以下の内容はhttps://sophie-mercure.blog.jp/archives/cat_408675.htmlより取得しました。


ねねねね、7月に大災害がやってくるっていうけど、ほんま?アカシックレコードにも書いてあるとか、どない? やばい?

まず最初の7月の大災害は当たりません。特に難しいのは発生時期。

南海トラフ巨大地震モデル検討会を参考に、地震・津波の影響圏の広さを見ると、フィリピン海プレートと、日本列島プレートの巨大な面が地震発生場所になり得る地点として広がっていることがわかります。この範囲で100年に1度は起きるものの、気温や気候といった、ちょっとしたことで10年くらい前後するため、本当の大災害は2025年7月(±10年)ということもあり得ます。

一ヶ月をピタリ当てるのは、地球の都合からすると、流鏑馬の的に当てるくらい大変なこと。
プレート境界面

それと、たつき諒さんの夢日記は文量が多いものの、毎日、夢が当たったわけではないというのが一つ。
夢日記

期待値を上げすぎると、外れたら怒る人もいるし、本来、そういう使い方をするものではなく、他人が他人の夢を、自信満々に、これは当たる夢日記だと言い切るのは違うと思う。

また、他人の言うことは信じないが、夢日記なら信じるという、スピリチュアル界の人の感覚は、全くわからないし、これでは、新興宗教や高額転売に引っかかってしまう。

Dec. 9, 2024 NY post  Nostradamus predictions for 2025 revealed — and there’s all sorts of doom and disaster to prepare for
2025 4.26 NHK 「日本で7月に…」根拠なき“災害予言”が拡散 専門家の見解は

夢には不思議なことがあるものの、シミュレーションが偶然当たることもあるし、仮に7月に来ないならば、8月の災害、9月の災害が起きないわけでもないので、外れと言うのは逆に危ない。

せやな、ピタリと夢が当てたら、ハードル上げてまうし、チョイ当たりもあるし、当たり感もようわからんし。

夢日記の続編「天使の遺言」を併せて自費出版していて、商業主義的に利益や関心目的で出版しない意図と、本人の自叙が書かれています。

天使の遺言

予言の当たり外れという読まれ方を、非常に嫌がっていて、元々、偽物への反対を示すために自費出版したのが完全版。7月の夢は、母親との関係のもので、必ずしも日本人全員が、壊滅的状態に陥るメッセージを意図せず、預言者扱いされるのも望んでいません。

オカルトを持ち上げるのは、それ自体が悪意であって、不思議な出来事は関心を集めやすいために、世間を振り回す意図で使いがちですが、しかしそれは、たつき諒氏の意図するところではありません。

常に、本人の意図から一人歩きして、悪用されがちなもので、噂が作る真実への警鐘が、これら書籍の意図だとソフィーさんは考えています。

アカシックレコードは存在しない

そして次、アカシックレコードは存在しない。

そこまで言い切っちゃって、いいんかいな?これ、本気(マジ)で信じてる人おるで!

そこなんだけど、催眠中のエドガー・ケイシーという人物は、オカルト能力を嫌っていたフシがあります。

英語圏の情報のみ参考にしているため、日本で知られているアカシックレコードと違うかもしれません。
エドガー・ケイシー(1877-1945)のアカシックレコードは、1923年当時から、神智学協会とエドガー催眠人格との情報汚染を疑う人がいました。

批判の根拠は
  • アトランティス大陸は、存在が未確認
  • ゴードン・アレクサンダーのセッション以降にアトランティスに言及
  • アーサー・ラマース以降にアカシックレコードと輪廻転生に言及
  • 神智学協会所属(1921・1922)後にリーディングが変質している
1920年Strath-Gordon, Alexander E. (1873-1952)
1923年 Arthur Lammers(1890-1954)Atlantipedia

というもの。

催眠中に語りかける人格のエドガーが、1920年以前は、癒やし系アーユル・ヴェーダっぽい説明をしていたものが、「アカシックレコード」とにわかに言い始めます。アトランティス上空では飛行機が、クリスタルからエネルギーを出したと言い、本人が目を覚まして、その内容を聞くと、相当困惑しています。

本当ならば、催眠中のセッション開始時の1901年時点から、アカシックレコード出典と述べたはずです。

加えて、古代超科学文明の国がありギリシャに戦争で負けたという、エドガーの説明を尊重すると、これでは竹槍でB29を撃ち落とすくらい、あり得ないことが起きている。

こんな荒唐無稽なこと、休み休み言ってくださいと周囲の人は...いや、お休み中でした。寝言は寝ていったので問題ない(?)

ケッチャム医師
Dr. Wesley Ketchum エドガーは普通の睡眠でない状態で話すと残している

話を最初に戻すと、1901年に催眠術師「笑い男」と Dr. Al Layne が 、突発性のエドガーの声の不調治療をするため、催眠状態で、本人が診断して治療するという、シュールな状態になります。何度か治療に成功するものの、本人は、この催眠時の能力を使いたがらず、結果、自分の子息が亡くなってしまいます。この悔恨から、医療の限界時にエドガーは催眠時の能力を使うようになります。

治療チームの医師ケッチャムは、新聞社にエドガーのことを手紙に書き、一人の少女の治療例が1910年に記事になり有名になります。

同事業、ケッチャムが金融、ギャンブルの質問をしていたことを、エドガーが発見し、同医師から距離を取るようになり、エドガー一家は1912年にアラバマに移ります。

なお、アラバマには神智学協会バーミンガムロッジがありました。熱烈なファンが誘致したのか不明ですが、ここでスピリチュアルに傾くことになります。

アーサーラマース
アーサー・ラマースとケイシー夫妻。1923年末にアーサーの印刷業が傾く

1921・1922年にエドガーは神智学会員に名を連ねます。1923年は奥様に会員名義を移します。

裕福な印刷業者の神智学者アーサーは、催眠状態のエドガーに、霊魂に関する質問をすることを思いつき、アーサーによると、人は輪廻転生し、催眠中のエドガーは、アカシック・レコードから情報を得ていると答えたといいます。

そしてアーサーとエドガー他数名で、1923年8月からリーディングを速記に残すようになります。しかし、その年の12月、アーサーの会社の経営が傾きはじめ、すぐ引越準備に取りかかります。


アラバマから、幾つか引っ越し先候補を訪問するも、催眠中のエドガーの人格が、ヴァージニア州ヴァージニアビーチに関心を持ったことから、この地が引っ越し先となり、エドガーの終ぞの地となります。

病院

ヴァージニアビーチでは、ケイシー病院建設資金を Morton Blumenthal が提供し、ここにリーディング記録やリーディング療法の診療体制を整備します。

Edgar Cayce's Association for Research & Enlightenment

1931年以降の霊能力開発リーディングの内容は、ほぼ、ヨガや瞑想、アーユル・ヴェーダ相当のもので、エドガーケイシーという人物は癒やし系のリーディングを得意としています。記録中のリーディング内容は、それなりに、立派なことを述べているので、催眠中にだけ現れる別人格だったのではないかな。

予言とか千里眼といった、当時の神智学スピリチュアル部門の情報を覚えさせたけど、その内容は荒唐無稽で、にわかに信用できるものではなかったようです。

有名になった1998年の日本が海に沈むという予言も同様、単に戦争の敵国だから、質問者の憎悪を受けてそう説明したのでしょう。

う~ん、ちょっと期待しとっただけに、そら残念や。そういえば、その神智学って、どういう団体なん?すごく怪しい集団なん?

ブラバツキー

神智学協会は、20世紀を代表する近代オカルティズム活動団体で、世界中にセクト(異解釈分家)新興宗教が、雨後のタケノコの如く発生させるようになります。

1875年、ヘレナ・ブラヴァツキー夫人(1831-1891)とオルコット大佐が、ニューヨークで作った団体が神智学協会。有名どころではエジソンも所属し、彼は霊界通信機も作ろうとしますが、さすがに発明王の手にも霊は無理だった。

降霊会といって、上から紙がヒラヒラ落ちてきて、おお、マハトマの手紙だ!と読み上げるような、ちょっとウソっぽい秘密めいた会を運営していました。

彼女は1847年にアルメニアのブラヴァツキー将軍と結婚し、彼女のヒステリックな性格、ヘレナ17歳時結婚した20以上の年齢差から、婚姻を継続しがたい状態になってしまいます。なお、ブラヴァツキー夫人は、美しく妖しい雰囲気のカリスマだったものの、年齢を重ねると、ロシア娘特有の残念な体型になってしまいます。

この団体の強みは二層構造にあり、知識層オカルティズムとB層スピリチュアルという、経済的成功者には因果応報で成功したと説くオカルティズム、B層には手紙が突然発生して驚くスピリチュアル、現代でも、裕福な団体は必ず、因果応報を取り込んでいるように、また、不思議な霊視を混ぜ込めるという、人間心理を突いたひな形になっていきます。成功者といえども、立派な人物だから成功したと、褒めて欲しいのですね。

神智学協会幹部
神智学協会最高幹部。しかし一枚岩ではなかった(wiki画像)

しかし団体内ではオカルトとスピリチュアルが水と油の如くに分離し、大手スピリチュアル英国心霊研究協会は、マハトマの手紙のトリックが暴かれると(1884-1885)、激しく罵るようになり、名探偵コナンの元ネタ(?)、コナン・ドイル(1859-1930)は熱烈だった神智学から距離を置くようになります。

妖精
Frances and the Leaping Fairy, the third photograph:コナンドイルが真性と信じたCottingley Fairies

なお、本人は妖精の写真トリックに騙されてしまう結果を残すという、結構残念な史実に。

彼女晩年著作の シークレットドクトリン(1888)は、ヒンドゥー教に基づく神秘主義密教が説かれ、ここに、アカシャという、自分が作った運命のレールに導かれると説きます。この書は、アトランティス時代に2500年前、椰子の葉に書かれたDZYANの書(閣下の如く人語で発音不能とのこと)という原書がオリジナルとの言。
The-Secret-Doctrine-by-H.P.-Blavatsky (1888)
Isis Unveiled(1877)

ヒンドゥー教は、仏教、ギリシャ、キリスト教、イスラム教から政治的侵攻を受け、それでも民衆を離散させないために、何でもかんでも、侵略側の教義を取り込んできた人工統合宗教の性格があります。

現代日本でも、宗教を統一できるという、ヒンドゥー教の性格を引っ張った新興宗教が多発します。このあたり、高学歴の頭の良い人ほど、オウム真理教にはまりやすいと報道された時期もあり、人生成功してきたひとほど、因果応報を信じ、自分が前世で徳を積んだから良い環境い生きていると、本気で信じてしまいます。

ヒンドゥー教の修行部分について、サマディ(三昧)に至り、チャクラを高めて五感が研ぎ澄まされれば、アカシャの運命を知覚できるといい、「アカシックレコードにアクセスしてみた!」という動画やCD販売は、概ねヨガの精神統一と同様の内容です。ゆるりとした、大いに気が休まりそうなもので、千里眼能力を発揮することはできません商売の邪魔は、ここではしません。
statue of shiva in cern swiss
CERN スイス支部のシヴァ神像

ヒンドゥー教では、世界は音で始まり、声、波動からできたという。実際、音は何もないところから、空気の振動を通じて伝り、原始の神は歌に合わせて踊り、この音により世界が生じるという説明は長らく通用しました。エセ科学と合体して、物質は波動なんだ、Super strings(超弦)なんだというと、下手なスプーン曲げよりも低コストで暗示をかけられます。

神智学協会の1889年のブラヴァツキー夫人亡き、ポストブラヴァツキーのレッドビーターは、次世代のマイトレーヤとして、クリシュナムルティを育てていましたが、彼は、霊的精神性に疑問を感じ、新設団体の星の教団(Order of the Star)の1929年の設立会見の場で解体してしまいます。

レッドピーターは同門から「アゴの筋肉」と呼ばれていたらしく、偉そうにしているだけの人に乗って、団体を率いていくというのは、真理ではないと考えたのですね。真理を探索する組織の長に収まる意味が無いと疑問に思っていたようです(真理とは、そこに至る道がない地である)。
クリシュナムルティ
次世代指導者に選ばれた頃のクリシュナムルティ(wikiベンガル語の画像)

人が言ったことは信用しないが、オカルトなら信用するという人が一定数いるので、神智学協会、新興宗教という組織が作れてしまいます。また、都合良いことに統合宗教が存在し、その因果応報則のデータベースたるアカシックレコードを持ち出せば、100発100中の占いがありそうな気がしてしまう。

しかし、エドガーもそうではなかったし、イエスも「神は、その時がいつなのかご存じない」というように、トリガーを人間や他の要因が持っている以上、そのような予言を探し出すことができない。 

つまりアカシックレコードは存在しない。

先が見えないというリスクは誰でも一緒

そんなものは存在しないと言われても、あったら欲しいのが人情やないんかな?

