まずは6月1日が期限だが、次がまたすぐ来る

5月16日時点で、すでに借り入れコストが上昇しており、6月1日(木)に債務上限に達するとイエレン長官は説明しています。

通例ではチキンレースと揶揄されるように、出来レースと予想されていますが、今回は
  1. 民主党の放漫経営によりインフレが深刻化する
  2. 修正14条によるプラチナコインを使おうとしている(南北戦争以来)
  3. 4月の合意案の2022年度規模に抑える案をすでに上回っている
  4. 民主党と共和党が債務を小出しにする交渉になっている
という流れになっているため、仮に5月10日の合意なき交渉が決着しても、またすぐに、同じような状態が続きそうだということになります。

イエレン 演説
BBC 2023 May 17 A simple guide to debt ceiling, and what the 14th amendment has to do with it
Reuters May 16, 2023 US on track for June 1 default without debt ceiling hike, Treasury says

共和党は既に手遅れと考えている

政府予算は債務として扱うので、債務上限は、事実上の支払余力です。少し日本と会計が異なりますが、共和党の方が国債発行高に悲観的に考えているため、歯止めを如何にかけようかと考えを巡らせています。
債務上限

特に米国の大学学費は高いので、学生ローン免除をバイデン大統領が決定していますが、当の大学は、ローン免除を見込んで、その分の学費値上げをするため、あまり効果がありません。

また、EV税制優遇規模が大きいものの、費用対効果が低いので、共和党内では金食い虫のように考えられています。

効果のない対策でも、大きな政府を指向する民主党により、膨大な予算をつぎ込むため、民主党と共和党のイデオロギー対立が厳しく、政策の交渉が難航しています。

オバマ危機の再来か

2011年の東日本大震災当時、急激な円高に見舞われましたが、これは米国デフォルト危機が訪れたためであって、債務上限引上難航により、信用格付引下が検討されていました。
ドル円

当時の議論では、民主党オバマ政権はMMTを信用しているらしく、無制限に国債を発行して良いと考え、この軸で共和党と対立します。

この両党の債務上限論争が引き金となって、何度も債務上限の交渉決裂と支払金利の上昇を招き、最低の大統領と評価されるようになってしまいます。また、親中国政策のアジアリバランスは、後々に半導体摩擦等の原因になってしまい、米国世論を分断してしまいます。

今回はインフレにより金利が高いため、事情が異なりますが、USDリスクは高く方向性が見えにくいと考えられます。金利が高いために売り崩しにくいことから、しばらく上昇し、金曜日のような、急峻な下落を繰り返すことになります。

早めにドルショートを入れると、それを見越して踏み上げるため、数日は上昇して、NY時間に報道で下げるパターンが予測されます。ドル買いを入れる場合、ストップロス設定は必須です。