以下の内容はhttps://sophie-mercure.blog.jp/archives/2021-05.htmlより取得しました。


 今回は進撃の巨人”フリッツ王”の由来と考えられる人物の ”フリッツ・ハーバー” の紹介です。同氏はアンモニア工業化と毒ガス開発という、人類の発展に不可欠な物質と、ニトロ爆薬と、人類を苦悶死させる物質の開発をしています。

 中学生の間でも「進撃の巨人」は人気があるらしく、長女が進撃の巨人にはまっていて、常に ツイッターをチェックしていて、コミックスやグッズを集めたりと大変な熱の入れようです。進撃の巨人の話の際に、意外な名前が登場するので、原作者さんは、多数の参考文献を読まれているのだなと感じることがあります。

 有名どころでは、ソニー・ビーンズやユミルがいて、コミックスの地図をひっくり返すと、アフリカ大陸になったりするなど、遊び心がちりばめられています。

女帝ゾエハンジゾエ

 登場人物の一人、ハンジ・ゾエで使われる ”ゾエ” は、東ローマに限定されるの名前です。歴史に登場するゾエは、ローマ帝国最初の女帝(美人と伝わる)が最初ですが、以後、東ローマ皇妃名に使われるようになり、ロシアにゾイという名前で伝わります。

 ゾエはファーストネームなので、英語圏向けには"Zoe Hange"になってますが、海外のネットでは、原作のオリジナルを尊重しているのか、Hange Zoeと記されることが多いです。海外の人は、ファーストネームとファミリーネームの順は、あまり気にしないのかな。

 三重の壁はコンスタンチノープルのテオドシウスの壁の例があり、巨大な城壁の建設は時間がかかるので、1000年来の歴史的都市に限られます。それ以外では、中国の万里の長城の例がありますが、長距離故に一段の壁であり、そこまで遠大な壁を作る時間を確保することができません。

 ウォールマリア半径480km、ウォールシーナ半径250kmとなっていますが、テオドシウスの壁よりも遠大で、東ローマの最終版図の規模に相当します。
東ローマ


フリッツ王とアンモニア生成

 冒頭に述べたとおり、カール・フリッツ王の名前の由来の人物について。カール・フリッツはドイツ人の名前なので、日本人にはなじみがありませんが、元ネタは、アンモニア生成技術「ハーバー・ボッシュ法」の開発者のファーストネーム ”フリッツ”と”カール” と、そのままです。

ハーバー・ボッシュは、”フリッツ・ハーバー”(1868-1934)と”カール・ボッシュ”(1874 - 1940)の2名のファミリーネームから取られたもので、特にフリッツ・ハーバーの人生が、ストーリーと共通する人間像があります。

 アンモニアはニトログリセリンやトリニトロトルエンの材料になるもので、ハーバー・ボッシュ法によって、硝石を消費することなく、空気からアンモニアを生成できるため、ドイツは無限の火力兵器を手に入れ、肥料を無制限に作ることができるようになります。
氷爆石
 右端は硝酸アンモニウムの結晶

 フリッツ・ハーバーはユダヤ人家庭に生を受けますが、死ぬまでナチスから迫害されて、不遇続きであり、研究者間では、ナチスに協力した毒ガス研究者として、目の敵にされます。フリッツは毒ガスを開発することで、戦争の早期終結につながると考えていましたが、この考え方に賛同できる人は、戦争当時でも少数でした。

フリッツ・ハーバーの呪われた人生

フリッツハーバー フリッツ・ハーバー【wikipedia画像】
 フリッツは生粋の科学者のため、他人の感情に無頓着なので、生涯に二度結婚するも、いずれもすれ違いでうまくいきませんでした。

 最初の妻となる、研究者のクララ・イマーヴァル(1870-1915)にプロポーズして結婚し、当初は順調な結婚生活でしたが、フリッツは妻への束縛が強いうえ、夫の毒ガス研究によって、実験動物が苦悶のうちに死んでいく様子を目の当たりにして、クララは精神的に耐えられなくなってしまいます。

