \dfrac{Va+p\sqrt{W^2-V^2}}{VW} をとる.

走時曲線

走時曲線とは,震源から観測地点までの距離と地震波が伝わるまでに要する時間(走時)との関係を示したグラフのことである.モホロビチッチ不連続面x 軸とし,地殻の厚さを p とすると地表は y=p で表される.震源は十分浅く震央 (0,p) と同一視し,地殻での地震波の速度を Vモホロビチッチ不連続面にてマントルを伝わる地震波の速度を WW\gt V)するとき,地点 (X,p) に到達する地震波は3つある(マントルまでの時間の往復を考えるので反射波や屈折波は本問の結果で a=\dfrac{X}{2} としたときの結果を2倍にすれば良い).

(1) 直達波(直接波):地表を伝わる地震波で伝わるのにかかる時間は \dfrac{X}{V}(グラフは直線)

(2) 反射波:モホロビチッチ不連続面で反射して届く地震波で伝わるのにかかる時間は \dfrac{X^2+4p^2}{V}(グラフは双曲線)

(3) 屈折波:モホロビチッチ不連続面で屈折し,モホロビチッチ不連続面を伝わってから再度屈折してから届く地震波で伝わるのにかかる時間は(X\geqq \dfrac{2pV}{\sqrt{W^2-V^2}} のとき)\dfrac{VX+2p\sqrt{W^2-V^2}}{VW}(グラフは直線)

これらのうち,一番早く波が到達する時間を描いたものが走時曲線となる.ここで反射波は必ず直達波よりも遅く到達するので直達波と屈折波のどちらが先に到達するかが問題となる.直達波は原点を通り傾きが急な直線,屈折波は y 切片が正で傾きが緩い直線であるから,必ず x\gt 0 のどこかで交わることがわかる.

直達波と屈折波が同時に到達するのは \dfrac{X}{V}=\dfrac{VX+2p\sqrt{W^2-V^2}}{VW},つまり X=\dfrac{2p\sqrt{W^2-V^2}}{W-V} が成立するときであるから,地殻での地震波の速度 Vマントル(モホロビチッチ不連続面)での地震波の速度 W と走時曲線が折れ曲がる場所の震源からの距離 X(ダイナマイトなどで人口的に地震波を作ることによって求められる)が与えられれば,震源付近の地殻の厚さが p=\dfrac{(W-V)X}{2\sqrt{W^2-V^2}}=\dfrac{X}{2}\cdot\sqrt{\dfrac{W-V}{W+V}} として得られる.




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