そんな便利なもの、誰だって欲しい。しかし史上、手に入れた人がいなければ、ただの馬ニンジンかもしれません。

利己的が悪とすれば、未来を知っていることは純粋な悪であり、人間、(人間の自由により)神ですら限界がある未来の結果を、アカシックレコードにアクセスすることで得られるという。

アカシックレコード
画像検索をすると、アカシックレコード大人気らしい

占いは、お金を払って相談をしやすい第三者であって、価値観が違えば結果が違って見えるし、全員が簡単に未来が知れたら商売になりません。

必ず当たるとは限らなくとも、後腐れなく話を聞いて、肯定的な気持ちにしてくれるから、お金を払ってお話を聞く人として重宝します。

嫌な人物に未来を言われたら、裏切ってやろうと邪魔するから、不服な結果ならば至らない。仮に、大災害が2025年7月に起きる予言の場合、災害場所を避けたり、交通手段を使って他に移れば、岩盤が軽くなって、7月には起こらず、皆が戻ったときに岩盤のバランスが崩れて、災害が起きるかもしれない。

いやいや、アカシャって、人間の行動が時間を超えて自分に返ってくる運命のレールだから、地球の動きや地殻変動のことではないし、ヒンドゥーのアカシャと異質のものです。要は一人歩きしてるのですね。

それと、神は人の手を加えるものには干渉しないので、人が手を加えるものが欲しいといえども、与えられない。だから、アカシックレコードがあるとすれば、人の業、つまり、とても罪深い歴史しか見ることができない。

せやな、アカシックレコードと言っておけば、無条件に信じる人だとと思われて、恥かくのもいやや。ソフィーさん、おおきにや。


壮大なる勘違い

挨拶業界(?)では、卒業式の前に、当日はこれ読めと先生から渡される文章として、コロンブスやガリレオが、命がけで自分の信念を貫き「それでも地球はまわってる」というエピソードと感謝の言葉がジャバラ紙に書かれています。

今考えると、とんでもないウソ読んでしまいましたが、卒業しても頑張れと締めくくれる、教師が考える、激励に都合のいい話の材料です。チ。地球の運動は、100%、情熱、激励成分でできています。
中二病患者
地動説を説明すると、こういう話になってしまいます

太陽系の惑星軌道を見て、美しいと思った人もまた、少なかったと思われ、後の時代、カントが純粋理性批判の中で、コペルニクス的転回という言葉を使ったために、コペルニクスはメジャーの位置に上り詰めます。異端処刑されたジョルダーノブルーノ(1548 - 1600)は、本当にオカルトにのめり込んだため異端になったもの。

地動説は、アバウトな感じで脚色された寓話が多いです。

チ。-地球の運動について- キリスト教正史上のチ。

チ。魚
2022.6.30 ナタリー「チ。―地球の運動について―」ついに完結!魚豊×津田健次郎、情熱が理屈を超えてしまった人間たちの物語を語り尽くす

チ。-地球の運動について-がアニメ化されるなど、人気作になっています。長女ちゃんは、アニメ化したものを、よく見ていて、この作品も気に入っているよう。

理不尽に痛々しい描写が多いので、吊り橋効果というか、感動と悲劇のコントラストによって、心理を揺さぶる表現の物語となっています。地動説の軌道のエレガントに感動する説には疑問があって、科学者ならば、なぜ、そのような円軌道になるのか、次々と、不思議な疑問が出てしまうもの。事実、天体の軌道は、楕円軌道、重心、空間、光、場と進歩にとどまることがありません。

原作者の魚さん(?)が述べるように、地動説が迫害された歴史は少なく、物語中のアンソニ司教のいうとおり、地動説が異端とされたのが、一地区の権力者の気まぐれであったというオチ

落とし所

そして、8巻の最後でラファウがネタばらしに入ります。

ラファウは毒杯を飲むソクラテスのオマージュであり、好奇心は、混乱の姿のディオニソス的なものとして扱われます。ちょーすげーとか、かわいいとか、おりゃーという驚嘆は、内容は伝えられません。
ソクラテス

歴史の真実は、紙に書かれた記録でしかなく、ラファウの1巻から8巻の物語は、存在しないことになったポーランド15世紀の前日譚の物語です。そして、8話の後日談として、コペルニクス(1473 – 1543)の師匠アルベルト・ブルゼフスキ(1445 – 1497)にバトンタッチします。

手紙

そして、ドゥラカの手紙はアルベルトへ伝わるものの、その内容は、不規則な形で伝わる。ここまでがチ。-地球の回転について-の物語。
ソクラテスの伝
プラトンは、毒杯を飲むソクラテスから、命より大切なものを感じ、これがイデアになり、天動説となった

15世紀頃には、ユリウス暦に季節のずれが生じ、ローマ教皇庁では暦の見直しが検討されていました。コペルニクスは火星を観測し、その動きを精緻に書き起こすと、同じ同心円上にある地球の外側を周回していることになります。気候は太陽の位置によるが、15世紀当時、地球の公転周期により導かれる太陽暦という発想がありませんでした。コペルニクスは、死の直前に「天球の回転について」を出版しますが、グレゴリオ暦に反映されます。

火星
これはコペルニクスが観測により地動説を導き出した経緯。当時、似たような意見を持つ人は結構いた

太陽暦を地球の公転周期から導き出すコペルニクスの案だけが正解に近いのは当然。グレゴリウス13世は、ゴレゴリオ暦を定め、365.24年という公転周期、4年に1度の閏年、世紀最後の年の閏年はしないという内容で結論が得られます。

この暦の評判は、非常に良かった。

閏月がないために13月の年がなく、兵士の月給を減らすことに成功し、国王が大喜びでグレゴリオ暦を採用します。日本も同じ理由で大喜びで大久保利通が採用。

金星
そして17世紀。

レンズを組み合わせた望遠鏡の話を聞いた、ガリレオガリレイ(1564-1642)、彼は自分で天体望遠鏡を作って夜空を観測します。

ガリレオは望遠鏡で金星を観測していると、満ち欠けを発見し、存在しないはずの満ちる金星に遭遇します。金星の軌道は、太陽と地球の間にあると当時考えられたため、金星は満ちないはずです。ここでコペルニクスの軌道が正しいとガリレオは感じ始めます。

なお、作中では、オグジーが肉眼で観測したことになっています。
phase of Venus
Wikipedia "Phase of VENUS"から。残念ながら日本語ページはない

話は15世紀に戻り、1453年、東ローマ帝国が滅亡した後、ローマにペストが広がり、ローマ教皇庁がコンスタンチノープル文化を受けて世俗化していきます。ポーランド隣国のキーウのウラジミール1世は、移り住んできたビザンチンの姫君アンナと結婚。キリスト教が東西二つに分かれてしまいます。

元凶の教皇ロドリゴ・ボルジア(1431 - 1503)(アレクサンデル6世)、彼は芸術家のパトロンになり、ルネサンス芸術を育てていきます。高名だったレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452 - 1519)を抱き込み、糸目を付けない芸術への傾注が、教皇庁の金庫を枯渇させてしまいます。

なお、ダビンチは、教皇の娘ルクレツィアを慕っていたといわれ、その肖像画は有名です。
ルクレツィア
Leonardo da Vinci: His portrait-painting of Lucrezia Borgia in 1498

こうして教皇庁の財政が逼迫すると、元々、イエスを信じれば、誰でも天国に入れるという教えだったものが、煉獄という天国前のハードルを設け、天国ファストパスをエクレシアを通じて販売開始します。

天
天動説が最後まで支持されたのは、大気圏外が神々の住処の天だと思われたため。人が死ぬと星になる説がアリストテレス

特にマインツ大司教のアルブレヒト(ブランデンブルグ辺境伯(選帝侯)の子)、彼は、サンピエトロ寺院改修費のため、必死に免罪符(贖宥状)を売ってレオ10世に献金します。今で言うパーティー券を売って派閥に上納するような感じでしょうか。こうしてブランデンブルグ辺境伯はプロイセンに成長していきます。

あまりに強引な売り方なので、マルティン・ルター(1483 - 1546)は、死後は神が決めるというのに、金出せば天国へ行けるのは怪しからんと否定します。天国を売ったり、入り方講座をエクレシアで開いてスパチャするなど言語道断というのですね。

予定調和説
これはプロテスタント以降の考え方で、天国直行便券がルネサンスの財源となった

ルターは、グーテンベルク輪転機でドイツ語聖書を頒布し、怒濤の手紙作戦で組織作り、カトリックを切り崩していきます。新教内での、ガリレオの天文対話の「頭の堅い老人」は教皇のことじゃね? と流言が教皇庁に伝わると、教皇庁はカンカンに怒って、ドミニコ会を通じてガリレオを異端とします。これは八つ当たり。

ルターは地動説に好意的と思いきや、ガチガチの聖書原理主義者なので、天が高くて地は低いのに、コペルニクスとやらは何を言ってるのだと酷評します。聖書での天は上空だとルターは理解していたのか、あるいは、ルターにとって、カトリック聖職者のコペルニクスが憎かったのかもしれない。

ちなみに、ガリレオはメディチ家に身を寄せ、ガリレオ博物館はメディチ家寄贈の観測機類が残っています。別に、火炙りや爪はがししたわけではありません。

こうしてローマ教皇庁とカトリック独立領主を軸として、30年戦争(1618-1648)に近づいていきます。

錬金術 vs 地動説 トマスアクィナスの功罪

アクィナス
天動説をキリスト教に位置づけたのが トマス・アクィナス(1225 - 1274)。ややこしいことに、異端審問の機能を持つのが、アクィナスのドミニコ会。なお、世界初の異端審問はグレゴリウス7世によるカノッサの屈辱(1077)

アリストテレス哲学がイスラム圏で発展し、これをトマス・アクィナスが統合に成功。発展したからには正しいに違いないと考え、聖書と両立するはずだとアクィナスは考えていました。

一方、錬金術という現代的な似非科学の存在意義を、キリスト教会は認めてしまいます。完全な天上のイデアが地上に現れると、完全な物質の金となる理論が魅力的に錬金術として一人歩きし始め、欲望の熱にうかされてしまいます。

星霜のイデアはいずれ地に降りるので、星は神と魂の世界として、この動きを解釈するのが占星術です。
ケンタウルス

たまたま、星をつなげると神話の神々に見えるのではなく、当時の人々は、本当に神々が星の世界にいたと信じていたので、人間の魂は、死ぬと星に戻ると考え、天空は神々の住処として、人が観測をしていると確信していました。

チ。と世界史

現実の15世紀以降を、チ。に当てはめると、ちょうどコロンブス(1451 - 1506)の頃で、天動説どころか、地球が平面と信じる人が多かった時代です。

地動説の完成は、グリニッジ天文台のアイザックニュートン(1642 - 1727)。ここで地球の公転を完成させたので、自転の始点、子午線はグリニッジ天文台が起点です。天体望遠鏡を使って、誰もが地動説が正しいと思われていたものの、なぜ、天体が円軌道を描いているのか、まだ、理由がわかりません。これが万有引力と遠心力が、釣り合うからという説明をもって、円軌道の理由がクリアになります。

ニュートンのリンゴ

チ。で感動と絶賛を巻き起こした惑星軌道の完成だから、アップルコンピューターロゴのニュートン先生だから、さぞや授業は興味深いに違いないと思いきや・・・ 生徒数ゼロ。そもそも先生の話を聞きたい人がいなくなってしまい、一人で授業していたことも。

ニュートンの万有引力、皆、これをオカルト・フォースと呼び、ラテン語のオカルタス(隠されたもの)が胡散臭さの代名詞になってしまいます。相当、ウソっぽかったに違いない。

証明

地動説は正しいと思われながらも、ニュートンが示していた万物に影響する物理法則は、当時、誰も気づくことができません。21世紀の現代でも、クーロン力と万有引力の証明はできず、それだけ、物理学の基本の領域のため証明に限界があります。

ニュートンの時代以降、帰納と演繹ができあがり、科学、物理の体系が作られ始めます。また、絶対空間と絶対時間をニュートンが定義し、ベクトル代数学と幾何学が発展していきます。こんな話をいきなり説明されたら、生徒さんも嫌になってしまいますよね。


ティコ・ブラーエの天空の城(ウラニポリ)

コペルニクス死後年に誕生するティコ・ブラーエ(1546-1601)。

彼はデンマーク国王フレゼリク2世から気に入られて、スゥエーデン沖ヴェン島をティコに与え、ウラニボリ錬金術研究所を作ります。

作中のピャスト伯爵家は、ポーランドの皇族名ですが、モデルとしては、デンマークのティコ・ブラーエだと思われます。
ウラニボリ

ティコ・ブラーエは裕福な貴族の生まれなので、欧州中の大学を渡り歩き、錬金術とアリストテレス学問体系を強く信じるようになります。天から物質が現れ、徐々に硬くなっていき、いずれ地から金が錬成できるという説に魅力を感じます。この場合、地球が一番下にあって天から世界が降りてこないと、都合が悪いため、ティコは地動説を否定し、地球を中心とした太陽を周回する惑星図を作ります。

ティコのすごさは、観測を精力的に行ったことで、天体の動きを予測して絶対当たる占星術(?)を作ろうとし、それっぽくでっち上げる惑星軌道ではなく、一定の軌道を描くと考えています。そもそも、天体の動きはランダムな周回軌道でぐちゃぐちゃなので、地球を中心とした円軌道を持つ天動説は、ティコの時代になってはじめて、形になったものです。

錬金術の構図
当時想像されていた宇宙の姿。天からエーテルが降ってきて、流転して、地をはじめとする四大元素を作るという

ティコは木星と土星の合を観測した際(1563)、どうやら太陽を中心として木星、土星の順に並んでいると考え、コペルニクスの太陽中心説(地動説)が、内心、正しいと考えます。また、超新星観測時(1572)、太陽よりもはるかに遠い場所にあると判明し、天球板はウソ800で、板に星が張り付いているわけではないと考え至ります。当時の空は、ハリボテだったのですね。
重力場
重力場により空間が歪んでいるので、軌道が楕円になる

Bi-Parabolic Transfer of elliptical orbits

このため、太陽を中心とする地動説を、強引に天動説のように見える天球図を書きますが、助手のケプラーは、ティコが錬金術への未練が強いことを知り、ティコの死後、遺言どおり、ルドルフ表(天体の時刻表のようなもの)を発表します。しかし、これはティコの考えた天動説ではなく、太陽を中心とする楕円形の軌道を惑星が描いている形になっています。

