以下の内容はhttps://sophie-mercure.blog.jp/archives/cat_403240.htmlより取得しました。


不動産価格はコロナ禍で下がるのだろうか


 最近、コロナ禍で空室が増え、売手過多により不動産価格が下がるという見方が増えてますが、直感的には下がりそうですが、どの程度なのかわかりません。不動産は定量的指標で評価する市場なので、都心と郊外の違い、過疎地は如何といった、具体的な評価は必要です。

【楽待・yahoo! 5/14 11:00】コロナショックで「住宅ローン破綻」大量発生か

 実際、REIT指数では、一時的なショックはあったものの、それなりに持ち直しているので、未来永劫下がることはなく、加熱状態が解消されたのが現実に近いです。

reit指数


空室率低下トレンドから評価


 住宅やオフィスは、空室が増えると供給過多により価格が下がるため、空室率推移が評価上は重要です。三大都市の賃貸オフィス空室率は、2012年以降は減少傾向にあり、首都圏のオフィスニーズが高く、賃料も上昇基調にあります。

都心5区賃貸オフィスビル賃料及び空室率(賃料は上昇傾向、空室率は改善傾向)
空室率

【国土交通省】不動産投資市場の現状について


 賃貸住宅の空き家率を比較すると、全国的に空家率が増えていますが、東京が少なく低位安定しているように見えるので、少なくとも東京の住宅の値崩れはなさそうです。
賃貸住宅空室率

【価値総合研究所】住宅市場の市場動向 空き家率


住宅の不動産価格指数推移(全国)
不動産価格指数(住宅)

 住宅用不動産価格は、2012年以降は上昇基調にあり、コロナ禍以降も、案外と価格は維持されてきましたが、特にマンション価格は上昇基調にあるので、価格が下がったら買いたい人もいるでしょう。

2015年以降30年間の人口増減率推定(国立人口問題社会保障研究所、総務省国勢調査)
人口増減率
【野村総研】東京23区の内8区で、今後30年間で人口が10%以上伸びる見込み

 人口増減を考えると、中央区、港区、千代田区が2015→2045で30%以上増加すると考えられているため、都心回帰が見られるので、タワーマンションを買えば、値上がりするだろうと予測されるわけです。一方で、現在人口の多い練馬区、杉並区、世田谷区、足立区では、高齢化をしていくので、今がピークとみられます。

不安材料はないのか

 都心にタワマン買って、値上がりするなら、買ったらいいと思いますが、そう簡単でもありません。
 資金の余裕がある人は、何億円と投資をしていますが、相当程度に人口の増加を折り込んだ価格となっているため、これ以上の値上がりは難しいレベルに近く、事故物件化により大島てる事故物件公示サイトに掲載されるようなことがあれば、運用や売却益が期待できなくなります。これは全ての物件にいえることですが。

 東京オリンピックを見込んで購入している人も多いですが、2021年に満員大恩礼で迎えることが難しいので、最終的に中止になる可能性があります。

 2010年を起点にすると、不動産価格が上昇しているように見えますが、新規住宅着工戸数は1970年をピークに下降トレンドをたどっているため、郊外型の住宅団地が余剰になり、値下がりをしていくことが予測されます。

住着工統計
【国土交通省】不動産ビジョン参考資料集2030(P12)

 また、デフレ対策としての金融緩和策が行われ、証券化されたREITの需給が逼迫していることも、要員の一つと考えられ、住宅価格が実態と乖離している可能性があるという指摘もあります。

 住宅の場合、取得コストに与える金利の影響が大きく、また、デフレ傾向にあるため金利は抑制せざるを得ない一方で、比較的自由に政策判断で住宅金利を決められることから、急速に需要が下がれば、量的緩和が強化されるため、底堅い市場となっています。これがアベノミクスの効果。

不動産金利

【フラット35 2020年6月】民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等) 

 金融政策上の後押しと、医療福祉分野へのREIT開発、都心ホテル市場の有望性から、REITは4%程度の利回りがあるため、不動産分野のうち、コロナ後も有望な投資先として残っていくだろうし、少なくとも、総崩れにはならないでしょう。

<参考資料>【野村総研】日本の不動産投資市場2018
 REIT市場の有望性について、金融緩和策と相関させて解説をしています。


地価上昇の副作用


 地価が高いことは、資産価値を引き上げるので、経済的には良いことです。
 しかし、労働者の給料の下落と地価高騰が重なると、住民が生活に振り向けられる資金は減少し、企業の経費も増えるため、売り上げ規模の小さい中小企業には大きな負担になります。そのため、家計上の問題から、少子化は避けられず、共働きにより家計収入を増やさねばなりません。

 たまたま、新婚当時に周囲から地価が安いところに住んだことがありましたが、子育て世帯が非常に多く、地価には敏感です。

 新規事業立ち上げにあたって、不可避の経費が上昇することは、収入が少ない最初の3年間(所謂、死の谷)の資金が枯渇しやすくなり、新しい産業の立ち上げが難しくなります。企業でも失敗するわけにいかないので、続編物やマイナーチェンジが小出しになり、ビジネスモデルが修正しにくくなります。

 元々、シリコンバレーはショックレー半導体研究所、フェアチャイルドセミコンダクターがマウンテンビューに工場を建てたのがスタートで、元々は地価の安いところでした。失敗リスクの高い初期ベンチャーは、地価の安さに助けられる面もあり、都心一等地からピカピカのアイデアをひっ下げて成長するのは難しく、そういえば、ヒルズ族で有名だったライブドアも、今はNAVERの孫会社。地価高いところのベンチャーは、成功させるのが難しいです。

 日本の問題とされる少子化や、イノベーションの弱さは、地価とトレードオフの関係にあり、それ自体が問題を解決するわけではありません。

【LifeForEarth】シリコンバレーの地価高騰がもたらす起業家にとって辛い「思考のゆとりの喪失」

専門家会議では、今からできることがない


 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の廃止が決まったようです。

【東洋経済 2020/06/27 8:15】専門家会議「廃止」に日本政府への心配が募る訳 中立性・客観性・誠実性の言葉はもう聞けない?

