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「21世紀 地政学入門」船橋洋一著

地政学とは地理的条件や地形などが政治経済に大きな影響を持つことを重要視するものですが、かつてナチスドイツが政治的に利用したために戦後は忌避されがちだったということです。

しかしやはり無視できないもののようで、最近はこれについての書籍も多く出版されています。

そういった中、アメリカの政治に関する報道を専門とする中で地政学に通じた著者が、2011年から2016年まで月刊文藝春秋に「新世界地政学」と題して連載していた記事をテーマごとにまとめたものが本書です。

そのテーマとしては「21世紀新世界」「グローバル地経学」「中国の夢」「米国リバランシング」「日本の戦略」「日本の統治」となっています。

 

ただし、すでに10年も前の世界情勢の話ですので、現在ではかなり状況が変わっているものもあり、直接は参考にはならないものも多いようですが、これは政治経済分野の書籍としては仕方のないものかもしれません。

アメリカがシェールオイル・ガス生産で世界のエネルギー供給国となるというのも当時はそう信じられていたものですが、すでに頭打ちから減少、夢の彼方へ消えそうです。

 

執筆時期はちょうど民主党政権から安倍復活、そしてアベノミクス(本書では”アベノミックス”と記載されていますが)が開始した頃で、まだその評価も定まらないのですが、あまり期待しているようには見えません。

現代日本の「五重苦」として著者が挙げているのが、

「歴史」「財政」「人口」「英語」「放射能」だということです。

歴史は相も変わらず問題であり続けていますが、それを問題とも思わない連中が日本の中心を歩き続けています。

財政は当時も危うかったものがさらに拡大していますが、野党まで同調。

人口については人口減少の危険性を強く意識しているようですが、どうだか。

英語のリテラシー不足はアメリカ在住が長く自らは自在に使いこなしているという自覚からか厳しく指摘していますが、その見方は今後変わりそうです。

放射能をあげたのはさすがに時期的には大問題、しかしちょっと風化してきました。

 

まあ地政学などとあえて言わなくても当然のことばかりのようですが、あまりにもグローバルというものを意識しすぎると忘れがちなのかもしれません。

 

 




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