楕円軌道
バデーニはピャスト伯の軌道記録から楕円を導出。史実ではケプラーがティコの記録から導出

ティコの精緻な観測により、惑星が楕円軌道を描いていると判明し、太陽を中心とする周回軌道をケプラーが示すことができたものの、なぜ円ではなく楕円になるのか、アインシュタインまで待たねばなりません。

軌道

ティコはデンマークの名門貴族であり、ケプラーに都合良い時期に死亡しているため、助手のケプラーによって毒殺されたのではないかと考えられていました。

2010年に墓地を発掘して調査を行った結果、排尿に問題があったものの、毒殺ではないという結論が出ています。
2010年11月17日 日経新聞 天文学者の死、400年経て解明へ プラハで墓発掘

地動説をキリスト教徒が信じられなかったのは、創世記のとおりに、天の上空に神がいて、天地を神が最初に創造したと信じていたため(創1:1)。そして、アリストテレスと聖書が統合できるとアクィナスが考えたため。


煉獄のエクレシア

元々、キリストを信じる者は永遠の命を得るという教えであって、その救済されるべき人の集まりがエクレシア。しかし、寄付を多くした人としない人に差がないと、寄付のインセンティブが働かないので、頑張らない人は煉獄に投げ入れられてから、天国に入るとし、異端になると第二の死、硫黄の火に投げ込まれると言い出します。

イエスは、律法家に対し、知恵の鍵を独占して、自分は入らないし、入ろうとする人を邪魔するひどい連中だ(ルカ11:52)と指摘しているように、聖職者が信徒の邪魔をして、自分たちの信仰上の優位性を示そうとする性格があります。イエスは、そんな聖職者を、ただの邪魔だという。
炎
肉体は永遠に残り、不信仰な者は焼かれ続けると考えていた。いわゆる地獄へ落ちるわよ。

エクレシア内に序列と献金システムを根付かせようとすると、煉獄を作り出そうとするのが組織の問題。聖職者は信徒より優れた信仰を持っていると考えるべきでない。それは神が決めることだとルターはいう。
ヒエラルキア
ヒエラルキアをエクレシアが必要とし煉獄を作った

チ。の物語は、地球が太陽を回って動いていることへの感動と、それを抑圧しようとするコントラストを、苦しみながら描いているように見えます。

本作品の主要人物は、すべて親子関係の相克があり、親が勝手に子どもの理想を決めて、子どもが天文学に感動することを否定しようとします。

親子

アルベルト・ブルゼフスキだけ、父親が子どもの頃に、家庭教師のラファウの殺害され、父親がいません。ラファウ、ヨレンタとも、父親の子供の理想を押しつける余り、子供を追い詰めて死に追いやってしまいます。

ニーチェ
これでもかというくらいニーチェ採用

では、本作は何を語っているのか。
ニーチェ論

ニーチェ(1844-1900)の時代、ナポレオン後の国家の組織化、運用の合理化により、人が歯車に化していく恐怖の中で、芸術や好奇心は、混乱したディオニソス的なものとして隔離されてしまいます。富国強兵に役立たないため排斥されます。

アクィナス好奇心は罪

創世記、人類が善悪の知識の木に関心を持ったため、アクィナス神学大全の義罪二元論では、好奇心を罪と定めます。

一方、作者の意図せぬところで、副産物の錬金術が、地動説を排斥するため、アクィナス神学大全が間接的に地動説を否定します。地動説よりも、スコラ神学中では、好奇心、善悪の知識の木への好奇心が罪という視点です。

カント純粋理性批判

カント純粋理性批判(批判は悪口ではなく定義のこと)、理性の定義づけをすることで、仮に証明対象がなければという、ニヒリズム虚無主義的な科学に変化していきます。

ある日突然、人間とは、地球上の生物だったものが、なんとカントは、知覚を通じて悟性により、統合された世界に生きる理性に過ぎないと言い出します。これが有名な視座の転換、コペルニクス的転回であり、現代的にいう、人間は脳内電気信号の産物という言い方です。

そして、疑いながら選ぶというニヒリズムが、科学の根本であると同時に、ユニヴァーサルの物理規則性が世界に及んでいるという発想が現代科学。
思考停止
「新しい酒は新しい革袋に」イエスの時代もそうでした。そういえば、理系の研究室では、新技術は自分の知識の優位性が薄れるため嫌っていた。これではイノベーションは無理

聖職者だから、親だから、男だから、伯爵だから正しい、その反逆への制裁の暴力として、煉獄、異端を持ち出したエクレシアとヒエラルキア。この作品は、組織の必要のために作り出す形式との叛逆の物語といえよう。

知性というもの

知性とは何か、作品の「チ。」が、知性、動く地球、血をかけた言葉で、好奇心に代表される、歴史の合理から落ちてしまう、消滅してしまう非合理を描いているのでしょう。

なお、ドゥラカの金稼ぎは、非合理の合理という、信仰の非合理の合理に一致する、マクス・ヴェーバーのプロテスタンティズムの職業倫理と一致します。

この物語は、元々哲学視点での、神の殺害の信仰という、ニーチェ論が前面に出ているため、キリスト教圏では評判が悪いと思います。地球が存在しなかったら、あなたが生まれなかったら、あなたは何者だったのか、これが神の側の更問いで、人は答えることができません。信仰に関しては、コペルニクス的転回の前時代、旧約の後の理解なので、キリスト教圏で批判される原因になるでしょう。

ただ、現実の地動説の登場人物達は、もっと俗的で、全く世界観の違うクレイジーな人達が織りなす物語が、理解しがたいくらいに壮大です。

クリストファー・ノーラン監督のオッペンハイマーが人気です。

”American Prometheus”(2006)を原作とする、各賞総ナメの映画ですが、映像・音声の効果に特化しているオペラ的な作りなので、あくまでストーリーではなく、映像美と娯楽を楽しむことを意図したもの。

原作はオッペンハイマー事件を軸としたもので、ルイス・ストローズとエドワード・テラーとのロバートオッペンハイマーの確執が、アリバイのねつ造という疑惑を招き、それが火を手にしたプロメティウスへの罰という内容になっています。

原作者は原爆による悲劇の作品が多いので、オッペンハイマーとテラーの、両名に対する罰を描いているのですが、映画にするとわかりにくいので、原爆を悔いたオッペンハイマーと、水爆を誇るストロースに再設計されています。

google検索すると、YTの紹介欄がオッペンハイマー解説動画だらけになってしまうので、皆様、いろいろ語りたくなる映画なのだと思います。
prometheus

今回は、オッペンハイマー映画について、単に映画を説明しても仕方ないので、史実から紹介します。

Fusion ユダヤ人社会の地位と嫉妬

トルーマン
ルーズベルト大統領が4月12に死去して、副大統領のトルーマンが大統領に昇格。ナチスドイツが5月9日に降伏し、急転直下で事態が変わっていきます。

ポツダム会談
東西冷戦はトリニティ実験(7/16)に始まり、ポツダム会談(7/17-)はトルーマン、チャーチル、スターリンを中心とした東西一体でしたが、実験成功の報告がトルーマンに入り、単独で日本降伏にこぎ着けられると見込んで、ムクムクとソ連を露骨に外す衝動が頭をもたげてきます。

ポツダム宣言(7/26-)ではスターリンを外し、米英中で署名します。

グローブス
グローブス准将とオッペンハイマーは、効率的に日本を破壊するため、皇居、京都をはじめとする象徴的な場所に投下して継戦意欲を削ごうとします。トルーマンには、スティムソンを頭越しに、(本当は都市部が標的だが)軍需工場を攻撃すると説明します。政治的に厳しい選定と知っての確信犯です。

後に、計画を知ったスティムソン長官が、文化的価値のある都市を破壊する損失を、トルーマンに説き、第一候補広島、第二候補小倉と変更します。都市部を狙うあたり、原爆の威力誇示を目的としているのですが、後にトルーマン大統領にオッペンハイマーが「我が手は血塗られています」と言ったとき、トルーマンは激怒し、二度と会いませんでした。

トルーマンは日記に「弱虫」と罵っていますが、トルーマンは、副大統領の時は一切情報がなく、よく知らずに責任転嫁されたので、普通は怒るでしょう。

スティムソン長官は、議会対策のため、とっとと日本が求める天皇制を認め、終戦させてしまえ!と主張していたため、米軍内が一枚岩ではなく、文書で追っていくと、グローブス准将が暴走しているように見えます。トルーマンにとっても、ソ連の予想外の早い進軍が気がかりです。
レッドパージ
GHQによる赤旗30日停止に対する抗議(1950.9)ソ連核実験成功は皮肉にも朝鮮戦争(1950.6)を起こしてしまう

戦後、マッカーサー元帥は、日本のレッドパージ、軍将校(尉官以上)根こそぎ公職追放を予定し、危険分子を公職から除こうと画策しますが、ワシントンから、政体が残っているのに余計なことするなと、大喧嘩して、内政から外されてしまいます。また、GHQから独立した極東委員会を設置されてしまいます。

帰国後、マッカーサーの部下だったアイゼンハワー大統領と、信用厚いルイス ストロース(※)は、オッペンハイマーを共産主義への情報漏洩のかどで、公職追放を働きかけます。軍人政治家グループは独特のネットワークがあり、スポイルズシステムにより、大統領が軍人を高官につけ、政敵をレッドパージで追い落としていました。

ストロース
ストロースは同じユダヤ人のうえ、地位はオッペンハイマーより上ですが、オッペンハイマーは裕福な貴種であるうえ、ユダヤ人聖職者から高く評価されています。

このため、ストロースは対抗心を持ち、1947年、医療用同位元素輸出(当時はレントゲン撮像機)をとがめて大騒ぎした際、オッペンハイマーから、武器になり得るならシャベルだってそうだろうと、屈辱的な回答をされ、憎悪に火を付けてしまいます。その場では、一人だけ物理に詳しくないアウェイの場であり、ストロースは屈辱で鬼の形相だったらしいですが、後にセキュリティ聴聞会で逆の立場に置かれてしまいます。

こうして、1954年5月、エドガー・フーバーFBI長官、マッカーシー議員の力を借りて、オッペンハイマーのレベルQクリアランス(最高位全原爆情報)を失効させます。フーバー長官はKKK、レッドパージ、JFK事件でも暗躍するなど、サワルナキケンです。

ジーンタトロック
ジーン・タトロック(精神科医)は、妻キティの元夫の元カノ。ロバート以外の三人は共産党つながり。英語圏のSNSでは、マリリンモンローの自殺・他殺問題のフーバー長官関与のオマージュとも

オッペンハイマーは研究にあたって、手先が絶望的に不器用なので、精神を病んだ時期があり、常に精神科医のケアを必要とします。精神科医であり、共産党員である女性医師のジーン・タトロックとの不倫写真を、フーバー長官によって撮影され、ストロースは、出来レースのヒアリングを設定し、ソ連への情報漏洩情報によりスパイ行為があったと結論づけます。

ストラウス

普段、独断専行が多い性格なので、ストロースは、勝手に結んだディクソンイエーツ契約の不透明さが民主党から追及され、1954年選挙では、共和党を大敗北させてしまいます。これが民主党とのねじれ議会の原因となった戦犯なので、議会に多数の敵を作ってしまいます。
アイゼンアハ-
アイゼンハワーとストロースは、軍人同士であり、閣僚として重用します

商務長官は存在感のない閣僚なので、問題ないだろうとアイゼンハワー大統領は考えて議会承認を提案しますが、民主党から不承認が突きつけられ、ストロースは
「オレがトルーマンを説得したから、水爆開発が進んだ!」
「水爆があればNY首都圏一帯だって破壊できる!」(絶望的失言)
と、あることないこと言います。

これを聞いたトルーマン(民主党)は激怒してしまいます。

商務長官承認の公聴会での虚偽を咎められ、結局、1959年にストロースは商務長官不承認後に政界を去ります。

ストロースは、普段は社交的軍人であり、レジオンドヌール勲章や、数多くの多国籍の勲章を得た人物でした。しかし、オッペンハイマーがオレより(ユダヤ教社会では)評価されるんだ、なぜ、水素爆弾を止めろというのだ、と最後まで敵意を隠しませんでした。


Fusion 水爆開発に伴う新たな懸念 Thermonuclear Explosions

ソ連が原爆を完成させた後、米軍の優位性を保つため、ストロースは水爆の開発を強く主張し、テラーを中心に水爆開発に邁進します。これに対してオッペンハイマーは反対の立場を持っていました。

テラー
現実の話では、エドワードテラーは水素爆弾を開発する目的で、喜び勇んでオッペンハイマーのところへ配属されると、水爆研究を止められ、日干しにされてしまいます。オッペンハイマーの部下であったがゆえに、能力発揮どころか無能扱いされるので、相当、嫌っていたらしい。

原爆は高温発生目的の武器であって、ウラン235またはプルトニウム239の臨界により、300万度の高温を発生し、[PV=nRT]の圧力が、桁の違う爆風圧として地上に吹きつけます。数万度の台風以上の熱風が吹いてくるのですから、地獄さながらで逃げ場がありません。

核融合

熱エネルギーにより、連鎖核融合が起きることを、オッペンハイマーは危惧。温度は足りないが慧眼である。

ところが、水素爆弾の場合、重水素原子を1億度を超えて熱核融合を起こし、数億度もの熱を生成するため、大気中の水蒸気中の重水素を誘爆する問題があります。

さらに10億度、20億度、50億度と温度が上昇すると、酸素、炭素、窒素、鉄まで核融合を起こし、地球は小さな恒星になり四散してしまいます。

オッペンハイマーは、地球を破壊しかねない水素爆弾に反対しますが、ストロースは何を言ってるのかサッパです。こうしてオッペンハイマーを政敵としてみなし、アイゼンハワー大統領に「オッペンハイマーを公職追放しなければ、委員長の仕事は受けませんぜ」と日干しに走ります。