【朝日digital 2020年6月26日 20時48分】専門家会議廃止、与党からも批判続出 「経緯説明ない」

 最新の専門家会議の資料は6月19日のものですが、中身をよく見ると、西浦博氏のモデルしかなく、その前回が退院基準、前々回が提言ですが、感染者数データや再生産指数が掲載されているだけで、過去、色々な調査をするという宣言が、ほとんど成果らしい結果が出ていません。

 提言の強化策を見ても、疫学データの収集、これ外注してください、あれ外注してくださいという注文ばかりで、HER-SYS導入により効果的・効率的な収集・共有と書かれたって、これ、ただのデータ管理システムです。
(※)Health Center Real-time information-sharing System on COVID-19

HERSYS
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00129.html

 最近の提言は、精緻な感染者データを疫学データに使いたいということと、予算要求資料になっているので、報告受ける側は怖いと思います。大研究機関だからといって、アウトプットは多くないので、理事長のところに上がるときは、予算要求資料になってしまいます。

【官邸】新型コロナウイルス感染症対策本部(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議資料)



事件は外国で起きているんです


 やっぱり、海外情報が取れないのは大きいですね。
(7/1の記事では、PCR検査の遅れや、臨床研究の停滞の遅れが原因の一つと指摘。これは同意。)
【AERA dot 2020.7.1】コロナ専門家会議を廃止 「日本モデル」敗北の責任者

 COVID-19の感染者臨床結果や、ワクチン開発は、日本は蚊帳の外に置かれていて、日本の研究者に聞いても、大して提供できる情報がありません。製薬は投資額を必要とするので、規模の小さい日本の製薬会社は劣勢にあることと、おそらく、今年中にワクチン接種が間に合わないので、国内情報では周回遅れになってしまい「外出禁止で日本人はCOVID-19を克服」という大本営発表以上に予想できる情報がありません。

 日本の情報は陳腐化している印象があるので、日本語情報だけでは、COVID-19は把握できなくなってますね。

【日経バイオテク 2020.06.10】米中ワクチン開発競争、いらだつ米国、実力つける中国 数年前からのバイオ・医学分野での米中対立がより鮮明に

【Japan times】The race to develop a COVID-19 vaccine, and Japan's place in it



最初から法律で廃止が決まっている


 設置時点で、最長2年の時限がありますが、時々刻々と情勢が変化するなかで、同じ事を2年間続ける意味はなく、しかも、委員構成となる国内感染症研究者の情報は、海外に比べて劣後します。

【官邸】新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 委員構成

 このまま外出禁止の継続を訴えるだけの専門家は、本当に必要ではないし、新しいモデルを作ったので発表させろと強く主張していたら、世界から取り残されてしまいます。専門家の自前主義の悪いところが出ています。

 今の時期、海外の感染情報と分析が欲しいところですが、専門家会議では感染者数等の個人が入手できる情報しか掲載していないので、専門家としての価値は疑問です。


<参照条文>○新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)
(新型インフルエンザ等緊急事態宣言等)
第三十二条 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等(国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するものに限る。以下この章において同じ。)が国内で発生し、その全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態(以下「新型インフルエンザ等緊急事態」という。)が発生したと認めるときは、新型インフルエンザ等緊急事態が発生した旨及び次に掲げる事項の公示(第五項及び第三十四条第一項において「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」という。)をし、並びにその旨及び当該事項を国会に報告するものとする。
一 新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施すべき期間
二 新型インフルエンザ等緊急事態措置(第四十六条の規定による措置を除く。)を実施すべき区域
三 新型インフルエンザ等緊急事態の概要
2 前項第一号に掲げる期間は、二年を超えてはならない。
3~6 (略)

緊急事態解除宣言

 令和2年5月25日、法第32条第5項に基づく緊急事態宣言を解除し、社会経済の活動レベルを引き上げていくとあり、後ろ髪引かれる表現であるものの、ここは割りきって解除となっています。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/th_siryou/kihon_h_0525.pdf
【新型コロナウイルス感染症対策本部決定 2020.5.25】新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針


 一方で、東京都は早ければ今週末ステップ2検討としているので、リスクの少ない集会が今週末に解除され、ギャンブル遊興はしばらく残るようです。「このくらいは我慢してね」という対象でないと、支持が得られないことと、東京はオリンピックで風評を立てられないので、解除を遅らせたい意向が強いです。
東京都ステップ

https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/967/20200522001.pdf
【東京都】新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ


https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200525/k10012443311000.html
【NHK 2020年5月25日 5時09分】 東京都 要請緩和 早ければ今週末「ステップ2」検討 新型コロナ


本当は危ない外出自粛


 外出自粛は、人間の直感に基づく対策であって、最初から科学的な理由があったわけではありません。1918年のスペイン風邪流行時に、ロックダウンした都市は機能回復が早かったという調査結果があるので、インフルエンザでは自粛が最良という判断になるのですが、医療機関のオーバーフロー回避の意味はあっても、第一次大戦後とは時代背景は違います。

累積感染者数
https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/country_count.html
【外務省】各国・地域における新型コロナウイルスの感染状況

 感染者数が多い国は、米国、ブラジル、ロシア、英国、スペインです。
 これらの国は砂糖共和国で、肥満が問題になっている地域です。

 米国では、何を飲むにも砂糖をガバガバ入れ(しかもダイエットシュガー。意味がわからない)、二位のブラジルといえば、とにかく砂糖、砂糖。ロシアといえば黒砂糖パン、イギリスは砂糖紅茶。

砂糖生産消費
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1611/spe1_01.html
【農林水産省】生産量と消費量で見る世界の砂糖事情

 COVID-19のリスクファクターは、年齢、心不全、呼吸器疾患、高血圧、糖尿病が多いです。
 血糖値が高い状態でウイルスが増えやすいので、自粛によって運動不足になることは、自発的に糖尿病になろうとして、重篤化リスクを高めることになります。また、アドレナリン過剰がサイトカインストームを起こすので、運動不足は複数の原因を引き起こします。

 このあたり、昔から人類は感染していたかもしれず、食糧事情が劇的に良くなったため、糖尿病が増え、新型コロナウイルスをまん延させてしまう結果になったのかもしれません。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7144611/
【米アメリカ国立生物工学情報センター】

http://www.seikatsusyukanbyo.com/main/opinion/003.php
【一般社団法人日本生活習慣病予防協会 2020.4】肥満は新型コロナウイルス感染の予後を悪化させる



日本円・株が買われ始める


 2025年問題という医療費負担増大を折り込んだうえでも、Nikkei225が20000を持ち直しているので、ハイパーインフレや破綻はないでしょう。

 最近、トルコリラデフォルト懸念があるので、日本でも2025年問題の一部が起きていても、2025年に急に炎上せず、日本円高である限りには、財政問題が顕在化することがありません。