クラライマーヴァルクララ・イマーヴァル【wikipedia画像】
 研究をしたい彼女に対して、フリッツは専業主婦として家庭に入ることを要求し、また、毒ガス製造反対の意見にも耳を貸さないなど、妻に高圧的に接していたため、悩んだ末にクララは自殺してしまいます。

 結婚当初は「童話の王子と王女のようだ」とクララは両親に喜びの手紙を出していますが、当時の女性の社会進出に対する壁をクララ一人で受け、夫とも関係が悪化していきました。

星一アズマビトキヨミ
星一(はじめ)とキヨミ・アズマビト

 フリッツは星薬科大学創設者の星一(1873-1951)とも交流があり、第一次大戦後に苦しくなった時に、経済的支援に加え、お金に困ったフリッツと一緒に、海水から金を生成する共同研究を行ってました。

 ヒィズル国の登場は唐突なうえに、なぜに日本人?という印象を受けますが、フリッツは日本人と関係が深く、資源のない日本には、フリッツ・ハーバー法はのどから手が出るほど欲しい技術だったため、多くの日本人研究者と交流がありました。

 フリッツの父親はジークフリートという染料商売人で、フリッツとは仲が悪く、最後まで負担をかけ、父ジークフリートが再婚した継母とも、フリッツは関係が悪かったようです。フリッツの再婚相手のシャルロッテとは険悪な仲で離婚し、経済的要求を厳しく突き立てられました。

 家族に恵まれず、周囲から毒ガス研究のマッドサイエンティストと評価されながら、ナチスからも排斥され、孤独な一生を終えました。

カール・ボッシュ ユダヤ人を外したら戦争に負ける

 ハーバー・ボッシュ法の開発者の一人、カール・ボッシュは、研究者にしてドイツ製薬会社BASF、IGファルベンの社長になる人物です。ちなみに、自動車部品のロバート・ボッシュは叔父さんです。

カールボッシュ【wikipedia画像】
 BASFは大手企業として、ドイツ経済を技術的・経済的に支えていました。

 カール・ボッシュはドイツ政府の顧問官に就いており、ヒトラーとの会談の際、戦争継続の財政的困難と、人材確保のためにも、ユダヤ人迫害の中止を提言したことに対し、ヒトラーは激怒して「顧問官はお帰りだ!」と漫画のような台詞を浴びせ、ユダヤ人と技術抜きで戦争に勝ってみせる!と豪語します。

 カールボッシュは生粋の技術者で、常に治具を自分で作っているくらい、ものづくり大好き人間で、フリッツとは気が合ったらしいです。研究成果のアンモニア工業化に必要な巨大設備のために、惜しげも無く投資をして、空気からパンを作るという言葉を現実にします。


ユミルとクララとフリッツ・複雑な感情

 進撃の巨人のカール・フリッツ王は、ユミルに厳しく当たり、奴隷扱いしますが、フリッツの妻クララに対する態度にも高圧的な面があり、話を聞かない無頓着な夫として接します。それでいて、フリッツは死の直前に、クララと一緒の墓に入りたいと、未練に満ちた遺言を残しており、相当の不器用な人物であったことがうかがえます。

 ユミルがフリッツ王を愛しているというシーンが出てきますが、クララもフリッツと楽しい新婚生活を送っていた時期があり、徐々に、束縛する、共同生活者のようになってしまいました。死後、バーゼルの墓地で、遺言のとおり、フリッツはクララと一緒に葬られました。
フリッツ

 クララが自殺する直前、精神的に乱れていく過程で「私はフリッツが得た名声以上の損失をした」と嘆きますが、進撃の巨人のフリッツ王のサイコパスっぷりは、このような、実話を参考の一つにしていると思われます。
ユミル自殺

ニッケル水素電池の放電電圧は、短期間ならば容量で決まる

 ニッケル水素電池の電圧は、充電時は1.2Vですが、時間が経過するたびに、徐々に電圧降下していきます。10日くらいの定電流放電の電圧測定は、手軽に測定できることから、色々なサイトで取り上げられています。このくらいの日数ならば、ほぼ容量が大きいニッケル水素電池が強く、360.lifeさんのページではエネループproが最も電圧を保持しています。

