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コメント欄のスピードに追いつけない!ライブ配信の「熱狂」の仕組みを大学の先生に聞いてみた

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推しのライブ配信やゲーム実況で、チャット欄が一気に盛り上がり、コメントが高速で流れるシーンを見たことがある人も多いはず。このオンラインならではの盛り上がりを『熱狂』として研究しているのが、小田中悠先生です。そもそも『熱狂』とは何なのか? そして、オンラインでどのように生まれるのか? そのメカニズムについてお話を伺いました。

お話を聞いた人:小田中悠さん

1989年生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了、博士(社会学)。現在は京都先端科学大学人文学部講師。著書『日常的な相互行為の数理社会学』(晃洋書房)。

小田中悠先生(取材はオンラインで実施しました)/(出典:京都先端科学大学WEBページより)

—— まず、先生が研究されている専門分野について教えてください。

小田中悠先生(以下、小田中):私の専門は社会学の中でも「数理社会学」と「計算社会科学」と呼ばれる分野です。社会学って、人と人との関わりや、集団の中で生まれるいろんな現象を研究する学問ですが、その中でも数学を使って分析するのが「数理社会学」。そして、コンピューターを駆使してデータを分析するのが「計算社会科学」です。

—— その中でライブ配信に注目されたきっかけは?

小田中:もともと対面でのコミュニケーションを研究していたんですが、一段落した頃にコロナ禍になったんです。それで、みんながオンラインでつながろうとする動きが一気に加速しましたよね。

—— 確かに、芸能人やアーティストもライブ配信を始める人が増えましたね。

小田中:それまではあまり配信をしていなかった人たちも、YouTubeやインスタライブを始めたりしていて。それを見てるうちに、「オンライン上でも人は熱狂するのか?」「リアルなライブと何が違うんだろう?」って興味が湧いてきたんです。

あと、個人的な話ですが、その頃ちょうど「AKB48」のメンバーが配信アプリでライブ配信をしていて、私も見るようになったんですよ。そしたら、ハマってて(笑)。リアルのライブとは違うけど、ファン同士の一体感とか、コメントのやりとりとかがすごく面白くて。「これ、研究としても深掘りできるんじゃないか」と思ったのがきっかけですね。

コメント欄が盛り上がる理由!「オンライン熱狂」の正体とは?

—— ライブ配信の熱狂が視聴者に与える影響について、どのように考えていますか?

小田中:「熱狂」という現象には、大きく2つの視点があります。1つは外から見たときに「熱狂している」と分かる現象、もう1つは当事者の内面的な感情の高まりです。

外から見える熱狂とは、例えばスポーツのスタジアムで観客が一斉に歓声を上げたり、アイドルのライブで観客が一斉にサイリウムを振る、といった現象です。視覚的にも音としても、そこにいる人たちの一体感が伝わるものですね。特徴的なのは、こうした場では特定のシンボルが共有されていることです。応援歌を歌う、決まった振り付けをするなど、共通の行動があることで熱狂が増幅されます。

—— 内面的な熱狂とは?

小田中:これは、当事者の感情の高まりのことを指します。熱狂しているとき、人は感情が高ぶり、時間の感覚を忘れたり、周囲との一体感を強く感じたりすることがあります。心理学では「フロー体験」とも言われますが、没入感が極限に達し、周囲の状況や時間を忘れてしまうほど夢中になる状態ですね。

ライブ配信においても、視聴者が同じ瞬間に同じリアクションを取り、コメントを通じて一体感を共有することで、この熱狂が生まれるのです。

—— 確かにそういった場面では、みんなの気持ちが一つになっている感じがします。

小田中:ただ、オンライン配信ではリアルな歓声や視覚的な一体感がありません。それでも、例えばチャット欄が一気に流れる「テキストの洪水」が起こると、それがスタジアムの歓声に近い役割を果たしていると考えられます。

特に視聴者の多い配信だと、盛り上がる場面では「うおおおおおお」「すごい!!!!」といったコメントが一気に増えます。これは、リアルのライブにおける歓声や手拍子に相当するものだと考えています。

最大で5,000人以上の同時接続者を集めたスポーツゲームの実況配信における、チャット欄の時系列変化を数量化したもの。上のグラフは時間経過とコメント数、下のグラフは時間経過と同様のコメント(「うおおおおおお!」、「すごい!!!!」等)の数を表している/(出典:京都先端科学大学WEBページより)