 トルコはデフォルト懸念のある国となりつつあり、エルドアン大統領が利下げに反対した中央銀行総裁を更迭し(2019.7.6,トルコリラ暴落)、イスラム教保護政策を打ち出し、積極財政を続けています。中央銀行の独立性、政教分離、ロシアからの対空迎撃ミサイル購入、新型コロナ感染者は、トルコ157千人、日本16千人と10倍いるので、日本よりもかなりトルコは厳しいです。

 こうなると、ファンダメンタルが強く、新型コロナウイルスの影響が少なく安全保障面の安心から、日本が資金回避先になることと、米USDがゼロ金利政策に入ったため、日本円は買われることになっています。

 ロシアはコンスタンチノープル教皇庁キエフ支部が出発点なので(マルクスは体制ロシアを意識して、宗教はアヘンと言った)、イスラム教とは相容れませんが、ロシアは昔から民族活動を支援して独立運動を起こさせ、その地を保護国として吸収してきた歴史があります。

 東では北朝鮮の金正日、ドイツでは反ナチスのSED(1946~)、オスマン帝国はシリア、イラク、アルメニア、セルビアといった国々を独立させました。今回、政教分離体制からイスラム体制に逆転させ、エルドアン大統領がプーチン大統領を強い指導者としてリスペクトしているので、ロシアは往年の外交手腕を使って、場合によっては、NATOを瓦解させる可能性があります。

 トルコはロシア海路の重要拠点のイスタンブールを持っているので、どうしても、自分の勢力下に納めたいところでしょう。

トルコ


トルコがドイツ型ハイパーインフレになる条件

 トルコは金融政策的に悪手を打ちましたが、ドイツ中央銀行ライヒスバンク総裁は終身制だったため、政府の意向に反して、膨大な賠償金を強制的に通貨発行しました。
 現在、トルコは外貨準備がありますが、リラが暴落して利上げを拒否することで外貨が枯渇した場合、エルドアン大統領が中央銀行に指導力を発揮すると、スパイラル的にリラが下落してインフレーションになってしまいます。

 エルドアン大統領がオスマン帝国復活を目指していると聞きます。世界的には、トルコが非常に危ないです。 

レナウンは、コロナウイルスや山東如意科技売掛金回収不首尾を契機として民事再生に至りましたが、背後も踏まえると、かなり複雑な問題です。

 アパレル分野は、業種別では収入が低く長続きしないため、常時求人状態により有効求人倍率が高いです。外国人技能実習生からも嫌がられるほど劣悪な職場環境で、縫製工場の問題は枚挙にいとまがありません。

 アパレルファッション商品は、資本主義の例に漏れず、需給で価格が決まり、商品が売れ残れば資金回収不能になるので、原価や正当報酬の請求の困難になるケースも多く、30年間に1/6まで国内事業所数が淘汰されました。

繊維の統計表

https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/kougyo/result-2.html
【経済産業省工業統計調査】工業統計1990年以降の繊維分野の事業所数及び出荷額

 コロナウイルス対策による人の密集回避策は、ビジュアルの美しさと集客力が発揮できなくなるため、大きな影響を受ける分野でもあります。特に百貨店依存度が高い企業は、非常にリスクが高いです。


ファストファッションというライバル

 レナウンの低迷は、ファストファッションによる専門店(SPA)販売攻勢の影響が大きいです。

 ファッションの賞味期限は4ヶ月間です。
 パリコレやNYFWで使われたデザイン商品を、翌年のシーズン開始からバーゲンまでが賞味期限であり、バーゲン期間に値引き、売り切ります。通常の定価販売期間をプロパーといい、プロパー消化率が人気の指標です。

 ファストファッションは、この4ヶ月の賞味期限に販売し、次々と新商品を出していく戦術で、ZARAやH&Mは、商品の売れ行きをリアルタイムで管理し、完全に売り切ってから、次の商品へ移ります。旬の時期だけ売るので、ブランドに先進性を感じる人も多く、不良在庫を最小限に抑えて利益率を高く取ることができます。

 ファストファッションは、服を使い捨てにしているという批判も多く、エシカルやサステイナビリティ戦略のアンチテーゼになり、化学繊維(プラスチック)を使った環境破壊として槍玉に挙がることがあります。しかし、ファストファッションは売れ残りを出さず、商品開発タームを短くしているため、不良在庫は少なく数%程度と見積もられています。

 服のデザインは、視覚的感覚に基づいて評価されるため、正解の値段がなく、不人気になれば無制限に安くなり、値段がつかなくなります。定番の比率を減らし、旬に売ることと、売れ残りを出さないことを両立させて販売をしてゆけば、自然と、ファストファッションに近づきます。
FAST FASHION

https://highlark.com/fast-fashion/
ファストファッションイメージ引用元

 
山東如意科技のブランド戦略の誤解


 ファッション商品は、人通りが多く、美しいディスプレイで売るのが、最も効率が良く、レナウンは、百貨店のよく見える場所を確保しています。一つのブランドごとに、商圏が被らないようにロケーション配分をして、販売展開をすることで、売り上げを最適化します。

 一方、1990年代から、製造から販売までサプライチェーンを一貫して流通させる、SPA(アパレル専門店)形態の企業が現れました。流行や商品企画の情報はブランドホルダーの卸売業者に集まり、コントロールできるため、ブランドホルダーは製造工場に対して、指示通りに製造することを求め、責任を持って買い上げていました。売れ残りリスクと品質リスクがあるので、ブランドには高度な見識が必要でした。

 しかし、SPAがハイブランドを切り崩し始め、百貨店も売り場面積を減らしていくと、プロパー消化率を維持するために、高価格帯にシフトして、低価格帯を切り離す必要が出てきます。デパ地下という言葉のように、百貨店は食品に力を入れるようになり、消費者も、手軽に服を専門店で買えるようになると、百貨店の衣料品売り場から人が減り始めました。これが、消費行動の変化です。
百貨店販売額推移
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/pdf/h2amini072j.pdf
【経済産業省 2017.2】百貨店衣料品販売の低迷について

 日本という市場に限れば、最優位な百貨店を抑えているものの、限界が目に見えているならば、新市場を開拓する必要があり、ECや専門店の他、中国という新天地にレナウンは魅力を感じ、山東如意科技の投資に乗ることになります。