ニッケル水素電圧
【the 360.life】充電式電池おすすめランキング19選 2019年

エネループの衝撃

  エネループが発表されたのが2005年末、当時のニッケル水素は、ニッカド電池に比べて容量が大きいものの、自己放電で電圧が下がるという問題がありました。

 その頃使われていたものがデジカメで、ニッケル水素は、使う前に充電するというのが常識的な使い方で、とても時計やリモコンに使うことができませんでした。

 エネループによって、電池は充電して使うという新しい文化が定着し、2005年から2年おきに新製品が投入され、充電回数が増えていきました。単三の場合、初代がHR-3UTGで500回、二代目が同型番で1000回、三代目がHR-3UTGAで1500回となり、包装も微妙に変化していきました(wikipediaの記事は初代を飛ばしている)。

 ディズニーパッケージのものや、パステルカラーのものも出ましたが、子供のオモチャ用に使い分けることができたので、とてもありがたかったですね。
表側裏側


未使用の場合の電圧保持力

 トランジスタ技術さんの記事に、ニッケル水素のサイクル試験寿命を掲載したものがあり、容量が大きい電池ほどサイクル寿命が短く、容量が小さいものほど、早く寿命を迎えるというものになっています。これを見る限りでは、100円ショップのニッケル水素はサイクル寿命は短い部類なので、単純にコストダウンを図ったもののようです(一部転載)。
トランジスタ 電池比較
 ニッケル水素電池は容量が大きいものの、自己放電が大きく使い勝手が悪かったため、自己放電の小さいエネループが1995年に発売されました。現在では三洋電機はパナソニックに買収されましたが、今でもニッケル水素電池の代名詞にもなるほど、有名なブランドに成長しました。

 今回、未使用無負荷状態での電圧保持力を、日数をかけて測定してみることにしました。測定方法は、単純に、電池の電圧を無負荷で測定して、プロットするだけです。

測定

本数が増えてくると、手間が大変なので、3個の5桁の電圧計に代替し、同値になるように校正して、常に4桁部分がテスターと同じになるよう調整して測定しています。4桁電圧計は4桁目が電圧計によって違ってくるので、5桁のところで四捨五入誤差も吸収させています。

電圧は微分してエンコードする性質上、測定器ごとの誤差が生じにくく、また、桁数が多いほど精緻に作る必要があるので、正確であることが多い。
測定器

電圧計モジュールは5桁と4桁のものがあり、それぞれ精度を比較すると、LED4桁電圧パネルは使い物にならない程度で、LED5桁と秋月電子のパネルは実用レベルです。

ちなみに秋月電子のパネルで電池(1.999)を測定するには1MΩと9MΩの分圧抵抗が必要で、後者は9.9MΩと99MΩの並列で合成します。マニュアルは英語版をダウンロードします。
電圧計の比較

ニッケル水素電電圧池定点観測(継続中)

実際に測定してみたところ、amazonで安価に販売されていたROWAさんのニッケル水素(2500mAh)が一番速く降下し800日(2年と100日)で1.2Vを切り、電池として使用困難になっています。amazonさんの低価格充電池は、ほぼ似たような特性です。なんと、アスクルさんで売られているPOOLは過去最速電圧下落。。

DAISOさんのReVOLTESは他と比べて、余りに電圧降下が早いので、不良品を疑って交換したため、測定日数が少なくなっていますが、それでも、他に比べて電圧降下が早いです。Eneloop proさんは優秀で、2000日経過しても1.3V付近を保持しています。100円ショップ対決ではセリアさんのVOLCANOが優秀で2000日まで1.2Vを保持しリタイヤ。

やはりeneloopブランドは強く、長期間放置していても、即座に使えるようです。安価に仕入れるならば、セリアさんのVOLCANOは優秀です。ダイソーさんの伸びは低迷し1500日、4年ちょっともったところ。1年ごと充電する用途なら、amazon様の量販品は価格次第です。

2024年に入って、市場で生き残っている自然放電抑制型の電池を3本追加します。ダイソー新電池Looperも追加。FDKに譲渡されたEneloop製造ライン製品は気になったので追加。

これはどう評価するか分かれますが、エネループ+日本メーカーは、3年以上使うと差が生じ、中国製電池は充放電困難になるのも早く、ROWA製、100円ショップのものは、満充電電圧が落ちていき、経年劣化が顕著になっていきます。

