PSMCの日本進出白紙
宮城県大衝村に予定されていたPSMCとSBIの合弁 JSMCへの出資が9/27に白紙になり、宮城県のファウンドリ立地が中止になりました。

期待はとても大きかっただけに残念
半導体サイクルの陰りが見え始めているので、10年間の雇用維持の条件が厳しく、実際に、出資を中止した判断では雇用条件をPSMCが出してきたように、業績への不安も大きいようです。
徐々に2024年に入り、半導体ブームの峠を越えつつあり、韓国サムスン電子の不調から、中国半導体作りすぎ問題等々の悪材料には事欠かず、業界8位のPSMCに対して厳しい目が向けられてきました。
TSMCが日本に半導体工場を作るのは、トヨタ、パナソニックといった供給先があるためで、市場があることが非常に大きい。ではPSMCはというと、台湾、中国、米国が主要な市場であり、メモリー用半導体の比率が大きいため、韓国サムスン電子の不調は大きな痛手。
PSMC のPはパワー半導体の略で、電力半導体の市場開拓を日本で進められれば、サイクル変動の大きいメモリー半導体の補完ができますが、どうやら市場開拓も首尾良く行かなかったのか撤退に。
日本では先端半導体を作れない
仮にPSMCが日本工場を建てる場合、28nm~40nm付近を目指しているといわれ、先端分野を目指した半導体を作ることができません。
歴史的には10年以上前の半導体ファウンドリなので、あえて新設しないで減価償却済みの施設を使い続けた方が経済的ですが、最終消費地に近いサイトに立地をする傾向があって、これが米国や日本に比較的古い型の工場を設置する動機となっています。
いや、経済産業省が北海道に2nmのラピダス工場支援をするじゃないか! と先端に追いつける余地がありそうですが、短波長光には電力喰らいという欠点が、日本半導体復活の大きな制約になっています。

EUV露光装置。反射鏡数が多いため、損失が大きい これだけで大型火力発電設備一つ必要
EUVは波長が短いため粒子性が強く、波長の性格が消えているので、レンズを通しても屈折しません。そのため、反射鏡により集光させる必要があり損失が大きいことから、kWクラスのEUV光を使わねばなりません。電力契約でいえば特別高圧需要家です。
上記、ちょっと古いですが、2013年の世界の産業用電気料金比較を参照すると、日本は世界有数の電気料金の高さを誇り、加えて、再エネ賦課金が導入されたことで、ダントツの高額電気料金国になっています。
再エネ賦課金、再生可能エネルギー、LNG火力を無邪気に語る政治家が結構多く、加えて不必要にエネルギー政策に介入するため、電気料金の高騰を招いてしまい、これが半導体のような大電力消費工場の不利を招いています。
このような電気料金設定により、日本が半導体立国の立場を回復させることが困難になり、海外で作った方がマシという状態が続いています。
衆議院選挙と増税メガネ最強論
各政党とも「現役世代の負担軽減」を打ち出していますが、そのココロは、世代間負担の公平な「消費税増税」を意味しています。
消費税を引き上げるなら、法人税から取れよと言われそうですが、当然、法人税も所得税も増えるし、所得税は気がつかないうちに復興特別税の後釜の税制を防衛増税に充てることになるので、増税しないところが、どこにもなくなってしまいます。
増税は仕方ないとはいえ、消費減退と大学学費は厳しくなるので、結構痛いですね。これで少子化対策するというのだから、料理に塩入れすぎて、砂糖でバランス取ってる感じでまずそう。

立憲民主党、石破総裁、ともに消費税増税を掲げ、公明、維新、国民も世代間負担の公平と述べているので、これが消費税を意味しています。
高市早苗元経済安全保障大臣を推していたのは、税率引き上げへの危機感を持っていた議員ということですが、石破首相となれば岸田路線を継承することになるので、増税メガネ健在ということになるでしょう。
こうなると、消費が更に減退した日本に工場を置くメリットがなく、市場開拓も難航することが予想され、半導体不況が見えているならば、まず半導体生産工場新設を諦めたのも、仕方ないかもしれません。
今回の衆院選挙では、どの政党も「世代間格差の解消」の名目で、コッソリ消費税引き上げの地ならしをしてくるものの、裏金議員が当選するのも避けたいところで、結局、自民党が強いということになるのでしょうか。できれば中国ご執心の再エネ連呼議員あたりは、落選して欲しいところですが、地元は強いでしょうね、やっぱり。