レナウン売上と包括利益

 山東省は伊藤忠商事が強く紹介もあり、習近平の妻や李小鵬など、強い人脈が張り巡らされた地域でもあります。債務保証の強い後ろ盾を背景に(推察)、山東如意科技はブランドのレナウン株にファッション帝国戦略に組み込み、レナウン株式を引き受けます。しかし、習近平は汚職に強い嫌悪を持つ人物でもあり、汚職摘発を徹底的に進めた結果、不透明な経理を山東社は表面化することになったと考えられます(中国側の事情)。

 山東社の出資が2010年なのに、ECモールへのレナウン社の参加が2018年なので、時間がかかり過ぎていますが、中国で日本のブランドを売れば、飛ぶように売れるという性格のものではないので、win-winの関係が築けないまま、時間が経過していきました。

 また、2020年には新型コロナウイルスによる休業により、主力販売チャネルで販売できなくなったことで、山東如意科技の売掛金回収不首尾、ブランド買収による過剰債務が表面化します。

 販路に流せば良い状態ならば、すぐ回収できますが、中国でもグローバルブランドが展開開始しているため、日本のレナウンがノウハウなく参入して成功できるものではなく、山東如意科技は、ブランド実店舗経営の経験に疑問を感じるほどに、遅々とした展開でした。

https://www.renown.com/ir/release/2020/l2h587000000573c-att/pdf_ir200515.pdf
【レナウン2020.5.15】民事再生手続開始等に関するお知らせ

https://senken.co.jp/posts/renown-200518
【2020/05/18 06:30 更新】レナウン 資金繰りに行き詰り 山東如意と経営めぐる混乱も

https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP503386_S9A220C1000000/
【日経電子版 2019/2/22 12:00】 伊藤忠商事、資本・業務提携先の山東如意科技集団の米LYCRA社買収に際し出資参画

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000034149.html
【JD.com京東日本株式会社】中国繊維大手アパレルグループ如意集団と戦略的業務提携を締結 ボーダーレスリテールの新たな価値を提供 


ファッションブランド合理の罠

 ファッションブランドは、元々は、メゾンが外注品を売るものであって、ココシャネル以降、アパレルでも仕組みは同じです。しかし、工房にとって、ブランドが何百倍の値段になる理由がわからないので、いっそ、自社ブランドを売ってはどうかと考え始めたのが、イタリアミラノブランドです。ミラノは旧名メディオラヌムという、平野の中心という意味の流通の要所です 。巨大なアパレル市場を作ったココシャネルも、今は香水に名前を残す程度で、工房は皆、独立してしまいました。

 ここで、ブランドは要らないので、ユニクロでいいやと思いのアナタ、ユニクロは本当にブランドでないとお思いですか? 三井越後屋嫡流企業の、日本有数の繊維会社の東レが開発し、機能性をふんだんに盛り込み、体温と気候を合わせた服というのは、ブランド価値がないものなのか。立地の良いところにSPAを建てて、買いやすい服を売っています。ブランドは名前だけで価格がつくと考えられる概念ですが、必ずしも華々しいものではありません。

 ブランド庇護の下、日本の製造業者は、言われたとおりに作るだけで、双方向の商品開発や提案はありません。色形寸法イメージと原価率が示されて作るので、あまり原価に費用をかけると百貨店の仕様に合わなくなるので、指示されたコストで作るしかありません。しかし、外国人のバイヤーさんに日本ブランドについて聞くと、なぜ日本ブランドは価格しか言わないのだと首をかしげているようで、想定顧客とビジョンと訴求力がないので、あまり響かないようなのです。

 また、特に縫製業は、外国人技能実習生から見ても薄給なほどに、大量に安い給料で作業しなければなりません。こうなると、ブランドの価値は如何なるものなのでしょう。


 百貨店の売り場確保の原価率の仕様を満たし、それなりに魅力的な商品であろうことを説明するものの、それは、薄給の縫製や、海外の人件費の安い国で作られた製品だから仕様に収まったのです。アイデア一つで98%を海外へ外注し、企画と商品管理くらいしか機能がありません。
外国人

https://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=545322&comment_sub_id=0&category_id=1153
【中国新聞Digital 2019.6.1】「特定技能」職種で明暗 製造・外食○/縫製・コンビニ×
画像は中国地方の外国人技能実習生の風景


 https://www.businessinsider.jp/post-193588
 【日経 Jun.28,2019】NHK報道に「また縫製か」、ベトナム本国にも伝わる日本の「悪条件」業種


ネットビジネスでファッションを売る難しさ

 ファッション商品のECは、返品率が高いので、レナウンが取り組むには、難があったと思われます。リクルートスーツや礼服は、一回、キレイに着て、到着が遅れて間に合わなかったとか、サイズが合わないといって、返品する層が存在します。

 アマゾンでは、返品リスクを避けるため、一日でも早く配達したり、ZOZOでは返品を前提としていますが、レナウンでは着ルダケというサブスクリプションを導入しています。ECはリピーターが成功の秘訣で、優良顧客獲得が第一です。

 ネット先行企業のスタートトゥデイ(ZOZO)は、ファッション会社としては成功しておらず、ZOZOの2018年度のセグメント別の売上91%が受託ショップです。これでは小売店に近く、プライベートブランドを売ることが課題であると有価証券報告書から見えてきます。

https://corp.zozo.com/ir/20190626-8119/
第21期 株式会社ZOZO有価証券報告書

服の安売り地獄

 ユニクロは手ごろな価格路線という印象がありますが、有価証券報告書では、機能性商品の功績が大きいです。同社のエントリー製品部門のGUは、セグメント収益では売上が1/4ですが、利益が1/10と利益に大きな差があります。

 GUの説明では、生産計画の精度や生産プロセスという言葉に見られるように、売れ筋を見誤ったり、まだ高コストであると分析しています(P11)。安い商品を売り出すと、デフレスパイラルに入り、より安い商品を作る必要が出てきます。

https://www.fastretailing.com/jp/ir/library/pdf/yuho201908.pdf
【ファストリテイリング  2019年8月】有価証券報告書

 低コスト路線の失敗例として、2013年のラナプラザビル倒壊事故が挙げられ、世界のアパレル企業が、女工さんの工賃を買い叩く形で服を作らせていたことが判明し、工賃を搾取するグローバルブランドという印象を与えました。

ラナプラザ

https://www.fashionsnap.com/article/Rana-Plaza-collapse-5years/
【FASHIONSAP.COM 2018.4.30】ファッション市場最悪の事故から5年、バングラディッシュは変わったのか