20260315 長期推移

グラフ値が上下変動しますが、低い電圧値はいずれも冬期測定のもの。秋月さんのテスターが結構優秀なので、季節的な変動も拾ってくれます。

Eneloop pro 、 Revolt を除く電池は、この時期は似たような動きをしています。Poolが下がりがきつく、電圧の下がり方が新興メーカー的。ダイソーLooperは予想以上に下落が大きい。簡単に考えると、価格は正直ということでしょう。ズルなしで日本製が強いのは、正直、うれしいもの。

画像データが見にくいので、参考までに、CSVファイルをアップロードします。新しいデータは太く、古いデータは細くして区別しています。
20260315 測定データ


加えて、エネループ関連に比べて、中国製電池では電圧低下が早いと確認できるので、こちらはエネループ関連だけ、同種品を比較のために充電して測定を開始しました。また、sanyo製eneloopを追加しています。SANYO製のものは初期の製品なので、改良が加えられていることがわかります。
20260315 エネループ推移

測対象電池

それぞれの1V放電容量は、ZB2L3に15Ωの抵抗を使って再測定した結果に差し替えました。
本来は18650の容量を測定する測定器ですが、普通の1.2V電池用にも使用でき、1.2V-15Ωでは20時間以上かかります。
電力計

ROWA Amazon 2500mAh  1V 放電容量 1862mAh(使用済測定)
ROWA
 16本1300円という、かなり低単価で購入したもので、100円ショップのニッケル水素より安いです。他に比べて電圧保持は短いですが、微妙に電力消費の大きい電子音時計を、1年ごとに充電するものと割り切りって購入しています。Amazon無名ブランドは、このタイプが主流になっていく模様です。

Volcano セリア 1300mAh 1V 放電容量 1349mAh
(使用済測定)
VOLCANO
 一番手軽に安価に入手できるニッケル水素。容量は低いものの小電力用としては優秀。リモコンのような、あまり電力消費が多くないタイプに適しています。

Eneloop pro Panasonic 2450mA 放電容量 2368mAh(使用済測定)
Eneloop pro
 ニッケル水素電池の最高峰です。アルカリ電池のように液漏れしないので、アルカリ電池の置き換えに使えます。電圧も十分に高く維持してますが、トランジスタ技術さんの記事では、サイクル寿命は短め。

Eneloop SANYO 1900mAh 1V 放電容量 1861mAh(使用済測定)
Eneloop
 エネループとして販売されている定番です。用途を選ばないので、迷ったらコレ。Amazonモデルもあります。

Eneloop Lite SANYO 800mAh 1V 放電容量 815mAh(使用済測定)
Eneloop lite
 容量が少ないもののは、頻繁に充電する用途に適しています。深充電回数でも劣化しない点が優秀。トランジスタ技術さんの記事では、サイクル寿命は測定外に。

Fujitsu FDK 2450mAh 1V 放電容量  2453 mAh
富士通ニッケル水素web2
富士通にPanasonicから譲渡された、旧三洋工場で生産するEneloop pro仕様品。能力は Eneloopと同等品として使えるか確認する目的で測定。現行EL proは2500mAh 150回ですが、こちらは2450mAh 500回と、昔の仕様値が入っています。

Fujitsu FDK 1900mAh 1V 放電容量  1953mAh
ニッケル水素3
富士通版 Eneloop 仕様品。こちらも Eneloopと同等品として使えるか測定。こちらは1900mAh 2100回と、全く同じ仕様値が入っています。全く同等品かもしれません。新JIS規格で600回。

Cyberenergy silver SONY 950mAh 1V 放電容量 947mAh(使用済測定)
Cycle energy
 Amazonで12本1600円で購入しました。今は入手困難ですが、深充電回数の低さから採用。容量は少ないですが、安定した性能を持っています。

ReVOLTES ダイソー 1300mAh 放電容量 1341mAh(使用済測定)
Revolt
 すぐに1.2Vを切るので不良品を疑って別の電池で計測を開始したため、一つだけ測定日数が浅いです。電圧降下が早く、長期保存性に関しては疑問がありますが、実際には1500日4年間で1.2vを割っています。ダイソーでは廃番らしく、店頭から姿を消しています。