ENIAC
水爆の熱衝突断面積計算のため、ロスアラモス研のノイマンの協力もあり、1947年に巨大コンピューターENIAC(俗称MANIAC)が完成し、水素爆弾の温度(原子振動)ならば連鎖核融合がニアゼロと結論が得られます。

1950年、ストロースがトルーマン大統領に働きかけ、水素爆弾開発が決定します(ストロースにオッペンハイマーが政治的に完敗)。

米軍の強さは軍事費を温存できたためと分析されていたので、核爆弾や水素爆弾で脅しをかけて、優位性を維持し予算を削る方針のなかで、オッペンハイマーの核爆弾ではなく通常兵器を使うべきという意見は、全く通らなくなり、政治的には孤立していました。

ストロースも、レッドパージの強引さが政治的汚点になってしまい、両極端の二人は、上手く立ち回れなかったことを、思い知らされます。

アインシュタイン
アインシュタインは原爆の時点でも高温の核融合誘発の危険性を計算していたといわれる

冷静に考えると、水爆によって地球破壊するのはダメだが、原爆によって広島、長崎の被爆者が苦しんでもいいという発想は、マッドサイエンティストの一面を示すもので、驕りを感じます。巨匠にもの申す立場ではありませんが、被害者に寄り添った、アドリブメッセージがあっても良かったと思います。

Fission 黎明 -原爆開発史に残らないユダヤ人女性研究者

カイザーヴィルヘルム研究所開所において、ウラン235の核分裂の発見から原爆開発が始まります。ナチスはオーストリア併合(1938)によって、カイザーヴィルへルム研究所の研究を、管理下に収めます。
カイザーヴィルヘルム研究所
1913年 カイザーヴィルヘルム研究所開所(現マクスプランク研究所)

同研究所の研究者オットー・ハーンと助手フリッツシュトラスマンの、ウラン235の核分裂に関する論文は(1939)、世界に大きな反響を生みます。同時に、多くの研究者が、ナチスに管理させてはいけないと危機感を持ち、英チャーチル、米ルーズベルトに、たくさんの科学者が手紙を送っています。

アインシュタインの手紙もその一通です。
オットーハーン
オットー・ハーン(中央)とフリッツシュトラスマン(右)公式上の核分裂発見者

英国ではMAUD委員会(1941-)を設立し、原爆研究を始めます。

しかし、チャーチル首相は資金に限りがあるため、どうにかして資金力の温存されている中立国の米国を抱き込もうとして、ルーズベルト大統領にメッセージを送り、米陸軍ではマンハッタン計画(1942-)を立ち上げます。

ここで多くの科学者の反動があったことと、ユダヤ人研究者をナチスが排除していたこと等から、比較的容易に研究者を集めることができました。

リーゼ
リーゼ・マイトナーの切手 実際の核分裂発見者

オットー・ハーンとフリッツシュトラウスマンの核分裂の論文は、リーゼ・マイトナー取り組んでいた研究ですが、最終的にはハーンが手柄を独占したため、リーゼは核分裂発見の名前の記録がありません。元々、1936年から、エンリコ・フェルミの超ウラン核種論文(1934)を研究していたものです。

ユダヤ人のリーゼは、ナチスの追跡を逃れるために外国に移籍したため、オットーハーン単独研究と説明する、ナチス管理下の研究の場に居られません。海外移籍にあたって、オーストリアパスポートがナチスから失効とされ、ドイツのパスポート申請も却下されたため、密航状態でスウェーデンストックホルムに移動します。

リーゼがストックホルム到着後、ハーンからの手紙のやりとりで、バリウム、ラジウム等の軽い元素が生成されるのは、手順を間違えたのだろうとハーンからリーゼに相談し、リーゼは、核分裂が起きているのではないかとアドバイスを送り、これが核分裂の論文になります。

ハイゼルベルグ
ミュンヘン大学におけるハイゼンベルグの研究

ナチスドイツでは、ヴェルナー・ハイゼンベルグを中心として、重水中の天然ウランによる臨界を用いた原爆の研究を行います。しかし、重水は非常に採取コストがかかるため、重水槽が破損して修復費用が高額になることから、ヒトラーは普通に武器買った方がマシだとして、諦めています。

核分裂では先行していたナチスドイツですが、結局、資金不足のため1943年に断念します。オッペンハイマーの功績は、低コストにウラン濃縮を成功させた点にあり、他の手法では全て失敗し、多額の費用を無駄にしています。
ヒトラー

英国MAUD委員会では、リーゼの研究を高く評価していたため、原爆開発チームへの招聘をしますが、水の波紋の如く、連鎖して増幅される臨界エネルギーが、巨大な被害を生む爆弾になると予見し、MAUD委員会への参加を拒否して、原爆開発と縁を切ってしまいます。

このような研究拒否から、後に「人間性を失わなかった研究者」と墓標に刻まれ、多くの研究者の尊敬を集めます。
リーゼ テクノ

ストックホルムのシーグバーン研究所では、リソースが少なく不遇な研究環境のため、大学の講義や男女平等運動、社会福祉活動に参加し、特に北欧地方の男女同権の考え方の普及に尽力します。

彼女の活動の成果もあり、北欧諸国の女性は、忌憚なく意見をする文化があります。

また、過去の研究の一つ、ハーンと共同研究の成果であったプロトアクチニウム(1917年)の発見の成果から、ドイツ重元素研究所は109番目の元素の命名に関し、リーゼの名前からマイトネリウムが提案され、周期表に彼女の名前が残っています。

君たちはどう生きるか(映画)が気になる人は、すでに映画を見てると思うので、ここでは一切ネタバレを気にしないで書きます。実家の地方都市ではガラガラですが、大丈夫かしら。
君たちはどう生きるのか

コペルニクス的ネタバレ

普通にネタバレすると意味がわからないので、全面的に視座を変えています。
他人と同じ紹介をしても、既視感しかないので、一つの視点を加えるために。
視座

おそらく公式は解説や情報を出さないと思われます。

というのも、母親のヒミの由来は、邪馬台国の卑弥呼だと思われ、本名がわかりません。エンドロールにも名前が出てこないので、なぜに表記しない?と疑問に感じていました。日か陽だと思いますが、いずれにしても太陽の暗示。
卑弥呼
 本来の表記がわからない。

妹の夏子も太陽を象徴する名前ですが、コペルニクス地動説は、英語でいう太陽中心主義の誤訳で、原作を引用すると、眞人中心視座が、異世界では、ヒミや夏子視座に変化し、眞人はビジター扱いです。

眞人は八色の姓の皇族限定の姓であって、大和朝廷が倭を日本に国号を変えたときに作られた姓なので、眞人ができたときには、邪馬台国は記録ごと消えてしまいます。

占星術では、太陽が完全な真円とされたように、ヒミと夏子は完璧な女性であって、異世界でも、眞人の悪を、完全な善の立場から、倫理の中心として裁定しています。宮崎駿ワールドでは、女性(母性)は神の如く正しいトートロジーで描かれるので、視座を変えて見なければいけません。夏子の内心は怖いですけど。

君たちはどう生きるか的ネタバレ

母親が女学生だった頃、重い荷物を持つおばあちゃんに、声をかけるか葛藤した話をしながら、コペル君に手渡される書籍です。眞人も夏子に声をかけられず葛藤します。
母親
物語のとおり、母の反省を踏まえて、コペル君が友達にぶつかっていったように、眞人は夏子に真正面からぶつかって和解し、理想の家族像につながって物語が完結します。

この本には「大人になった眞人へ」と母親の遺言が書かれて眞人に託されます。

君たちはどう生きるかの原作者は、山本有三で、病気で仕上げられないことから、吉野源三郎にバトンタッチされたものです。これが原作の「君たちはどう生きるか」の最後で触れられます。
君たちはどう生きるか

山本有三の有名な著作「路傍の石」の石は、人物を意味し、誰も見向きもしない石ころでも可能性と世界観を持っていることが描かれています。モデルとなった建物は、三鷹の山本有三記念館によく似ていて、アオサギの池が井の頭公園、あの塔がジブリ美術館(あるいはゆかりの建物があるのか)ではないかと。

記念館

この地理関係が、建物外観、年代、モデル性として適していて、井の頭公園にはアオサギがいます。ちなみに、アオサギは青くありませんが、サカリがつくと婚姻色がついて青くなります。

アニメオペラとしての名作

2時間の作品ですが、臨場感ある作画で、なめらかに時間が過ぎていきます。ヤマなし、オチなし、意味なしという作りのため、評価が難しいですが、技術が高い名作の雰囲気があります。

延々と喋りながらトライアスロンをしている感じで、アーチェリー、障害物走、長距離走、水泳、綱引き、カヌー、ロッククライミングを近くで見ると、結構、臨場感あるねという感じですが、パンとジャムが、毒々しい紫の接着剤を材木に塗りたくってるものは、あまりおいしそうに見えません。

残念なことに、登場人物のメンタルが弱いので、感情移入が難しく、お金持ちの御曹司の親子の葛藤のような話になってしまいます。言いたいことはわかるけど、映画としてはどうなのだろうという人間関係なので、話の展開はともかく、演者のリアリティと音楽を楽しむオペラとして評価するしかありません。

話は失われたものたちの本のとおりに展開します。
ここでは、グリム童話などの童話物語の擬人化された動物が登場しますが、映画では、童話の代わりに過去の宮崎駿監督の作品が反映された世界になっています。このあたり、異世界は宮崎駿の半生を描いたものと評価されるゆえんです。
失われたものたちの本
悪魔の人狼は鳥類に変わり、現実世界の悪意の反映として象徴的に描かれ、戦争の殺意によって鳥類が異様に繁殖し、現実世界に生まれるべき魂達を、全て食べ尽くしてしまいます。このため、出産児数が激減し、戦後に爆発的に子供が増えて、戦後のベビーブームを支えることになります。

サザエさん的あらすじ

次女に言わせると、この物語はさざえさんらしいので、その路線であらすじを書きます。

父親 マスオ 中島飛行機ティア1企業を経営。なぜか中島家と家族ぐるみのつきあい
ヒミ サザエ 母フネを亡くした悲しみを持っている。サザエさん第132話が形見
夏子 ワカメ タラちゃんが母として受け入れず悩む。
眞人(主人公) フグ田タラオ。
キリコ 伊佐坂さんーリカちゃん 現実と異世界では別人。人形遊びが大好き
磯野家 磯野藻屑源素太皆の子孫。没落名家のため実業家マスオとレビレート婚企図
磯野家墓石
中島飛行機は日産とスバルに分かれていきますが、父親の会社は日産側のティア1企業で、宇都宮工場から風防を持ち帰り、終盤で都内へと引っ越していきます。時々、中島知久平のお孫さんが、おい磯野、野球しようぜ、というので、家族ぐるみの仲のようです。

タラちゃん
夏子さんの気を引こうとして、眞人が頭に石で傷をつけ、その治療のために毛を剃るため、タラちゃんのようなヘアスタイルで物語が進みます。

母親ヒミは死別して、その妹の夏子と父が、レビレート婚をします。
母サザエさんが亡くなった後、ワカメちゃんとマスオさんが結婚するような話になっています。
タラちゃんにとって、ワカメちゃんを母親と思えと言われても困りますよね。
ワカメ
また、母親が弟や妹を出産すると、長子は赤ちゃん返りをすることがあり、時々、私なんかいらない家族なんだという言葉を母親に投げかけることがあります。そういった意味で、よくある心理状態なので、ちょっと大それた話にしてしまった感があります。
三河屋
家に到着すると、オート三輪で三河屋外商部の三郎さんからお届け物が届いています。それを夏子の使用人の老婆がキャピキャピ喜んでいます。

契約

タラちゃんは家屋の別邸に塔が気になりますが、これは霊力を持つ石が落ちてきたもので、大叔父の海平が消え、磯野家の血筋の者しか入れない建物になっています。天空は魂の場所なので、天から降ってきた隕石には、魂の世界が存在します。そして、それを読み解くのが占星術。
塔

被りものをした妙な動物が、離れの塔にタラちゃんを誘い出し、その塔にワカメが入っていくのを見かけます。伊佐坂さんの奥さんと一緒に追いかけ、屋内でドタバタあって、自作の弓でかぶり物を射貫くと、中から人間のような生き物が出てきて、みんなで下の世界に落ちていきます。
タマ

下に落ちると一面が海で広がり、リカちゃんが漁をしています。

日常生活を送るうち、まだ見ぬヒミという女性が、ワカメの姉らしいことが判明してきます。
下の世界では、人類にとって鳥類が天敵なので、インコやペリカンから逃げる必要があり、鳥類に追いかけられた後、建物の奥地でヒミと遭遇。なんとサザエさんでした。昔は、こういう髪型が普通だったのでしょうね。
長谷川町子

サザエさんは、ワカメの緋色の産室にタラちゃんを案内し、ここで、ワカメの内心は、タラちゃんが息子になることを受け止められないことに苛立ち、この世界に逃げてきたことを知ります。無理もないです。
インコ
海平のところへいって、お前、私を継がないかと言われますが、インコが海平を叱咤して石を壊し、結局、その塔は崩壊していきます。
家

