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「歴史から読み解く ワクチンのはなし」中山哲夫著

新型コロナウイルス感染ではワクチンが大きな話題になりました。

新たなワクチンであるmRNAワクチンが導入されたことで、非常に短期間の間に大量のワクチンが供給されましたが、その安全性や有効性には疑問の声も多くあがりました。

 

しかしその他のワクチンについても知らないことが多いまま、国の制度に組み込まれて接種されているといった様相です。

 

ここはひとつ、基本的なワクチンの歴史から読んでみるのも良いのでは。

 

著者の中山さんは小児科医を経験後、大学でウイルス学を専攻して研究を続けたという方で、ワクチンにも精通しているということです。

ワクチンの基礎知識として、まず感染症とはどういうものかというところから説明が始まり、さらにジェンナーに始まるワクチンの歴史、現在使用されているワクチンとその感染症についても詳しく解説されます。

 

問題となっている新型コロナウイルスのワクチンについては最終章で「現在、これからのワクチン」と題されて説明されていますが、ややボリュームも少ないのはやむを得ないことでしょう。

 

ワクチンには主反応の他に、副反応と有害事象というものがあります。

副反応はワクチンによる反応であると科学的に想定できるもので、ワクチン接種後に発生する望ましくない反応をさし、有害事象とはワクチン接種後に発生した事象すべてを指します。

有害事象がワクチンと科学的に関連しているかどうかは問いません。

以前は副反応と有害事象は明確に区別されず、因果関係のはっきりしない場合も「副反応」として報告されました。

こういった副反応と有害事象の混同は、日本では1992年の東京高裁判決で、種痘後の脳炎発症について国が敗訴したことから大きくなりました。

政治的な解決でしたが、科学的には問題がありました。

 

これまで日本ではワクチン接種もあまり筋肉注射が使われていませんでしたが、これはかつて1960年代に抗生剤と鎮痛解熱薬製剤の混注で筋拘縮症が発生したと見られたことからおきた事象でした。

しかし実際にはこの筋拘縮症はアルミニウムアジュパントの影響だったようです。

 

新型コロナウイルスワクチンでは、mRNAワクチンが大量に高速に作られ、世界中で接種されました。

これは不活化ワクチンの一種の核酸ワクチンであり、迅速かつ大量に化学合成できるという利点がありました。

他にアストラゼネカ社のウイルスベクターワクチンもあり、これは生ワクチンの一種と捉えられるそうです。

 

日本ではワクチンの研究や製造が避けられていた時期が長く、そのため新型コロナウイルス感染拡大の際にも世界に大きく遅れました。

今後は力を入れるべきでしょう。

 

 




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