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2000年(平成12年)慶應義塾大学理工学部-数学[B2]

2025.11.09記

[B2] 実数 abc に対し g(x)=ax^2+bx+c を考え,u(x)u(x)=g(x)g\left(\dfrac{1}{x}\right) で定義する.

(1) u(x)y=x+\dfrac{1}{x} の整式 v(y) として表されることを示しなさい.

(2) (1)で求めた v(y)-2\leqq y\leqq 2 の範囲のすべての y に対して v(y)\geqq 0 であることを示しなさい.

2025.11.09記
ずっと昔に載せていたと思ったら載せていなかった.

[大人の解答]
(1) u(x)x\dfrac{1}{x} の対称式であるから,x+\dfrac{1}{x}x\cdot\dfrac{1}{x}=1 の整式として表すことができる.

(2) v(y) は次数を考えると y の2次式である.-2\leqq y\leqq 2 なる y に対して y=x+\dfrac{1}{x},つまり x2次方程式 x^2-yx+1=0 を考えると判別式が負または0で解の積が 1 となることから,\alpha=\cos\theta+i\sin\theta なる \theta が存在して x=\alpha,\overline{\alpha} と書くことができ,このとき v(y)=g(\alpha)g(\overline{\alpha})=|g(\alpha)|^2\geqq 0 が成り立つ.

丁寧には,y=\pm 2 のときは x1 または -1 で重解,-2\lt y\lt 2 のときは虚数解で解の積が 1 だから虚数解は \alpha,\overline{\alpha}|\alpha|=1)となる,と場合分けします.

または x=re^{i\theta} とおくと y=x+\dfrac{1}{x}=\left(r+\dfrac{1}{r}\right)\cos\theta+i\left(r-\dfrac{1}{r}\right)\sin\theta が実数であることから
\sin\theta=0x が実数)または r=\dfrac{1}{r}|x|=1)が得られ,x が実数のとき,AM-GM 不等式から |y|\geqq 2(等号は x=\pm 1)となることから,-2\leqq y=x+\dfrac{1}{x}\leqq 2 であることと複素数の範囲で |x|=1 であることが同値であることがわかります.

[解答]
(1) u(x)=ac\left(x+\dfrac{1}{x}\right)^2+(a+c)b\left(x+\dfrac{1}{x}\right)+a^2+b^2+c^2-2ac により v(y)=acy^2+(a+c)by+a^2+b^2+c^2-2ac と表すことができる.

(2) v(\pm 2)=(a\pm b+c)^2\geqq 0 であるから,題意が成立しない,つまり v(y)\lt 0 となる -2\leqq y\leqq 2 なる y が存在するような a,b,c についての条件は
ac\gt 0…①,-2\lt\dfrac{(a+c)b}{2ac}\lt 2…②,-\dfrac{(a+c)^2b^2}{4ac}+a^2+b^2+c^2-2ac=\dfrac{(a-c)^2(4ac-b^2)}{4ac}\lt 0…③
のすべてが成立することである.③から a\neq c であり,①から
ac\gt 0…①,b^2 \lt \dfrac{16a^2c^2}{(a+c)^2}…④,b^2\gt 4ac…⑤
となるが,①とAM-GM 不等式から (a+c)^2=(|a|+|c|)^2\geqq 4|ac|=4ac となるので
\dfrac{16a^2c^2}{(a+c)^2}\lt4ac
が成立し,④⑤を満たす b は存在しない.よって題意は成立する.

[大人の解答] は g(x) がどのような実数係数の多項式関数についても成立することの証明になっている.




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