不動産価格はコロナ禍で下がるのだろうか
最近、コロナ禍で空室が増え、売手過多により不動産価格が下がるという見方が増えてますが、直感的には下がりそうですが、どの程度なのかわかりません。不動産は定量的指標で評価する市場なので、都心と郊外の違い、過疎地は如何といった、具体的な評価は必要です。
【楽待・yahoo! 5/14 11:00】コロナショックで「住宅ローン破綻」大量発生か
実際、REIT指数では、一時的なショックはあったものの、それなりに持ち直しているので、未来永劫下がることはなく、加熱状態が解消されたのが現実に近いです。
空室率低下トレンドから評価
住宅やオフィスは、空室が増えると供給過多により価格が下がるため、空室率推移が評価上は重要です。三大都市の賃貸オフィス空室率は、2012年以降は減少傾向にあり、首都圏のオフィスニーズが高く、賃料も上昇基調にあります。
都心5区賃貸オフィスビル賃料及び空室率(賃料は上昇傾向、空室率は改善傾向)

【国土交通省】不動産投資市場の現状について
賃貸住宅の空き家率を比較すると、全国的に空家率が増えていますが、東京が少なく低位安定しているように見えるので、少なくとも東京の住宅の値崩れはなさそうです。

【価値総合研究所】住宅市場の市場動向 空き家率

住宅用不動産価格は、2012年以降は上昇基調にあり、コロナ禍以降も、案外と価格は維持されてきましたが、特にマンション価格は上昇基調にあるので、価格が下がったら買いたい人もいるでしょう。
2015年以降30年間の人口増減率推定(国立人口問題社会保障研究所、総務省国勢調査)

【野村総研】東京23区の内8区で、今後30年間で人口が10%以上伸びる見込み
人口増減を考えると、中央区、港区、千代田区が2015→2045で30%以上増加すると考えられているため、都心回帰が見られるので、タワーマンションを買えば、値上がりするだろうと予測されるわけです。一方で、現在人口の多い練馬区、杉並区、世田谷区、足立区では、高齢化をしていくので、今がピークとみられます。
不安材料はないのか
都心にタワマン買って、値上がりするなら、買ったらいいと思いますが、そう簡単でもありません。
資金の余裕がある人は、何億円と投資をしていますが、相当程度に人口の増加を折り込んだ価格となっているため、これ以上の値上がりは難しいレベルに近く、事故物件化により大島てる事故物件公示サイトに掲載されるようなことがあれば、運用や売却益が期待できなくなります。これは全ての物件にいえることですが。
東京オリンピックを見込んで購入している人も多いですが、2021年に満員大恩礼で迎えることが難しいので、最終的に中止になる可能性があります。
2010年を起点にすると、不動産価格が上昇しているように見えますが、新規住宅着工戸数は1970年をピークに下降トレンドをたどっているため、郊外型の住宅団地が余剰になり、値下がりをしていくことが予測されます。

【国土交通省】不動産ビジョン参考資料集2030(P12)
また、デフレ対策としての金融緩和策が行われ、証券化されたREITの需給が逼迫していることも、要員の一つと考えられ、住宅価格が実態と乖離している可能性があるという指摘もあります。
住宅の場合、取得コストに与える金利の影響が大きく、また、デフレ傾向にあるため金利は抑制せざるを得ない一方で、比較的自由に政策判断で住宅金利を決められることから、急速に需要が下がれば、量的緩和が強化されるため、底堅い市場となっています。これがアベノミクスの効果。

金融政策上の後押しと、医療福祉分野へのREIT開発、都心ホテル市場の有望性から、REITは4%程度の利回りがあるため、不動産分野のうち、コロナ後も有望な投資先として残っていくだろうし、少なくとも、総崩れにはならないでしょう。
REIT市場の有望性について、金融緩和策と相関させて解説をしています。
地価上昇の副作用
地価が高いことは、資産価値を引き上げるので、経済的には良いことです。
しかし、労働者の給料の下落と地価高騰が重なると、住民が生活に振り向けられる資金は減少し、企業の経費も増えるため、売り上げ規模の小さい中小企業には大きな負担になります。そのため、家計上の問題から、少子化は避けられず、共働きにより家計収入を増やさねばなりません。
たまたま、新婚当時に周囲から地価が安いところに住んだことがありましたが、子育て世帯が非常に多く、地価には敏感です。
新規事業立ち上げにあたって、不可避の経費が上昇することは、収入が少ない最初の3年間(所謂、死の谷)の資金が枯渇しやすくなり、新しい産業の立ち上げが難しくなります。企業でも失敗するわけにいかないので、続編物やマイナーチェンジが小出しになり、ビジネスモデルが修正しにくくなります。
元々、シリコンバレーはショックレー半導体研究所、フェアチャイルドセミコンダクターがマウンテンビューに工場を建てたのがスタートで、元々は地価の安いところでした。失敗リスクの高い初期ベンチャーは、地価の安さに助けられる面もあり、都心一等地からピカピカのアイデアをひっ下げて成長するのは難しく、そういえば、ヒルズ族で有名だったライブドアも、今はNAVERの孫会社。地価高いところのベンチャーは、成功させるのが難しいです。
日本の問題とされる少子化や、イノベーションの弱さは、地価とトレードオフの関係にあり、それ自体が問題を解決するわけではありません。



















(wikipediaのネコの画像)