1月8日〜11日 4日間、全7公演。
舞台「夢のかけらを歌に乗せたら」が上演されました。
林鼓子さんの初主演舞台ということで金土の4公演を観劇させていただきました。
まず始めに。
本当に最高の舞台でした。
ストーリーや歌、林鼓子さんの活躍は当然の事、初舞台のキャスト陣の奮闘、経験豊富なキャスト陣の存在感によって引き出された各キャラの魅力など舞台そのものの満足度はとても高く。
何よりもキャスト、アンサンブル、スタッフ、観客のゆめかけに対する愛が劇場を満たしていたなと思います。
大千穐楽ではスペシャルカーテンコールの後にスタンディングオベーションが生まれ、トリプルカーテンコールへと繋がりました。
誰かが立ち上がった事で客席全体に伝播していき、一人また一人と立ち上がって拍手を送る光景は同じ客席に居た私から見ても夢のようでした。本当にありがとうございました。
ストーリーとしては夢を追いかける主人公が一度夢破れる所から始まり、それでも自分のやりたい事を追い求める。道中に存在する現実の壁に当たりながらもひたむきに進んでいく、という物でした。
よくある伏線や考察などはあまり多くなかった事もあって観劇のカロリーは高くなく、真っ直ぐ眩しい青春劇に観終わった後は自然と心が晴れやかになる、1年の始まりの舞台としては最適で、まるで初日の出のようでした。
色々書きたいことはありますが、今回は林鼓子さんの話を。
先程「最高の舞台だった」要素をいくつか挙げましたが、「彼女の初主演舞台」がこのゆめかけであった事は極めて特別な要素です。
私は彼女のファンです。10月の情報公開の時は手が震える程に驚き喜びました。
ここ数年舞台女優としてのキャリアを着実に重ねているのを見届けて来ましたが、そんな彼女が初の主演舞台。
しかも題材は歌劇、演じる主人公は歌劇が大好きな高校生。
ここまで林鼓子にシナジーのある舞台、運命を感じずには居られませんでした。
幼少より観劇の経験を通して舞台・ステージの上に憧れを持っている人で、どこか高い所に上がっては歌い踊ったりしていたと自身のエッセイでも書いています。
その後、学生時代に通っていたボイトレスクールでは宝塚のバックボーンを持つ先生の元で力を付け、2017年に声優デビュー。
声優アイドルユニットとしての活動をやっていく傍ら、2021年に「プロジェクト東京ドールズ」で舞台に。
以降朗読劇や舞台への出演を重ね、2023年8月には「Neo Doll」でミュージカル出演……といった流れでここまで来ました。
観劇も大好きなんですよね、あの人。Twitter(現:X)で「from:cocohayashi515 ミュージカル」とか「from:cocohayashi515 舞台」とかで検索してもらえるとよくわかります。それはもう。
今作を観劇された方に、林鼓子さんの歌がすごい、台詞を発する声がすごい、ダンスがすごい、演技・所作がすごい、色々な所で凄さを感じていただけていたら(ずっと応援している身として)嬉しいのですが、これはまさしく「好きこそ物の上手なれ」の形です。
自分は歌うことが好きでお芝居が好きで踊ることが好きで
それだけをして生きて食べていきたいんだから、のぼりつめるまで絶対に止まらないって。
これは林鼓子さんが以前書かれたブログの一文ですが、これが彼女です。
好きな事を生業にする事、そのために必要な物と覚悟。
このブログを書いた時は19歳ですが、その以前からしばしば同じことを口にしていました。
学生時代から彼女は芸能の世界で生きる人であり続けました。
沢山の人が沢山の想いを注いで完成した舞台であると一つ前置きをした上で。
私はこの舞台、この物語は林鼓子そのものであると、そう感じています。
そもそも「歌劇が大好きな少女」を林鼓子さんが演じている時点でうっすら来ているのですが、まだそれは要素に過ぎませんでした。
しかし物語で出てきた構図や言葉から、私に彼女の姿を思い浮かべない事はできませんでした。