 ラナプラザビル倒壊事故は、三つの問題を示しています。
 一つが、グローバルブランドは劣悪な環境で縫製された商品を含むこと、二つ目が、中国ですら高い人件費であり、更に低賃金国で生産されていること、三つ目が、製品が売れない場合、縫製業者にしわ寄せがあるということです。回収資金を必要な請求先に払っていくと、どうしても足りなくなるので、縫製工場をコストダウンする必要があり、低人件費国へ移転させてきました。

 縫製工場は簡単に投資ができる労働集約業務のため、低賃金国の主要産業になることがあります。安価な服は、低賃金国に大量発注をして、資金回収困難が頻発するように、需給が厳しい価格帯の競争になるため、最初から目指すわけではありません。


ファッションの将来の希望が全くない

 世界的投資家のバフェットの所属するバークシャーハサウェイは、綿紡績の会社でした。総合商社にも、名称に綿や紅がついたものがあったように、イトヘン産業は投資の出発であり、成長に伴い卒業する分野でもあります。

 ファッションが好きで、おしゃれを自認する人は、アパレル企業には就職せず、好きな服を買うだけの給料が貰える大企業に就職します。アパレル企業は給料が低いので、ブランド企業といえどもブラックな職場であるため、好きな服も買えないことがあります。

 リーマンショック以降、ファッション業界では商品の下限値がなくなる一方で、ブランドの変調が既存商品の値付けに影響するため、計画未達を見せないようにしてきました。ファッション帝国建設のための山東如意科技による巨額な買収は、皮肉なことに、アパレル分野全体の苦境を明らかにすることとなりました。

 見えない闇を隠して成長の見通しを描いた結果、言い出した本人も信じてしまい、帝国の夢を持った裕福な投資家が加わるも、資金の後ろ盾をなくしたら、お互いの見えない闇を表面化する羽目になってしまったという話です。

 きっかけはコロナウイルスですが、かなり複雑な問題を抱えています。

https://biz-journal.jp/2020/02/post_141017.html
【Buisiness Journal 2020.2.10】レナウンの親会社、中国“ファッション帝国”企業にデフォルト懸念…伊藤忠も共同出資

緊急事態宣言解除と感染観察の観察

 5月14日に緊急事態宣言を変更して、北海道、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、京都を5月31日までの緊急事態措置実施としました。解除の目安を1週間の累積報告が0.5人/10万人として、その他総合的に判断とのこと。
 
 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/th_siryou/sidai_r020514.pdf
【5月14日】第34回新型コロナウイルス感染症対策本部資料
 
 解除された、「緊急事態措置を実施すべき区域」以外の39県は、「(3)まん延防止6)緊急事態措置の対象とならない都道府県における取り組み等」として、対人離隔、マスク、手指衛生の実施、不要不急の帰省や旅行は避け、大規模催物は慎重な対応、テレワーク時差出勤、施設管理者の三密防止協力依頼を求めていくとのこと。
 
 解除された39県の対策は、表現が似ていますが、数値目標を伴う、8割の接触回避が外れて、新型コロナウイルス低減の取組を協力を継続する体制に移ります。これは考え方が難しく、都道府県への義務が消えても協力は求められるのであって、特に、学校はかなり厳しい管理下で再開していくことになりそうです。
 
 文理上は、5)学校等の取り扱い」が「6)緊急事態措置の対象とならない都道府県」に掛かりませんが、武漢への修学旅行が感染のきっかけの一つなので、文部科学省の局長通知文で、音楽、家庭科、技術、グループ学習、運動会、修学旅行が「感染症対策を講じてもなお感染の可能性が高い学習活動」として、当分の間は禁止されています。しばらく、解除されたという報道に戸惑うでしょう。

https://www.mext.go.jp/content/20200324-mxt_kouhou01-000006130_2.pdf
【文部科学省 令和2年3月24日】新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業の実施に関するガイドライン

https://www.mext.go.jp/content/000051148.pdf
【文部科学省初等中等教育局長 令和2年5月1日】新型コロナウイルス感染症対策としての学校の臨時休業に係る学校運営上の工夫について(通知)


専門家会議と知事の二元体制がある


 専門家会議では、特定警戒都道府県、感染拡大注意都道府県、感染観察都道府県の三区分とし、39県は緊急事態措置実施県(特定警戒都道府県)から外れて、感染観察都道府県となります。

 感染拡大注意都道府県は、特定警戒都道府県に入れないものの、都道府県知事の指導力を発揮するステージであり、PCR検査で0.25人/10万人程度の目安と見られますが、協議しながら対象に入れることになります。

 専門家会議の提言に「国民の自由と権利の制限は必要最小限」という表現が記載されていますが、緊急事態宣言の内容は、憲法第13条と第31条に反する部分があるので、ここまで超法規的制限を求めると、補償が必要になる水準です。安倍政権は、これ以上は難しいと考えたのでしょう。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000630600.pdf
【専門家会議令和2年5月14日】新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言
※ 特定警戒都道府県、感染拡大注意都道府県、


レナウン民事再生

 それと、レナウンが民事再生に入りました。
 東京商工リサーチでは、宿泊、食品、アパレルの倒産が多いと評価していましたが、レナウンさんが経営破綻です。宿泊と食品は、なんとなく理解できますが、アパレルもコロナウイルスが直撃しています。
百貨店
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/pdf/h2amini072j.pdf
【2017年2月 経済産業省】百貨店衣料品販売の低迷について

 百貨店で1階にあるのは婦人服や化粧品で、しかも、消化仕入れという、売れる瞬間だけ売り上げに入れるという有利な契約のため、百貨店不振をアパレルが被るので、コロナのように街が閉鎖されてしまうと、アパレル企業のうちレナウンのような赤字企業が破綻してしまいます。
 5年前でも、百貨店が25%の販路であったので、現在でも、百貨店依存はまだ大きいのです。

 アパレルとコロナウイルスは関係なさそうですが、百貨店の集客力でブランド品を売っているので、外出が止められると、一番ダメージが大きい分野です。

http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200513_08.html
【東京商工リサーチ 5月13日】「新型コロナウイルス」関連倒産状況【5月13日17:00 現在】