Looper(LEXEL) 取扱:ダイソー  1100 mAh 1V 放電容量 1220mAh
Daiso Looper2
 ダイソーニッケル水素充電池の後継種です。容量が小さく、LEXELは緑単色パッケージの、センサーライト用電池を生産している会社です。インフレの影響を受けたためか2本で300円となっていて、若干の値上がりをしています。デザインが、とにかくエネループに似せにきて、名前もルーパー。

Enevolt  取扱:スリーアールプラザ 2150mAh 1V 放電容量 2080mAh
enevolt 250
 エネループに似せてきたと思われる製品のうち、2024年現在、取り扱いのある製品です。製造会社は不明ですが、スリーアールプラザが企画している製品で、同社のページでエネループより200mAh容量が多いという比較広告があります。中国の関連会社から調達・OEMのようです。

Pool(旧enelong) 取扱:エコスタイル 2150mAh  1V 放電容量 1990mAh
POOL 180enelong 180
 エネループ似enelongから、姿の方を似せてきた製品です。Loopの逆でpool。ラインナップもスタンダードモデル、お値段も8本3000円と酷似。複数カラーリングもeneloop然。仕様的にenevoltに似ていますが、同じOEM輸入していると推測して測定。Askulが扱い法人に絞った感も。カラーリングが豊富。

Bonai 2800mAh Jun Bright, C&E Connection  1V 放電容量 2107mAh
BONAI200
よくAMAZONで見かける電池ですが、英独設計、中国製造の製品です。姿はEneloop pro に似せた製品です。仕様的には電圧がすぐ下がりそうですが、比較検証と、最近の大容量ニッケル水素の変化を兼ねて測定します。
ニッケル亜鉛 1.6V電池はどう? 準備中

ニッケル水素電池は1.2Vなので、アルカリ電池の代替にならない用途があるので、充電池としてのニッケル亜鉛電池が発売されています。

解放電圧1.85[v] 、実質的な電圧範囲は1.7v から 1.4v まで、容量は1,300mAhと、表示容量の半分です。15Ω 12.5時間放電ではなく、長期間運用の場合は、1.5倍程度に伸びるので、最大2000mAhの容量が期待できます。

ニッケル亜鉛電池の電圧推移

併せて、電圧保持を調査します。


1.5Vのリチウムイオンは使えるのか

 どうしても1.5Vが必要なのでという方は、リチウムイオンがあります。
 Amazonでも購入できますし、時間の余裕があれば、Alibaba、Aliexpressでも調達できます。

 Eneloop HR-3UTGB(1900mAh:1800回)、SONY Cycleenergy(1000mAh)、SMARTOOOLS(2600mAh:AA)の放電電圧を比較してみました。
3電池3

回路は、単純に昇圧コンバーターを入れて5Vとし、抵抗の負荷をかけて定電流回路を作り、電池の電圧を5秒間隔でプロットしています。また、抵抗の前にUSBテスターを入れて、積算値も比較しています。

リチウムイオンの電圧推移

リチウムイオンを1.5Vで調整している電池は、2600mAhと表記されていますが、実際には930mAhの積算電流量が取り出せたので、エネループの半分以下の定電圧電池となります。

また、落とし穴があって、1.5Vリチウムイオン電池は待機電力が発生するため、放っておくと、使い物にならなくなります。使い勝手がよくないので、あまりオススメできる電池ではありません。

9V 角形 006P電池の代替

9V電池は使い回しがよくありません。

昔はLEDやLCDをドライブするため、5V以上のTTLデジタル回路を積層電池を電源にしていました。その後、 2Vで動作するCMOS に置き換わり、 今では3Vのボタン電池がデジタル回路に使われます。

電圧
ダイソーアルカリ積層電池出力特性(参考比較)

実際の積層電池は 7V付近フラットなので、リチウムイオン2本に置き換えできます。そのため、リチウムイオン単4×2、あるいはLipo 802540(以下寸法)×2 に代えると充電しやすく便利です。
9v
9V電池が必要になる場合は10440×2に置き換え可

