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「有意差が出た」ということは「絶対に効果がある」ということではない。NATROMのブログより

医学界における怪しげな言説を取り上げて解説しているNATROMさんですが、今回は「有意差」について。

最近は健康食品(機能性表示食品)のCMにまで、「人に対しての試験で有意差が出ました」なんていう文句が飛び交っていますので、聞いたことがある人も多いかと思います。

そんな素人騙しの手口だけでなく、医学界というプロばかりの世界でも結構頻出しているという話です。

natrom.hatenablog.com冒頭の事例はおそらくあるとは思っていましたが、実際に横行しているというものです。

それが「有意差を出すビジネス」、一つの試験を行う際に多数の項目を測定し、その中の一つでも有意差が出て有効という結果が出れば、あたかもそれが最初の目標として試験を行ったかのようにして発表するというものです。

 

実際の事例として、裁判にもなったというものですが、

微生物由来の飲料水が「Tリンパ球年齢およびCD8+CD28+T細胞数」を有意に改善させたとする論文の欺瞞について論じました。実際には、「Tリンパ球年齢およびCD8+CD28+T細胞数」のほか、B細胞、T細胞、NK細胞など、多くの項目が測定されましたが、有意差が認められた項目のみが強調されていました。多くの項目を調べたのであれば、一項目ぐらいの有意差は、飲料水にまったく効果がなくても、偶然によって生じ得るものです。

このように、あたかもその一例を最初から狙って試験したように見せるという手法です。

 

さらに項目だけでなく対象の被験者を細分化して解析しなおすというのも頻発されているようで、全体としては効果はないと判断される場合でも、性別、年齢、症状の重さなどのグループごとの結果を出すと一つくらいは有意差があり有効と見なせるデータが出せることが多いようです。

NATROMさんは、これを解説した尾崎隆さんという方のブログを引用していますが、そのことば「シュートを外したあとでゴールポストを動かして入ったかのように見せてはいけない」というのは分かりやすい例えでしょう。

 

こういった事例は「粉飾(SPIN)」と呼ばれるものですが、これを防ぐためには臨床試験を行う際にその計画を事前に公的なデータベースに登録してから始めるという、臨床試験事前登録制度というものです。

これに沿ってきちんと計画され実施されていることを確かめるというのが有効なのでしょう。

 

なお、この記事の最後には「正規の論文」と「学会発表の抄録」の違いについても知らないのか知っててごまかしているのかという事例が紹介されていました。

これは医学界だけでなく私も所属していた学会等でも同様でしょうが、学会発表というのは何でもできます。かなり怪しいものもあり、その発表抄録などというものはほとんど価値もないものなんですが、それを正規の論文かのように見せるというのは、素人相手には有効なんでしょうか。

 

まあ、金のためならなんでもやる人というのはどこにでもいるということでしょう。

 

 




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