サザエはタラちゃんを見て気に入り、タラちゃんを出産したいといって火事の前の時間に戻り、ワカメとリカちゃんとタラちゃんは、元の時代に戻り、マスオさんのところへ戻ります。う~ん、サザエさんくらいのストーリーボリュームに収まりました。
一家
疎開地から東京へ戻る直前に「君たちはどう生きるのか」が開かれ、この本を参考にした行動なのだと観客に伝えられ大団円です。

監督の作りたい話を書いた夢

ネット上では、宮崎駿監督の半生であり、母親との関係、生家での立場、大叔父に似た人物との関係、ジブリを象徴している物語といわれますが、おそらく、全て、本人のなんらかの経験を反映し、それが物語になったのだと思います。一瞬、高畑勲氏に見えましたが、これは髪の毛と目がなんとなく。
高畑勲

夢は整合性がなくとも話がつながっていくし、現実を反映したものなので、それぞれ、人生を一つにまとめた作品なのだと思います。人様の人生は複雑なので、人それぞれ、解があるのかもしれません。

ピカソがゲルニカを描いたように、インスピレーションだけで作って、力業でまとめた印象です。

すごくいいですね

また、異世界転生と、けいおんの合体の音楽萌えのアニメかなと思って、アマプラで上がってきたコンテンツ見てみると、本当にグングン引き込まれて、頭の中が、チキチキ、バンバン、猫も杓子も気まぐれでつらい。OPを飛ばさずに見るのは初めてかも。

 後漢ファッションの丞相帽孔明が絶望的に合わなそうですが、レゲエ、ロック、ラッパーとチョビヒゲと絶妙にマッチし、何でも上手に器用にこなす孔明は魅力的。
 
 あと 個人的には、部下として、リアルパリピの費禕をつけて欲しかったですね。酔い潰れで仕事どうしたと問うと、よく見てみろよ、もう全部終わったじゃねえかとのたまう秀才タイプ。三国志でも最後まで孔明を理解できたのは費禕だけ。
フラッシュ

 普通、敵役を悪く書いたり、腹黒い人を悪辣に書いたり、小太りに書いたりしますが、変な差別がない。全員が音楽好きで、孔明、ミュージシャンへのリスペクトが心地よくて、音楽を志す人は、本当に音楽が好きなのだろうなと感じさせてくれる。ホントにみんないいヤツなんですよ。最近はドロドロしてるのが多い中で珍しい。

 11話は最終話でなくて、結末は12話へおあずけ。

月見英子

「孔明の嫁取り真似するな」と言われた、その色黒不美人の黄夫人の名前が伝月英。その才覚を見抜き、妻として喜んで迎えたというエピソードあり。月見英子という名前は黄夫人ですね。
英子
赤毛で色黒からかけ離れたてるけどフォロア数208人

 孔明が言うだけあって、天性の才覚で歌姫として成長し、明るく突破していき、みんなをグイグイ引き込んでいく魅力の持ち主。でも最多いいねが猫の画像、これなら、EIKOの保護猫とかいって、子猫動画にすると、意外と10万いいね稼げたりして。

 さすがにヒロインなのでキレイです。

孔明亮光

 亮は光の異字で、孔明も明るいという意味。名前がピカピキャテキーラ。
 日本人なら、この人に天下取らせてあげたかった人ナンバーワンなので、後世の心情がマッチして、生き生きしてるお茶目な孔明が魅力的。中国のことわざで、三人集まれば孔明に勝てるといいますが、知恵は文殊様扱い。
孔明
   なんかもう、イジリ方がすごい


Chitty Chitty Bang Bang

 元ネタのジョリーさんという人は、8年前の動画があって、一見してメタボ気味のオッサンですが、その声感や勢いが強くて、日本人プロデューサーならば絶対採用しない人です。でも、さすが、この曲を選んで空耳ソング作ったと思いますね。ちなみにチキチキはセルモーター音。
チキチキバンバン

 バックにいる女性達も、モデル体型じゃなくて健康そうですが、リズムがマッチして、人生を楽しんでる感も。黄山背景に唐代雅楽風の透明感のある仕上がりにすると、こうなるのかと驚かされます。
 すごく流行った曲にあやかってるわけでもないので、リスペクトを感じさせてくれます。もはや愚か者ほどハイになる完全社会(?)

七海の音楽とは何かという問いかけ

 サマーソニア出場権最大のライバル、アザリエの久遠七海が商業歌唱に注力し、お金の力でいいねを買うという、心えぐられる展開。それでも、唐澤さんは「プレイヤーにはプレイヤーの誇りがある」と、音楽への愛へのリスペクトを忘れない。お金とキャラクターを前面に押し出しつつも、基本は音楽へのハート。結構、深く考えてるのですよ。

 久遠は張遼(文遠)が由来で、曹操配下で関羽と一緒に戦いました。唐澤は乱世の奸雄の曹操。Key-Timeはバーニングプロダクション。

 日本の音楽市場は、間違いなく固定価格維持制度が作ったので、唐澤さんはエイベックスさんの追体験でしょう。大事なのは音楽だけど、経済合理性も必要なのだと。でも、他人様の歌と歌詞を、勝手に使っちゃっちゃうのって、単に著作権料払えばいいのかしら。
azarea

シジツ孔明 ブラック企業の悲哀の中間管理職

 マスターが孔明に、泣いて馬謖を斬った故事理由を問うたとき
「魏延には長安を突くという構想があったようですが」
「次が育たない」
と返すも、これは脳筋三国志観で、当時の孔明が言うセリフではありません。

街亭古戦場

蜀内はパワハラ蔓延状態で、ブラック解消が急務です。
魏書では、魏延が長安を突くべきだと言い放ち、その路線で馬謖が孔明に「鯀」(禹の父)にたとえて、自分が正しいと抗議しているため、馬謖よ、お前もかと思いながら、孔明は処刑したと思われます。単純な軍律違反ではありません。
  • 関羽は「仕事ができないヤツは首を洗っておけ」と部下に言い放ち、怖くなった部下が関羽出陣後に降伏して荊州を喪失(福知山線日勤)
  • 張飛が酒飲んで部下を殴った後、その部下が張飛の寝首掻き(電通深夜残業)
  • 魏延は味方の退路を焼き払い司馬懿を追撃するよう命令(忌引き拒否)
  • 街亭では長安急襲が拒否されて、孔明に魏延が大ブーイング。馬謖まで長安急襲を催促。どうやって2万の兵で30万の兵が守る長安と魏帝を落とせと(混雑時の松屋ワンオペ)
当時の蜀は、歴戦の勇士が老害化していた頃で、このときの孔明は、人材登用、兵馬確保、領土拡大を図り、中華史を蹂躙した騎馬民族の力を募っていました。ちなみに、街亭戦で孔明は姜維を得ています。

せっかくいい人材に育てても、魏延や馬謖が排除すると、人が逆に育たなくなってしまいます。いわゆる組織の末期状態。他に頼れる人がいませんでした。
蜀の旗
 暗い話が少ない希望に満ちた話が良いかも

そういう、マネジメント論は置いておくとして、すごくよくできていると思います。

3分で説明

ヘロデ王による子供の虐殺の預言「ラマの嘆き」に匹敵する脅威が、魔女による乳児の呪殺にはあると、カトリック教会は伝えます。今回は乳児の死に恐怖した教会史として、ラマで嘆く ラケルがナビゲートします。

歴史的に、魔女裁判が始まるのは、ローマ教皇庁異端審問修道士クラーメルが、マレウス・マレフィカルム(魔女に与える鉄槌)を著し、発明品グーテンベルク活版印刷を使い広め、識字率が低かった地方都市に魔女の挿絵により周知された頃です。

教皇庁は、カノッサの屈辱で異端裁判権を手にし、魔女裁判は「魔女に与える鉄槌」の罪科を読み上げて有罪とし、それを市司法機関が追認すると異端者として処刑されるよういなります。しかし、多くは司法機関により棄却されてしまいます。

猫は人里に定着して劣性遺伝の黒猫が現れるものの、カトリック圏の酪農や狩猟では猫は害獣であり、黒猫は冥界から現れると考えられています。回勅"VOX in RAMA"(1233)では病死や乳児死を解決すべく、食糧豊富で猫が定住していた南仏カタリ派地域に、十字軍派遣が宣言されました。

リンゴは寒冷地で採れるもので、非カトリック率が高いバスク地方で魔女狩りが発生した際に、ピレネー種のリンゴと厚手ローブ姿のバスク地方の民族衣装の絵が多数描かれます。後に、これが魔女らしい魔女の絵として、末代まで残りました。
魔女のイラスト
 Jan Van Der Velde, 'The Sorceress', 1626.

魔女の力は細菌の力

魔女狩りは近代化への分水嶺です。
 
現代に伝わるグリム童話の魔女は、リンゴ片手に、黒猫とオオカミと一緒に悪役を演じ、大抵、魔女は子供の命を狙います。
白雪姫
 wikipedia Schneewittchen

異端として告発された魔女達は、後期になるほど助産師が増えているので、医学知識を持った助産師を医師が批判したというジェンダー論から分析されることがあります。また、密告者側も女性が増えていくので、死産の医療訴訟のような構図を見せるようになります。罪状が皆コピペなので、内実はわからないことが多いです。

魔女と産婆と看護師

魔女・産婆・看護師 女性医療の歴史の表紙

中世では35%の新生児が1歳を迎えられず(17C-18C Nurtingen)、聖職者が祈祷したにも関わらず、5歳までに半数が死んでしまいます。カトリック・ドミニコ会は、祈祷を妨げる魔女の呪いが原因だと断じ、乳児の脂肪を箒に塗る霊薬の材料にするため、魔女が呪殺して、空を飛んでサバトに参加しているという生活習慣を流布しています。

そして、教会に反抗的な者や、民衆間で魔女として訴えられた者が、異端審問の記録を作り上げられて、自白により有罪とする魔女裁判にかけられました。自白が有罪判決の根拠となったのは、そもそも根拠がないためです。

死亡率
Mortality in the past – around half died as childrenby Max Roser June 11, 2019

中世では細菌の存在など知らないので、祈祷によって魔を払えば、子供は健康に育つと考えられていました。

更に、13世紀にモンゴル人が病原菌とともに襲来し、14世紀にペストが流行して、物資不足により悪性インフレが起きると、庶民による教会への不満が強くなっていきます。奇跡の期待によって教会が悪魔から市民を守るという伝統は限界を迎え、終末論が広まっていきます。
 
ローマ教皇庁管区・文明の後進国のルネサンス

1076年、一人の僧服を着た者が、三日三晩、雪の降る城の前でたたずんでいました。彼はハインリッヒ4世で(1050-1106)、ローマ教会の聖職者人事に介入したため、教皇グレゴリウス7世(1020-1085)を怒らせてしまい、破門撤回のため教皇に許しを請うていたのでした。

後にカノッサの屈辱と呼ばれる争議によって、教皇庁の権威が再認識され、教皇庁では、真正な教えを体系立てるため、ドミニコ会とフランシスコ会による異端諮問委員会を整備していきます。ここで俗世での司法権を獲得します。

 カノッサの屈辱

名門貴族師弟が聖職者をキャリアに組み込み、徐々に神聖ローマ皇帝とローマ教皇が癒着していき、ハインリッヒ4世(1084年~神聖ローマ皇帝)は、地域や教皇庁内に政治基盤を固めていきます。

カトリック教会管区の文化はコンスタンチノープル、エジプトに劣り、ゲルマン宗教統合時に偶像崇拝を取り入れて矛盾を内包しています。そして、偶像崇拝が政争化し、1054年にカトリックとオーソドックスは東西分裂をします。
アヤソフィア
 天国にたとえられたアヤソフィア(イスタンブール)

カトリックはギリシャ正教と袂を分かった後、コンスタンチノープルを参考に建築に投資を始め、ローマの元老院文化と皇帝権の歴史調査、キリスト教会史の研究が進みます。これらは後にルネサンスと名付けられます。

前錬金術カタリ派国(1140-1244)

カタリ派制圧に十字軍が投入されます。猫と魔女の連想ができたのは、この頃ですが、猫は食料が豊富な地域に定着するので、食料事情が良かったようです。

信徒間は平等ですが、カトリック教会では煉獄という概念を作り、地位の低い信徒に対して「あなた、煉獄に落ちるわよ!」という使い方により、裕福な信徒との差別化を図ります。後に、贖宥状という、わかりやすい形に変化し、寄進を集めやすくなります。
贖宥状 免罪符絶賛発売中
95箇条の提題 (ルーテル)
※ ルター(1483-1546)は、お金の音で煉獄から魂が飛び出す(27/95)と、痛烈に皮肉

当時の俗化カトリックを嫌う市民も多かったため、異教カタリ派により、南仏モンペリエ付近に独立地域を作る民衆が現れます。マグダラのマリアは復活後のイエスに最初に遭い、聖母マリアの胎が聖霊を受けたことから、女性は聖霊の受け皿であるとカタリ派は説きます。
カタリエリア
 
"cathari"はギリシャ語の「清い者」という意味ですが、猫(Felis catus)を連想させる名前なので、アラン・ド・リール(1128-1202)は、魔女と猫が連想させるようになっていきます(ただのダジャレなのに...)。

Walter Map(1140–1210)の著作に"the Devil descends as a black cat before his devotees."という記述が見られるように、黒猫が悪魔の使いとして同調する文献も出始めます。

カタリ派と猫
  オクスフォード ハーレイ1526 十字軍史(カタリ派は十字軍に討伐される)

カタリ・グノーシス一元論では、天上の霊力によって薬、金、生物ができるとして、知恵の岩(俗称:賢者の石)や秘儀による、再現性のない技術書が作られました。ローゼンクロイツ(1378-1484)、パラケルスス(1493-1541)にもカタリの記載が見られるように、カタリ派は錬金術の基礎になっていました。