ダイソーモバイルバッテリー設計

手元で保管していたダイソーのモバイルバッテリーを久しぶりに見たら、全く使えない状態になっていました。このような膨らみは、電圧降下が原因ですが、満充電でも待機電流により消費電力が消費されているようです。
モバイルバッテリー
1年間放置したダイソーモバイルバッテリー


10,000mAhタイプのモバイルバッテリーの検証(6,000mAh相当)

結論は、緊急用でなければ買う必要がない製品です。
Aliexpressで相場観を見ると、そもそもダイソータイプの製品は淘汰され、QC2.0以上対応していない製品は少数です(日本でいうPD充電)。

ケーブル発熱は電流の2乗に比例するため、火災訴訟が起きやすい海外では、同じ電力ならば、電圧を上げて電流を減らす傾向があり、QC2 12V給電にして火災リスクを減らしています。さらにQC3で3.6V-12V可変とし、化学反応を待ちながら間欠的に充電することで、更に安全に、高速充電が可能です。

新たに登場したダイソーの10000mAhのモバイルバッテリーは、5V 2Aでゴリゴリ連続して充電するため、過剰に電流が大きくなってしまい、特に海外製粗悪電線を使うと、火災訴訟リスクが増えてしまいます。現在、QC2以上を Android Apple陣営は推奨しているため、5V 2.4A型のような大電流を誇るバッテリーは避けられるようになるでしょう(電気的にアンバランスです)。

丸形PSEマークは定格電圧、定格電流を、自分で測って記載するだけの法令なので、こんなものを国会で法定する意味がわかりません。日本では小難しい設計よりも、検査の通りが良いので、コストかけた割に手抜き検査で信用喪失ということが起きます。
マークブランド
これは出荷前に簡単に印字するタイプなので、在庫品でしょう。

部品はスタンバイ電流が0.1mAのIP5407を使用し、保護回路はXB4908が採用され、消耗状態で継続して電力を放置されると、3.0Vから保護モードに入り2.4Vで完全停止する仕様のため、放置すると、ちょっと痛んでしまうくらいの保護回路です。温度センサも省かれているため、高熱になっても停止しません。

IP5407は互換品(極端に価格差がある商品)が15円程度、基板が50円程度でAliexpressで販売されていますが、PD充電には対応していない素子です。リチウムイオンポリマーは、Aliexpressでは800円程度で販売されている1260110汎用品です。

モバイルバッテリー
スマホ3回分の充電はできません。最近は意図的に 3.7V容量を記載されます。

充放電測定すると、充電容量8,151mAh(3.7V換算11,015mAh)、放電容量(6,075mAh3.7V換算8,209mAh)、充電時間5時間30分(20,000秒)となっています。製品ラインナップを減らして、500円、700円、1000円の需要を一本化する目的に見え、大は小を兼ねるだけの製品です。

充電時

分解しようとしても、とにかく、開けさせてなるものかと気合いが入った構造のうえ、接着剤で固定されているため、不用意に開けると、バッテリー表面や基板が剥がれてしまいます。ラミネート包装の印字が落ちやすく、後付けで書き換え可能なので、少しくらい多めにラベリングするのは、普通なのでしょうね。

基板保護

もう少し精緻に撮影すると、IP5407とXB4908が確認できます。本当に最低限の構造であり、工場出荷時に動作チェックする基板ランドもないため、在庫品にケース上に感熱印字して流通させているもののようです。
リチウムイオン画像
ウレタンクッションがエポキシ接着剤で接着。リムーバーを使うと文字も消えるため、一週間、水を含むウエスによって樹脂を分解させたもの。

ちなみに、1000円程度で販売されている 20,000mAhの薄型モバイルバッテリーは、中身が8,000mAhの7565121 バッテリーが使われているため、価格なりの容量です。加えて、使用していない時にシャットダウンできないので、常に待機電流が発生して使用不能になってしまいます。

バッテリーにスイッチを付けてシャットダウン機能をつけ、保護回路を追加すれば良いのですが、普通の消費者が加工できるものではないので、ダイソー製品の方がまだ信用できるようです。

モバイルバッテリー




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モバイルやる夫Viewer Ver0.14