ウェルシュ菌という食中毒菌による中毒が多いということで注意喚起です。
news.yahoo.co.jpウェルシュ菌食中毒の典型的な例がたくさん作ったカレーを二日目に食べた時に起きるもので、これにはこの菌の性状が深く関わっています。
ウェルシュ菌というのは、学名ではClostridium perfringens、かつては学名もwelchiiと呼ばれていたため現在も通常はウェルシュ菌と呼ばれます。
属名にあるように、クロストリジウムに属するもので、嫌気性で芽胞を作るのが特徴であり、ボツリヌス菌とも同属です。
芽胞はかつては内生胞子とも呼ばれましたが、細胞内に堅い膜で包まれた胞子を作るため、100℃程度の温度でも死滅しない耐高温性を持っており、これが調理程度の煮沸温度では残ってしまう理由となっています。
また嫌気性であることから酸素が豊富に供給される環境では生育しにくいのですが、カレーなどの煮込み料理を大量に作ると鍋の下の方では酸素が行き渡らない嫌気性環境ができるため、この菌の生育に適したものとなります。
上記ニュースのなかで、山梨県の薬務課の方が解説しているように、
「ウエルシュ菌は12℃から50℃程度の環境下で数を増やすため、大量に作った料理を常温で保存すると、冷めていく過程で増殖しやすい環境が生まれる。さらに熱に強く、100℃でも死滅しないため、十分に加熱したから安全ということはない。そのため、ご家庭でも2日目のカレーや、山梨だと2日目のほうとうにも十分に注意する必要がある」
という注意点があります。
芽胞状態では非常に熱に強いために通常の煮込み程度の温度では残りますが、その後増殖を始めると栄養細胞となり、この状態では加熱すれば死滅します。
これを利用したのが間歇殺菌法というもので、100℃30分の条件で加熱し、また翌日に同条件、さらにその翌日にも同条件で殺菌するというもので、まだオートクレーブ(加圧殺菌器)が普及する前には多く使われていた方法でした。
ただし、この方法も絶対とは言えないようで、殺菌失敗もあり得るようです。
もちろん今ではこのような面倒なことをすることは少なくなっていますが。
なお、芽胞を作るということではバチルス属細菌も同様です。
こちらは好気性であり、納豆菌なども含まれる大きな細菌分類属です。
こちらの注意点も同様です。
このような芽胞菌というのは、栄養状態でなくても長く環境中にとどまることができるので、野菜などに付着するということもあります。
料理に使う際には十分な洗浄を行うということも必要なのでしょう。
カレーのように煮込み料理だから大丈夫といった思い込みは危険な場合があります。