—— つまり、オンラインでもリアルのライブと同じような熱狂が生まれるということですね。

小田中:そうですね。ただ、リアルとは違い、コメントを通じて配信者と視聴者が直接やりとりできる点が特徴的です。例えば、配信者がミスをしたときに「それ違うよ!」とツッコミを入れたり、逆に配信者が自然に、または意図的にボケたりすることで視聴者が盛り上がる。こうした双方向のやりとりが、熱狂を生む要因になっていると考えています。

—— リアルのスポーツ観戦やライブでは、観客が直接アクションを起こす機会は限られますが、オンラインではコメントを通じて積極的に参加できます。

小田中:視聴者がリアルタイムでコメントをすることで、「みんなで一緒に見ている」という感覚が生まれやすくなります。これを「共在感覚」といい、オンラインでも一体感が生まれる重要な要素だと考えています。視聴者が一斉に同じ言葉をコメントすることで、一体感が増すこともあるかもしれません。

—— この「共在感覚」が強まると、より熱狂が生まれやすくなるのでしょうか?

小田中:その通りです。さらに配信者が視聴者との間に「内輪ネタ」を作ることで、共通のシンボルが生まれ、それを共有することで熱狂が加速することもあります。ゲーム実況の配信では、特定のキャラクターにニックネームをつけたり、お約束の掛け声や「ここでミスしたら面白い」といったフリをすることで盛り上がりますよね。

さらに、投げ銭やスタンプといった視覚的なリアクションや演出も、リアルの場での拍手や歓声の代わりとして機能します。大きな額の投げ銭が入ると、他の視聴者が反応し、それがさらに盛り上がりを加速させていると思います。

推し活がもっと楽しくなる?「ライブ配信の熱狂」がリアルに与える影響とは

—— ライブ配信の熱狂が視聴者に与える影響について、どのように考えていますか?

小田中:熱狂は単なる興奮状態ではなく、視聴者の心理や行動に大きな影響を与えると考えています。例えば、ライブ配信を見ていると、一体感や高揚感を感じることができます。これは、リアルのライブと同じように、人とつながることで生まれる感情の動きなんです。

特に、チャットを通じたやりとりが活発な配信では、「自分もその場の一員だ」という意識が強まります。この「共在感覚」が、視聴者の熱狂を生み出す大きな要因になりますね。

—— 視聴者の行動にはどのような影響があるのでしょうか?

小田中:熱狂によって視聴者の関与が深まり、配信者をより積極的に応援するようになります。例えば、スーパーチャット(投げ銭)やメンバーシップに加入する人が増える。さらに、配信中の盛り上がりが購買行動にも影響を与え、配信者が紹介した商品を購入したり、イベントに参加したりする人が増える傾向もありそうです。

熱狂は個人の感情の高まりだけでなく、ファン同士の結びつきにも影響するでしょう。配信を通じて共通の話題を持ち、リピーターが増えることで、特定のコミュニティが形成され、リアルのファンミーティングと同じように、配信を介したファン文化が生まれるわけですね。

—— 一方、ライブ配信の熱狂にはネガティブな影響もありそうです。

小田中:はい。熱狂が過熱しすぎることで、過度な投げ銭や依存の問題も生じることがあります。特に、強い感情の高まりが冷静な判断を鈍らせることがあり、経済的な負担が大きくなるケースもあるんです。

熱狂がポジティブに作用することもあれば、逆に感情が過剰になり、配信者や視聴者同士のトラブルに発展することもあります。熱狂をどのようにコントロールするかも、今後の課題と言えますね。

ライブ配信の未来はどうなる?VR・AIで進化する「オンライン熱狂」

—— 今後、ライブ配信の形はどのように進化していくと考えていますか?

小田中:技術の進化によって、ライブ配信のあり方も変わっていくでしょうね。例えば、VR(仮想現実)技術がさらに普及すれば、視聴者がまるで本当のライブ会場にいるかのような体験ができるかもしれません。

現在のオンライン配信は、リアルとは完全に同じ体験ではないですが、配信技術の発展によってその差は縮まりつつあります。今後、よりバリアフリーな形で、誰もが気軽に参加できる環境が整えば、ライブ配信の可能性はさらに広がるでしょう。例えば、体調が悪くて外出が難しい人でも、ベッドの中からライブ配信を視聴し、チャットを通じて参加できる。それだけでも、ファンとしての一体感を味わうことができると思います。

—— よりリアルな没入感が誰でも得られるようになると。

小田中:それに、配信者と視聴者の距離がさらに縮まれば、新しいコミュニケーションの形も生まれてくるでしょう。

さらに、視聴者同士のつながりも深まることで、新たなコミュニティが生まれる可能性もあります。配信が持つインクルーシブな側面は、今後さらに重要になってくると思います。




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