カトリック教会はカタリ派の同化政策を進めるために、多くの修道士を派遣して改宗させますが、持たざる民衆の清貧によるカタリには、坊ちゃま育ちの修道士は太刀打ちできず、仕方なくインノケンティウス3世(1198-1216)はカタリ攻略を呼びかけます。

十字軍国家は1150年頃にエルサレムを撤退し、2回目の進軍も失敗してから、功績のない軍団の行き場は失われていました。帰還した十字軍をカタリ派自治地域へ派遣し、1244年のモンセギュールの戦いで、カタリ派領が焼け野原になります。
現代のカタリ国
 モンセギュール古戦場

魔女っ子ワルドちゃん

魔女"Witch"の由来は、ドイツ語”Hexe”「人里を超えた者」で、神聖ローマの言語に由来します。教会の聖書印刷に使われたグーテンベルク活版印刷によりビジュアルイメージが広がります。

魔女、箒、黒猫、魔法はワルド派の代名詞となり、たまたま、グーテンベルク活版印刷によって、風説の流布が可能になったので、文章による魔女の解説にイラスト印刷を加えて、識字率の壁を越えて広まっていきました。
ワルド派
 ワルド派勢力図

ワルド派(1171-1689)が神聖ローマ域内に流入し、非カトリック化が進むと、ドミニコ会とフランシスコ会は異端の取り締まりを開始します。異端の判別のために、トマスアアクイナス(1225-1274)による神学大全の百科事典的性格が有効に機能し、女性蔑視の強いスコラ神学により、魔女狩りが始まります。


神学大全では、魔術、姦淫を重大な悪とします(ガラテア5:24)。異端者に刑罰を与えるため、神学大全の魔術欄をコピペをして罪状として自白強要し、市司法へ書類送検するスタイルが使われます。

当初は2/3が男性でしたが、クラーメル(1430-1505)の活動以降、筋金入りのワルド派女性が悪魔の使いとして「魔法をかけて誘惑した」と、下手な浮気の言い訳みたいな裁判にかけられるようになります。

インフルエンサー達

ドミニコ会で魔女の誘惑から風紀を引き締めるべく、ヨハネス・ニーターが「蟻塚」(1437)を書き上げて、異端を糾弾する書物を書きます。蟻塚は奇異な名前ですが、聖書箴言に由来する、蟻とキリギリスの寓話の元ネタです。
魔じょっ子メグ

1445年グーテンベルク活版印刷実用化以降、エリート修道士のクラーメルは、著作物”Malleus Maleficarum”「悪魔術の槌」を大量に頒布します。

現代日本語では「魔女に与える鉄槌」と訳されますが、女性は男性を誘惑する力があり、それが罪を誘発すると考えていました。鉄槌は、裁判所のハンマーであって、悪魔術裁判規則の意味があります。

 ワルド派の魔女挿絵

「魔女狩り西欧の三つの近代化の解説」の挿絵と説明を転記

「悪魔術の槌」では、魔女は男性器を消すことができる、乳児の脂肪を塗った箒で飛翔し集会(サバト)に参加する、女性は不完全である、だから魔女は罪というラジカルな論調を取り、クラーメルは自ら異端審問に邁進します。

しかし、異端審問の様子を見た人は違和感を持ち、クラーメルって変じゃね?と考える人が増えていき、教皇へ評価書を取り消すよう求められます。また、多くの魔女裁判結果は、さすがに、こいつら変だと、市の司法機関が棄却してしまいます。

 魔女の画像
妙に写実的な魔女絵が描かれた

黒猫という見慣れぬ生物

ラマの嘆きは、乳児死亡率の高さを特に問題視していたことを暗示します。また、黒猫の出現は、市民の食糧事情の改善があったことを示し、倉庫に穀物が蓄えられた時代になっていきます。

猫は倉庫のネズミを追いながら、人間社会に溶け込みました。最初にエジプトで神格化されたのも、ナイル河畔が穀倉地帯だったためです。
 
猫は人類史では新参者で、中国の文明黎明期には生息しなかったことから、象形文字がなく、干支にも入らず、ヘブライも同様に聖書にも登場しません。
 
猫は 白(W)、橙(O)、縞(A)、点(S) の遺伝子があると、黒猫になりませんが、穀類が豊富で、地域に猫が定住して遺伝子が偏ると、突如黒猫が出現します。神聖ローマのカトリック教会圏では、狩猟や酪農が行われた地域では、猫は害獣であり、カタリの伝承と重ね合わせて、魔女が世を忍ぶ仮の姿として黒猫に変化すると考えられました。

一方で神聖ローマでは、困窮から逃れるために十字軍に参加するくらい、貧困地域であったため、食料が乏しく、あまり猫がいません。
猫と魔女
1227年に80歳のグレゴリウス9世が教皇に就任し、異端の抑圧に乗り出します。カトリック内政に力を注いだ人物で、特にアッシジのフランチェスコやエリザベートを列聖した人物として知られています。

1233年に十字軍指導者の一人コンラート(?-1233)は、このままでは、赤ちゃんが魔女に呪い殺されてしまうと危機感を持ち、グレゴリウス9世に働きかけて回勅「ラマの声」を施行します。ここでの黒猫は、冥界のルシファーの使い魔として記されています。

その後、十字軍によりカタリ派討伐が始まります。
ラマの声

グレゴリウス9世(VOX IN RAMA) 冗長のため概略

マインツ大司教、ヒルデスハイム司教、マルブーフの師コンラートに
ラマで声が聞こえる 苦悩に満ちて嘆き、泣く声が。ラケルが息子たちのゆえに泣いている。彼女は慰めを拒む 息子たちはもういないのだから。この預言のとおり、悪魔の蛇は、神の愛を受けた胎を噛み切り、教会を破壊しようとする。
ヒキガエルに見える悪魔が病原菌をまき散らし、悪魔に魔女はキスをする。青白く黒い痩せた氷のような男が現れ、魔女はキスをする。体は非常に冷たい。黒猫が後ろ向きに現れ、魔女はキスをする。そして歌う。
ろうそくの灯火が消えると、情欲の嵐が吹き荒れ■自主規制■
天に反逆し、狡猾にルシファーを冥界に追いやったと主張し、かつての天の栄光を取り戻そうとする。神の奇跡はどこへいったのだ。武装し立ち向かう者達に祝福を。
1233年6月にラテラノにて授与する

魔女とされた聖女

ジャンヌダルク(1412-1431)は1431年異端審問裁判で魔女として裁かれましたが、比較的恣意的に魔女とされていたことを示しています。その後、カトリック教会により1455年に棄却され、19世紀に列聖されています。

神からの啓示に従順に従って行動をした結果、偉大な功績を挙げたとしてカトリック教会では聖人に列せられました。奇跡はともかくとして、非常に信心深い有能な女性で、カリスマを備えていました。
ジャンヌダルク

フランス出身のアンジュー伯ヘンリー2世( 1133-1189)がイングランド領主(プランタジネット朝)を兼ねていたので、フランスとイングランドが連邦化し、プランタジネット朝はフランスを支配するイングランド勢力と認識されるようになります。パリ周辺の領主には支配王朝プランタジネット朝とも懇意の者がいたものの、百年戦争(1337-1453)でフランスを独立国とすべく、弱小連合がプランタジネット朝と争います。

現在でも、英国は連合王国(UK)が正式名称であるように、統治機構が一枚岩ではなく、さらにややこしいことに、ジャンヌダルクがオルレアン軍を立ち上げ、乱戦状態に入り、誰がフランス統治をするのかわからなくなってしまいます。ジャンヌダルクはドミニコ会とプランタジネット朝の二元権力の狭間に入り、魔女として処刑されてしまいます。

ジャンヌダルクの行軍によって現在のフランスの形があるので、今でもフランスでは強い人気があります。ジャンヌダルクはジェンダーと既得権と戦いました。

バスク産魔女のリンゴ

魔女のイメージがここに完成します。それだけ、バスク地方の風俗は印象が強かったようです。

バスク地方は、スペインとフランスの紛争地域で、フランスとカトリックへの同化を拒んでいました。南仏のバスク地方は言語体系が異なるため、カトリック教会の影響が少なく相性が良くありません。
 
ここで、バスク地方出身のカトリック系新興貴族ド・ランクルと、同出身の旧貴族ベルトラン・デショーがフランス王国宮廷内で争い、バスク地方同化政策のため、ド・ランクルは魔女裁判を1609年に開始させます。
バスク人の衣装
 バスク人衣装。魔女の装いとされる

バスク人達は独特の衣装をまとい、少しエッチぃダンスを踊り、女性は頭頂部を剃って長く伸ばしていました。 ド・ランクルは、そういうダサい風俗は止めてくれと、異端審問を通じて同化策を取り始めます。

バスク地方はピレネー種リンゴの産地であり、また、リンゴは邪悪"malus"と同じスペルのため、リンゴを禁断の実のアイテムとして、バスク人女性を魔女と断じます。

この時期の絵画に、リンゴを禁断の実とするものが散見され、魔女にピレネーリンゴが持たされます。
禁断の実
リンゴはヘブライと気候が違い、寒冷地でのみ実をつけます

弁護士の副業(不規則裁判)

ここで世の風潮を利用して、魔女裁判で金儲けを考える人物が現れます。

マシューホプキンス(1620年 - 1647年)はイングランドで私刑魔女狩りをした人物です。本職は弁護士ですが、1644年から1646年に300人の魔女の告発と処刑を行い、”The Discovery of Witches”(1647)を発行すると、後の魔女狩りの教書として使われるようになります。

裁判方法は、引っ込み式のナイフや針を刺し、痛みを感じない魔女であるとして住民を信じさせて処刑するというものです。また、川に突き落とし、溺れたら無実、生きていたら魔女という、逃れようのない私刑も行っていました。
マシュー

The life of Matthew Hopkins, the opportunistic 'Witchfinder General'

しかしあっけなく、マシューホプキンスに疑問を持った清教徒聖職者により、魔女裁判が暴かれ追放され、14ヶ月の魔女狩り活動を終えます。翌年の1647年8月に結核であっけなく亡くなりました。
”The Discovery of Witches”はベストセラーとなり、1690年代のセイラム魔女裁判でも使われました。

セイラム魔女裁判(1692)は米国清教徒がセイラム村で起こした私刑群で、けいれんや麻痺状態の女性を魔女として告発し、処刑したものです。症状としては狂犬病や薬物症状に似ているので、やはり病気感染が疑われます。
セイラム魔女裁判


魔女狩りのキリスト教的意義

宗教戦争が終わると、憑き物が落ちたように、魔女狩りは消えていきます。キリスト教同化政策による異端審問が始まりであり、マシューポプキンスの真似をする土壌があった地域で、魔女狩りが散見されます。

神聖ローマにおける30年戦争(1618-1648)の後、魔女狩りは沈静化していきました。カトリック教会の求心力を高めたいという動機で始まったものの、地域独占がなくなれば異端審問は力を失ってしまいます。
カルバン
カルヴァン(1509-1564)

カタリ派とワルド派が如何なる教義であったのか不明で、今では多くは失われています。カタリ派と同じ名前の清教徒ピューリタン・カルヴァン派、そして錬金術治具を加工した蒸気機関の揺籃地スコットランド。彼らの目指していた目的は同じです。

カトリックは持つ者の失う恐怖に覆われ、恐怖の表現形の迫害を取らざるを得ませんでしたが、その後、絶対王政と議会が争い、悪性インフレ発生とアステカ金の争奪、新大陸と戦争債務と衛生観念が発生し、病原菌を封じ込めることに成功します。
ウェーバー

 人の魂のありかは解らなくなり、最初から神によって救済者は決まっているから、生活の富を稼ぐ活動(天職beruf)に費やす方がマシ(マクスヴェーバー1864-1920)、名声、権力に向かう力を求めるべきだ(ニーチェ1844-1900)と、逆方向に振れてしまったのが現代資本主義の社会学的考察です。

魔女達は、権力や富を求めないために、権力者の恐怖の矛先に向けられ、カトリック教会によって作り出された幻想になりました。悪魔は存在しないものの、確実に、恐怖の中に存在していた歴史でした。

Rachel00
【ナビゲーター・ラケル】
ラケルはイスラエルが恋い焦がれた妻で、ユダヤ人ベニヤミン族系統の母。エレミア書の預言から、子を失う母の嘆きを象徴します。魔女狩り文書に登場することで、子を失う母親の嘆きの矛先を、当時のカトリック教会が探していた様子がうかがえます。英語圏ではレイチェルになります。

アニメ平家物語

アマプラとOn Air 進行中の平家物語では、建礼門院と琵琶法師が主人公という設定という、過去に、ありそうでなかった、琵琶語りと平家物語の同時進行が展開します。少女琵琶が、壇ノ浦、琵琶法師、沙羅双樹と未来を見て、最終回のサムネイルが、みんなで楽しそうにしている様子なので、一門の魂が引導を渡されて極楽浄土へ向かう様子であると美しいですが、この先に期待してしまいます。
平家物語冒頭

平家物語は無数の主人公の連続なので、アニメのように尺が限られていると、主役級のナレ死が頻発し、そのため残酷なシーンを描く必要がなくなります。主人公格の平重盛、徳子(のりこ)、敦盛、義経の扱いは良いものの、兄達の平知盛や源頼朝は、頭の悪そうな人になってしまいます。
知盛平知盛200
 知盛は、壇ノ浦で船をキレイにしてから錨を巻いて海に投身する

木曽義仲と巴御前は最強カップルなのに、アニメでは乱暴者になっていますが、原作(?)では無双が漂う人物で、皇族と貴族に足を引っ張られて義経に討たれてしまいます。
義仲
 右隅の巴御前の扱いは、あまりにもひどい

