「京大入試」という冠には疑問を感じるけれど書物としては悪くはない.
京大入試数学を導入に使っているが「外積でケプラー」の部分は京大入試と関係ない.
京大入試の tan の不等式は「エントロピー」とは関係ない.エントロピーの話をするならエントロピーをテーマにした京大特色入試を使えば良いのに.またエントロピーが最大となるのが一様分布の場合である,という式が AM-GM 不等式と本質的に同じであることにも触れればいいのに.
そもそも入試問題ではない題材が多く,「京大入試」に限定する意味がわからなかった.語り合う「大学入試数学」で良かったのでは?まぁ奥深いのは「数学」であって「京大入試数学」ではないのだから良いのか.とりあえず林さんは物理畑だったので物理の話を書きたかっただけのように感じる(「背景がテーラー展開」,って「背景が微分」というぐらい基本的に何でもありだし).
知らないことはほとんど無かったけど8章の偏微分して積分するところと15章は勉強になった。
それにしても,あれだけ受験テクニックとして有名な「ガウス・グリーンの定理」(安田亨さんが広めた.命名は一松信先生だったと思う)を林さんが知らなかったというのは意外だった.林さんは「東京出版」の本は読まないんだろうな.
テーラー展開のところの
2020年(令和2年)京都大学理学部特色入試・数理科学入試-数学[1]
は,自分が書くと
2020年(令和2年)京都大学理学部特色入試・数理科学入試-数学[1] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
のように,微分方程式の羃級数解法と関連付けるかな(3時間ほどで書いたので手抜き解答だが).