自分の知らないことを調べるというと、今では「ネットで検索」が主流のようになっています。
しかしそろそろ知られるようになったことですが、ネット情報には非常に偏りがあり、そこから得られる知識もそれに影響されます。
そんな状況で本当に必要な情報を得るにはどうしたらよいか。
それを細かく説明しています。
なお、まず「調べるということはどういうことか」から本書は始められています。
それをはっきり認識していないとその後の方向性が定まらないかもしれません。
ネット情報はまだまだ不十分ということで、やはり紙媒体を調べる方法に熟達する必要がありそうです。
ただし「文献・資料」と一言で言ってもそこには多くの種類があり、それによって調査法にも違いがあります。
学術論文などは正確性が高く価値があるようですが、分野により差があります。
論文をまとめてあるデータベースがありますので、それを検索すれば見つかる可能性が高いのですが、その方法の良し悪しで結果も違ってきます。
なお国会図書館は論文だけでなく日本のすべての出版物を網羅していますので、その検索法は習熟しておいた方が良いようです。
学術分野だけでなく広い範囲を見るには書籍として販売されたものを見ていく必要がありますが、これも国会図書館が力になりそうです。
ただし、あまりにも範囲が広いので効果的な検索法を使わなければ目的とするものにたどり着くのが難しい場合もありそうです。
また「図書館にない資料」というものも数多くありますので、これもそういった事例を考慮して進める必要があります。
本書後半では、こういった「資料探し」ではなく、自分自身でおこなう「フィールドワーク」についても解説されています。
文献資料はあくまでも他人が実施して文章にしたものであり、それで十分とは言えない場合があります。
そういった時には自分自身で現場に赴き対象を見ていく必要があります。
これについても、対象とすべき人や事物の選び方、聞き取りの基本、そしてメモの取り方からそれで得られたデータの整理法といったところまで詳しく解説されています。
調査して整理し発表するという、社会科学的な研究の基本姿勢というものを教えてくれるものでした。
これからそういった学術分野を目指す人には非常に大きな参考になる内容でしょう。