作中、二つの歌劇団の目的や主体とするものは対比的なものになっていたように思います。
シングシアターカンパニーの「時に現実と対峙しながら、その先で劇場に足を運ぶ観客に夢を魅せる」姿。
私たちの歌劇団の「真っすぐに自分たちの夢を追い求め、自分たちのやりたい事を目一杯に表現する」姿。
「誰か」を主体にするシンシアと、「自分」を主体にする私たちの歌劇団。
二つの歌劇団にそれぞれの役割を持たせていましたが、林鼓子さんは両方の性質を併せ持っています。
自分のやりたい事として芸能の世界を選び生きていて、舞台の上で輝く姿には応援してくれている人のための気持ちが込められている……それが林鼓子さんです。
そして、こずえとあずさ(こずえの姉)の会話のシーン。
あずさ「普通の人は高校行って、大学行って、就職活動して、社会人になって、お給料貰って」
「でもこずえが目指してる芸能の道はそうじゃない、一日一日がどうなるかわからない」
こずえ「でも、ツカヒカリは!」
あずさ「確かにあそこくらい大きい所はね。それでも、もし歌えなくなったら?踊れなくなったら?」
こずえ「……」
あずさ「そこまで考えなくちゃいけないんだと思うよ」
「……でも、やりたいんでしょ?」
こずえ「……!うん!」
あずさ「じゃあ頑張らなくちゃね!」
芸能の道は普通の人が歩む道とは違う、明日の仕事さえ保証されることがない世界であるという会話でした。
コロナの影響を受け、先行きが突然不透明になった時期。
今でこそバンドリやラブライブなどコンスタントに活動のある出演作がありますが、当時の林鼓子さんはそれも「キラッと☆プリチャン」の一つしかなく、軸としていたユニット活動もその殆どを中止にせざるを得ない状況。
「明日がどうなるかもわからない」を実際にその身で経験していることを頭に置いて観るあのシーンは、もはや林鼓子さんの自問自答なんじゃないか?とさえ受け取ってしまえました。
林鼓子さんを応援してきて数年程度ですが、彼女の言葉や想いを沢山見聞きしてきました。
本当に芸能に真摯な人です。
感謝を忘れず、努力を忘れず、夢を忘れず、大好きを忘れず、自分を忘れない。
辛かったことを吐き出すことも、隠してた弱音を吐き出すこともありますが、最後には「それでも私はこの世界で生きたい」と言います。
大きな木のようなブレない一本軸を持っています。
私はそんな彼女が好きです。そんな彼女を心から応援しています。
いつか大きくなってほしいと願い、本当に大きくなりました。
報われてほしいと願い、夢を叶え続ける姿を見てきました。
大千穐楽、カーテンコール。
それまでに三回観て、毎回満を持して中央に立つ林鼓子さんの姿に感激していました。
しかし大千穐楽の時。赤の綺麗なお衣装に身を纏って、ピカピカの靴を履いて、笑顔で歌う林鼓子さんを見て涙が溢れてきました。
歌劇が大好きな事も知っている、昨年のミュージカル出演に本当に嬉しそうにしていた事も覚えています。
観る事も立つ事も大好きな舞台で、大好きなモノを題材にした舞台で、自分の人生を通して積み重ねてきた力で魅せる。
この舞台は「歌劇を題材にした舞台」で林鼓子さんはその主演、だけどステージに立つ彼女は紛れもなく「ミュージカルの主演女優」になっているんだと、そう感じた時に「ああ、ここまで来たんだな」と。そう思いました。
「夢のかけら」とは、館山こずえの一度破れた夢の事でした。
林鼓子さんの夢は沢山あります。なんなら「一生歌って演じ続ける」事が夢なのでまだ途中です。
沢山ある夢の一つ。それが林鼓子さんの「夢のかけら」なのでしょうか。
夢のかけらを歌に乗せたら、また夢が輝き出す。
そんな瞬間を見た。そんな舞台でした。
「夢のかけらを歌に乗せたら」公演DVD・Blu-rayの発売が決定しています。
これを読んでいる林鼓子さんのファンで観られなかった方。
彼女のファンではないけど、誰か推しが居る方。
どうか、この温かな青春のお話を手に取っていただけたら。
林鼓子という、私の推しである一番星の役者を知っていただけたら。
そう思っています。