緊急事態宣言の出口が作れない理由

 大阪府では出口戦略(警戒信号消灯基準)が示されましたが、感覚的には妥当な基準ですが、東京では救急搬送困難件数(5件以上の受入拒否)が激増しています。

 東京では緊急搬送困難件数(5件以上の受入拒否)が増加し、緊急搬送件数は人口密度と相関関係にあるので、人口密集地域では頻繁に緊急搬送困難が起き、救急車で30分以上、感染者がさまよっています。受入拒否は、近年、医療訴訟が増えたので、少し専門から外れた患者はリスク回避のために拒否をしているらしく、お医者さんには、最善を尽くしてくれたことを感謝するにとどめるようにしたいところです。個々に事情はあると思いますが、誠実にいきたい。

 また、東京はオリンピックを満員御礼で2021年に迎えるシナリオを組んでいるので、悪評を立てられません。治療費1件55万円という情報もありますが、アビガンを飲めば治癒という簡単な感染症でないので、感染者が増やせないところでしょう。

大阪モデル汎用化の問題


大阪府モデル警戒信号消灯基準((1)(2)(3) AND7日維持で解除)
(1)リンク不明者数10人未満
(2)PCR検査陽性率7%未満
(3)病床使用率60%未満

 PCR検査は「コロナかも」と思った人を検査すると、感染者を60%程度の検出率で判別できるというもので、結果が出るまで最長一週間の時間がかかります。このPCR検査をしても陽性率7%ならば、統計学的にも稀頻度になるので、数値としては妥当な水準です。

「新しい生活様式」の実施と、PCR検査継続の指示を対策本部が継続させるため、緊急事態宣言は解除せずに、軽い警戒態勢へ移行するという判断になると思われます。総理大臣や知事は超法規的権限がありそうなものの、法律の委任がないと権限行使ができないので(憲法31)、緊急事態宣言を簡単に解除できない事情があります。

 このあたり、微妙なオペレーションが続くので、「出口戦略」という言葉を軽々に使うと混乱してしまいます。

https://www.sankei.com/west/news/200424/wst2004240033-n1.html
【2020.4.24 19:14産経WEST】救急搬送困難、総務省消防庁が実態調査へ 都市部で深刻化

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58497990U0A420C2SHB000/
【日経新聞 2020/4/26 2:00】感染を恐れ救急患者たらい回し 瀬戸際の医療現場

https://news.yahoo.co.jp/byline/mizushimahiroaki/20200506-00177220/
【水島宏明 上智大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター 5/6(水) 19:25】新型コロナ“出口戦略”で独自基準を示した吉村知事VS小池知事VS西村担当相 情報番組での軍配は?

http://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/osakakansensho/corona_model.html
【大阪府 2020.5.5】5月5日、府独自の基準に基づく自粛要請・解除及び対策の基本的な考え方『大阪モデル』を作成しました。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200506-00010009-flash-peo
【5/6(水) 20:52配信 Flash】新型コロナ患者が明かす感染から退院まで…費用は17万円


学校9月制への移行はあり得ない


光陰矢のごとし、少年老いやすく、学成りがたし

 5月4日に村井宮城県知事が提唱した、4月制から9月制への移行ですが、成長著しく、多感な子供の5ヶ月は非常に大きな価値を持っています。カナダ、アメリカ、フランスで簡単に2ヶ月程度の教員のストライキが起きるのですが、ストライキが子供の学力が低下という問題を抱えているのに、更に5ヶ月休校ありきは乱暴であって、どう再開するのかを考える局面です。

 これ実施すると、ゆとり世代のように、コロナ世代という言葉もできてしまいます。

https://toyokeizai.net/articles/-/348394
【東洋経済 2020/05/04 5:45】賛否沸騰「9月入学」は"来年実施"が最適な理由 今年9月でも来年4月でもない選択肢 石田 勝紀 : 教育評論家・都留文科大学特任教授

解除に希望が見えてきた

 新型コロナウイルス対策専門家会議の提言が、ダメだしに終始し、解除できない理由を述べるにとどまっていたので、5月14日までに、緊急事態宣言解除基準を作ろうという動きが出てきたのは前進です。相当、突き上げがあるのでしょう。

 海外で感染者が多いのは、医療崩壊が原因であって、緊急事態宣言は医療崩壊回避を目的とするので、感染者数、入院者数に加えて、クラスタ発生地域の医療体制の余力を総合的に決めることでしょう。ドクターヘリも動員することでしょう。コロナウイルスの特性から、5月、6月は感染者が減るといわれてますが、これを折り込めるのか、また、年末に収束できるかは気になるところです。

 首尾良くいけば、生活の不自由が解消されて、絶望的な状態から生計を立て直せるかもしれません。

https://news.livedoor.com/article/detail/18223786/
【ABEMA TIMES 2020年5月6日 21時20分】安倍総理、14日までに緊急事態解除の基準を示す考え ニコ生で表明

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200506/k10012419741000.html
【NHK web 2020年5月6日 23時23分】安倍首相「緊急事態宣言解除の判断基準 専門家に依頼し作成」

アビガンは重篤患者への治療特効薬ではない

 それと、ネット上で、アビガンがあればいいじゃないか的に言われることがありますが、初期段階では効くものの、重篤患者には、アビガンは、あまり効果がありません。

 重篤患者は、増殖するコロナウイルスに侵食されているのではなく、自分の抗体が心肺や気道の細胞を線維化させてしまう症状が問題なので、問題をウイルスと症状を切り分けて考えねばなりません。

 下の図のように、重篤患者の場合、コロナウイルスのいるACE2受容体ではなく、心肺や気道への抗体による過剰な作用が問題箇所なので、治療できる薬ではありません。
 多少、ネット上の情報の行方が気になったので、追記しました。

アビガンの効果2
※ アビガンの効果 参考
http://www.jscm.org/journal/full/02902/029020058.pdf
【日本臨床微生物学会2019】ファビピラビル(T-705)ウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼ阻害剤

https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14354
【日本医事新報社】緊急寄稿(3)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を含むウイルス感染症と抗ウイルス薬の作用の特徴(白木公康)

 新しい生活様式について、専門家会議の説明がありましたが、自粛疲れが出ているのでマイルドにしようという意図はわかりますが、思ったよりも不評なので、新型コロナウイルス対策は荒れるかもしれません。

第二波に備え解除はワクチン開発を待てという提言

 専門家会議の提言は、予想以上に厳しい内容です。
 簡単に言うと、
1.東京は実行再生産数を減らしたが、地方で増えているので、全国的な対策が必要
2.PCR検査という比較的簡単な検査ではなく、もう少し精密な検査が必要
3.重篤患者は入院期間が長いので、患者数が減らず、病床数を圧迫している
4.これは収束に1年かかる、自粛じゃなくて新しい生活様式だね
5.ハーバード大学発表(2020.4.4)参考にして、ワクチン開発まで日本は解除を待とうね
となっています。