平敦盛と熊谷直実

今回第9話では、熊谷直実と平敦盛の一騎打ちに焦点が当たり、ここで琵琶の語りが入るため、物語の軸が置かれていることが伝わってきます。芸能の世界では、敦盛を討った熊谷直実は法然上人に入門し、僧侶として一の谷で敦盛の供養をして、敦盛の亡霊が「我が友よ」と声をかけてくることになっています。
一ノ谷の戦い

「人間50年、下天のうちを比べれば~」と有名なセリフをもって敦盛が舞い、人間の50年は天界の下層でも1日に過ぎないと、命のはかなさを演じる能となっていますが、本能寺で織田信長が舞ったときも、人が滅びゆく際の寂寥を表現しています。
敦盛
幸若舞の敦盛は平家の引導の物語

戦後、自国に帰った熊谷直実は、源頼朝の知己の親族と裁判で争い、自分に不利に進むのを見て「こんな出来レースやってらんねぇ」と怒って、出家します。そして、敦盛を討ったことを悔いていた直実は、ナギナタを携えて大声で法然上人に駆けつけ「浄土に入るには、どうしたらいい、腕の一本か、体が要るか、浄土への生き方を教えてくれ」と法然に問います。
熊谷次郎直実

法然上人は、念仏でよい、御仏を信じよと返し直実は涙を流し、ナギナタを捨て、そこから蓮生という弟子になります。蓮生は多数の寺を建立し、浄土宗の浸透に邁進していきます。

熊谷直実は不思議なエピソードがあり、自分の死を予言し、一度とどまり、次の予言日に念仏しながら往生します。そして、高野山に敦盛とともに墓が建てられます。

義経は名将ではない

一ノ谷合戦では、畠山重忠が「お馬ちゃんがかわいそうだから、今日は慰労する!」といって、馬を負ぶり、合戦で勝利します(アニメでは省略されている)。
畠山重忠

頼朝は御家人によく恩賞を与えた人で、藤原俊兼の奢侈な服の袖を切りつけ、「千葉常胤は(俊兼より)機転は利かないが、粗末な服を着て一門に分けるから、家が栄えるのだ」と評するように、リーダーは自分を飾らずに、一門強化に務めるから強い軍団になると考えていました。頼朝視点では、弟は褒美を独占し、優先順を無視するので、これでは武家政権が成り立ちません。
義経
 イケメンサイコパ系の義経

義経は奥州藤原氏に裏切られ、畠山重忠がその裏切った奥州藤原氏を「なんて立派な人なんだ」と感服させるなど、義経陣営にいた人物が後に活躍しています。当時の武士は、一族間での領土争いに明け暮れ、それを頼朝が裁定していたので、義経は戦術に優れているだけで人物を見る目がなく、武家政権の頭領がつとまるような人物ではありませんでした。

頼朝
 源頼朝も扱いがよくない

評価の高かった畠山重忠は、北条政子と義時に見いだされるも、色惚けした北条時政に討たれるなど、カオスな政権に巻き込まれてしまいます(末裔の畠山管領家は、応仁の乱の原因になるなど不遇)。

三代執権北条泰時が「執権には領地はいらないよ、全部みんなにやるよ」と北条政子に言ったとき、「ああ、これで我が子を得たり」と泣き崩れていますが、頼朝も北条政子も、有力御家人に土地を与えることで、封建制の基本設計が一致し、以後封建時代と呼ばれるようになります。

平家物語その後

FODでは残す2話なので、次回が壇ノ浦、最終回が生き残った建礼門院と邂逅して、この物語を語り継いでいこうと意気投合する流れになりそうです。平家物語の原作者は建礼門院・徳子様です。

琵琶法師は検校という座頭職なので、作品中では、将来を見通すオッドアイを失い、琵琶は盲目者の先導者として日本第一級の平家物語を謡うようになります。目が見えない故に、祇園精舎や沙羅双樹、平家一門の往生という見えないものを見ることができるので、ハッピーエンドがしっくりきます。

平家子息集合

その後の源氏は、平家を打倒した御家人衆が、外戚関係をきっかけとしてドロドロの中で崩壊していくので、そのあたりもあって、幸せな未来の方が、物語としては面白いです。

新作発表予告が出されてから、色々な有名人が関心を持っているのか、各種メディアで解説を目にする機会が増えました。

次回作のワルプルギスの廻天は、帝国の逆襲みたいなタイトルで、その次は魔法少女の帰還とか、新たなる物語とか、鹿目まどかが霊体になって応援して...ああ、それはもうやってました。
円環の理

透明感あるきれいな世界で、登場人物全員が被害者という、ドロドロした、希望と絶望のコントラストの物語ですが、2011年の東日本大震災以降、ソーシャルメディアが、携帯音声からLINEテキストメッセージへ転換した時期に重なり、SNSに非常に適した作品でした。

SNSの特徴として、炎上とフォロアー数が有力な指標になり、注意深く観察すると、炎上するユーザーは、必ず加害者として認定されている人で、一方、被害者は応援したくなる構造になっていることから、この作品のように、全員がかわいい被害者の場合、心理的に応援したくなってしまうし、インスタグラムでコスプレしたり、二次創作というのにマッチしたといえます。
曼荼羅

劇場版は新ストーリーの予定であったものの、案が詰まって総集編に収まり、叛逆次回作が、バレエの習い事披露と、お茶会ファンタジア映像集になり、”puella magi holy quintet”というチーム名を五人で同時発声してるので、ネタが尽きてないかと不安がありますが、制作スタッフは粒がそろっているので、次回作は、ビジュアルには優れた作品になることでしょう。
クインテットpuella magi holy quintet

少しエッチぃ心理学とマスケット銃

巴マミの武器の銃は、心理学では陰○を象徴し、巴マミが○射して、○女に打ち込み、相手が立てなくなるまで襲○し、パックンされて○○○女を失います。もう、女の子に、なんてことさせるのかしら。

マスケット銃と言えば、三銃士では貴族を象徴する武器であって、隊員男爵と隊長伯爵が束になって宰相と公爵と戦うという、宝塚歌劇団の三銃士の戦闘マニアのダルタニヤン。また、ストーリーに困ったときは、時々ひぐちカッターで、全く違う設定のストーリーに移行します。
マスケット銃

寓話の物語 人魚姫と悲劇と無償の愛

美樹さやかの元ネタが人魚姫という説は有名で、また、魔女オクタヴィアは伝セネカ悲劇、ネロ帝暴君夫に疎まれ惨殺された正妻の嘆きの物語です。魔女グレートヒェンはファウストを祈りで天上に引き上げた女性。

人魚姫は海で死にかけた王子を助けるも、王子様が別の国の姫様と結婚して、元の、海のしずくになって消えてしまいます。人魚姫はキリスト教世界観では、神が水のしずくに生命を与えて人魚姫になり、無償の愛により命を失い、露と消え、神が永遠の魂を与えるという、最初のアダムと最期のアダムを象徴します。人間は、生まれる前は塵から作られたとヨブ記は説きます。

災害で母親が身を挺して子どもを守ったとき、子を恨まず、守れた命を喜びます。美樹さやかが「これでいいよ、あいつの演奏を、もう一度聴きたかっただけなんだ」と満足して消えるのは無償の愛です。
聴きたかっただけなんだ

寓話の物語 エデンの東

佐倉杏子は、西部49ersや怒りの葡萄のような、戦いと容赦のない荒野ガンパーソンですが、エデンの東にも似ています。ちなみに、エデンの東の主役キャル役のジェームス・ディーンのイメージカラーは赤。

エデンの東では、父アダムが事業に失敗し、首が回らない家計を助けるべく、次男キャルが戦争情報をもとに大豆相場で儲けるも、不浄の金は受け取れないといって父は拒否してしまいます。その後、キャルは志願兵として出征していきます。

アメリカでは、キリスト教を盾にインディアンの土地を奪った教会に反発があり、分離新興宗教が増えたのですが、まあ、そこまでは考えてないかも。もしくは、感動作品を作りたいだけなのに、宣伝力で人気作品を力業で作らざるを得ない作家の嘆きが近いかしら。

最後、親御さんが飲んだくれてグレてしまいますが、みんなに正しい教義だと認められたいのは、信仰ではなくて承認欲求です。愛は太陽みたいなもので、誰も気にしないからとふてくされたり、悪口言ったら日光やらないと言わないので、佐倉杏子の父親が正しい信仰というのはどうかと。
人形
有機的無機物の使い方が上手

寓話の物語 フェニックスと時間

フェニックスは無限の再生をする、炎をまとったゾロアスター教の霊鳥であって、ほむらという名前と一致し、どちらも無限に時を再生しています。黒く羽化するときに、神官っぽい人が後ろにいます。

暁美という名字は、ルシファーの欽定訳聖書邦訳”暁の子”と被り、サタンは自己中心から、神のようになろうとしたと偽典にあります。劇中で暁美ほむらはソウルジェムの闇を取り込み、自分のために因果律の一部をもぎ取り、漆黒のソウルジェムと黒い翼を持っています。
ほむら翼暁美ほむらが羽化

ゲーテ作ファウストでは、ファウスト博士を若返らせて願いを叶え、神と悪魔間でファウストの堕落の有無の賭けをしますが、きゅうべえがメフィストフェレスの役割を担っていて、暁美ほむらに時を遡る能力を与えます。

手塚治虫のネオ・ファウストでは、運命の分岐点のホテル名がワルプルギスで、ゲーテ・ファウストでは、魔女が「あの子、地獄へ落ちるわよ!」と幻を見せるだけで、深い意味はありません。ワルプルギスのスキャンダルが高田まり子と主人公の運命の分岐点になり、伏線回収に入っていきますが、火の鳥も含めて、手塚作品の影響が大きいですね。
ワルプルギス ネオ・ファウスト

ユング心理学とナチスドイツとワルプルギスの夜

美樹さやかとひとみの学食での会話で、夢、深層心理、生まれ変わりというオカルト用語を使うので、ユング心理学を参考にしていることがわかります。
学食

ナチスドイツ誕生の直前、C.G.ユング(1875-1961)が診察したドイツ人の多くが、同じ獣の夢を見て、ここから、集合的無意識の理論にたどり着きます。全ての人の深層意識の先に、集合的無意識という他人との接点があり、最終的に一つにまとまり、その到達したところが神です。魂からは、肉体は使い捨ての乗り物に見えます。

ナチスドイツは、魔女伝説を信じていて、第二次大戦で進退窮まったとき、4月30日のワルプルギスの夜を選んで、ヒトラー以下幹部達は自殺します。その後、5月8日にナチスドイツが降伏しています。

ワルプルギスの夜の解体式では、歴代の魔法少女、万国旗の儀式の少女、サバンナの巫女、未来都市の少女、バイキングの少女、ポンペイの火山に飲まれる少女、アンネフランク、卑弥呼、クレオパトラ7世、ジャンヌダルクらしき少女が現れ、彼女達を鹿目まどかが救済することで、魔女の集合的無意識がワルプルギスの夜が消滅し、円環の理のまどかになるという結末です。
ワルプルギスの夜 先代の衣装が飛散

エントロピーの授業では、みんな追試だった

インキュベーター・きゅうべえ は、宇宙のエントロピー増大に抗うために、少女に願望を叶えさせる契約を結び、魔法少女から魔女へのエネルギーを回収します。でも、当然のことですが、エントロピー増大しても、誰も困りません。

高校物理は、このあたりから難しくなり始め、100点満点中、平均点12点とか、追試続出とか、物理が小難しい内容に入る頃です。エントロピーは時間に依存する関数なので、無限時間では永久機関になり、時間が逆転するとエントロピーは減少するので、きゅうべえは、本当に人間様に知識を与えたのかしら?

