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衆議院議員定数を何でもいいから削減というのは乱暴すぎるとしても。

企業団体献金の制度改正が以前から議題となっていたにもかかわらず、維新が政権に参加する際の口約束で衆議院議員の1割削減というものを取り上げたためにそちらの方が優先するかのような拙速な態度を政権は取っています。

野党各党、およびおそらく自民党内にも疑問を抱く人々が多いと考えられますが、維新の脅しに屈するかのようです。

 

しかし、現状の選挙制度は決して良い物ではありません。

その根本的な問題解決を図ろうともせず、ただ単に定数を削減すれば議会も「身を削っている」と見せたいがためだろうと考えますが、本来はどういった選挙制度がより良い物かということを考える必要があります。

 

そもそも、衆参両院の二院制度というものがどういうものか。これでいいのかということも考える必要があるでしょう。

世界的にも二院制度を取る国が多いのですが、その性格付けには各国で様々な相違があります。

アメリカやドイツなど、連邦制をとる国では一つの議院では選挙による多数獲得者を議員とする選挙制度によるものの、もう一方の議院(どちらも上院)では各州の代表者による議会が形成されます。(上院議員の選挙は各州ごとに行われます)

またイギリスなど身分制度の名残りが強いところでは、貴族院などの形で国民の普通選挙によらない議会を持つところもありますが、その権力は弱くしています。

日本のように、同じような選挙制度で二院を持つ国と言うのは少ないようです。

日本の二院制は、法案を慎重に審議するという点では良いのかもしれませんが、同じような構成の二院で同じような審議をするだけというのが通常というのは無駄な時間を費やしているのかもしれません。

稀に衆参両院の政党別の構成が異なることになり、ねじれ国会などと言われますが、これが普通ではないということ自体、多くは単なる審議時間の引き延ばしに過ぎないとも言えます。

とはいえ、現在の日本は連邦制ではないため、各都道府県代表者だけの上院を作ったとしても形だけになりますし、いまさら貴族院などもできないでしょう。

 

得票数で議員を決めるやり方にも多くの方式がありますが、日本の衆議院小選挙区比例代表並立制参議院の選挙区制・比例代表制ともに多くの成り行きで決まっていった結果、原理原則に合わず議員の都合重視、政党の思惑と妥協によってゆがめられたものとなっています。

 

まず、人口当たりの議員数の不平等というものは激しいもので、原則として人口比で議員を選出するという制度でありながら、衆議院で2倍以内、参議院で3倍以内なら合憲などという判例を積み重ねている裁判所も情けないものですが、それに全く安住している政治家たちの意識もひどいものです。

人口比で議員を選ぶというのなら、限りなく1倍に近くしなければならないはずであり、それ以外の基準などあって良いものではありません。

それでもしも「地方の声が届かない」というのであれば、選挙制度自体を変えなければなりません。

そこでようやく、各地方ごと、あるいは各都道府県ごとの議員選出を図る制度の議論になるわけです。

その話なしに議員定数を小手先で動かしていってもまとまるものではありません。

 

さらに選挙制度ですが、衆議院小選挙区比例代表並立制というのも、1996年に採用されていますが、その契機がリクルート事件や佐川急便事件などで政治と金という問題に国民の批判が集まったことに対する対応として取られたということがお笑い種です。

この小選挙区制の方が金を使わないなどということも全くなく、相変わらずの金権政治であるのも明らかで、ただ単に口実にして自分たちに都合の良い選挙制度に変えただけでしょう。

この制度の欠陥は色々と挙げられていますが、なんといっても一番ひどいのが、全国一律の支持傾向だと仮定した場合、全ての選挙区で51%の得票が得られれば小選挙区の全議席を獲得できるということです。

つまり、実際の政党支持率とはるかに隔たる議員数になってしまうということであり、程度差はあれ現状はその傾向があります。

さらに小選挙区制では党本部の統制が強まり、党内民主制度が弱体化するという問題もありますが、これは自民党のもともと持つ特性によるかもしれません。

そして比例代表制を並立させている点については、小選挙区との重複立候補を許しているために、小選挙区で落選しても比例で復活当選という例が頻発しており、議員の身分保障だけの制度ではないかという問題点も大きなものです。

 

参議院では選挙区制の方では各都道府県を選挙区としており、その定員が0.5人の一人区(二県で一人)から東京の6人区までバラバラです。

小選挙区制のようでもあり、中選挙区も混じっているという、理念など全く無しのひどい制度と言えるでしょう。

また参院比例区では選挙区制との重複立候補は許されておらず、これも選挙制度に理念も何も無いということを示しています。

 

どのような選挙制度がより良いものか。

一概には言えないでしょうが、小選挙区制というのはかなり悪い方でしょう。

その導入時には政権交代が可能になるなどとも言われましたが、確かに数回起きたもののそれが良い事などとは全く考えられません。

かえってそれのために政策も理念も異なる烏合の衆と化した政党同士の泥仕合となるようです。

なお、これは野党について言われることが多いのですが、実際には自民党も烏合の衆と呼ぶべきでしょう。今は少し違っていますが。(より良く違っているのではなく、より悪く違ってきましたが)

地域の声を反映させられるのが良い選挙制度なのか。

地方議会の選挙などではそればかりが叫ばれますし、国政選挙でも地方ではそう言われることが多いようです。

しかし土木工事を自分の所に持ってくるだけが政治ではないでしょう。

それが分からない投票行動がここまでひどい政治を作ってきたということです。

 

このブログに何度か書いていますが、政党支持率と議員数をできるだけ近づけたいならば全国区のみの比例代表制が一番目的に合致します。

これであれば、個人的に人気のある人が無所属で出て当選することも可能ですし、地方の声を届かせるということであれば、地方党(熊本党とか、鹿児島党とか)を結成し選挙に出ればよいだけのことです。

熊本党には熊本県人だけが投票するだけとは限らず、もしかしたら人口比より多く議員が誕生するかもしれません。(だめかもしれません)

何より政党支持率にほぼ比例した議員数になるというのが最大の利点であり、さらに死票が最小にできるのも確かです。

 

衆議院をこの原則を用いて改革したとして、参議院はどうするか。

同じことをやっても意味はありません。

やはり議員の選抜理念を全く変えたものとするべきでは。

たとえば、選挙区ではなく、年齢区にして10代、20代・・・70代以上とし、選挙権も被選挙権もその年齢に限ることとするとか。

年収区にして、年収100万円以下、100万から200万、・・・・・5000万以上とかして、選挙権も被選挙権も・・以下同文。

いっそのこと貴族院復活とし、旧貴族の中から指名制で議員を決めるとか。ただし議員としての権力はこの上なく低くして単なる儀礼的議会としてしまう。

まあ、参議院なんて要らないねということかもしれませんが。

 

何か、現在の議会制度というものが絶対的なものという誤解がないでしょうか。

こんなもの、いくらでも変えれば良いのです。

理想を目指し改革をする。

もう少し頭を柔らかくして考えてもらいたいものです。

 

 

 




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