 倒産、自殺、死に目に会えないという問題はあるけど、これは社会的課題なので、皆さん、頑張って解決を目指してください、と添えられ、経済財政担当大臣の検討というのは、そういう背景なのでしょう。新しい生活様式は、手洗い、離隔距離、うがい、対面会話の回避等々と説明してました。

 今回の提言では、ワクチンできるまで自粛(じゃなくて新しい生活様式)して待たないといけないという論調のため、下手に考えることはやめたようです。

 ハーバード大は日本と定義が違いますが、下グラフの色塗りが対策期間、左グラフ(黒線)が感染者数、右グラフ(赤線)が重篤患者で、減るまでは対策を取らないと、感染者が増えていくということ、集団免疫獲得には4~5年かかるので、短期的には期待できないという説明です。

提言内容

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200501/k10012414401000.html
 専門家会議が提言“地域の状況に応じた対策必要” 新型コロナ 2020年5月1日 19時12分

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000627254.pdf
【2020年5月1日】新型コロナウイルス感染症対策専門家会議提言

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000627255.pdf
【2020年5月1日】新型コロナウイルス感染症対策専門家会議提言概要


効くワクチンはできるのか

 COVID-19は新型インフルエンザですが、そもそもワクチンは重症化を避けるもので、接種していても半分の方は感染します。一部に82%の死亡リスクを下げるという報告もあります。

 ワクチンは、A(H1N1)のような、コロナウイルスのスパイク形に合わせて作るタイプが多いのですが、今回の重症患者は、自分の抗体による内臓細胞の攻撃が起き、仮にADE(抗体依存性感染増強現象)という、抗体がウイルスの材料にされてしまうならば、ワクチンがADEの引き金になる可能性があります。普通のワクチン開発は18月かかるので、早期に流通するものは、スパイクタンパク質ワクチン、表面のザラザラ感を抗体に覚えさせるワクチンと予想されます。

 製薬の世界は、無数の研究のうち一つが成功すれば良いというハイリスクビジネスなので、研究開発投資額がモノを言う世界です。世界的には日本はランク外で、ロシュ(スイス)、ファイザー(米)、ノバルティス(スイス)、メルク(米)あたりを中心に開発が進められています。国内の情報は非常に少ないです。

https://answers.ten-navi.com/pharmanews/16219/
【2019/05/15 Answers News】【2019年版】製薬会社世界ランキング 売上高トップはロシュ、2位はファイザー 上位陣は軒並み増収

今後どうなるか

 自粛が継続し、土地の集客力が失われると、不動産価値が下がるので、バブル経済と逆の資産効果が生じます。資産が減れば住宅価値が下がり、車も必要なくなります。集客力を生かした商売の百貨店、ブランドアパレル、食品は壊滅的なダメージを受けます。

 日本が裕福だったのは、加工貿易で成功したからです。
 しかし、車や住宅が売れない内需の小さい国の製品って、どれだけ競争力があるのでしょう。専門家会議の言う新しい生活様式は、日本が裕福だった原因の放棄でもあるので、、日本は相当貧しい国になるかもしれません。

 テレワークには少し疑問があり、ネットを通じたアウトソーシングは、youtubeやクラウドワーク等は広告収入を獲得するものが多いものの、経営が防衛に入ると、広告が激減します。

 ネット副業情報を見ると、せどりで稼ごう、転売で儲けようというものが多く、製品保証を分断した流通経路を作るだけなので、社会的には歓迎されていません。

 消費税引き上げの懸念もあります。
 消費税増加分は社会保障に使うと言ってました。言い換えると、社会保障費が高騰すれば、消費税が上がっていく可能性がありますが、医療費は社会保障費用なので、医療機関がフル稼働していると高騰するので、消費税を上げる理由が立ってしまいます。
 同じ社会保障費の年金を削るのは難しいでしょうから、舵取りは大変です。

社会保障給付費の推移(2018予算ベース)
財政医療費

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia310423/01.pdf
【2019.4.23 財務省 財政制度等審議会】社会保障について

https://www.mof.go.jp/consumption_tax/index.html#
【財務省】消費税率引上げについて

5月6日は緊急事態宣言延長


 安倍総理大臣の発言に「専門家の意見を聞いて」というコメントが増えています。
 これは、4月22日の専門家会議を指しているようですが、要約すると、① 接触機会80%削減と提言したが65%しか達成できなかった ②今からでいいから劇的に接触行動を減らせ ③今の削減率では一日100人以下の感染者に抑えるには90日以上かかる という内容です。

 モラハラな印象がありますが、接触回避8割削減くらい何でできないの、何でテレワークに取り組まないのかな、結成抗体検査がないので地域の感染状況が把握できないよ、「優生思想による判断が行われかねない(現場は上級国民から助けるかもよ)」ってあるので、まじめに報告書を読むと、少し過激な要求です。ここで感染者数一日当たり100人に抑えるという目標を建てています。

専門家会議

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200426/k10012406051000.html
【NHK News Web 2020年4月26日 5時11分】緊急事態宣言“来月6日全面解除は困難”政府内の意見強まる

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000624048.pdf
【2020.4.22】新型コロナウイルス感染症対策専門家会議


緊急事態宣言の解除要件は何か

 文理上は接触回避80%のように見えますが、感染者数100名が日本の医療機関の収容力で、ここまで抑え込めれば、医療崩壊にならないと考えているのでしょう。

 シナリオに実データを重ねて見たところ、思ったより感染者の減り方が早いので、このまま感染者が減っていけば解除できそうです。しかし、テレワークを進めることや、接触回避の努力は無駄ではないので、引き続き継続をお願いしたいとなるでしょう。

 シナリオでは、一度感染した人に免疫の防波堤効果が起きて、抑止に働くと考えられていたのですが、8割の人が軽症で済んでいるので、かなりの防波堤効果が起きているはずです。今後の抗体検査に期待です。


シナリオと感染者数の重ね合わせ
感染者推移


相当、解除するか迷うレベル

 4月11日のピーク時に700人の感染者数だったものが、200を切るところまで来ているので、収容能力の限界には達せず、医療崩壊は避けられると見込めるレベルです。専門家会議で一日100人という数字が出ているので、ここを切れれば、解除は現実的になってくるでしょう。