宇宙は地学の巻末にあるので、時間が足りなくて飛ばされてしまう学校が多く、特異点や相転移を高校では教えません。

宇宙にはブラックホールという特異点があるのに、5万年前くらいから、洞穴で裸で暮らしている地球の思春期の少女にフェレットが、魔法少女になってよ! マンモス狩りたくないかい?って言ってたのかな。なんと非効率な。
原始人 初代魔法少女(想像)


きゅうべえは魔王

キリスト教悪魔は、喪黒福造みたいなヤツで、イエスに王にしてやるぞとか、ユダヤ人はローマに税金納めなくてよくね?と言ったり、エッチぃ悦びを満たしてくれたり、きゅうべえのような行動を取ります。シューベルトの魔王も、うちの萌え萌え娘と遊ぼうきゅん!とぼうやを誘ってます。
魔王

さぞや旧約の少女を誘っても良さそうですが、イゼベルあたり、富と権力を手中にして、人身御供をするなど、あつらえ向きですが、魔法少女(魔法おばさん?)として登場はしません。聖書エピソードは避けてると感じるくらい出てこない。

西洋大陸文化では、科学技術によって戦争が起きて、科学に頼ってもロクなことがないという哲学の時代があって、ホントに、科学技術を発展させた連中は、ひでえヤツ扱いされます。性格的に合わないのですよ。

結局、日本の時代に合っていた

作者さんによると、かわいらしい外観にダークファンタジー内面に、ビジュアル面で力を入れた作品のようです。

エントロピー増大、エネルギー大量消費の高尚な言い方をしてますが、実際は、科学文明を少女の魂で支える、悲しき人柱が魔法少女という役回りです。敵たる魔女も、魔法少女のなれの果てです。

まどか☆マギカの登場人物は、何らかの犠牲者とするために、かなりショッキングなシーンが挿入され、無機物の表面に有機物、破壊の裏に曼荼羅描いて、必ず、コントラストが入っています。
黒い円環暁美ほむら黒化曼荼羅

次回作でも、悲劇のヒロインの戦いだと思いますが、悲劇を続けていくと、見ている方が加害者になっている気分になるので、飽きが来てしまいます。また、コアなファンは、まどか☆マギカを酷評するヤツはおかしいと攻撃的になりやすいので、そろそろ、同じパターンは通じなくなる頃です。題材としては、すごく難しいはずです。

【東洋経済オンライン2013/10/25】製作者が語る「まどかマギカ」ヒットの理由 「まどか☆マギカ」は魔法少女のイメージを覆した

割とほっこりした内容

今週も一番売れてる本らしく、amazon評価も4.1と高評価(10/26現在)。都市伝説系の番組で取り上げられて、410円の本が10万円超に跳ね上がり、今見ても16万円くらいでメルカリで出してる人がいますが、旧版転売の旬は過ぎた感も。

2021年に、微妙に絵の修正を加えて、タイトルフォントを変えて、完全版として販売したもので、今回は涙が消えてマイルドな内容になっています。
私が見た未来完全版旧私が見た未来 右はAmazonの書籍表紙

第一部予知夢編では、表紙の解説と夢日記の実現例の解説、第二部がミステリー漫画編という構成。

夢を通して未来を見通す行為に対して、自ら疑問を呈し、津波が2011年3月としたものが、本当は2025年7月のことで、前向きに努力してきた人は、明るい未来が待っているという意味ではないかと考察する内容に変化しています。

後半は本人の過去作品で、内容は普通のミステリー作品です。

サイババの前世の娘

19世紀英国では、サイババさんの娘という前世だという直感があり、今回1998年の訪問の手記が追加されています。この頃はサイババ氏へのメディアバッシングがあったため、本気でオカルトを信じている人向けです。

前世で娘って、誰にも言ってる社交辞令じゃないの?と感じてしまいますが、いずれにせよ、良い縁があったようです。ここでは氏への評価は控えます。
サイババ Wikipedia画像

こういう夢予言は本当なのか

ソフィーさんの経験では、いくつか正夢はありますが、普通の夢は、空から飛行機が落ちてきたり、大きな蜂が襲ってきたり、ブレーキの効かない車を運転したりと、解釈が難しいものが多いです。

後出しで予見できたように解釈できそうですが、強引に当てに行こうとする正常バイアスが怖いので、あえて検証する気にはなれません。

夢は今まで365×ナイショ日分あるので、たった、数件が合ってたところで、使い物になりません。

夢猫の予言(検証をきちんと踏まえて修正)

夢を通じて予知できるのでしょうか。

猫の生物実験(猫ちゃん、ごめんなさい)では、睡眠時の弛緩神経を切断すると、歩いたり、毛繕いをするようになることから、夢の中では日常生活のシミュレーションをしていることがわかっています。

過去の追体験、将来のシミュレーションの両方が含まれるようなので、偶然当たれば予知になります。

哺乳類の睡眠では、ノンレム睡眠がレム睡眠の3倍の時間だけ発生し、レム睡眠下では眼球が高速移動し(rapid eye movement sleep)、筋肉弛緩と脳活性化が同時並行し、ノンレム睡眠では脳が完全に休息します。

猫の脳幹と大脳の橋が損傷すると、夢を見ている時に筋肉弛緩がなくなり(Jouvet)、歩いたりグルーミングを始めます。

不眠患者の死後脳は、視床下部に神経脱落が見られるため(von Economo 1930)、視床下部が睡眠制御をするようです。視床下部は性衝動を司るため、フロイトやユングが、強い性興奮と夢を結びつけるのは、案外と正しくて、脳が眠り深く落ちるとき、性的興奮が起きています。
猫の睡眠ステージ
The states of sleep Michel Jouvet Scientific American (1967)

レム睡眠は、大脳が活発な逆説睡眠といい、大脳は覚醒して普段の生活のVR状態にいる感覚です。

私が見た未来では、警告としての意味を見いだし、災害に備える役割があると主張しているので、結果的に、たつき先生の発想は正しいといえるでしょう。

各種予言例

前述のように、夢や予知は、的中率が高くないので、否定的に考えています。

占いは、後腐れのない第三者と相談するもので、客観的アドバイスを求めるもの、あるいは、ノリで戦争や政治問題で民衆を説得させるものです。多分、超科学的手法で当てに行くのは、割と最近の傾向です。

それなりに有名な予言は、以下のようなものがあります。

■ アカシックレコード・エドガーケイシー(1877-1945)
夢から予言を引き出す例として、エドガーケイシーのアカシックレコードがあります。アカシックは神智学者のSecret Doctrine(1888)のÂkâshaの引用で、初期の頃に、神智学者アーサー・ラマースの質問への回答したもののようです。

CD-ROMデータに記録された時期には、アトランティスに住んでたとか、ユダヤ人だったとか、前世占いのものが多く、1998年日本沈没という予言もCD-ROMデータに収められています。しかし、これも明確な外れも多く、言うほど正確ではありません。

エドガーが睡眠中に、聞く人に合わせて答えるため、日本のこと聞けば戦争に負けると言うし、油田の場所を聞くと、当てずっぽうを返しています。油田に関する説明は、全くの素人知識です。

CD-ROMの記録は、質問者は奥様のガートルードと、御子息のヒュー・リン氏固定で、質問文を読み上げる形のもので。彼らに合わせた回答をしています。

最初に耳にして驚き、アメリカからCD-ROMを1万円くらいかけて取り寄せ、読んでみて、占星術が中心なので、この程度かなとガッカリしましたね。

エドガーがアカシックレコードを読むようになったのは、過去に三日三晩、苦痛と乾きに苦しみ、その忍耐によって、肉体から意識を出せるようになったからだと書かれていたので、よく言われるような、こんな瞑想したらアクセスできますよというものではないようです。仮に本物であった場合ですが。
edgar cayce ARE.pressから

■シルバーバーチ
1920年のロンドンの降霊会で、モーリス氏が居眠り中に話し始めたという霊訓で、これも、相当期待して一気に読み込んだのですが、具体的に何が言いたいの?と思いながら読むと、オチのない説明になってしまいます。頑張ってる感は伝わってきますが、意気込みだけで、具体的なところで逃げられてしまいます。

読んでいると、なんとこの世界は汚れたものかと抽象的に考えるだけなので、あまりオススメしません。
シルバーバーチ Amazon書籍表紙から

■アガスティアの葉

南インドに伝わる、文字の書かれたアガスティアの葉というバナナの葉を、依頼者ごとに選定して、予言として読み上げたものです。

日本人向けには、2015年から2017年頃に災害に遭うという内容が多いので、災害が起きるのではないかと考えた人が多いですが、結果的には外れています。

これが本当なら、イギリスがインドに攻めてくるとか、モンゴル人にインドが支配されてイスラム化するという情報があっても良さそうですが、インドにとって重要な情報が出てきません。
アガスティアアガスティアの葉 
wikipedia マラーティ語

■ファティマ予言の三つ目(1917)
1917年のポルトガル中央部1万人の人口の町ファーティマーで、ルシア、フランシスコ、ヤシンタ3名の子供に、無原罪の宿りとする女性(いわゆる聖母マリア)が現れ、言葉を残したというものです。

教皇庁の発表では、地獄の幻象、第一次大戦終了と次の大戦、1981年の教皇暗殺未遂とされますが、当のルシアが、三つ目の発表は一部に過ぎないと提訴するなど、秘情報が残っている可能性があります。

ならば聞いた本人が言えばいいと思いますが、カトリック教会内での合意があると思われ、また、1967年から6回歴代教皇が訪問しています。

1844年のルルドの泉ベルナデッタの手記に似ているので、カトリックキャンペーンのように見えますが、情報源がカトリック教会の手記しかないことと、状況の客観性に粗密があり、事実として鵜呑みにするのは避けた方が良さそうです。

ルシア Wikipedia 画像

正確な地震予知はできない

肝心の私が見た未来の地震、噴火、災害、地震予知は、10年以内に起きると言っておけば、80%の割合で当たるので、それほど難しいことではありません。

しかし、時間と場所を当てるのは至難の業で、太平洋プレートに力が加わり、ヒビが入ることが地震なので、力を入れてしなる竹に、ヒビが入る場所と時間を当てるくらい難しいことです。

bamboo pressure

最初から切れ目が入っていれば、そこから切れるとわかっていますが、その切れ目を活断層といい、地震予知は活断層調査がほとんどです。最近は、地震前に、しなり微少振動が長時間続くらしいので、DeepLearningでわかるようになったとか。

仮に、予知能力を持っていたとしても、多少の変化で将来が変わるかもしれません。

昔、東日本大震災を当てたブログが話題になりましたが、事後に時間を修正したらしいです。本当に予知能力があれば、原理的には、しなる竹が折れる時間と場所を当てることができます。

予知能力は、全てでなくとも、科学的予測と部分的に一致するはずですが、これだけ調べても、いまだに見つかっていません。

金額的には変でもない

 意図せず朝イチで鑑賞。時間帯で、ほぼ半値になるのですね。
 前評判は聞いてましたが、1300円の価値としては微妙。
100ワニ劇場版
  • 100日後に死ぬワニ
  • 100日間生きたワニ
って入社1年目の人の、何がいいたいのか不明な説明と同じで、通して話を聞いてみると、主語が変わってしまうことがあります。この場合
  •  100日後に死ぬワニの、何気ない日常を見て、1日の大切さを知る
  •  100日間生きたワニの、死の受け止めの違いを通した、他人の受容
と、主語は閲覧者、周囲の人になるうえ、本を出します、映画化します、グッズ出しますと、連続して混乱をするような情報の出し方のため、説明が拙いです。

正規の金額的には、昔、アイスキャンディを売って紙芝居を見せていた19倍くらいの値段だから、20日続いた紙芝居と考えれば、そんなに変な値段でもありません。

嫌われた電通

 電通PRという会社、親会社電通7000人に対して305人、結構社員数います。そこまで陰謀集団ではないと思いつつも、マップの人たちの指示問題、B層扱い、ステマ炎上、タウンミーティング中抜き、ブラック企業、コネ入社問題と、まるでいいところがなく、オリパラ開会式もひどいことに。

 電通と関係ないと涙の会見をするのはわかりますが、子会社も会社名に電通とつけるので、社員さんは「電通じゃあさ」と、あたかも電通の人みたいに言うので、言葉の端々にプライドを感じるので、いいとこ取りです。
pscp.tv/w/1DXGyeLoZVbGM

 お金を取るなら、amazonだって、アップルだって、マイクロソフトだって叩かれるわけで、これも新入社員らしさが出てるのですが、こちらのGIF出せば良かったのに。
感謝

 30/100日頃から構想があり、上田監督の知名度が旬のため、企画書を見ただけで通す即断即決の印象です。本作を作ったと思われるふくだ監督の主戦場の、動画作成ならば合っていたかもしれません。
「人生の予防接種として見てほしいですね」映画『100日間生きたワニ』の上田慎一郎監督とふくだみゆき監督にインタビュー

ワニが命を捨てて何を守ったのか

 劇場版を見て、違和感を強めたのですが、ワニって、自分の命を捨ててまでヒヨコを守ったのに、その設定が台無し。その後のショウザフロッグも、ワニの死の嘆きでしかありません。
ヒヨコ
 世界の芸術作品と比べるのも何ですが、レミゼラブルのジャンバルジャンは、自分の命を捨ててマリウスとコゼットを守り、その命もミリエル司祭の銀の皿がきっかけで、自己犠牲の話として名作です。その壮絶な自己犠牲に比べると、ただのワニくんの引き立て役でしかなく、扱いがひどすぎるので、劇中で主人公が死んでしまう映画の中で、一番泣けない映画に仕上がっています。
レミゼラブル

 カエルのキャラクターが「私は死に対してこう思う」であったとしても、映画で扱う死のテーマは洗練されているものが多いので、路上ライブで劇場作家の目に止まり、いきなり武道館ライブをしてしまうような、場違い作品になってしまいます。

映画で扱う死は重い

 映画における死は、無数の論文が出ているくらいで、オリンピック決勝戦くらいの注目を集めるテーマです。漫画ワンピースでは、登場人物は死なないと作者が宣言したほどで、物語によっては重要な位置づけを保ちます。

 twitterで絶妙に合っていた話として認識されているので、いきなり映画化しますと言われても、入場料収入を得るくらいしかイメージできません。本当に映画に合ってる作品だったかしら。

 アニメーション劇場版は、エヴァンゲリオンや鬼滅の刃など、アクションの臨場感やスピード感、音楽や衝撃感が計算し尽くされていて、サービス精神旺盛なレッドオーシャンで、いきなり紙芝居で出てきても、失敗するのが目に見えています。

 展開が速すぎたというのは、時間をかければ良かったというより、確実に失速することが見えていたので、淘汰に勝てるか待つべきだったという意見なのですが、主催側も、時間を置けば淘汰されるという認識は同じに見えるので、賭けに失敗したという理解で良いでしょう。


コミックスと劇場版と

 次女が鬼滅の刃が好きで、コミックスも買ったし劇場版も見ましたが、進撃の巨人が好きな長女はコミックスを買っても、劇場版は見ませんでした。

 コンテンツには適した形があり、100ワニはtwitterには適していても、あの内容の劇場版で、かつ死がテーマであるものとしては軽すぎて、評価としては世間は正しいでしょう。

 劇場版にするならば、もう少し実績のある会社と相談して、よく仕上げるべきで、劇場化は無理と返されるか、止められたかもしれません。なまじ映画化の能力があったので、悪い方向に出てしまったのかなと。



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