5月7日以降の緊急事態宣言


 5月7日以降も緊急事態宣言を残りますが、6月は今の状態は続けられないようです。
 現時点で、学生さんの規定日数が危ういので、夏休みも学校に通う前提で登校日程を組み、逆算して6月には解除しないと、進級生徒なしになってしまうようです。テレワークや休業依頼は続け、密集状態にならないようコントロールしながら、徐々に解除していくようです。

 4月16日に京都、愛知を地域追加しましたが、マスク着用とアルコール殺菌を半強制にして、2メートルの離隔距離を取り、仕事はテレワーク中心で、できなければ、休業依頼という強い体制。これはしばらく残るようです。

西浦教授の数理モデルは未来を試算していない


 西浦教授の数理モデルと思われる図式は、思ったよりも計算が単純で、基本再生産数R0は、現実の感染者数が跳ね上がれば、連動して跳ね上がってしまうので、仮に80%が守れても、実際に抗体ができた人の人数を把握できているわけではないので、将来の感染者数を推定できません。そもそも、どうすれば解除できるかという目標を設定できません。

<https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200420-00050131-yom-pol>
【読売OL】緊急事態宣言から明日で2週間…政府、慎重に解除見極め 4/20(月) 18:06配信

COVR0グラフ

 こちらは8割モデルの再現を試みたとされる記事です。過去に、潜伏期間と感染速度から感染者数を算出する論文を書かれていますが、感染速度と快復速度を微分で計算していますが、現実の感染者数によって、大きく影響を受けます。

<https://www.iwanami.co.jp/kagaku/Kagaku_202005_Makino_preprint.pdf>
<http://jun-makino.sakura.ne.jp/articles/corona/note001.html>

<https://www.ism.ac.jp/editsec/toukei/pdf/54-2-461.pdf>
感染症流行の予測:感染症数理モデルにおける定量的課題 西浦 博・稲葉 寿


COVID-19の特徴

 新型コロナウイルスの侵入の受容体は、SARSと同様にアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)であり、エンベロープがACE2に接触してウイルス外膜と細胞膜が結合して感染します。
 ACE2は肺、腎臓、消化管に存在し、ACE2受容体は、高血圧、心不全、糖尿病、呼吸器疾患を防ぐ機能がありますが、新型コロナウイルスの受容体でもあるため、COVID-19が重篤になると、心不全、糖尿病、呼吸器疾患を引き起こしてしまいます。高血圧の治療のためのACE2の増加は対抗措置になるため、ACE2治療薬を控える必要はいようです。

 COVID-19では、CD4陽性T細胞数減少の観察例があります。
 仮にCD4陽性T細胞が新型コロナウイルスに感染し、破壊されている場合、抗体介在性感染増強(ADE) が起き、HIVと同じ免疫不全の現象が起きます。HIVの他、デングウイルス、エボラウイルスもCD4陽性T細胞に感染します。ADEを簡単にいうと、ウイルスが抗体を食べることです。

 しかし、SARSではADEは否定されており、再感染時にADEが発生すると説明する方もいますが、無症状感染者の説明がつかなくなります。仮定の話として、第二波で再感染が起きた場合、抗体が無効になっているかわからないので、そうなれば、被害は甚大になってしまいます。

猫のコロナウイルスによる抗体介在性感染増強(ADE)と抗体

 コロナウイルスは、獣医さんの世界ではよく知られた抗原で、猫伝染性腹膜炎(FIP)という不治の病を起こすことがあります。FIPは人為的な多頭飼育でよく見られ、ADEが起きます。こうなると、猫は対抗手段がなくなってしまうので、腹水がたまり、平均余命二週間で死んでしまいます(ウェットの場合)。

 FIPのコロナウイルスのADEは再感染により発現し、腫瘍壊死因子(TNF-α)を産出し、ウイルス受容体となるうえ、炎症(腹膜炎)を引き起こしてしまいます。ストレス時に副腎から分泌されるアドレナリンは、抗体(サイトカイン)分泌を増幅しますが、猫ではストレスがFIPの原因と考えられているので、発生機序が似ている可能性があります。

猫(wikipediaのネコの画像)

 コロナウイルスについて、不明なことが多いのですが、突然変異により、抗体を大量に生じさせたり、ADEを起こす能力を持ったりします。


COVID-19とシュレディンガーの猫

 シュレディンガーの猫は、死亡率50%のブラックボックス中の、50%死んでいる猫という、現実に存在しない猫です。これは、原子核の半減期では、必ず半分が壊変するものの、個々の原子は50%壊変という状態がないという矛盾を暗示するものです。これは、システムという個々の物質と異なる概念があることを意味します。

 COVID-19は、ブラックボックスと、明らかになっているところがあります。
 コウモリ-X-ホモサピエンスの中間経路がブラックボックスなのですが、HIVと同じ配列が含まれるという指摘が”Indian Institute of Technology”のアブストラクトにあったので(現在取り下げ)、この情報にインスパイアされて、新型コロナウイルスは人為的に作られたものだと考える方もいます(SARS-CoV-2に対して抗HIV薬が治療薬にならないので、違うと思いますが)。

 直接、新型コロナウイルスが人体細胞を食べて症状が起きるわけでなく、幾つかのシステムの中で症状が起きています。

COVID-19の重症化はコロナウイルスが原因ではない?

 COVID-19が重傷になると、肺線維化になる例が多いですが、ウイルスが肺間質から検出されないことがあるため、ウイルスが直接の原因ではなく、他の要因ではないかと考えられています。

 候補として有力なのが、サイトカイン(抗体、マクロファージ)です。
 8割は症状の自覚がないか、インフルエンザのような症状とも言われており、SARS-CoV-2はインフルエンザではあるのですが、これと別に、抗体を増幅させて、腫瘍や肺線維化を起こしています。サイトカインに起因する症状は、リウマチ、肺線維化など、高齢者に起きやすいと言われます。

 また、他にも原因はあると思いますが、ストレスによってアドレナリンが増えて、サイトカインを増やしてしまうこともあるので、重症化を避けるため、ストレスはため込まない方が良いでしょう。

 新型コロナウイルスの予防として免疫抑制のステロイド投与をすると、ウイルスや二次感染が増えてしまうし、アビガンでウイルスを対策をしようとしても、抗体や肺線維化には有効ではないので、治療と対策は、非常に難しいと思われます。



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